「あぶないことば」キーワード目次

新版にあたって

はしがき(初版刊行時)

1章◆元気だったお母さんがなぜ急死したのか

●ソリブジン事件の真犯人は経口抗がん剤

2つの死亡事件は氷山の一角
ある遺族からの手紙
弱い副作用でも、からだに毒がたまると死ぬ
帯状ほう疹が抗がん剤の副作用と知っていたら、母は死なずに済んだ
「副作用が弱い」と言われている経口の抗がん剤でも副作用死がある
[脳障害による死亡/肝障害による死亡/重篤な下痢による死亡]
「効果の高い新薬」という評判をうのみに
薬の使用原則を守っていればソリブジン死亡事件は防げた
効果うんぬん以前に、本当に飲む必要があったのか。薬害事件の教訓

●イリノテカンの治験で多数の患者さんが副作用死

初めて公開された臨床試験報告書
「告知論議」に始まる情報開示の遅れが副作用死を増やす
経口抗がん剤を飲まされている患者さんは「病的な状態」から脱け出せない
患者さんも一般の医師も抗がん剤治療は必要だと思い込まされている
抗がん剤治療は2台の車のレース。「しこり縮小効果」と「寿命短縮効果」

2章◆こんな副作用(毒性)が命を縮める

●「誰にも相談できなかった」患者さんからの手紙

患者さんは副作用で苦しんでいる
飲まなくてもよい記念日になりました
知り合いの医師は自分だったら飲まないと
口内炎が副作用とは思ってもみなかった
やめるとはっきり医師に伝えた
薬の説明は何もなかった
末期の抗がん剤で母は苦しみの末に亡くなった
副作用と知って思い当たることばっかり
これ以上の抗がん剤は断る決心がつきました
維持療法を続ける必要がありますか

●治る副作用治らない副作用

どんな時に副作用(毒性)で死亡するか
治療が強すぎて死ぬ場合、治療が弱くても死ぬ場合がある
治療のレベルが低くても死ぬことがある。死亡患者続出で中止となる治験も
体力がない人、お年寄りはさらに危ない
医師向けの添付文書には、副作用がぎっしり書かれてする
経口と注射点滴で副作用の出方に差があるか
抗がん剤の毒性は全身に出る
副作用の出方には個人差があるから、同じ量でも重篤になる人もいる
主な副作用と対策
[肺線維症ないし間質性肺炎(肺不全)腎不全聴力障害心不全神経症状白血球減少骨髄機能抑制脱毛吐き気下痢
口内炎発がん不妊症無精子症無月経]

●副作用はなぜ出るか

抗がん剤は毒物
がんだけやっつける薬はない。正常細胞とがん細胞はもともと同類
秩序派の正常細胞のほうが、アウトローのがん細胞よりダメージが大きい
分裂が盛んな細胞ほどブメージが大きく副作用も集中して出る

3章◆データでみる抗がん剤で治るがん治らないがん

あえて4つのグループに分けた意味

●第1グループ=抗がん剤でよく治るがん

抗がん剤によって目覚しく生存率が上がった悪性リンパ腫
第一世代と第三世代…治療を強くすれば生存率は上がるか

●第2グループ=抗がん剤で治る率が上がるがん

乳がんは多剤併用療法によって成績が向上する
大腸がんの一部は第2グループに属する?
新版(2004年発行)で変更した点

●第3グループ=抗がん剤で延命する?がん

進行した卵巣がんに抗がん剤の効果があったとする論文への疑問
小細胞肺がんに抗がん剤の効果が認められたとする論文への疑問

●第4グループ=抗がん剤では治らないがん

胃がんには抗がん剤は効かない
非小細胞肺がんにも抗がん剤は効かない
頭頸部がんと子宮がんにも抗がん剤は効かない
固形がんの九割には抗がん剤は効かない…としたら、むしろ不要有害

4章◆抗がん剤が有益な第1第2グループ

●受けるなら多剤併用の標準的治療を受ける

受けたほうが得といっても、副作用死しては元も子もない
抗がん剤治療をしなくても治るはずの人もいる
不十分だと治るものも治らない
がん治療の標準的治療は多剤併用療法
例外的に一剤を使用する標準的治療もある
標準的な組合せで受ける。それ以上たくさんの強い治療は危険

●いつやめるか考えながら受ける

何サイクル続けたらいいか
最初が一番効く、それ以上やっても効果が上がらないピークがある
抗がん剤で治るがんでは標準的なサイクル数がある
標準的なサイクル数も変わる
標準がそんなに変わるものなら、自分で判断して減らしたっていい
「最後の注射」「最後の一錠」を予知するには
これが限界と自覚する目安として「吐き気」は大切な副作用
白血球造多剤を使ったからといって効果が上がるわけではない
白血球増加多剤で「非常に恐ろしいことになる」
薬価差益で副作用止めも抗がん剤も歯止めなき乱用
維持療法には意味がない
維持療法をしないほうが成績がいい
「治る」がんでも全員が治るわけではないから、患者さんの選択しだい

5章◆抗がん剤が不要有害な第3第4グループ

●早期がんなら抗がん剤は不要

進行がんの場合…「がんが半分の大きさになった」このまま続ければ治る?
吐き気止めを使えばもっと治る可能性はないのか
抗がん剤で治らなくても延命できるか…寿命短縮効果は確実にある

●あきらめきれない人は1サイクルだけ受けて考える

受けないという選択もある
1サイクルだけ受けて様子をみるという選択もある
第1、第2、第3グループが再発するとなぜ次順位のグループになるのか
再発した場合はどう考えるか
取るべき症状がある場合にも、抗がん剤以外の方法を探す

●第4グループの標準的治療は「抗がん剤なし」

受けないのが賢明、受けるとしても経口抗がん剤はやめる
専門家は仲間うちでは抗がん剤治療の限界を語っている
インフォームドコンセントがないので「抗がん剤をしない」という選択ができない

6章◆なぜどのがんにも「効く」と思い込まされたのか

●専門化が駆使する言葉のトリック

最大の言葉のトリック…「効く」と「治る」はおおちがい
「生存期間が延長した」「長期生存が可能になった」の意味
「がんが消失した」の意味
「効く」「有効だ」「奏効率が高い」の意味
「奏効率何%」…しこりが反応して縮小しただけなのに「治る率」と錯覚させる
患者さんの誤解をわざと招く言葉のトリック
「しこりは消えた、患者は死んだ」場合、どう評価するか
「つきつめれば今の抗がん剤治療は根本から問われることになる」

●専門化が駆使するグラフのトリック

ずさんな卵巣がんのデータで病院間格差を強調したが
延命効果を証明したとするクレスチンの非科学的論文

7章◆不要有害なフルオロウラシル系経口抗がん剤


●効果が証明されていない薬による壮大な発がん実験

「再発予防になる」という医師の根強い誤解
フルオロウラシル系経口抗がん剤は、外国では使われない薬
使われる理由…医師が効くと思い込んでいるから
ところが経口では消化器に副作用が集中するので、弱くしか使えない
医師はとりあえず副作用は弱いと思い込んでいる
「がん」と言ってないから経口なら外来で済んで便利
患者さんに拒否する選択肢がないので必要のない人も飲まされる

●儲かるからたくさん使われる

フルオロウラシル系経口抗がん剤は30万人が飲まされ、薬価差益も莫大?
新薬のあとに、同じ薬がゾロゾロ出てくる
新薬は薬価が高いので製薬会社は開発に熱心になる
取り消された薬効…クレピシで使われた1兆円は誰が払ったのか
医師と製薬会社の癒着で起きたクレピシ事件

8章◆治験をめぐる厚生省製薬会社医師の三極構造

●患者さんは知らぬ間に毒性試験で死亡

治験という名の人体実験
[治験の手順第一相試験第二相試験第三相試験]
「安全な量」を探る第一相試験は「毒性試験」。患者さんの安全は保証されない。
[増量試験イリノテカンの場合の毒性試験副作用のグレード表]
第一相試験はますます危険に
第二相試験は「手探り試験」「毒性試験」
多剤併用でも第一相試験、第二相試験のことがある
なぜ第二相試験の結果が出てすぐ認可されるのか
第三相試験で「生存率が上がる」という効果が出なくててもよい?

●どんな患者さんが実験台にされるか

第一相試験(毒性試験)は再発して助からない患者さん
[第一相試験の患者さんの条件(とその理由)
第二相試験は、あと2か月は生きていそうな患者さん
[第二相試験の患者さんの条件(とその理由)]
高齢者や寝たきりの患者さんも対象になる
[PS(患者さんの元気度)]
「治験漬け」になったり、治験途中で死ぬ患者さんも
奏効率を上げるために、標準的治療のあるがんの患者さんも治験の対象に
どういう患者さんが治験の対象として狙われるか
治るがんでも治らないがんでも第三相試験
どこの病院で治験が行われているか
ホスピスでも治験?
[CPT−11(イリノテカン)の治験参加施設]

●口頭同意、家族の代理同意というGCPの抜け道

新薬の承認数は世界一、実験数も世界一
GCPは何のため?誰のため?
薬品市場の国際化に向けて、ポーズとしての「患者さんの同意」
医師の本音…「文書で了解を取ると実験だとわかって拒否される」
「この薬の副作用(毒性)をみるための実験だなんてしても言えっこない」
「患者さん本人からの文書同意」の原則を守ることが日本の製薬会社の生き残る道

●患者さんは「実験台であること」を知らされているか

同意の取り方のポイント
「胃潰瘍の薬です」と言って抗がん剤の治験?
実験であることを患者さんが理解できる言葉で言っていない
患者さんの「お任せします」で本人からの同意?
「本当に真実を言えば5秒で」治験への同意がふっとぶ
「くじ」と分かったらみんな拒否するから先に内緒で「くじ」を引いてしまう
プセラボ(偽薬)の治験ではもう説明のしようがない
実験とは言うが、治療にもなると思わせるような、あいまいな言葉で期待をもたせる
同意を取るための説明は国語力が勝負
すべて正直に言い、「他の患者さんのためになる」とボランティア精神を強調する
なぜ、がんの患者さんだけが「ボランティア精神」を要求されるのか
治験を拒否する自由は保証されているか
治験中に被害にあっても救済制度はない

●「新薬」はいったい誰のために必要なのか

製薬会社からの「研究費獲得」のために「これ、これ、これと順番に」治験
業績主義や名誉も治験の原動力…初めに治験ありき?
第三相試験は製薬会社の販売戦略の一環になる
多剤併用療法での治験はもっと危険
認可対象(適応症)を広げるための治験もある
とくに儲かるのはフルオロウラシル系抗がん剤の治験
[ユーエフティー(UFT)の治験に参加した施設]
抗がん剤治療は限界に達し「新薬」開発の必要性は低い
「新薬」がなくても患者さんは困らない

●日本に抗がん剤の専門家はいるか

抗がん剤の専門家「メディカルオンコロジスト」とは?
素人医師が抗がん剤を使うので、治るがんも治らない
抗がん剤を使う医師には治験屋さんがいる
「倫理」を強調する医師は、「非人道的」治験に手を染める
メディカルオンコロジストにかかると、もっと悲惨になりかねない
科学的で大規模な治験には意味がない
前門の虎、後門の狼…さらに危険な将来

9章◆抗がん剤をやめたいと思ったら

●自分のからだは自分で守る

医師や世間の無責任な「常識」に流されない勇気をもとう
「必要がない」治療は受けないのが大原則
本人抜きの家族の同意判断は悲劇を産む
抗がん剤をやめたあと、どうしたらいいか

●あぶない言葉(こんな言葉で医師は不必要な治療や治験に誘う)

●こんな治療を勧められたら

抗がん剤周辺の治療と薬…その可能性と限界
動注
放射線と抗がん剤との併用
ホルモン療法
乳がんでのホルモン療法とは
タモキシフェンはどれくらい続けたらいいか
前立腺がんのホルモン療法とは
慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、多発性骨髄腫の治療
高齢者のがん
骨髄移植の将来性
免疫療法はからだにやさしい治療とは限らない。名前のイメージが先行
免疫療法は有効か?
外から人為的に免疫を高められるか
インターフェロンは免疫療法というより抗がん剤

あとがき
(全抗がん剤の)副作用情報
添付文書の例
コード索引
ABC索引
索引

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「危ない言葉」キーワード目次◆五十音順
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新しく認可されたいい薬です
あなたの病気に効果が期待できる薬です
あなたの病名はがんです
あなたもがんばればこういけるんだよ
安全です。心配ありません
胃潰瘍の薬です
1%くらい向上する可能性はある
一緒にがんとたたかおう
1種類だけで治療しよう
今まで飲んだのが水のあわになる
がんが消失した。しこりが消えた
がんがなくなった状態を維持するために続けよう
がんが半分の大きさになった。続けましょう
患者さんの気の済むようにさせてあげたい
がんにならないように、予防のために飲もう
効く。有効だ。奏効率は30%です
急にやめたらあぶない
薬を変えてみましょう
薬を増やしてみましょう
経口でもがんが消失する患者さんはいるんですよ
抗がん剤で痛みを取ろう。腹水を取ろう
抗がん剤は小出しにしたほうが効果的
最後にもう1回、挑戦してみたい患者さんもいる
最善を尽くしたい
在宅でも抗がん剤治療はできます
再発予防のために飲もう
サインしてください
しこりが小さくなる人もいる
手術の補助に使います
点滴しましょう
統計学的に一番公正な方法で決めます
何もしないでよりは何かやったほうがいい
入院しましょう
念のためやっておこう
飲まないならもう来なくていい
吐き気止めがあるから心配ない
白血球増多剤があるから大丈夫
副作用はほとんどないマイルドな薬です
やれば楽になる。やれば長期生存できる
ゆっくり説明しましょう