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  コンメンタール NTT法

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コンメンタール NTT法

石岡克俊 編著

6,500円 A5判 544頁 978-4-385-32336-7

NTT法の全条文(附則、再編法附則含む)を逐条ごとに分析・解説した本格的注釈書。条文ごとに「趣旨・概要」「条文解釈」「経緯」「解説」で立法の経緯、重要論点等を詳細に解説。NTT成立の歴史・展開を論述。

はしがき   目 次   編著者・執筆者紹介


2011年8月20日 発行



はしがき

 まず,この本の成り立ちから説明しておかねばなるまい。
 本書は,今から3年ほど前,ある会社の法務部において催された研究会に端を発している。この研究会は,2008年11月27日から開始され,期間の長短はあったものの,現在まで3期を数え,今も進行中である。
 本研究会の発足に先立つ,2006年6月には,竹中懇の名で知られる「情報通信・放送の在り方に関する懇談会」の最終報告書が公表されている。ここでは,いわゆる「通信と放送の融合」に対応した情報通信法制の抜本的な見直しが主要課題として取り上げられていた。本書の主な関心ともいうべきNTT再編に関する論点も情報通信法制の見直しの一環として検討対象に加えられている。
 本研究会は,「NTT組織問題研究会」と称され,この来るべき2010年のNTT再編論議に向け,法的・制度的検討ないし研究を目的とし,ソフトバンク社内に設けられたものである。メンバーは,大学で経済法を専攻する編者と,持株会社であるソフトバンク及び電気通信事業者でもあるソフトバンク傘下の事業3社の法務部員を中心に構成されている。これまで,研究会第1期では,公益事業における持株会社を主題とし,報告書「情報通信分野における『公正な競争』と持株会社」$(2009年5月22日)$をまとめ,研究会第2期では特殊会社と非対称規制の2つを検討対象とし,報告書「情報通信分野における特殊会社及び非対称規制の現段階」$(2010年3月29日)$をまとめた。研究会第3期では「接続取引の法的検討」を主題とし報告書をまとめることになっている。
 本研究会で,これまで取り上げてきたテーマを見ても分かるように,われわれはNTT$(グループ)$という企業の組織的実態やこれに対する法的・制度的課題への関心を中心に据えながらも,その分析や評価にあっては,常に競争法的視点から思考してきた。いまさら,R.H.コースの言説をひくまでもないことだが,一企業の組織上の判断において,「組織」と「市場」は常に代替的であり,NTTの在り方を法的・制度的に検討していく場合であっても,「組織法」的関心に基づく議論だけではいまだ十分ではなく,わが国の情報通信市場における競争の実態と全くかけ離れた議論はナンセンスであるとさえいえる。
 その意味で,われわれの研究会の試みは,電気通信事業法やNTT法など電気通信関連立法を競争法的視点から吟味し,これら法制度の再検証と合理的な理解のための体系的再構成であるといえるかもしれない。そもそも,電気通信関連の諸立法も経済法である以上,一般競争法たる独占禁止法との整合的な理解がなされなければならないと考えている。

 ちょうど,本研究会第2期の途中あたりから,平場の議論においても,日常的に電気通信事業法やNTT法の解釈論や問題点などが頻繁に話題にのぼるようになってきた。研究会のメンバーもこれまでの議論をよく調べ,たとえ断片的なものであったとしても,興味深い報告が寄せられるようになってきた。
 だが,悩みもあった。それは,これらの法制度を検討していくに当たり,参照すべきまとまった文献があまりにも少ないこと,また,当時の資料がなかなか手に入らないことである。その上,残念なことに,多くの情報は,当事者として関わった人々の属人的な知識や経験の中にしまわれたままになっており,議論や検討のための共通の知的基盤ができていないように思われた。
 ならば,われわれの手で,現在確認可能な情報や素材を用い,1冊にまとめることはできないか。そういう思いからスタートしたのが,本書の構想である。昨年から,先の「NTT組織問題研究会」とは別に「NTT法逐条研究会」を組織し,各条項を担当者に割り当て,検討し,原稿の執筆に着手した。執筆に当たっては,基礎的な資料を収集し可能な限り事実については裏をとることとし,思考や論理においては法的な作法に則り,記述にあっては客観性を旨とするよう心がけた。もちろん,本書も1冊の書物として,一貫した思考の帰結を表明するものである以上,意見にわたる部分も当然含むものだが,その表明にあっては,特定の利害関係者に傾斜することなく,是々非々の態度での議論に臨むよう努めた。
 本書の原型は,当初,社内版としてとりまとめられた。既に述べたとおり,研究会における議論の際参照したり,社内外からの情報通信に関する法制度の問い合わせに対応するため,各条項毎,その成り立ちや議会での議論,趣旨・概要等を記述したものであった。しかし,やがて,その質・量を見るにつけ,これを社内に止め置くのではなく,書籍として刊行し,広く社会にわれわれの問題意識や考えを問うてみようということになった。
 そして,将来の情報通信分野における政策や制度を考えて行くに当たり,経緯を知る一部の関係当事者だけではなく,広く国民が自分自身の問題として議論に参加する手がかりを提供しようということになった。こと,情報通信の問題においては,専門的・技術的側面が強調され,そのために一般消費者にとってきわめて重要なサービスであるにも関わらず,経緯や事情に通じている人々によって議論が主導される傾向がないとはいえない。しかし,議論の推移を見ていくと,議論のたびに繰り返し立ち現れる論点も多く,既に理論的には解消したかに思われた議論が再び蒸し返されることも少なくない。この原因の一端は,情報通信をめぐる議論の前提となるこれまでの経緯や事情が必ずしも広く国民・一般消費者に共有されていないことにあるのではないかと考えている。
 われわれは,「その先の議論」をしていきたいのである。そして,経緯や事情を知っているか知らないかで,専門家としてこの問題の通行手形を手にするのではなく,広く国民・一般消費者に経緯や事情を理解してもらった上で,「その先の議論」を一緒に考えて行きたい。本書のねらいはここにある。

 本書の成立には,数多くの人の手を煩わせ,かつ,これらの人々の献身的な協力なしには本書の刊行は至らなかった。ことに,ソフトバンクBB株式会社法務戦略室の齊藤雅俊氏。本書のようなコンメンタールの編集・執筆においては,すべての条項について網羅的で緻密な思考と作業を粛々と進める彼の能力は不可欠であった。特に,彼による帝国議会の議事録など戦前の資料をはじめとする,数多くの1次資料を探索は,特殊法人・特殊会社に関するこれまでになかった理解を可能にしたと思う。先に触れた社内版の編集に始まり,彼には,本書の記述の多くを負った。ただ,本書の狙いや書籍としての編集上の事由から,1次資料に基づく整理の多くを削除した。本書において,氏の意向を十分に汲むことができなかったのはひとえに編者であるわたしの責任である。
 そして,ソフトバンクテレコム株式会社法務戦略室の佐藤真紀氏。本書の編集及び執筆において,彼女との議論はきわめて有益であった。現状の電気通信事業に対する正確な理解と課題解決に向けた熱意は,しばしばわたしの問題意識を喚起し,さまざまな思考へと導いた。わたしが,本書の刊行をあきらめず,やりとおすことができたとすれば,彼女のおかげである。残念なのは,社内的な調整や出版社との窓口などを彼女に押しつけてしまい,既に彼女が有している情報通信事業に関する経験・理解・知識を存分に発揮する機会を十分に提供できなかったことである。
 さらに,ソフトバンクグループ事業3社の法務戦略室室長でソフトバンク株式会社法務部長の須﨑將人氏。「NTT組織問題研究会」の発足以来,現在まで本研究会の活動が継続し,本書を含め,それなりの成果が出ているとすれば,それは氏のわれわれの研究に対する信頼があるからだと信じている。研究であっても,企業においてはしばしば「期限内に結論を出すこと」を求める。それは当然のことなのかもしれないが,ともすれば,それは「期限を守るために,始める前からあらかじめ定まった結論が出てしまっている」ことにもなりかねない。その点,氏はきわめて寛大であった。期限よりも,むしろ本質を見いだすことに意義を見いだしてくれた。研究活動の維持のみならず,本書の刊行も,氏のもとでなければ絶対に不可能であったと思っている。
 その他,執筆原稿の整理や校正等の細かい作業は,ソフトバンクモバイル株式会社法務戦略室の藤村典子さん,元ソフトバンク株式会社法務部の龐博さんのお二人の協力を得た。修正を繰り返し,なかなか定まらない原稿で,ずいぶんと迷惑をかけた。
 本書を上梓するにあたり,多くの助言と巧みな励まし,そして編集の労をとってくれた三省堂の鈴木良明氏に心から感謝を申し上げたい。氏とは大学院生の時,師の研究室に出入りしていたときからの知己である。数多くの経済法関連書籍の出版の経験を持つ,彼の手でこの本の刊行ができたのは,この本にとっても幸せなことだと思う。
 最後になるが,本書や本研究会において利用した資料のうち,NTT再編前後のものは,当時,その議論に消費者の立場から関わっていた主婦連合会事務局長の故吉岡初子さんから10年ほど前に「将来の研究のために」と編者であるわたしが頂戴したものである。多くの資料が手に入りにくい中,審議会の答申といった公の文書にとどまらず,当時の新聞記事や吉岡さん自身のメモもその中にはあり,その当時の様子を知るのに本当にありがたい資料であった。彼女の意向どおり,将来の研究のために,この資料を役立てることができたのは,望外の幸せである。ご縁に感謝したいと思う。

執筆者を代表して

石岡 克俊


●目  次

目次

はしがき

凡 例

編著者・執筆者紹介

第1部 NTTとNTT法

I NTT法の成立と展開

II NTTの現状

III NTT法改正の概要

IV 我が国の電話設備の形成において加入者が果たした役割

第2部 NTT法逐条解説

題名 日本電信電話株式会社等に関する法律

第1条(目的)

第2条(事業)

第3条(責務)

第4条(株式・その1)

第5条(株式・その2)

第6条(外国人等の取得した株式の取扱い)

第7条(政府保有の株式の処分)

第8条(商号の使用制限)

第9条(一般担保)

第10条(取締役及び監査役)

第11条(定款の変更等)

第12条(事業計画)

第13条(財務諸表)

第14条(重要な設備の譲渡等)

第15条(監査命令等)

第16条(監督)

第17条(報告)

第18条(財務大臣との協議)

第18条の2(委員会設置会社である場合の読替え)

第19条から第22条まで(罰則・その1)

第23条(罰則・その2)

第24条(罰則・その3)

第25条(罰則・その4)

第26条(罰則・その5)

附則第1条(施行期日)

附則第2条(会社の在り方の検討)

附則第3条(会社の設立)

附則第4条(公社の解散等)

附則第5条(権利及び義務の承継に伴う経過措置)

附則第6条(職員に関する経過措置)

附則第7条及び第8条(削除)

附則第9条(会社の設立に伴う租税関係法令の適用に関する経過措置)

附則第10条(政令への委任)

附則第11条(日本電信電話公社法等の廃止)

附則第12条(日本電信電話公社法の廃止に伴う経過措置)

附則第13条(発行済株式の総数の算定方法の特例)

附則第14条(会社の新株募集等の認可の特例)

附則第15条(罰則・その6)

附則第16条(金銭の交付等)

第3部 NTT再編法附則逐条解脱

再編法附則第1条(施行期日)

再編法附則第2条(日本電信電話株式会社:の再編成)

再編法附則第3条(基本方針)

再編法附則第4条(実施計画)

再編法附則第5条(地域会社の設立)

再編法附則第6条(長距離会社の設立等)

再編法附則第7条(事業等の承継・その1)

再編法附則第8条(事業等の承継・その2)

再編法附則第9条(社債に係る債務に関する連帯債務)

再編法附則第10条(地域会社の事業計画についての経過措置)

再編法附則第11条(金銭の交付)

再編法附則第12条(租税関係法令の適用に関する経過措置)

再編法附則第13条(削除)

再編法附則第14条(国際電気通信事業を営む法人への出資)

再編法附則第15条(事業の引継ぎ等に関する命令)

再編法附則第16条(削除)

再編法附則第17条(罰則)

再編法附則第18条(電気通信事業法の適用に関する経過措置)

再編法附則第19条(関係法律の適用に関する経過措置)

再編法附則第20条(政令への委任)

再編法附則第21条(罰則の適用に関する経過措置)

再編法附則第22条(恩給法の一部を改正する法律等の一部改正)

再編法附則第23条(電話加入権質に関する臨時特例法の一部改正に伴う経過
 措置)

再編法附則第24条(自衛隊法の一部改正)

再編法附則第25条(災害対策基本法の一部改正)

再編法附則第26条(削除)

再編法附則第27条(電気通信事業法の一部改正)

再編法附則第28条(電気通信基盤充実臨時措置法の一部改正)

再編法附則第29条(郵政省設置法の一部改正)



編著者・執筆者紹介

〔編著者〕

石岡 克俊(いしおか・かつとし)

昭和45年   北海道生まれ
平成5年3月  慶應義塾大学法学部法律学科卒業
平成7年3月  慶應義塾大学大学院法学研究科前期博士課程修了(修士(法学))
平成9年4月  慶應義塾大学産業研究所助手
平成10年3月 慶應義塾大学大学院法学研究科後期博士課程単位取得退学
平成15年4月 慶應義塾大学産業研究所准教授,現在に至る
専攻:経済法,知的財産法,消費者法

〈主要著書・論文〉
『著作物流通と独占禁止法』(慶應義塾大学出版会,2001年)
『著作権の法と経済学』所収「消尽理論の法と経済学」(共著・林紘一郎編著)
 (勁草書房,2004年)
「『接続』の法的構成─『接続』・『卸』と電気通信事業法─」
 (KEO Discussion Paper No.124 March/2011)
「接続と競争政策」(KEO Discussion Paper No.125 March/2011)
「消尽原則と競争秩序─頒布権の行使と取引の制限─」日本経済法学会年報27号
 (2006年10月)
「著作権法に基づく権利の行使と競争秩序─頒布権・消尽・独占禁止法─」法学研究
  76巻1号(2003年1月号)
「著作物再販をめぐる動向と理論」『法律時報』71巻11号(1999年10月号)

〔執筆者〕(50音順)

内田 千恵子(うちだ・ちえこ)

ソフトバンクBB(株) 法務戦略室(弁護士)

金子 順事(かねこ・じゅんじ)

ソフトバンク(株) 法務部(弁護士)

倉又 綾子(くらまた・あやこ)

ソフトバンク(株) 法務部(弁護士)

小林 篤来(こばやし・あつき)

ソフトバンクテレコム(株) 法務統括部

齊藤 雅俊(さいとう・まさとし)

ソフトバンクBB(株) 法務戦略室(弁護士)

佐藤 真紀(さとう・まき)

ソフトバンクテレコム(株) 法務戦略室

嶋 啓吾(しま・けいご)

ソフトバンク(株) 法務部

鈴木 宏昌(すずき・ひろまさ)

ソフトバンクBB(株) 法務統括部(弁護士)

益田 明子(ますだ・あきこ)

ソフトバンクモバイル(株) 法務統括部(弁護士)

宮下 和昌(みやした・かずまさ)

ソフトバンクモバイル(株) 法務戦略室(弁護士)



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