ことばは人を育て、未来をきりひらく知の源です。三省堂はことばをみつめて135年 サイトマップお問い合わせプライバシーポリシー
三省堂 SANSEIDOトップページ 三省堂WebShop辞書総合サイト Wrod-Wise Web教科書総合サイト ことばと教科
辞書教科書電子出版六法・法律書一般書参考書教材オンラインサービス
書名検索漢字かな著者名検索漢字かな詳細検索
新刊・近刊案内
メディアでの紹介
本の注文
書店様専用
大学向けテキスト
卒業記念
名入れ辞書
品切れのご案内
「ぶっくれっと」アーカイブ
会社案内
採用情報
謹告
三省堂印刷
三省堂書店へ
三省堂書店はこちら
声に出して読めない日本語。
「ほぼ日刊イトイ新聞」
(『大辞林』タイアップ・サイト)
  世界の選挙制度

法律書ジャンル別案内


世界の選挙制度

大林啓吾・白水隆 編著

2,600円 A5判 256頁 978-4-385-32110-3

日本の選挙制度は、一票の較差の問題など様々な課題が山積しているが、遅々として改革が進まない。そもそも日本の制度は諸外国と比べてどうなのか?その問いに答えるべく気鋭の学者が各国の制度を解説する。

はしがき   目 次   編著者・執筆者紹介
本文見本ページ(PDF)

2018年3月10日 発行




はしがき

 今、選挙が注目されている。というのも、21世紀に入り、世界ではインパクトの強い選挙結果が散見されるからである。特に2016年は大荒れ模様だった。2016年5月のフィリピン大統領選挙では、強硬な麻薬撲滅運動を推進するドゥテルテ氏が前大統領の指名候補者を破って当選した。翌月にはイギリスでEU 離脱の是非を問う国民投票が行われた。ある程度予想はされていたものの、イギリス国民は離脱の選択をした。欧州の大国がEU 離脱の道を選んだことは世界に大きな衝撃を与えた。そして、極めつけは2016年11月のアメリカ大統領選挙である。大方の予想を覆す形でトランプ氏が大統領に当選し、世界的なビッグニュースとなった。

 日本でも選挙が政治に大きなうねりをもたらしている。2009年に政権交代が実現したものの、その後 1年ごとに首相が交代し、さらにねじれ国会によって政局が安定しない時代が続いた。こうした状況は自民党政治に戻ってからも続いたが、2012年以降は安倍政権による一強政治が登場するなど、政治のゆくえは予断を許さない状況が続いている。また、2017年10月に行われた衆議院議員選挙後の政治情勢を見ると、与党が憲法改正に必要な議席数(3 分の2)を維持しており、憲法改正の問題からも目が離せない。

 このように、選挙が政治に安定と変化をもたらしているわけであるが、その結果は選挙制度によって大きく左右されることを見逃してはならない。たとえば、2016年のアメリカ大統領選挙ではトランプ氏は得票数ではヒラリー氏に負けていたが、選挙人獲得数で勝利したために当選した。また、日本でも一票の較差の問題(選挙区によって一票の価値が異なること)が継続する中で選挙が行われ、そこで当選した者が国民に選ばれた代表者として政治を行っている。これらはその国の選挙制度によってもたらされることであり、選挙制度がわからなければこうした状況や結果を十分理解できない。

 選挙では、自分たちの代表を選ぶ以上、選挙制度を知る必要があることは言うまでもないが、その制度が最善とは限らないため、外国の選挙制度についても理解し、良い点や悪い点を知っておくことは重要である。実際、日本では、シルバーデモクラシー(高齢者の意見が反映されやすい政治)や一票の較差など様々な問題が山積しており、選挙制度改革の必要性が叫ばれている。2015年の公職選挙法改正により選挙権年齢が18歳に引き下げられ、定数不均衡の是正案も出されているが、これがどのように影響していくのかを考える際にも、世界の選挙制度が参考になるだろう。

 そこで、本書では日本を含む主要国の選挙制度を解説することにした。世界の選挙制度は思った以上に複雑であり、ある程度専門的知識がないと正確な解説ができない。そのため、本書では、各国の法制度に詳しい先生方に執筆をお願いし、正確な説明を心がけながらも、できるだけわかりやすく解説してもらうことにした。多くの人が本書を手に取って、選挙制度の知識を身につけて頂ければ幸いである。

 最後に、執筆を快諾して下さった先生方、そして、図表の取り纏めなどにご尽力下さった三省堂六法・法律書編集室の黒田也靖氏に感謝申し上げる。なお、編集に際して、本書の執筆者でもある、山本健人氏及び吉川智志氏にご協力頂いた。重ねて、お礼申し上げる。

2017年11月

編 者




目  次

はしがき

アメリカ

はじめに  2

I 概要  2

1 統治システム  2

2 選挙制度の概要  3

3 アメリカの選挙制度の特徴  5

4 選挙権(投票権)の歴史  7

II 大統領選挙の特徴と具体的制度  10

1 政 党  11

2 予備選挙  12

3 本選挙  16

コラム ブッシュ対ゴア  20

III 連邦議会選挙の特徴と具体的制度  21

1 連邦下院  21

2 連邦上院  23

IV 最近の動向  24

1 2002 年投票支援法の制定  24

2 投票権法4条(b)に対する違憲判決  25

イギリス

はじめに  28

I 概要  28

1 統治システム  28

2 統治システムと選挙  29

3 選挙制度の特徴  33

4 選挙制度の歴史  35

5 選挙規制  36

II 選挙制度の特徴  36

1 国会(庶民院)の選挙制度  37

2 各地域議会の選挙制度  40

3 イングランド・ウェイルズ地方議会選挙  44

III レファレンダム(住民投票、国民投票)の特徴  47

IV 最近の動向  49

コラム イギリスにおける欧州議会の選挙制度  50

ドイツ

はじめに  56

I 概要  56

1 統治システム  56

2 選挙制度の概要  57

3 (被)選挙権・選挙制度の歴史  58

コラム ドイツ民主共和国(東ドイツ)の選挙制度  63

4 選挙規制  63

II 「併用制」の特徴とその他の機関の選出  65

1 併用制の選挙制度・選挙方法の特徴  65

2 連邦大統領・連邦参議院・連邦首相について  67

III  連邦議会の選挙制度
   ── 小選挙区比例代表併用制の具体的仕組み  68

1 第2票による各政党への議席配分  68

2 第2票と第1票の関係  69

3 併用制を図で考えてみよう  71

IV  併用制の最近の動向、「一票の較差」、ラント議会の
  選挙制度、そして欧州議会の選挙制度について  73

1 「併用制」に対する近年の制度改正  73

2 連邦議会議員選挙における「一票の較差」  74

3 ラントの選挙制度について  74

4 欧州議会議員選挙について  75

フランス

はじめに  78

I 概要  78

1 統治システム  78

2 選挙制度の概要  79

3 被選挙権・選挙制度の歴史  80

4 選挙規制  81

II 特徴  82

1 選挙制度の特徴  82

2 選挙方法の特徴  83

3 対象分野の設定  84

III 具体的制度  85

1 大統領選挙  85

2 元老院(上院)選挙  87

コラム[1]  フランスの市町村について  89

3 国民議会(下院)選挙  89

コラム[2]  市町村議会議員選挙  92

IV 最近の動向  93

1 選挙制度改革  93

2 パリテの推進  93

3 一票の格差  95

イタリア

はじめに  98

I 概要  98

1 統治システム  98

2 選挙制度の概要  99

コラム[1]  大統領任命議員とは?  100

3 選挙権及び選挙制度の歴史  100

コラム[2]  2種類の国民投票  102

4 選挙規制  104

コラム[3]  国会議員の懐具合  106

II 特徴  107

1 選挙制度の特徴  107

2 一票の較差  110

III 具体的制度  110

1 下院選挙制度  110

コラム[4]  投票率と義務投票 116

2 上院選挙  117

3 州議会選挙  119

コラム[5]  地方団体議会選挙等における潮流  121

IV 最近の動向  121

カナダ

はじめに  124

I 概要  125

1 統治システム  125

コラム[1]  カナダの憲法  125

2 選挙制度の概要  126

3 選挙制度の歴史/選挙権及び被選挙権  128

4 選挙規制  129

II 特徴  130

1 選挙制度の特徴  130

コラム[2]  州議会  131

2 先住民の選挙  131

III 具体的制度  133

1 選挙方法  133

2 供託金  134

3 選挙区割り  135

4 投票率  135

IV 最近の動向  136

1 上院の位置づけ  136

2 トルドー政権  137

コラム[3]  ケベック州におけるレファレンダム  138

オーストラリア

はじめに  140

I 概要  140

1 統治システムの概要  140

2 選挙制度の概要  143

3 オーストラリアの選挙の歴史  144

II 特徴  146

1 選挙権と被選挙権  146

コラム 黙示の権利としての政治的表現の自由  147

2 顕著な特徴  147

3 郵便投票等の充実  148

III 具体的制度  149

1 「義務投票」制度  149

2 連邦議会選挙  151

3 オーストラリア選挙委員会による選挙区割り  157

4 選挙運動規制と政治的表現の自由  158

5 政治資金の規正  161

6 政党の役割  162

IV 最近の動向  163

中国

はじめに ── 中国に選挙なんてあるの?  166

I 概要 ── 人民代表大会制度と中国共産党の指導  167

1 人民主権と「民主集中制の原則」  167

2 人民代表大会制度  169

3 中国共産党の指導  173

II 選挙権、選挙制度、選挙方法の特徴  174

1 選挙の原則と実際  174

2 公民が直接に選挙できる範囲  177

III 人民代表大会代表の選挙 ── 特徴と具体的制度  178

1 直接選挙と間接選挙の併用  178

2 代表定数の配分  179

3 代表候補者の選抜と代表の選出  181

IV  共産党による選挙のコントロール
── 最近の動向にかえて  185

コラム 台湾(中華民国)の選挙制度  186

韓国

はじめに  190

I 概要  190

1 統治システム  190

2 選挙権と被選挙権  193

3 選挙運動期間について  196

II 特徴  197

1 民主化以前の選挙制度の変遷  197

2 地域対立  199

3 大統領選挙の得票率の低さ  199

III 具体的制度  200

1 国政選挙  200

2 地方選挙  204

コラム 地方自治と「以北五道」  205

IV 最近の動向  209

1 議員定数不均衡の問題について  209

2 朴槿恵前大統領の弾劾罷免について  209

日本

はじめに  212

I 概要  212

1 統治システム  212

2 選挙制度の概要  214

3 (被)選挙権/選挙制度の歴史  215

4 選挙運動規制  216

II 特徴  219

1 選挙制度の特徴  219

コラム[1]  在外選挙制度  223

2 選挙方法の特徴  224

コラム[2]  同一氏名候補者の扱い  225

コラム[3]  シルバー民主主義と若年層の無関心  226

III 具体的制度  227

1 衆議院議員総選挙  227

2 参議院議員通常選挙  229

3 地方選挙  230

IV 最近の動向  231

1 政党本位の選挙制度改革  231

2 政権選択と一票の較差  232

資料  233

事項索引  238



編著者・執筆者紹介

<編著者>

大林 啓吾(おおばやし けいご) アメリカ担当

千葉大学大学院専門法務研究科准教授

白水 隆(しろうず たかし) カナダ担当

帝京大学法学部講師

<執筆者>(執筆順)

吉川 智志(よしかわ ともし) アメリカ担当

慶應義塾大学法学研究科助教(有期・研究奨励)

岩切 大地(いわきり だいち) イギリス担当

立正大学法学部教授

山本 真敬(やまもと まさひろ) ドイツ担当

下関市立大学経済学部講師

岩垣 真人(いわがき まさと) フランス担当

沖縄大学法経学部講師

芦田 淳(あしだ じゅん) イタリア担当

国立国会図書館調査及び立法考査局主査

山本 健人(やまもと けんと) オーストラリア担当

日本学術振興会特別研究員

石塚 迅(いしづか じん) 中国担当

山梨大学生命環境学部准教授

水島 玲央(みずしま れお) 韓国担当

早稲田大学比較法研究所助手

岡田 順太(おかだ じゅんた) 日本担当

白鷗大学法学部教授



このページのトップへ