認識力を高める授業 読みの解像度を上げるメカニズム

  • 大学生
  • 専門
  • 一般
著者名
佐藤 佐敏
判型
A5
ページ数
160頁
ISBN
978-4-385-36081-2

どのように人は文字記号を理解していくのか

「文章を正確に読み取りましょう」
「でも、どうやって……?」

文字記号を脳内で映像化する「認識力」を高めることにフォーカスした国語の授業づくりを、理論と実践の両面から追究した一冊。
前作『思考力を高める授業 作品を解釈するメカニズム』に引き続き、わかりやすく取り組みやすい授業提案が満載。

「理論編」では、言語学の知見や他教科の先行実践などを用いて、国語で使える「読みの解像度を上げる」方法論を整理・解説する。

「実践編」では、「理論編」で示した方法論を実践に落とし込んだ例を、豊富な図版と児童・生徒反応例とともに紹介する。

【実践編で取り上げる授業の例】
▷「トロッコ」(芥川龍之介)で、良平がたどった道筋を絵巻物にしてみよう。
▶「少年の日の思い出」(ヘルマン・ヘッセ)の登場人物を演じて、クラスメイトからの質問に答えよう(ホット・シーティング)。
▷「大造じいさんとがん」(椋鳩十)を「色」に着目して読み、登場人物の心情や描写の意味を読み取ろう。
▶「たぬきの糸車」(岸なみ)の登場人物の心情を吹き出しの中に書き込もう。   
   など授業実践例を全12本収録!

目次

序章
1 文字記号の映像化
2 私たちは理解していない

第1章 理論編 読みの解像度を上げる理論と方法
1 『一般言語学講義』(F・D・ソシュール)──思考を言語化するということ──
2 一般意味論(A・コージブスキー)──言葉の「概念」と言葉の「階層化・差異化」──
3 認識の仕方を学ぶ授業──文章の映像化の解像度を上げる──
4 認識の仕方を学ぶ方法論──読みの解像度を上げる方法論──
5 読みの解像度を上げる授業の解説──「朝のリレー」(谷川俊太郎)から──

第2章 実践編 読みの解像度を上げる授業の実際
方法① 音読のネーミング 「名前を見てちょうだい」(あまんきみこ)から
方法② 視聴覚教材の提示 「馬のおもちゃの作り方」(宮本えつよし)から
方法③ 図示化 「トロッコ」(芥川龍之介)から
方法④ 劇化 「少年の日の思い出」(H・ヘッセ)から
方法⑤ 五感の活用 芭蕉の推敲過程を分析する
方法⑥ 学習課題ア 「対比」「仮定」 「ジーンズ」(高橋順子)から
    学習課題イ 「最適解(一番はどれか)」 「ちいちゃんのかげおくり」
    (あまんきみこ)から
    学習課題ウ 「色」の描写への着目 「大造じいさんとがん」(椋鳩十)から
    学習課題エ 修飾や形容への着目 「走れメロス」(太宰治)から
方法⑦ 吹き出し法 「たぬきの糸車」(岸なみ)から
方法⑧ 手紙を書く活動 「かさこじぞう」(岩崎京子)から
方法⑨ 作者情報と平行読書 「やまなし」(宮沢賢治)から 

終章

教材一覧

著者紹介

新潟大学大学院現代社会文化研究科博士後期課程修了。
博士(教育学)。
新潟県内の中学校、新潟大学教育人間科学部附属中学校教諭等を経て、現在は福島大学人間発達文化学類教授。専門は国語科教育学。日本教育実践学会理事。実践に役立つ授業理論の構築を目指している。
三省堂中学校国語教科書『現代の国語』編集委員。


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  • 2024年10月21日発行
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