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加藤登紀子の男模様


加藤登紀子の男模様

加藤登紀子 著

1,600円 四六 320頁 978-4-385-35891-X (品切)

朝日新聞に2年間連載された、各界の90人の男たち(宮崎 駿、荒木経惟、ジミー大西、ドリアン助川、タモリ、伊丹十三、小松左京、椎名 誠など、多士済済)についてのエッセイ集。浅田次郎・高村 薫両氏との対談、夫の藤本敏夫氏への直撃インタビューも収録。

1999年 6月 5日 発行

 目  次
 浅田次郎さんとの対談「男たちよ、どこへ行く」
 夫、藤本敏夫への直撃インタビュー

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●はじめに

「人間には三つの種類がある。生きているもの、死んでいるもの、そしてもうひとつは海のむこうへ出ていくものである」
 ギリシア時代、プラトンがこう言ったそうだ。
 その伝で言うなら、
「人は男、女、そしてひとりで生きるものに分けられる」
 と言ってみたい。
 ひとつがいで生きる、家族をつくる、それを前提とした男と女のあり方が少しずつはまらなくなる時代が今始まろうとしている。働く女性が圧倒的に増えて、職場が華やかになったと喜んでいたのもつかの間、女が男と互角に仕事をこなすことになると、「職場の花だ」なんていったらなぐられそうだし、女の方も、女である部分を相当すり減らす必要に迫られる。
 男にもお茶をいれるくらいの能力が要求され、女にもシステム管理をするくらいのトータルな発想を求められる。
 女の中の男度がものを言い、男の中の女度が力を発揮する。
 こうなると、これまでの男らしさとか女らしさという概念はまるっきし役に立たず、いたずらにお互いの不満をつのらせる無用なものさしになってくるだろう。
「お前は女なんだから、もう少し女らしくしなよ」とか「男だったら、もっとしゃっきりしてよね」と相手を攻撃することにもなるだろうし、もっと困るのは「男なのにこんなことをしてるのは恥かしい」とか「女にだけは命令されたくないよ」とか、内に向かってストレスがたまる。

 ここ数年、女は水を得た魚のようにのびのびと泳ぎ、男が途方にくれているように見えるのは多分、男が時代の変化に乗りおくれているからだと思う。
 仕事の場では、男だからでも女だからでもない、その人の本当の実力を発揮し合うことが大切で、すっきりとそのバランスが生かされてこそ、いい男と女の関係が生まれるのだと思う。

 女の時代と言われて久しいけれど、はっきり言って女はまだまだ力不足だし、この社会の屋台骨を支えるまでにはなっていない。だからこそ、男が全般的に沈滞してしまうと、社会全体がくすんでくる。なんとか男社会の煙突掃除をして、男の輝く時代になってほしいと熱烈に願って、男に捧げるメッセージをここに贈ることになった。
「男模様」に書いた男たちは、おおむね、どの社会にもはまらず、「ひとりで生きるもの」に属する人たちだと思う。
 家庭の中や職場での、男と女のありようで悩んでいる方も、ひとりで生きていくことに不安を抱いている方も、自分と向き合うことにもっと大胆にそして夢中になって下さい。

  男だからではなく、女だからでもなく、
  あなただからの人生を!

一九九九年五月   加藤登紀子

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