確定申告
―節税のすすめ

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井上隆司 著

1,500円 A5 224頁 978-4-385-32148-X 品切

NHK番組「土曜オアシス」に出演している筆者が、約半年間でNHKに寄せられた視聴者からの質問に関連した事項と解説を加えて、書き下ろした実用書。住宅ローン控除など、確定申告に必携の書。

2001年2月5日 発行

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【は じ め に】

 お金は稼げば所得税や住民税、お金を使えば消費税というように、お金の動くところ、必ず税金がついて回ります。しかし、納税者にはそれぞれ個別の事情があり、一方的に所得税などを徴収されたのではたまりません。そのため、現在の税制は自己申告制度(確定申告)を基本としています。

 サラリーマンは年末調整で所得控除や税額控除などがされるので「確定申告は関係ない」と思っている人も多いことでしょう。ところが、サラリーマンであっても、多くの医療費を支出したり、住宅ローンでマイホームを建てたときなどには、確定申告をするだけで、すでに納めた税金の全部、または一部が戻ってくるケースも少なくないのです。

 課税の仕組みや税法上の特典を知っているかいないかで、税負担に大きな差がつきます。私事になりますが、ここ20年来、税金に関する執筆や講演活動を続けてきました。本や講演の中で、私が強調してきたこと、今なお力説していることはただひとつ、「ちょっと税法の勉強をすれば税金は安くなる」ということです。実際、課税の仕組みや税法上の特典を知らないばかりに、納めなくてもよい税金を納めていたり、あるいは納めすぎている例を長い税理士生活を通していやになるほど見てきました。

 税制の基本は自己申告制度ですから、税法で認められている方法や特典は納税者が積極的に活用することによってのみ、具体的な節税効果が現れてきます。会社まかせにして黙っていたら、情け容赦なく税金を取られてしまいます。納税の手続きを源泉徴収と年末調整だけにまかせていてはいけません。とかく「税金は取られるものだ」と思い込んでしまいがちですが、あくまでも納税者自身の意思で納めるものなのです。

 超低金利時代の現在、不要不急の出費をできるだけ抑えることが大切であり、税金も例外ではありません。たとえ1円でも、納めなくてもよい税金は納めないという発想と決意が現在の蓄財法の第一歩といえます。

 納税が憲法に定められた国民の義務だとすれば、節税は国民の権利なのです。その節税に少しでも役立つように、本書では、医療費控除や住宅ローン控除(住宅借入金等特別税額控除)を中心に、控除の対象となるもの、控除の対象とはならないものなどをQ&A方式で紹介しています。また、実例134問の中には「ここが節税ポイント」も載せてあります。これまで申告をしたことがない人でも、確定申告をすれば、税金が戻ってくる人はたくさんいるはずです。確定申告をする前に、本書を手に取って頂ければ幸いです。

   平成12年12月                        井上隆司


【目    次】
第1章 医療費控除はいっぱいある!
Q1・医療費控除の対象となるものは何?           14

Q2・20万円の医療費を支払った場合は?           18

Q3・薬局で買った風邪薬は控除できる?           20

Q4・人間ドックの費用は控除の対象になる?           21

Q5・妊娠してから出産までの定期検診や分娩費用は?       22

Q6・医師のすすめで出かけた温泉での治療は?         23

Q7・湯治に出かけたときの費用は?               24

Q8・医師の指示で通ったフィットネスクラブの費用は?     25

Q9・緊急入院のため個室を使用した差額ベッド代は?       26

Q10・急を要する場合のタクシーの利用料金は?        27

Q11・マイカーのガソリン代や駐車料金は?            28

Q12・通院のため隣人の車に乗せてもらった場合は?        29

Q13・夫が入院中、看病のための妻の食事代や交通費は?    30

Q14・マッサージの費用は控除の対象になる?          31

Q15・子どもの歯列矯正費用は控除の対象になる?      32

Q16・看病のために頼んだ付き添い人の費用は?        33

Q17・医師たちへの謝礼や診断書の作成費用は?        34

Q18・カイロプラクティクの費用はどうなる?          35

Q19・出産のために実家へ帰る旅費は?            36

Q20・寝たきりの人のおむつ代は控除の対象となる?        37

Q21・3年前の病院の領収書が見つかった場合は?      38

Q22・支払った額よりも給付金のほうが多い場合は?        39

Q23・病気のせいで髪が抜けて、かつらを購入したら?      40

Q24・勤務先からの出産手当金は保険金等に相当する?      41

Q25・ひとり暮らしの母親の医療費は?            42

Q26・松葉杖を購入した費用は控除の対象になる?      43

Q27・注射器の購入費用は控除を受けられる?          44

Q28・療養のための電動ベッドやマットレスは?        45

Q29・コンタクトレンズの購入代金は?            46

Q30・二世帯住宅で息子が入院費を半額負担した場合は?    48

Q31・借金して払った治療費は控除の対象になる?      49

Q32・姉の子どもの医療費を支払った場合は?           50

Q33・歯科ローンは医療費控除の対象になる?          51

Q34・高価な材料を使った歯の保険外診療は控除できる?    52

Q35・高血圧治療のための血圧計の購入代金は?         53

Q36・入院のための寝巻き、テレビ代、シーツ代は?        54

Q37・遠距離の病院で治療を受けるための交通費、宿泊代は?55

Q38・領収書がないと控除は受けられない?            56

Q39・美容整形の費用は医療費控除できる?            57

Q40・B型肝炎ワクチン接種の費用は?            58

Q41・海外で病院にかかったときの治療費は?          59

Q42・転勤で海外滞在中の医療費は?              60

Q43・死亡した母親の医療費を相続財産で支払ったら?      61

Q44・妻の扶養家族の治療費を夫が支払った場合は?        62

Q45・妻の入院費を妻名義の預金から支払ったら?      63

Q46・在宅療養の世話の費用は控除できる?            64

Q47・療養中の家事を家政婦に頼んだ場合は?          65

Q48・丸山ワクチンを買った費用は?              66

Q49・入院患者が一時帰宅に使った交通費は?          67

Q50・遠隔地の病院へ通う交通費は?              68

Q51・医療費を補填する保険金とは?              69

Q52・医療費の負担者と保険金の受領者が違う場合は?      70

Q53・入院費の支払いと保険金受け取りの年が違ったら?    71

Q54・娘が結婚前に治した歯の治療費は?                 72

Q55・介護サービスの自己負担額は控除される?           73

Q56・医療費控除を受けたあとに保険金をもらったら?      74

Q57・流産にかかった費用は控除できる?                 75

Q58・大学生の娘にケガの治療費を送金した場合は?        76

Q59・防ダニ寝具の購入費用は控除の対象になる?          77

Q60・小さな子どもの通院に付き添う母親の交通費は?      78

Q61・入院費用の一部を翌年に支払った場合は?            79

Q62・介護老人福祉施設に支払う自己負担額は?            80

Q63・カウンセリングを受けた費用は控除の対象になる?     82
第2章 住宅ローン控除を活用する!
Q64・マイホームの住宅ローン控除を受けるには?      84

Q65・転勤で家を空けるとローン控除はどうなる?      87

Q66・増改築の費用も住宅ローン控除の対象になる?        88

Q67・マンションの共同部分の工事費用はどうなる?        90

Q68・家を購入した途端、転勤で住めない場合は?      92

Q69・海外転勤で住めないときのローン控除は?        94

Q70・家が焼けた場合でもローン控除は受けられる?        96

Q71・確定申告で住宅ローン控除を受けるには?        98

Q72・両親と住んでいた家を息子が取得した場合は?        100

Q73・合計所得金額が3000万円を超えたときは?        101

Q74・底地を買い取ったときの借入金も控除できる?        102

Q75・所有権移転の登記が済んでいない場合は?        103

Q76・社内の共済会から受ける融資は控除の対象になる?    104

Q77・住宅ローン控除の対象になる共済組合とは?      106

Q78・勤務先から低利で住宅借入金を借りた場合は?        107

Q79・住宅ローン控除の対象となる家屋の床面積は?        108

Q80・住宅ローンの借り換えをしても控除の対象になる?    110

Q81・返済の繰り上げや遅延の場合、年末残高の計算は?    111

Q82・退職金で会社からの借入金を返済した場合は?        112

Q83・借入金をまとめて払い返済期間が短くなったら?      113

Q84・夫婦の共有名義でマイホームを購入したときは?      114

Q85・定期借地権付き住宅の保証金も控除できる?          116

Q86・土地は夫の単独、家は夫婦共有の場合の控除は?      118

Q87・2年前に買った土地の借入金は控除の対象になる?    119

Q88・店舗併用住宅の借入金はすべて控除の対象になる?    120

Q89・控除を受けている途中で、返済できないときは?      123

Q90・住宅ローンの返済期間の規定に満たないときは?      124

Q91・購入した家の債務も引き継いだ場合は?          126

Q92・返済額をきちんと決めなくても控除の対象になる?    127

Q93・共有名義の家をその一方が増改築した場合は?        128

Q94・住宅借入金等特別控除を受けられる住宅ローンは?    130

Q95・住宅を取得するための対価に利息は含まれる?        132

Q96・中古住宅の設備工事の代金は控除の対象になる?      133

Q97・住宅借入金等の年末残高の計算明細書は必要?        134

Q98・2年目以降の住宅借入金等特別控除はどうなる?      136

Q99・売却したマイホームに損失が出た場合には?          138
第3章 こんなときには確定申告を!
Q100・マイホームの譲渡所得に対する特例を受けるには?   142

Q101・家を売ったときの軽減税率の特例を受ける条件は?   144

Q102・相続した家を買い換えたときに受けられる特例は?   146

Q103・マイホームの買い換えで受けられる特例とは?       148

Q104・サラリーマンで確定申告が必要な場合は?           150

Q105・中途退職して年末調整を受けていない場合は?       152

Q106・盗難にあった場合の雑損控除とは?         154

Q107・雑損控除と災害減免法。どっちがトク?             156

Q108・ギャンブルの儲けはどうなる?             157

Q109・落とし物を拾った謝礼にも税金がかかる?           158

Q110・クイズ番組で得た賞金に税金はかかる?             159

Q111・サラリーマンのアルバイト収入は申告が必要?       160

Q112・パート収入はどのくらいまでに抑える?             163

Q113・配偶者特別控除を受けるための条件は?             166

Q114・内縁の妻は配偶者控除の対象にならない?           168

Q115・老齢者が受けられる所得控除とは?                 169

Q116・障害者が受けられる所得控除とは?                 170 

Q117・会社からもらった報償金は申告する?               173

Q118・2つの会社から役員報酬を受け取っている場合は?   176

Q119・単身赴任で自宅に戻る費用は控除できる?           178

Q120・共働きの場合の扶養控除はどちらが受けるとトク?   180 

Q121・寄付をしたときのお金は控除の対象になる?         182

Q122・株式の配当を受けたときの課税方法は?             184

Q123・株式の配当で確定申告をしなくてもよい場合は?     186

Q124・株式の配当ではどの課税方法がトクになる?         188 

Q125・建物を取り壊しても特別控除が受けられる?         190

Q126・生命保険の掛け金は控除の対象になる?             191

Q127・火災保険などの損害保険は控除できる?             194

Q128・老齢年金の税金はどのくらいになる?               196

Q129・生命保険の満期保険金にかかる税金は?             198

Q130・自由業の人の必要経費はどこまで認められる?       200

Q131・ゴルフ会員権を売却したときは申告が必要?         202

Q132・自分でかけた個人年金を受け取ったときは?         204 

Q133・グループ買いの宝くじが当たった場合、税金は?     205 

Q134・退職金を受け取ったとき、申告が必要な場合は?     206
確定申告の基礎知識
    所得税の確定申告をする …………………………………………208

    確定申告で税金が還付される場合 ………………………………211

    税金に不足のあるときは修正申告をする ………………………213

    税金を納めすぎたときは更正の請求をする ……………………214

    国税庁の「タックスアンサー」システムを利用する …………216

    国税局税務相談室の連絡先 ………………………………………223

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