【内容紹介】 >>> 書籍個別ページに戻る
  『新解説世界憲法集』改正法情報 (2008年9月30日現在)

ロシア連邦

第65条〔連邦の構成主体〕

  ①   ロシア連邦に含まれるのは、次のロシア連邦の構成主体である。
 アドィゲイヤ共和国(アドィゲイヤ)、アルタイ共和国、バシコルトスタン共和国、ブリヤーティア共和国、ダゲスタン共和国、イングーシェティア共和国、カバルダ・バルカル共和国、カルムィキア共和国、カラチャイ・チェルケス共和国、カレリア共和国、 コミ共和国、マリー・エル共和国、モルドヴィア共和国、サハ共和国(ヤクーティア)、 北オセティア共和国 ── アラニヤ、タタルスタン共和国(タタルスタン)、トゥヴァ共和国、 ウドムルティア共和国、ハカシア共和国、チェチニャ共和国、チュヴァシ共和国 ── チュヴァシア
 アルタイ地方[クライ]、ザバイカリエ地方、カムチャツカ地方、クラスノダール地方、 クラスノヤルスク地方、ペルミ地方、プリモーリエ地方、スタヴローポリ地方、ハバロフスク地方
 アムール州、アルハンゲリスク州、アストラハン州、ベルゴロド州、ブリャンスク州、ウラジーミル州、ヴォルゴグラード州、ヴォログダ州、ヴォロネジ州、イヴァノヴォ州、イルクーツク州、カリーニングラード州、カルーガ州、ケメロヴォ州、キーロフ州、コストロマ州、クルガン州、クールスク州、レニングラード州、リペツク州、マガダン州、モスクワ州、ムルマンスク州、ニジニ・ノブゴロド州、ノヴゴロド州、ノヴォシビルスク州、オムスク州、オレンブルグ州、オリョール州、ペンザ州、ペルミ州、プスコフ州、ロストフ州、リャザン州、サマーラ州、サラトフ州、サハリン州、スヴェルドロフスク州、スモレンスク州、タンボフ州、トゥヴェーリ州、トムスク州、トゥーラ州、チュメニ州、ウリヤノフスク州、チェリャービンスク州、ヤロスラーヴリ州
 モスクワ市、サンクト・ペテルブルグ市 ── 連邦的意義を有する市  ユダヤ自治州
  ネネツ自治管区、ハントゥイ・マンシー自治管区 ── ユグラ、チュコトカ自治管区、ヤ  マロ・ネネツ自治管区
  ②   ロシア連邦への加入および新しい構成主体の形成は、連邦の憲法法律の定める手続によってこれを行う。

[訳者注記改定版

現在、ロシアでは自治管区の州や地方への再編統合が進み、連邦構成主体の構成が大きく変化している。そこで、訳者注記を全面的に改定し、本書刊行後の動向をフォローアップしておきたい。解説本文と憲法テキスト翻訳の見直しは、次の機会にまわすこととするが、構成主体の構成および名称の表記については、翻訳テキストについても一部変更した。

  1.   93年憲法は、第65条に関する改正について特別の規定を定めており(後述)、これまで構成主体の名称変更に伴うもの、構成主体の再編統合に伴うものにつき、数度の改定がなされている。
 
(1)  構成主体の名称変更に関するもの(日付はそれぞれ大統領令の交付日)
 
①   (旧)イングーシ共和国 →(現)イングーシェティア共和国、(旧)北オセティア共和国 →(現)北オセティア共和国 ── アラリヤ(1996.1.9)
②   (旧)カルムィキア共和国 ── ハルムク・タングチ →(現)カルムィキア共和国(1996.2.10)
③   (旧)チュヴァシ共和国 ── チャヴァシ共和国 →(現)チュヴァシ共和国 ── チュヴァシア(2001.6.9)
④   (旧)ハントゥイ・マンシー自治管区→(現)ハントゥイ・マンシー自治管区 ── ユグラ(2003.7.25)
(2)  自治管区の州・地方への再編統合に伴うもの
 2001年12月に新しい連邦構成主体の編入および形成に関する憲法法律が制定(11月30日国家会議採択、12月17日大統領公布)され、2004年以降のプーチン大統領の再集権化策が強化される中、自治管区の地方や州への統合が進められている。まず2004年3月にペルミ州とコミ・ペルミャーク自治管区が統合して新しい構成主体を形成することについての憲法法律が制定され、05年12月1日から新たにペルミ地方として連邦の構成主体になることとなった。
  また、05年10月にはタイムィル(ドルガノ・ネネツ)自治管区とエヴェンク自治管区が07年1月からクラスノヤルスク地方に統合することを決め(この件に関する憲法法律の制定は05年10月)、コリャーク自治管区がカムチャツカ州へ統合することが2006年7月に憲法法律で確認され、カムチャツカ州はこれを機にカムチャツカ地方へと改称した。
 さらに、ウスチ・オルダ・コリャーク自治管区がイルクーツク州へ統合することを2006年12月にそれぞれ憲法法律で承認し、さらに2007年7月にはアガ・ブリャート自治管区のチタ州との統合に関する憲法法律が成立し、これに伴いチタ州はザバイカリエ地方と改名した。
 こうして、93年憲法制定時に10あった自治管区は現在4つになり、州と自治管区の統合により、地方へと改編・改称されたところが3つになったため、連邦構成主体の全体は83となり、その内訳は、共和国21、地方9、州46、連邦的意義を有する都市2、自治州1、自治管区4ということになった。
 なお、4つの自治管区のうち、チュコトカ自治管区は、1992年までマガダン州に帰属していたが、この年に直接ロシア連邦を構成する主体として「自立」しており、ほかの3つは、ネネツ自治管区がアルハンゲリスク州に、ハントゥイ・マンシー自治管区 ── ユグラとヤマロ・ネネツ自治管区の2つがチュメニ州にそれぞれ帰属している。
      
  2.   上記の2点に関連して、憲法改正の特例としての第65条の改正について若干補足しておこう。
 憲法は、ロシア連邦への加入、連邦構成主体の新たな形成や名称変更などに関連して、連邦の構成を定める第65条の改正についての特例を定めている。現行憲法は、これまで幾度かにわたって改正論議が議会などでも行われてきたが、結果的には改憲はなされないままにきている。しかし、この65条にかかわる137条改正は何度もなされてきた。イングーシ共和国がイングーシェティア共和国へと改名するといったような構成主体の名称変更に伴うものは、当該構成主体における決定に基づき、自動的に改正され、大統領令をもって形式的に公示されることになっている。
 加えて、連邦構成主体の形成等にかかわる憲法法律を介して、憲法改正がなされる。それが前記 1.の(2)で示した構成主体の統合等の結果に伴うものである。これらの憲法法律にしたがい、実際に憲法改正がなされると、ロシアの連邦の数的構成にも変更が生じ、併せて連邦議会の上院の議員定数も変わることになる。ただし、実際に憲法のテキストに変更が書き込まれるのは、テキスト変更の手続がなされるときとなっており、現時点ではこの手続はとられていない。しかし、実際には、上院の構成はすでに83の構成主 体を前提に議席が配分され、議会運営がなされるなどしている。
      
  3.   この訳者注記の改定を機会に、第65条に定める連邦構成主体の名称の表記を一部変更しておきたい。あわせて、正式には憲法テキストの変更はまだなされていないが、65条そのものを現段階の構成主体の編成の実態にあわせて、第65条そのものを改定後の形に変更しておくこととする。
 脱字・誤表記等にかかわって、変更したものは以下の構成主体の表記である。
 アドィゲヤ → アドィゲイヤ、北オセティア共和国 → 北オセティア共和国 ── アラニヤ、ヴラジーミル州 → ウラジーミル州、ニジェゴロド州 → ニジニ・ノブゴロド州、タイムィル(ドルガン・ネネツ)自治管区 → タイムィル(ドルガノ・ネネツ)自治管区
      
  4.   参考資料
 08年11月に、この年春に新たに大統領に就任したメドヴェージェフ大統領は、大統領の任期延長ほかの4か条にわたる憲法改正案を下院(国家会議)にたいして提案した(2008.11.11)。その意図や評価はいまのところあまり明確ではないが、改正が実現すれば、大統領は6年任期となり、今以上に強力なイニシャティヴを発揮できることになり、かなり大きな意味をもつものなりそうである。あわせて、議会の政府にたいする監督機能を強める形でバランスをとっている。そこで、この憲法改正は、国家会議の採択後、連邦構成主体の3分の2以上の同意を得た後に施行されることになる、という性格のものではあるが、参考資料として、以下に改正案を紹介しておくこととする。   
      
     <81条1項の改正案>(下線部が改正案)
 
   ロシア連邦大統領は、6年任期で、ロシア連邦の市民によって普通、平等および直接の選挙権に基づき秘密投票でこれを選挙する。
     <96条1項の改正案>(下線部が改正案)
 
   国家会議は、5年任期でこれを選挙する。
     <103条1項の改正案>
 (新たな2号を加え、以下順に号番号を繰り下げる)
 
 2   国家会議の決定した問題を含め、ロシア連邦政府の活動の結果に関するその年次報告  の聴聞
     <114条1項1号の改正案>(下線部の追加)
 
   連邦予算を編成し、これを国家会議に提案し、その執行を保障し、国家会議に連邦予  算の執行に関する報告(決算報告)を行い、国家会議の決定した問題を含め、国家会議に政府の活動の結果に関する年次報告を行い

>>> ページトップに戻る   >>> 書籍ページに戻る