笑ってナットク国語戯典

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岳 真也・向井 徹・深井照一 著

1,000円 新書変 216頁 978-4-385-35883-X (品切)

ことば遊びの感覚で面白おかしく読んだり話題にしたりしながら、知らず知らずに日本語力と現代的センスがアップするお徳用本。楽しい日本語力テストと抱腹絶倒のマンガもいっぱいの、笑える国語 "戯典"。

1999年 6月10日発行

 著者紹介
 まえがき
 目  次(一部)
 自著自讃『国語戯典』─「お楽しみカード」が一杯 (「ぶっくれっと」136号より)
 プロフィール
 見本ページ


●著者紹介

岳 真也(がく・しんや)
1947年、東京生まれ。慶応義塾大学大学院卒。時代小説『吉良の言い分』が大ヒット中。今、いちばんノッている“旬”の作家。

向井 徹(むかい・とおる)
1929年、東京生まれ。一橋大学卒。長(なが)のラジオ局勤めの経験が名(迷?)コピーに生きる。人よんで“コトバの魔術師”。

深井照一(ふかい・てるいち)
1952年、埼玉生まれ。専修大学卒。米国留学、外資系勤務をへて翻訳業に。英語はペラペラ、日本語はもっとうまい。


●まえがき

 「ホモ・ルーデンス(遊戯的人間)」(J・ホイジンガ)という語があるが、人間は遊ぶ動物である。『梁塵秘抄』にも、「戯れせんとや生まれけん」なる一節が見られる。
 そういう「遊び」や「戯れ」からなる国語の辞書があってもよい、と思った。つまりは、肩肘はらずに楽しみながら、日本語が身につく本。読んで楽しめる辞書としては、本書と同じ三省堂が刊行している『新明解』がある。先ごろ『クイズ新明解』なる本も出された。
 それをもっとくだいて、戯れてしまおう──この本が生まれたキッカケは、そこにある。
 一つ、よい材料があった。
 本書の執筆者の一人、向井徹さんは、高田馬場にある早稲田情報ビジネス専門学校での私の同僚で、日頃から親しくしてもらっている。歳こそ私よりだいぶ上だが、メディア時代の最先端をゆく「広告コピー」を担当しているせいか、すこぶる気が若い。学生たちのよき理解者で、つねづねこう言っている。「今の若者は、ことばは知らないけれど、感性、感覚はとてもいいものをもってるね」
 そういえば、と「文章表現」担当の私がもちだしたのが、ことばの意味を問う試験の答案だった。具体的には本書を読んでいただきたいが、向井さん、それに目を通して、「ふーむ。まちがえ方にもセンスがある。ことばの似顔絵ともいえるね」と、感心することしきり。
 ならば、その答案集をもとにしようではないか、と話がまとまり、編集部諸氏との再三にわたるミーティングの結果、まずはたくさんの若者から「ことばのアンケート」をとることに決定。先の専門学校生のほか、私と向井さんがそれぞれ教鞭をとる法政大学や町田・デザイン専門学校の学生……知己のサラリーマン・OLからも回答を得て、のべ千人余にもおよぶものとなった。
 そこから「珍迷くんの答え」が生まれ、「正解女史いわく」や「一言博士の能書き」が付された。さらに「ミスター・ギーテンへの挑戦」なるクイズのコーナーも設けることになり、これは主に、私の仕事仲間であるオフィスJ21の深井照一さんに手がけてもらった。
 もう一つ、「戯典」に戯画は不可欠というわけで、永田勝也さんの愉しいマンガも加わったのである。
 ここでとりあげた日本語のなかには、今ではあまり使われなくなったものも少なくない。しかし、タイ焼きやかけ蕎麦、団子などが見直され、あらたな脚光をあびている時代である。温故知新──ふるきをたずねて、あたらしきを知る。これまた、本書のネライでもあるのだ。
 時間も手間もかけたが、本書はまさにチームワークの賜物といえる。三省堂一般書出版部の伊藤雅昭、松田徹の両氏、レイアウト・デザインの岡本あや子氏には大変お世話になった。また様々にご協力ねがった対馬斉、井澤賢隆、佐藤美保、重田明子の各氏にも、この場をかりて謝しておきたい。
 ともあれ、おおいに楽しみ、笑いながら読んでいただければ幸いに思う。

  一九九九年四月

岳 真也


●目   次(一部)

 プロフィール 
 青息吐息…………………1
   足固め……………………3
   圧巻………………………5
     ミスター・ギーテンに挑戦・七にからむクイズ・7
     生字引……………………9
    勇み足……………………11
      色香………………………13
       ミスター・ギーテンに挑戦・一文字のクイズ・15
      横柄………………………17
        送り狼……………………19
       面映ゆい…………………21
          ミスター・ギーテンに挑戦・数え方のクイズ・23
         開口一番…………………25
         懐柔………………………27
           会心………………………29
甘受………………………31
  勘当………………………33
  ミスター・ギーテンに挑戦・長さ・重さ・単位のクイズ・35
   きな臭い…………………37
   客死………………………39
   牛耳る……………………41
     切り口上…………………43
       ミスター・ギーテンに挑戦・国名・都市名のクイズ・45
       草分け……………………47
        口減らし…………………49
      工面………………………51
      ミスター・ギーテンに挑戦・数字が入る四字熟語のクイズ・53
        厚顔………………………55
        好好爺……………………57
          硬骨漢……………………59
         子飼い……………………61
           後家………………………63
古参………………………65
  金輪際……………………67
   ミスター・ギーテンに挑戦・なかなか書けない漢字のクイズ・69
  殺伐………………………71
    傘下………………………73
   三百代言…………………75
      ミスター・ギーテンに挑戦・くりかえす四字熟語のクイズ・77
     したり顔…………………79
     蛇腹………………………81
       終日………………………83
       出色………………………85
          ミスター・ギーテンに挑戦・果物・野菜のクイズ・87
        首尾………………………89
        上戸………………………91
          笑止………………………93
          心酔………………………95
      ミスター・ギーテンに挑戦・味わい深い四字熟語のクイズ・97
酔狂………………………99
  捨て石……………………101
  赤心………………………103
  相殺………………………105
   ミスター・ギーテンに挑戦・決まり文句のクイズ・107
   大団円……………………109
     高飛車……………………111
     手向ける…………………113
     男色………………………115
       断腸………………………117
        ミスター・ギーテンに挑戦・続・決まり文句のクイズ・119
        茶番………………………121
        付け焼刃…………………123
        露払い……………………125
          面当て……………………127
            ミスター・ギーテンに挑戦・年齢のクイズ・129
          手合い……………………131


●自著自讃『国語戯典』─「お楽しみカード」が一杯

(「ぶっくれっと」136号より)

岳 真也

「肩肘はらずに楽しみながら、日本語が身につく本をつくりませんか」
 これがキッカケだった。読んで楽しめる辞典としては、同じ三省堂の「新明解」がある。先ごろ、「クイズ新明解」なる本も出された。それをさらにくだき、もっと戯れてしまおう、と思ったのだ。
 ひとつ、良い材料があった。本書の執筆者の一人、向井徹さんは高田馬場にある某専門学校での私の同僚である。ともに批評研究会という学内教師のグループに属していて、日ごろから親しくさせてもらっている。向井さんは歳こそ私より一まわり余上だが、すこぶる気が若い。学生たちの良き理解者といえる。
「今の若者たちは、ことばは知らないけれど、感性、感覚はとてもいいものをもっているね」
 つねづね、そう言っていて、自分が教えている「広告コピー」の答案を見せてもくれた。
 たとえば、こんなものだ。お酒のコピーは、「勧めた徳利の数だけウラがある」。ひところ市場に米がない、と騒がれたことがあったが、そのおりのお米のコピーは、「あって当然、なくて茫然」。
 そういえば、と「文章表現」を担当する私がもちだしたのが語意の答案だった。その具体的な内容については、ぜひとも本書をお読みいただきたいが、一例だけあげてみよう。「青息吐息」に対する答え  「青春のさわやかな息のこと。いわゆる、青春の息吹き」。
 これを見て、向井さん、おもわず吹きだしたものの、すぐに真顔になって、
「ふーむ。間違え方にもセンスがあるじゃないの」
 ことばの似顔絵ともいえるな、と感心することしきり。そんなこんなで、その答案集をもとにしようではないか、と話がまとまったのである。
 さて、それからが大変だった。
 高田馬場に絵描きのママさんが営む「一歩」なるお店がある。そこの忘年会で、たまたま私が三省堂のS氏と知り合い、意気投合。この企画をお話ししたところ、面白い!ということになった。ただちに編集部のI氏、M氏を紹介されたのだが、かの答案集を「たたき台」に、いくど討議を重ねたことか。結果として、きまったのは以下のとおり。
 先の専門学校生をふくめ、千人近い学生や若者から「ことばのアンケート」をとり、知己のサラリーマン・OLからも回答を得る。これをまず珍答・迷答としてあげ(「珍迷くんの答え」等)、ついで正解を明かす(「正解女史いわく」)。さらに、それぞれのことばに関する短いコメントを付す(「一言博士の能書き」)。
 ここで話は終わらない。「戯れ」=「遊び」となればゲーム=クイズがつきものではないか、との意見も出て、さらにさらに、「ミスター・ギーテンへの挑戦」というページまでつくることになったのだ。この段階で、私の仕事仲間でオフィスJ21の深井照一さんが加わり、彼にはおもにミスター・ギーテンのクイズを担当してもらうことにした。さらにさらにさらに、である。「戯典」に戯画は不可欠というわけで、永田勝也さんの愉しいマンガも登場することに……。
 執筆面でもっとも難渋したのが「一言博士の能書き」で、下地は向井さんがつくり、私はまとめ役にまわったものの、細部にひどく腐心した。わけても、なかで引用する名言探しが一苦労。「迷言から名言へ」などとのたまっているうちはよかったが、ときには一日がかりで、ようやくみつけたものもある。
 文章とマンガの調整にも、だいぶの手間を要した。たがいに意見を出しあって、差し戻したり、差し戻されたり。本書はまさに、良きチームワークの賜物ともいえる。この間、じつに一年半。出し得る「お楽しみカード」は出しつくしたという感じだが、読者諸氏の反響やいかに?……こんどは、私たちのほうが「カード」を待つ番である。

(がく・しんや 作家)



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