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  書き込めば身につく! 小論文メソッド


書き込めば身につく! 小論文メソッド

吉岡友治 著

1,800円 A5判(テキスト)+A5判(トレーニングシート) 96頁+40頁 978-4-385-36528-2

必ず書けるようになる15のメソッドを、トレーニングシートを使って学ぶ、実践の書!
主語はなるべく軽快にする/接続コトバを使いこなす/自分の興味・関心に意味はあるか?/しりとりの原則で文章をなめらかにする/二つの方向から読者を納得させる他。

はじめに   目 次   シート目次
あとがき   著者略歴   見本ページ

2013年9月10日 発行




はじめに

 このテキストとトレーニングシートは、大学に入ってはじめて論文・レポートを書こうとする人のために作りました。日常生活では日本語でしゃべっていても、日本語で書くという作業はそう簡単にはできません。それは、音声による言語と文字による言語は大きく違うので、それなりの訓練を受けないと、他人が読んで納得できる文章にはならないからです。

 それなのに、日本の中学や高校では「書くための日本語」の授業は極端に少ないのが普通です。小学校で「作文」をいくつか書かされて後は、ほとんど文章を書いていない人も少なくありません。二十年ほど前から、大学入試で「小論文」が取り入れられるところも出てきたのですが、必修でないところも多い。これでは、大学でいきなり「論文・レポートを書きなさい」などと言われても戸惑うのは当然でしょう。

 論文・レポートなどで使われる論理的文章は、自分の感性に従って「自由に」書くものではなく、きちんとした客観的な型があります。逆に言えば、その型にしたがって書けば、誰でもが理解できるレベルになる。だからといって、それはひとりひとりの「個性」をつぶすものではありません。むしろ「個性」をよりよく発揮し、皆に分かってもらうためには、それなりに定められたルールなのです。サッカーを楽しむのには、ルールを守らねばならないのと同じように、文章を理解してもらうには、ルールを守る必要がある。どうすればルールを守りつつ、効果的な文章が書けるか、そのコツを伝授するのが、この本の目的です。

 ここでは、就職の際に必要となる「志望理由書」や「エントリーシート」の形式を使って、まず、テキストで方法を学び、トレーニングシートに書き込んで、練習する。もちろん「自分のこと」を書くのだから、事前の知識・教養は必要ありません。「自分のやりたいこと」をどうやったら、他人が読んで分かりやすくできるのか、その方法を体験的に学ぶのです。順を追って練習していけば、ロジカルで分かりやすい文章を書けるようになります。それは、あなたの人生にとって大きな武器になるはずです。さあ、頑張ってやってみましょう!



目  次

目次

はじめに  001

1自分を語るにはどうしたらいいか?  004

自己アピール化から論文・レポートへ/「自分」について書く意味/文章の書き方は似ている/「自分のいいところ」は自分で分かるか?/文章で自己アピールするむずかしさ/文章を書くのは仕事するのと似ている/自分の欠点も活用してみる

2文章の形を整える  010

誰が読み手になってくれるか?/文体は非個性的でよい/文体は入れ物である/中身を良くするための技術/自分は、相手からちゃんと見えているか?/さらに相手の質問を予想してみる/応答を考えて、文章語に直す

3主語はなるべく軽快にする  016

「デスマス調」でなくていいか?/段落を切って読みやすくする/修飾しすぎない/登場人物とアクション/シンプルな行動の積み重ね/分かりやすい文を書くコツ

4接続コトバを使いこなす  022

読み手にアピールする内容は?/仕事の意味は?/運動部出身は優遇される?/接続コトバ「そして」はなるべく使わない/3つを比較してみる/適切な接続コトバを使う/「そして」の代わりに何を使う?

5大事な内容は前に出す  028

文章の構造を変える/時間順には書かない/読者の期待にあわせて書く/テーマのつながりを考える/ポイント・ファーストの概念

6自分の興味・関心に意味はあるか?  034

過去よりも将来のイメージを!/将来と結びついた過去/他人へのコミットメント/今の自分がやれないことでもいい/「好き」の基礎はちゃんと知っていること

7問題の大切さを強調する  040

問題を解決する形/問題の重要性を強調する/自分にできるサイズになっているか?/やれそうなことでないと、人はやらせてくれない/材料を探す/善意だけでは不十分

8しりとりの原則で文章をなめらかにする  046

一文は一メッセージが基本/文を整理する/まず、長い文を短くする/文章を流れるようにする工夫/しりとりの原則

9二つの方向から読者を納得させる  052

ロジックはしりとり/理屈を展開する/風が吹けば桶屋が儲かる/理屈だけでは説得力がない/例示を使って説得する/例示の書き方

10具体例を編集・整理する  058

論と例の一致/初めから「対応」はできない/具体的にやってみる/それぞれの要素をチェックする/不十分なところはないか?/理屈の方を変えられないか?

11将来のビジョンと自分の能力  064

問題と解決の形を強調する/問題の形は正しいか?/解決にどうつなげるか?/きちんと根拠を説明する/例示して信頼性を高める/多様な方向から検討する/自己アピールから謙虚な姿勢へ

12過去のエピソードをどう語るか?  070

自分と他人の距離とは?/過去に対する他人の興味/志望理由書の書き方・面接での語り方/質問に対処する/面接・志望理由書における過去・現在・未来/レポートを書く場合への応用

13過去・現在・未来をつなげる  076

論理的文章には一貫性が必要/エントリーシートの時間構造/志望理由書・エントリーシートの読まれ方/自分という人間を信用させるプロセス/社会化・客観化の大切さ/自分で意味づける/ある程度の編集行為は許される

14提出前の最後のチェック  082

自分の文章の良し悪しは判断しにくい/なるべく自分から距離を取って書き直す/スリープ・オーバーと音読と批評/友人に話すのは考えの整理になる/自分で自分の文章を要約してみる/書くことの相乗効果/ぴったりした題名・タイトルをつけられるか?

15書いた内容を発表する  088

口頭発表につなげる/言語と文章はまったく違うメディア/『ジュリアス・シーザー』のエピソード/音声と文章のスタイルの違い/話しかける・対話する/視覚補助ソフトを使う/フリップを作る

主要参考文献  94

あとがき  95



シート目次

 1 自分を語るにはどうしたらいいか?  01

 2 文章の形を整える  03

 3 主語はなるべく軽快にする  05

 4 接続コトバを使いこなす  09

 5 大事な内容は前に出す  11

 6 自分の興味・関心に意味はあるか?  13

 7 問題の大切さを強調する  17

 8 しりとりの原則で文章をなめらかにする  19

 9 二つの方向から読者を納得させる  23

10 具体例を編集・整理する  27

11 将来のビジョンと自分の能力  29

12 過去のエピソードをどう語るか?  31

13 過去・現在・未来をつなげる  35

14 提出前の最後のチェック  39

15 書いた内容を発表する  40



あとがき

 やってみて、いかがでしたか? テキストで学習した内容は、ちゃんとトレーニングシートで実現できましたか? テキストはやさしく書いてあるので、理解すること自体は難しくないと思うのですが、実際書いてみると、なかなかうまくいかないな、と感じた方も少なくなかったのではないか、と思います。

 実は『論文・レポートの書き方』というタイトルの本は、山をなすほどあります。その中には、名著と言われるものも数多い。ということは、「あれでもない」「これでもない」とよっぽど皆困っているのでしょうね。いろいろな方法論があり、その中にはよく工夫されたものも少なくないのですが、なかなか書く実力にまではつながらない、というのが正直な感想です。

 でも、どんなものでも、理解できることと自分が実際にできることの間には距離があります。たとえば、私は政治学や経済学の本を読んで理解することはできますが、政治学や経済学の本を書くことは難しい。理解したことを自分でできることにつなげるには、時間と訓練が必要です。

 当たり前のことですが、文章は書かなければできあがりません。書いているうちに、脳も活発に動き出す。そのうちに、思ってもいなかった内容も表れる。その発見の面白さが書くことにはある。たんに、決まり切ったことを書き連ねるのが文章ではありません。でも、そんな自由を手に入れるには、まずルールに則り、その中で自由に動ける頭脳と身体を作るために訓練をする。その積み重ねの中で、素晴らしいプレイが生まれる。そういうものなのです。

 ただ、自分で試行錯誤しているだけでは、なかなかそういう訓練ができません。私も、日本の大学でさんざん論文・レポートの書き方に苦労したあげく、シカゴ大学の大学院に行って、はじめて「論理的な文章を書くとはこういうことか!」と、目の前の霧が晴れたよう思いました。そのときの感激は、今でも忘れられません。

 この本も、皆さんにとって、そういうきっかけになって欲しいと思います。まったく予備知識がなくても、そもそも論文・レポートを書いたことのなくても、順序立てて一つずつ練習していけば、ちゃんと論理的な文章ができあがる。この技術は一生ものです。身につけていれば、いろいろな場面で人生を切り開いていけるはず。その最初の一歩として、この本が役立ってくれるのであれば、筆者として、これに勝るうれしさはありません。



著者略歴

吉岡 友治(よしおか・ゆうじ)

宮城県仙台市生まれ。東京大学文学部社会学科卒。シカゴ大学人文学研究科修士課程修了。
竹内演劇研究所で演出担当後、代々木ゼミナール、駿台予備学校などで小論文・現代文を教える。元東京家政学院大学講師。アメリカのアカデミック・ライティングの技法を適用し、日本語の論理的文章の書き方を方法化した。
著書は『公務員論文試験 頻出テーマのまとめ方』『大学院大学編入社会人入試の小論文─思考のメソッドとまとめ方』『リアルから迫る 教員採用小論文・面接』『TOEFLテストライティングの方法』(以上、実務教育出版)、『だまされない〈議論力〉』(講談社現代新書)、『東大入試に学ぶロジカルライティング』(ちくま新書)、『いい文章には型がある』(PHP新書)、『必ずわかる!「○○主義」事典』(PHP文庫)、『眼力をつける読書術』(東洋経済新報社)など多数



見本ページ

*全てPDFファイルです



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