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借家と持ち家の文学史
−「私」のうつわの物語

借家と持ち家の文学史

西川祐子 著

2,700円 四六 388頁 978-4-385-35881-X (品切)

近代日本文学の歴史は、「私」の居場所を探して、
引っ越しや移築をたえずくりかえす長い物語だった!

1998年11月10日 発行

 島崎藤村の「家」から、近年の大江健三郎、村上春樹、吉本ばなな、柳美里らをへて、昨秋刊行された小島信夫「うるわしき日々」まで、日本語で書かれた近代1世紀以上にわたる90余編の作品を、集団制作による1編の大河小説として読みとおした、繊細にして破天荒な物語。

 日本の近代小説の全体は、家つくりを描いたひとつの長い長い物語だった。そこには、「私」のいれものである家がたどった、どんな歴史=物語が隠されているだろうか。そして「私」たちは今、その物語のなかでどんな場所に立っているのだろうか。かつての「いろり端のある家」は「茶の間のある家」に変わり、その「茶の間のある家」も「リビングのある家」に変わった。借家が持ち家に変わり、その持ち家からはひとつひとつの部屋が分離独立して、あてどもなく漂流しはじめた……。

 今、1世紀におよんだこの家つくりの長い長い物語は終わりをむかえ、ひとつの時代がはっきりと終焉を告げている。「私」たちはこれからの自分の居場所をどこに見つけたらよいのだろうか。「私」たちの居場所探しの冒険はまだ終わらない。

「私」のゆくえと小説のゆくえを二重うつしにさせながら、文学を読むことのスリリングな快感へと読者をいざなう、新しい文学入門の誕生である。



●著者紹介

西川祐子(にしかわ ゆうこ)

1937年、東京生まれ、京都育ち。京都大学大学院博士課程(フランス文学)修了。 現在、京都文教大学教授。専門は、日本とフランスの近現代文学、ジェンダー論。 著訳書には、『高群逸枝―森の家の巫女』(新潮社、のち第三文明社)、『花の妹―岸田俊子伝』(新潮社)、『私語り樋口一葉』(リブロポート)、『女性とは何か』(エヴリーヌ・シュルロ著、人文書院)など、多数がある。



●目  次

本のはじめに

第1章:借家の文学史

(はじめに ― 崖下の家 /「女房的視点」?/「家出小説」/ 家族のユートピアまたは逆ユートピア)

第2章:生きられた家・描かれた家

第1部 家族の家の時代 第2部 部屋の時代 第3部 離合集散の時代

第3章:持ち家と部屋の文学史

(ドールズ・ハウスの舞台 / 建築の様式と小説の様式 ― 継承と変化 / 小島信夫 「うるわしき日々」― 最後の「父の家」小説 / 津島佑子「風よ、空駆ける風よ」 ―「母の家」小説の変化 / 漂流する部屋 ―「居場所」探しの冒険物語)

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