
2008年7月30日に「第1回
小学校国語教育セミナー」を開催いたしました。当日は,活発な交流とたくさんの学び合いが生まれました。
それぞれの内容と,参加者の声を紹介します。
シンポジウム 「言語の教育 ─習得・活用・探究の具体にせまる─」
ワークショップ A−H
文化講演 「味覚を育てる,ことばを育てる」 平松洋子さん

| コーディネーター | 尾木 和英 (おぎ かずあき) | (言語教育文化研究所代表理事) |
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| シンポジスト | 阿部 藤子 (あべ ふじこ) | (お茶の水女子大学附属小学校教諭) |
| 大木 圭 (おおき きよし) | (千葉大学教育学部附属小学校教諭) | |
| コメンテーター | 角田 元良 (つのだ もとよし) | (中央教育審議会委員・聖徳大学教授) |
| 井出 一雄 (いで かずお) | (玉川大学教職大学院准教授) |
平成20年3月に新しい学習指導要領が告示されました。今回のシンポジウムでは,「基礎的・基本的な知識・技能の習得」,「これらを活用して課題を解決するための思考力,判断力,表現力等の育成」,さらに「探究的な活動をどう組織するか」をキーワードに,今後求められる国語の授業のあり方を会場全体で考えました。
シンポジストからは,ご自身の授業実践をもとにした具体的な提案がなされ,また,コメンテーターからは新しい学習指導要領の方向性と,国語科で改善していくべきことがわかりやすく示されました。「習得」や「活用」といったことばが明確に分離されているわけでなく,学習の中で双方向性をもつという指摘に納得された参加者も多かったのではないでしょうか。
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「書く」という営みは,一人で取り組むものと考えられがちでした。新しい学習指導要領で,「交流」が「書くこと」の指導事項とされましたが,ひとまず書き上げたあとの活動という印象があります。
A分科会では,「学校で学ぶ」「教室で書く」という基本的な条件の下で,題材探しから始まって,構想・下書きなどの各段階で,「書くこと」における「協働」のさまざまなカタチが,講師の大杉稔先生から提案され,参加者の「実習」によって確かめられました。
3人が一組になって取り組んだ「創作物語」の実習は,大いに盛り上がり,使用したキャラクターカードは,授業で使える「おみやげ」として参加者のみなさんが持って帰られました。
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語り手のことを考えるという点から,「詩」とは何かということについてお話をしていただきました。
そして,世界の新しい見方を気づかせるような,詩を学習材とする授業づくりの観点について教えていただきました。
ワークショップでは,4つの詩の中から好きな詩を選び,グループになって授業を構想しました。構想した授業をもとに行った模擬授業は,全員が積極的に参加し,大変盛りあがりました。続く質疑応答も,詩の一部を隠して授業を行うことの是非やオノマトペの多い詩の扱い方などについて意見交流が盛んに行われ,充実した内容となりました。
あらためて「詩」の学習材としての可能性を考えるきっかけとなりました。
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「習得から活用を促す授業づくり」をテーマに,3年生用教材を用いて,講義・ミニ演習,視聴・討議,演習・講義の順で進められました。講義・ミニ演習では,子どもが既有知識や体験に基づいて筆者の論理展開を批判的に読み解くことを通して,新しく思考法(ここでは「分類」)を「習得」していく道筋が示されました。この思考法が,今後の学習に「活用」されていくものと位置づけられます。
視聴・討議では,講義の内容が,授業記録のビデオを通して検証されました。演習・講義では,教材文中に事例として出てくる事物を,筆者の論理展開を予想して分類・配列してみるという作業を行いました。最後に,質疑応答で実際の授業のあり方などについて,意見交流がなされました。
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締めきり前に定員に達してしまい,当日もいすを追加するほどの大盛況。高橋先生のユーモアたっぷりで明日から使える実践的なセミナーは,とても人気があります。
詩の朗読から始まり,最後は参加者全員で物語(この日は太平洋戦争を題材にした絵本)の群読に取り組みます。実際に作品を読みながら朗読や群読指導のポイントを押さえていきました。「作品の語り手はだれ?」「このことばはだれに届けようとしているの?」先生の指摘によって,参加者の読みががらっと変わります。
予定の時間に少し収まりきらなかったのは,充実した内容のせい? それとも先生のジョークのせい? でも,最後まで笑いの絶えない,人気も納得,のセミナーでした。
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フランスにおけるアニマシオンの役割やアニメーターの位置づけについてのお話から始まり,寛容と協同,相互理解と連帯といったアニマシオンの意義を再確認しました。
前半は,那須正幹の「ズッコケ三人組」シリーズを使った作戦。表紙をもとに物語の内容を想像したり,話し合ったりし,「読んでみたい」という意欲を喚起させる方法について考えました。
後半は,10冊の本を用い,タイトルと本文の一部を示して物語を推理していく作戦。読書に苦手意識をもっている子どもたちを,自然に1冊の本へと導いていく方法を学びました。
そのほかの作戦のレクチャーや読み聞かせの実践も随所に織りまぜて,すぐに教室で使える手法や幅広く応用できる手法を,楽しみながら,たくさん身につけることができたワークショップでした。
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画一的な学習指導からの脱却を図る一つの視点として,説明的文章を構造的にとらえ常に文章全体との関係の中で部分を吟味する読み方を実習しました。
グループでの交流と,全体での協議を繰り返すうちに会場は次第に熱を帯び,文章の解釈や評価についての侃々諤々の議論,読みの学習を効果的に表現活動と関連づける授業のアイデアなど,講師が問うたびにさまざまな意見が飛び交う活発な交流が生まれました。
学習者に繰り返し「なぜ?」を問うことや,意見同士を関連づける工夫など,考えを深めながらクラスで交流することを体験的に学び,そのまま日々の授業に取り入れることのできる実践的で充実したワークショップとなりました。
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今,教育界で最も注目されているフィンランドの教育についてのワークショップということで,多数のご参加をいただきました。
前半では現在フィンランドの教育が注目されている理由について,冷戦後の世界情勢からPISA調査で求められている能力が重視されるまでの一連の経緯などを講義形式でご説明いただき,後半では前半を踏まえて,例文を用いた「対話型授業」の具体的な実践方法についての授業演習が,参加者も交えた形で行われました。
ともすれば難解とも思える内容にもかかわらず,北川先生の巧みな説明と絶妙な喩えとで会場全体がリラックスした雰囲気に包まれ,参加者の方々の理解も一段と深まったのではないでしょうか。
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「メディア・リテラシーって,こういうことか!」
参加者の方々はそんな発見を,体感することができたようです。
素材は一つのCMソング。
その曲を何度も何度も聴いて,印象を繰り返し話し合いました。曲の明るさも手伝って活発な話し合いが展開されました。自分とまったく逆の印象をもった人がいることに驚いたり,講師のヒントをもとに聴きなおしたときに,それまで気づかなかった制作者の意図に気づいて驚いたり,皆さんそれぞれのメディア・リテラシー体験を楽しみました。もちろん,今回体験した驚きを小学校の国語科授業に生かすための,授業展開の具体的なコツも提案されました。
最後はレクチャーで,国語科におけるメディア・リテラシーの基礎をしっかり確認しました。
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フードジャーナリストの平松先生のモットーは,「とにかく現地へ行って取材すること」。そのことばどおり,講演では会場に設置された大スクリーンに,平松先生が自ら取材・撮影した世界各地の食文化の写真が映し出され,「食」が人々の暮らしと,ひいては生きるということと,いかに密接に結びついているか,実例をあげながら楽しく紹介してくださいました。「子どもと食」について考えるとき,大上段にかまえた大げさなトピックとしてでなく,日々の暮らしの中での積み重ねとしてとらえていきたい,という平松さんのしなやかな姿勢が伝わってくるご講演でした。
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