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  Q&A 消費者団体訴訟制度

Q&A 消費者団体訴訟制度

松本恒雄・上原敏夫 編  (品切)

2,200円 A5判 176頁 978-4-385-32286-5

06年通常国会で成立した「消費者契約法改正法(消費者団体訴訟制度の新設)」のQ&A解説書。一定の要件を備えた消費者団体が事業者に対して差止請求を行う新たな民事手続の制度を詳細に分かりやすく解説。

2007年11月10日 発行

執筆者紹介 はしがき 目次
補遺 ─消費者団体訴訟制度に関する平成20年の法改正




●執筆者紹介(執筆順)

松本恒雄(まつもと・つねお)

一橋大学大学院法学研究科教授
1974年 京都大学法学部卒
1991年 一橋大学法学部教授
1999年から現職
国民生活審議会消費者政策部会部会長
産業構造審議会割賦販売分科会長・消費経済部会長
日本工業標準調査会消費者政策特別委員会委員長
東京都消費生活対策審議会会長など
[主要著作]
『Q&A消費者契約法解説』(共著、三省堂、2000年[品切])
『21世紀の消費者政策と食の安全』(コープ出版、2003年)
『消費者からみたコンプライアンス経営』(編著、商事法務、2007年)
『消費者六法 2007年版』(共編著、民事法研究会、2007年)
『個人情報実務六法〔2007年版〕』(共編著、民事法研究会、2007年)

上原敏夫(うえはら・としお)

一橋大学大学院法学研究科教授
1973年 一橋大学法学部卒
1990年 一橋大学法学部教授
1999年から現職
一橋大学役員補佐(法務担当)
下級審裁判官指名諮問委員会東京地域委員会委員
東京地方裁判所管内司法委員
府中市個人情報保護審査委員会会長など
[主要著作]
『団体訴訟・クラスアクションの研究』(商事法務研究会、2001年)
『債権執行手続の研究』(有斐閣、1994年)
『ハンディコンメンタール民事執行法』(共著、判例タイムズ社、1985年)
『民事訴訟法(第5版)』(共著、有斐閣、2006年)
『民事執行・保全法(第2版補訂)』(共著、有斐閣、2006年)
『模範六法2008年版』(共編著、三省堂、2007年)



●はしがき

 平成18(2006)年の消費者契約法の改正によって、新たに消費者団体訴訟制度が導入されました。改正前の消費者契約法では、個々の消費者は、不当な勧誘による契約を取り消したり、不当な契約条項の無効を主張して、自身に生じた被害の救済を求めることができましたが、被害の発生の事前防止や拡大防止を求める権利は認められていませんでした。消費者団体訴訟制度は、消費者契約法に定める不当な勧誘行為や不当な契約条項を含む契約の申込みまたは承諾行為が不特定かつ多数の消費者に対してなされる場合に、そのような行為の差止めを求める権利(差止請求権)を、内閣総理大臣の認定を受けた適格消費者団体に認めるものです。

 従来、事業者の違法な行為を差し止める権限は、「特定商取引に関する法律」(特定商取引法)違反の場合の経済産業省等による業務停止命令や、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)違反の場合の公正取引委員会による排除命令など、行政機関に限って認められてきました。これは、不特定多数の消費者の利益は「公益」であって、公益の実現は行政機関のみが担うべきであると考えられていたからです。消費者契約法の改正によって適格消費者団体に差止請求権が認められたことは、消費者団体もまた公益の担い手であることを承認するもので、画期的なことです。民間が公益の担い手としてさまざまな活動を行うという21世紀型現代社会を象徴する一つと言ってもよいでしょう。今後、このような消費者団体の差止請求権は、拡大されることが予想され、平成20(2008)年の通常国会には、特定商取引法と景品表示法に消費者団体訴訟制度を導入するための改正法が提案される見込みです。

 おりしも、経済開発協力機構(OECD)理事会は、2007年7月に、「消費者紛争の解決と救済についてのOECD勧告」を採択しました。この勧告は、加盟国に対して、(1)消費者個人が自らの被害救済を求める制度、(2)集団としての消費者が被害救済を求める制度、(3)消費者保護行政機関が消費者のために被害救済を求める制度という3つの制度の整備を勧めるものです。日本では、まだ(3)に相当する制度はなく、(2)についても制度の整備は十分ではありませんが、国際的には、行政と民間の役割のクロスオーバーが生じていることが見てとれます。

 本書の共著者の2人は、一橋大学の民事法部門の同僚であり、ともに内閣府の審議会において、消費者団体訴訟制度の導入に関する議論に、実体法あるいは訴訟法の専門家の立場から、深くかかわってきました。本書が、法律の専門家だけでなく、消費者団体関係者、事業者、市民の方々など、多くの読者を得て、消費者団体訴訟制度の普及に役立ち、制度の発展と共に改訂を重ねることができるよう願っています。

2007年8月
松本恒雄
上原敏夫



●目  次


第1章 改正法の背景

Q1 立法の理由  2
なぜ消費者団体訴訟制度が導入されたのですか。
Q2 損害賠償の請求  5
消費者団体が消費者に代わって損害賠償を請求することはできますか。
Q3 消費者団体の訴訟適格  6
消費者契約法が改正される以前は、消費者団体は事業者の行為を差し止めることはできなかったのですか。
Q4 消費者契約法以外の法律違反の場合の差止請求  7
消費者契約法以外の法律に違反した事業者の行為に対しても、消費者団体は差止めを請求することができますか。
Q5 外国の消費者団体訴訟制度  8
外国では消費者団体にどのような権利が認められていますか。
Q6 改正法の施行期日等  10
消費者団体による差止請求訴訟はいつから可能になりますか。改正法の施行される前になされた事業者の行為を理由に、差止めを請求することができますか。

第2章 差止請求権

Q7 差止め  12
消費者団体は、事業者のどのような行為に対して差止めを請求することができるのですか。
Q8 不当な勧誘行為  13
差止請求のできる不当な勧誘行為とはどのようなものですか。
Q9 不当な契約条項  16
差止請求のできる不当な契約条項とはどのようなものですか。
Q10 不特定かつ多数の消費者  20
判断力の低下している一人の高齢消費者に対して、高額商品の次々販売が行われているような場合に、差止めを請求することができますか。
Q11 モデル約款の推奨行為の差止請求  22
業界団体の作成したモデル約款を推奨する行為に対して差止めを請求することができますか。
Q12 認可約款の差止請求  24
主務官庁が認可した約款に対しても差止めを請求することができますか。
Q13 代理人や受託者による不当勧誘行為  26
事業者の代理人や受託者が不当な勧誘行為をしている場合に、だれに対して差止めを請求することができますか。
Q14 代理人による不当な契約条項を含む契約の締結  27
事業者の代理人が不当な契約条項を含む契約を締結させようとしている場合に、だれに対して差止めを請求することができますか。
Q15 裁判外の差止請求  28
差止請求は裁判でしなければならないのですか。

第3章 適格消費者団体

Q16 差止請求のできる消費者団体  30
どのような消費者団体でも差止請求を行うことができるのですか。
Q17 認定の要件  32
消費者団体は、どのような要件を満たせば適格性を認定されますか。
Q18 認定の手続  36
適格消費者団体になるためにはどのような手続を踏む必要がありますか。
Q19 認定の更新、失効、取消し  39
いったん認定を受ければいつまでも適格消費者団体として活動できるのですか。
Q20 適格消費者団体の合併、事業譲渡、解散、業務の廃止  41
適格消費者団体は、合併や事業譲渡、解散、差止請求関係業務の廃止などをすることができますか。
Q21 適格消費者団体相互の関係  44
適格消費者団体は他の適格消費者団体とどのような関係をもつことが求められていますか。
Q22 個人情報保護と守秘義務  47
適格消費者団体の役員、職員、専門委員は、相談を受けた消費者の個人情報や差止関係業務を行うにあたって知り得た秘密について、どのように扱うことが求められていますか。
Q23 相手方事業者からの財産上の利益の受領の禁止  49
差止請求の相手方となった事業者から、紛争の解決にあたって交渉の費用をまかなうために解決金を受け取ることはできますか。
Q24 適格消費者団体の賛助会員としての事業者  51
事業者が適格消費者団体の賛助会員となって、その団体の活動を支援することはできますか。
Q25 差止請求関係業務以外の業務  52
適格消費者団体は、差止請求以外の業務をすることができないのですか。
Q26 適格消費者団体の活動の透明性確保  54
適格消費者団体の活動の透明性を確保するためにどのような方策がとられていますか。
Q27 適格消費者団体に対する監督  56
適格消費者団体に対して政府によるどのような監督が行われますか。
Q28 PIO─NET情報へのアクセス  59
事業者の不当な勧誘や不当な契約条項についての情報を集めるために、適格消費者団体は消費生活センターや国民生活センターから苦情相談情報の提供を受けることができますか。
Q29 適格消費者団体への国や地方公共団体の支援  61
適格消費者団体は国や地方公共団体からどのような支援を受けることができますか。
Q30 消費者支援基金  64
適格消費者団体の活動を支援するための消費者支援基金があるとのことですが、どのような団体で、どのような支援をしてくれるのですか。

第4章 差止請求訴訟手続

Q31 書面による事前の請求  68
裁判外の事前交渉をしたうえでないと、差止請求の訴えを提起できないのですか。
Q32 差止めの仮処分  69
緊急を要する場合に、差止請求の仮処分命令を申し立てることができますか。その場合でも、書面による事前の請求が必要なのですか。
Q33 管轄裁判所  70
差止請求の訴えはどの裁判所に提起することができますか。
Q34 訴えの提起のための費用  72
差止請求の訴えを提起する場合、裁判所にいくら支払う必要があるのですか。
Q35 裁判費用の負担  73
消費者団体が勝訴した場合、裁判のために要した費用は相手方事業者に請求することができますか。
Q36 和解・放棄  74
適格消費者団体は、いったん差止請求の訴えを提起した後で、相手方事業者と和解したり、請求を放棄したりすることができますか。
Q37 不適切な訴えの禁止  76
事業者に損害を与えることを目的とした訴えも許されるのですか。
Q38 同一事業者相手の同時複数提訴  77
同じ事業者に対して既にある適格消費者団体が差止請求の訴えを提起している場合に、他の適格消費者団体が同一の行為の差止請求の訴えを提起することができますか。
Q39 移送  78
訴訟の移送とはどのようなことですか。差止請求の訴訟が他の裁判所に移送されるのは、どのような場合ですか。別の事業者相手の同種の訴訟が別の裁判所に係属している場合も、移送される可能性があるのですか。
Q40 弁論・裁判の併合  80
弁論の併合や裁判の併合とはどのようなことですか。どのような場合に、弁論の併合や裁判の併合がなされるのですか。
Q41 適格消費者団体敗訴の判決確定後の他の団体による差止請求  82
ある適格消費者団体が事業者相手に差止請求の訴えを提起し、敗訴判決が確定した後に、別の適格消費者団体が同じ事業者相手に差止請求の訴えを提起することができますか。
Q42 適格消費者団体敗訴の判決確定後に消費者団体の適格性が失効しまたは取り消された場合  83
ある適格消費者団体が事業者相手に差止請求の訴えを提起し、団体の敗訴判決が確定した後に、その消費者団体の適格性の認定が失効したり、取り消された場合でも、別の適格消費者団体は同じ事業者相手に差止請求の訴えを提起することができないのですか。
Q43 同時に提訴されている複数訴訟の一つについて判決が確定した場合  84
同一の事業者相手に同一の内容の差止訴訟が複数提訴されている場合において、そのうちの一つについて判決が確定したときは、他の訴訟はどうなるのですか。
Q44 確定判決後の新たな行為に対する差止請求  87
適格消費者団体敗訴の判決が確定した後に、事業者がまた新たに同じ行為を行った場合でも、その適格消費者団体や他の適格消費者団体は、もはや差止請求の訴えを提起することができないのですか。
Q45 排除命令等が出されている場合の差止請求  90
事業者の行為に対して既に公正取引委員会が排除措置命令を出していたり、主務官庁が是正命令を出している場合にも、適格消費者団体は差止請求の訴えを提起することができますか。
Q46 差止めを命ずる判決の執行方法  92
差止めを命ずる判決が確定したのに、事業者がそれに従わない場合、どのようにして判決に従わせることができますか。
Q47 適格消費者団体の勝訴判決確定後における適格性の消滅  95
適格消費者団体が勝訴して、執行可能な確定判決が存在する場合において、その消費者団体の適格性の認定が失効したり、取り消された場合、だれがその判決の執行を求めることができますか。
Q48 確定判決後の差止請求権の放棄  96
適格消費者団体は、差止めを命ずる判決が確定した後でも、差止請求権を放棄することができますか。
Q49 消費者による判決の援用  97
不当な約款についての適格消費者団体勝訴の確定判決がある場合、消費者は個別の訴訟において、その判決を援用して約款中の使用を差し止められた条項の無効を主張することができますか。
Q50 訴訟や判決についての情報の提供  99
一般消費者や他の事業者は、差止請求の訴えが提起されたことや判決の内容について、どのようにして情報を得ることができますか。

第5章 企業と消費者のよりよい関係に向けて

Q51 差止請求への事業者の対応  102
 適格消費者団体から差止めの請求があった場合、事業者はどのように対応すればよいでしょうか。
Q52 差止請求を受けないための事前対応  104
事業活動に対して適格消費者団体から差止めの請求を受けないようにするためには、事業者はどのような点に配慮する必要がありますか。
Q53 事業者団体の役割  108
消費者団体訴訟制度の導入を受けて、事業者団体にはどのような役割が期待されていますか。

資  料

 消費者契約法  112
 消費者契約法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(衆議院)  133
 消費者契約法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(参議院)  134
 消費者契約法第13条第5項第1号及び第6号イの法律を定める政令  136
 消費者契約法施行規則  138
 適格消費者団体の認定、監督等に関するガイドライン  150

 事項索引  168

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