ことばは人を育て、未来をきりひらく知の源です。三省堂はことばをみつめて135年 サイトマップお問い合わせプライバシーポリシー
三省堂 SANSEIDOトップページ 三省堂WebShop辞書総合サイト Wrod-Wise Web教科書総合サイト ことばと教科
辞書教科書電子出版六法・法律書一般書参考書教材オンラインサービス
書名検索漢字かな著者名検索漢字かな詳細検索
新刊・近刊案内
メディアでの紹介
本の注文
書店様専用
大学向けテキスト
卒業記念
名入れ辞書
品切れのご案内
「ぶっくれっと」アーカイブ
会社案内
採用情報
謹告
三省堂印刷
三省堂書店へ
三省堂書店はこちら
声に出して読めない日本語。
「ほぼ日刊イトイ新聞」
(『大辞林』タイアップ・サイト)
  東海道五十三次ハンドブック 改訂版


東海道五十三次ハンドブック 改訂版

森川 昭 著

1,600円 A5変 232頁 978-4-385-41057-9

地図と名所・旧跡でたどる旅の小事典。東海道五十三次を宿場ごとに解説。実際に歩くときに役立つ五万分の一の地図、広重「東海道五十三次」などの名所図会200点を掲載。著者の専門(近世文学)を生かし、碑文、句碑、歌碑など街道筋の史跡を詳しく紹介。江戸の旅のさまざまを紹介する「海道ばなし」、歴史資料保存機関一覧、日帰りコース12例など、付録も充実。市町村名、建物名などの変更がある場合は訂正し、海道筋の新しい歴史施設を追加するなど、10年ぶりの大幅改訂。

1997年 6月10日 初版 発行
2007年 7月15日 改訂版 発行

編著者紹介 改訂版の序 はじめに(初版) 東海道五十三次地図 見本ページ(金谷) 見本ページ(丸子まりこ ハンドブック・シリーズ



●編著者紹介

森川 昭(もりかわ・あきら)

昭和7年(1932)神奈川県に生まれる。東京大学大学院博士課程修了。東京大学名誉教授。日本近世文学専攻。著書に『貞門俳譜集』『俳人の書画美術、貞徳・西鶴』『谷木因全集』『卜養狂歌絵巻』『芭蕉全図譜』(共著)『四季のことば』などがある。



●改訂版の序

 旧版の「はじめに」に書いた、岡本かの子の『東海道五十三次』の主人公作楽井の息子は、鉄道関係の会社の技師、つまり新しい時代の人だが、次のように言っている。

 自然の変化も都会や宿村の生活も、名所や旧蹟もうまく配合されている道路はあまり他にないと思うのです。で、もしこれに手を加えて遺すべきものは遺し、新しく加うべき利便はこれを加えたなら、将来、見事な日本の一大観光道路になろうとおもいます。

 近年の、旧道の整備、町並みの保存、本陣・脇本陣・旅籠などの復元、愛好者団体の活動、各種イベントの開催などを見ると、この技師の予言のとおりになっているようだ。東海道マニアとして嬉しい限りである。

 今回もお世話になった山田喜美子、松本裕喜の両氏に御礼申しあげる。

 平成一九年五月

森川 昭



●はじめに(初版)

 岡本かの子の『東海道五十三次』に登場する作楽井は、東海道の魅力にとりつかれて妻子をも捨てた人物だが、その彼が宇津ノ谷峠の茶店で、東海道の魅力について「私」に語るところがある。

 この東海道といふものは山や川や海がうまく配置され、そこに宿々がいい工合な距離に在って、景色からいっても旅の面白昧からいっても滅多に無い道筋だと思ふのですが、しかしそれより自分は五十三次が出来た慶長頃から、つまり二百七十年ばかりの間に幾百万人の通った人間が、旅といふもので嘗める寂しさや幾らかの気散じゃ、さういったものが街道の土にも松並木にも宿々の家にも浸み込んでゐるものがある。その昧が自分たちのやうな、情昧に脆い性質の人間を痺らせるのだらうと思ひますよ。

この小説の時代と現代とでは、東海道は大きく変貌しているけれども、東海道の魅力と東海道マニアの心情をこれほど的確に言い当てたことばを他に知らない。

 *          *          *

 本書の記述は二本立てになっている。「東海道案内」と「海道ばなし」である。

 「東海道案内」は、原則として、路傍の物に関する記事を主とし、せいぜい左右数百メートルの範囲にとどめた。歌碑・句碑の類いはなるべく多く翻字した。海道歩きの時間の節約のためであるが、半面読解の楽しみの減じることをおそれる。なお、念のため書きそえると、一里=36丁(町)=約3.93キロ、一丁(町)=約109メートルである。

 「海道ばなし」は、海道歩きのいわば息ぬき、気楽にお読みいただきたいが、海道や旅についての基礎知識はなるべく多く盛り込むようにした。

 本書には、原則としてスナップ写真を掲載しなかった。御自身で楽しみながらお撮りくださいという趣旨である。その代り、江戸時代の文献の図版を多く入れた。江戸時代の東海道の気分を味わっていただくためである。

 地図は建設省国土地理院発行五万分の一地形図から作製した。

 各宿場の冒頭に掲載した歌川広重画保永堂版『東海道五十三次』の全図と『人物東海道』の藤川の図の使用を許された慶応義塾、『相中留恩記略』の使用を許された福原新一氏、取材の御協力くださった平野雅道氏、本書の編集に御尽力を賜った山田喜美子氏、三省堂の松本裕喜氏に心から御礼申し上げたい。

 平成九年四月

森川 昭

このページのトップへ