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実語教童子教
(じつごきょうどうしきょう)
― 研究と影印 ―

写真

酒井 憲二 編著

19,000円 A5 424頁 978-4-385-35847-X (品切)

1999年 2月1日発行

「山高きが故にたっとからず、樹有るをもってたっとしとす。人肥たるが故にたっとからず、智有るをもってたっとしとす」の一文で始まる「実語教」は平安時代に、そして「弟子七尺を去って 師の影を踏むべからず」などで知られる「童子教」は鎌倉時代に成立して、ともに中世から近代明治までの数百年間 わが国の初等教育書として深く人心に浸染、日本人の教養の基層をなすものであった。

著者の長年にわたる写本・版本の収集と書誌学的・国語学的分析を基にまとめた本書は、日本教育史はもとより国語史・言語生活史・日本思想史などに大いに貢献するであろう。

【著者略歴】

昭和3年 福井県生まれ。福井師範学校・日本大学文学部国文学科(二部)卒業。文学博士。小・中・高校教諭の後、山梨県立女子短期大学・図書館短期大学・図書館情報大学各教授を経て、調布学園短期大学学長。東洋文庫研究員。主著『甲陽軍鑑大成』(本文・索引・研究篇、全四巻)により、第14回「新村出賞」・第4回「やまなし文学賞(研究・評論部門)」を受賞。

【目  次】

・本文…… 実語教 童子教 ・研究…… わが国における実語教の盛行と終焉 実語教童子教の古本について 実語教童子教の語彙 ・影印…… 永和三年写 童子教 明応六年写 実語教童子教 慶長頃 写 童子教注 寛永初年刊 実語教童子教 寛永八年刊 実語教童子教 明治六年刊 英語傍訓 実語教 ・索引…… 実語教童子教語彙索引 研究の部索引



●緒  言

 『下学集』の序文に、童蒙学習書の筆頭に挙げられていることによっても明らかなように、実語教と童子教は、往来物、すなわち中近世を通じて広く長く行われた初等教科書の、なかんずくいわるゆる教訓科往来の代表的な古典の一つである。共に、弘法大師の作という古伝があり、室町期からは二教併せて学ぶ風も生じて幕末期初に及んだ。殊に近世初期、出版の業興ってからは、実に五百種を超える版本の現存が認められる程であるから、その盛行ぶりと諸方面への影響は吾人の想像を遥かに上回るものと思われる。

 しかしながらその研究は余りはかばかしくなく、戦前における川瀬一馬博士「実語教・童子教の研究」以後は、往年の『日本教科書大系・往来編』の翻刻資料や、近年の『往来物大系』等の影印資料のほか、さしたる業績は見られなかった。尤も、石川松太郎氏により謙堂文庫蔵『往来物分類目録並に解題』の業は営々と続いていて、先ごろ出版された第三集は折よく「実語教型」篇であった。

 稿者は、山田忠雄先生のお導きによっていささか斯学の研鑚を志し、何程かの資料蒐集に従い、僅かばかりの論考を物して来た。旧稿は今更ながらの感慨ではあるけれども、実語教の図書寮本類聚名義抄所載記事のことなど未だに一般化されていない向きもあるようなので、敢えて一書にまとめることとした。もとより本書の主目的は、影印による基本資料の提供にある。

 まず、永和三年写『童子教』はこの分野における現存最古の遺物、石井積翠軒文庫の旧蔵にかかり、また、江戸時代の碩学狩谷えき(木に夜)斎旧蔵・屋代弘賢補写という由緒ある巻軸である。

 明応六年写『実語教童子教』(東洋文庫蔵)は二教併せた古本で木村正辞旧蔵、総振り仮名・訓点付きの貴重な文献である。紙面の摩滅が惜しまれる。

 慶長頃写『童子教注』は兜木正亨氏旧蔵の古注釈本、寛永初年刊『実語教童子教』と寛永八年刊『実語教童子教』の二本は江戸期以降の流布本の祖として、また、明治六年刊『英語傍訓 実語教』は文明開化の新時代の所産として、殊に終焉前の最後の光芒として注目すべきものである。

 先年の、山田俊雄先生による『実語教童子教諺解』の翻刻という有益なお仕事(『新日本古典文学大系52』岩波書店刊)に敬意を表しつつ、本書はなお、更なる研究発展の為の、一つの小さな捨て石とならんことを願うばかりである。



●見本ページ

見本ページ1

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