新 芭蕉講座
全9巻

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セット価格 145,631円  978-4-385-30148-X 各菊判 本製・箱入り (品切)

芭蕉の発句・連句・俳論・紀行文・書簡・俳文などの全領域にわたり,代表的な作品・資料を網羅し,懇切な注釈,創意あふれる評論を試みた芭蕉研究の集大成。長年の研究成果を反映し,新しく発見された句や書簡などを追補,年譜や研究書目等もいっそう充実させ,解説部分を新字体・現代かな遣いに改めた。現代の芭蕉研究家・俳句愛好家の期待に応える決定版新講座。

1995年 8月 1日 発行

 新編 芭蕉大成 (品切)

 芭蕉ハンドブック


著者一覧

新 芭蕉講座 芭蕉講座(初版、改訂版)
 尾形 仂
(元成城大学教授)
 今 栄蔵
(元中央大学教授)
 玉城 司
(清泉女学院大学助教授)
 久富 哲雄
(鶴見大学女子短期大学部教授)
 矢島 房利
(「寒雷」編集長)
 石田 元季
 市橋 鐸
 潁原 退蔵
 荻野 清
 加藤 楸邨
 小宮 豊隆
 志田 義秀
 杉浦 正一郎
 能勢 朝次
 樋口 功
 山崎 喜好
 横沢 三郎


●全巻の構成

第一巻 発句篇[上]

潁原退蔵・加藤楸邨・矢島房利 著
550頁
総説/寛文時代・延宝時代・天和時代・貞享時代
評釈/寛文年代・廷宝年代・天和年代・貞享年代

第二巻 発句篇[中]

潁原退蔵・加藤楸邨・矢島房利 著
574頁
総説/元禄時代(下)
評釈/元禄年代(四年〜七年)附録−芭焦年譜

第三巻 発句篇[下]

潁原退蔵・加藤楸邨・矢島房利・今 栄蔵・玉城 司 著
566頁
総説/元禄時代(下)
評釈/元禄年代(四年〜七年)附録−芭焦年譜

*芭蕉の年代的にみられる著しい変化・相違の特質をより捉えやすくするために、句を年代別に配列。第一巻から第三巻までに1000句を収録。【釈】で、各句の句形、発句の年代を示し、語釈・参考文を豊富に記載。【句意】の解説のほか、【評】で、句の発想契機や、芭蕉の交友を含めた発句への影響等を解説。また、とりあげた句および異形句に年代順の句番号を付した。

第四巻 連句篇[上]

潁原退蔵・山崎喜好 著
378頁
総説−芭蕉の連句論/評釈 河豚汁の巻(江戸三吟)・花にうき世の巻(虚栗)・木枯の巻・時雨の巻・炭売の巻・霜月の巻(冬の日)・海暮れての巻(皺筥物語)・何とはなしにの巻(熱田三歌仙)・初懐紙

第五巻 連句篇[下]

樋口 功・杉浦正一郎 著
446頁
評釈 雁がねの巻(廣野)・株負、ふの巻(一稟集丁木の下にの巻(ひさご丁鳶の羽の巻・市中の巻・灰汁桶の巻・梅若菜の巻(猿蓑)・青くてもの巻(探川集)・け、ふばかりの巻(韻峯)・芹悦やの巻(都懐紙丁蛭子講の巻(炭俵)・椋蓑にの巻(続績責)・梅が杏の巻(炭俵)・八九間の巻(続椋蓑)・空豆の巻〇灰俵)・桃ちかきの巻(烏の道)・升買ての巻(住吉物語)

* 蘇風連句の特質を各歌仙に例をとり具体的に解説。中でも、芭蕉独自の句附けについて、また初期作品からの相違点など詳しく記述。延宝五年から元禄七年までの二六巻の各連句の発句、脇、第三=…・と、順を追って解釈を施し、素材、語彙等まで詳細に解説。

第六巻 俳論篇

小宮豊隆・能勢朝次 著
378頁
総説/評釈  一、結論篇 風雅道 俳譜への身構え 不易流行 軽味 門人への指導ぶり
  二、連句篇 式目の事 一巻の運び 附合の心法
  三、発句篇 発句一般 句毎の指導

* 風雅への求道精神から門人への指導ぶりまでの絶論欝と、達句の作法、附合の心法および発句一般、句毎の指導とに分けて俳論を解説。

第七巻 書簡篇

今 栄蔵 著
502頁
総説/評注/あとがき

* 執筆年代、執筆の場所、受信者および発信者と芭蘇との開わり及び作品への影響等を解説。廷宝九年五月一五日付高山伝右衛門(築埼)宛の書簡にはじまり、元禄七年一〇月一〇日の芭蕉の遺言状まで、芭蕉の全書簡二一丘通の内容を合め、詳細に評注。

第八巻 紀行文篇

小宮豊隆・横沢三郎・尾形 仂 著
366頁
総説/芭蕉紀行文一覧/評釈 例言 甲子吟行 鹿島詣 笈の小文 更科紀行 奥の細道 附録1奥の細道曽良馳行日記

* 著名を「奥の細道」他、四旨の紀行文について、芭蕉の旅の本質及び妃行文の基調などを解明し、一覧において、別名、収載書名、旅の年代と紀行戌立年代、旅の同行者・旅の道順大略など詳説。

第九巻 俳文篇

石田元季・市橋 鐸・杉浦正一郎・久富哲雄 著
654頁
総説/評釈 貝おほひ序 常般皿屋句合扱 伊勢紀行の放 雪丸げ 閑居哉 蓑虫説扱 伊賀新大仏之記 十入按記 銀河序 妖貪記 幻住庵記 四條の納涼 卒都婆小町讃 楢去之弁 芭蕉を移す詞 憎尊吟鰻別之辞 柴門辞 送許六詞 閉開之説 悼嵐蘭詞 東順博 渋笠銘 阿弥陀坊

* 寛文一二年の「貝おほひ序」にはじまる二三篇の俳文について丹念に読み解き、芭蕉の深意・心境を懇切に解説。


●『新 芭蕉講座』の刊行にあたって

 『芭蕉講座』全九巻の旧版は昭和十七年十一月に発刊され、九年後の昭和二十六年十月に完結した。大戦末期から戦後の混乱期にかけて、人々が銃を執り、鍬を手にし、餓死線上をさまよいながら、必死に生き抜こうとしていた時代である。

 そんな時代に、この大きな仕事が完成されたことを思うと、驚嘆にたえない。おそらく、日本人の心のよりどころとして芭蕉を語り継ぐことが今の時代を生きる者の責務といった研究者や出版社の思いが、この大事業を完成させたのだろう。潁原退蔵・加藤楸邨以下、空前絶後ともいうべき充実した執筆陣の顔触れも、時代と人との奇しき出合いを思わせる。

 その意味でこの講座の内容は、戦中・戦後の画期というべき一つの時代が、芭蕉をどう受け止めたかを語る証言として、永遠不滅の勝ちをもっている。戦後の芭蕉研究は、本講座を出発点として資料面で著しい進展をとげたが、作品鑑賞の面で、本講座に相当する綜合的成果の結果を見るに至っていない。

 旧版の執筆者がすべて故人となった今、『新 芭蕉講座』を刊行するにあたっては、先人の総説や評釈は、これを作品として尊重するとともに、資料面については現下学界の水準に照らして可能なかぎり補訂を加え、新しい読者の要望にそえるように努めた。元来資料としての性格の濃い書簡篇を、新たに書きおろしをもって代えたのも、その一つである。

 この講座が、旧版当時とは違った意味での混迷の時代の、新しい心のよりどころとなればと思う。

尾形 仂

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