●収録法令
労働契約法を新たに収録し、収録法令158件。
●収録判例
重要法令 23件に判例要旨を条文ごとに掲載。1年間の重要判例を増補。検索に便利な判例索引つき。
▲追録贈呈:新判例・改正法令等を収録した追録≪判例速報≫を2009年4月に発行します。ご希望の方は、本書挿入の読者カード〈追録引換券〉にてお申し込みください。
われわれの社会生活の大部分は法によって規制されている。政治、経済、文化のいずれの領域においても高度な発展を遂げ、複雑化した現代社会にあっては、法の果たす役割は一段とその重みを加えているが、その法の中でもわけても重要なのは、立法機関により制定された成文法であることはいうまでもない。その成文の諸法令を集めたものが六法全書である。わが国には、おびただしい数の成文法が存在するが、法律学の基本を学習する上で必要とする法令はそれほど多くはない。そこで、法律学を学ぶ学生諸君はもとより、法律実務家から一般市民に至るまで手軽に使えるように、携帯に便利で使いやすい判型に厳選した法令を収め、かつ主要な法令には判例を掲げた本六法を、一九八六年秋に創刊した。
ところで、法が現実に機能し、われわれの生活を具体的に規律するのは、裁判所における裁判を通じてであることが多い。それゆえ、「先例としての判決」である判例は「生ける法」ともいうべきものであって、法の学習や研究にとって判例のもつ意義はすこぶる大きい。国民の権利意識が高まり、日々多数の法的紛争が裁判所に持ち込まれている今日においては、その意義はとくに大きいといえる。私たちが、判例つき六法である「模範六法」を編修して世に送ったのは、このことを考えてのことであって、それが好評をもって迎えられたことは、故なしとしないであろう。本書においても、主要な法令には各条文ごとに判例を掲載しており、その意味で、「模範六法」の小型携帯版といってよい。
これまで毎年の改訂を重ねる中で、幸いにも幅広い層の読者からご支持を得ることができた。
しかし近年、法の制定、改廃が激しくなるにつれて、法令の数、量とも大きくなり、また、司法改革が進む中で、読者の方々が求める内容に関しても専門化、多様化が際立ってきたことを受けて、法令集の基本である法令・条文採録の再検討を重ねてきた。そして、われわれ「判例六法編修委員会」としては、同時に編修を進めている「模範六法」については、実務、専門的利用において一定の規模が必要との判断をしつつ、本書については法令・判例要旨を精選することにより、ハンディーな小型六法としての特性を最大限追求することを基本に編修にあたってきた。この間、実務家、学習者、一般市民の方々からの多様なご要望、ご意見を寄せていただいたことは編修において大いに励みとなった。
こうして、「模範六法」の精選版としての特性を明確にする趣旨から、本年版より書名を「コンサイス判例六法」から「模範小六法」と改称することにした。「判例六法編修委員会」の当初の編修意図をより鮮明にすることでもあり、また、「判例六法」が一般的になってきたことをも考慮してのことである。
「模範小六法」はこのような趣旨に基づくものであって、小型で限られた紙幅の中にどのように充実した内容を盛り込むかに最も多くの苦心を必要とし、その編修にあたっては、とくに次の点に留意した。
(一) 収録法令−大学の法学部・法科大学院に学ぶ学生および各種資格試験受験生の学習にとって必要な法令は、ほぼ遺漏なく収録するように努めた。
(二) 収録判例−判例の選択はとくにむずかしい問題であった。ここでも、法学部・法科大学院の学生および各種資格試験受験生諸君の学習上必要と認められる判例は、可能な限り多く収録するように努めた。
(三) 条文の機能的理解に資すべく、重要法令には参照条文を付することとした。
以上の方針に基づき、編修委員会を構成する二三名の委員が分担して、各分野の収録法令および判例の選択、参照条文の執筆等にあたった。憲法編は、大須賀、吉田、そのうち国際私法(法の適用に関する通則法)に関する部分は早川(眞)が、行政法編は手島が、民法編は田山、小粥、淡路、野澤、石井が、商法編は落合、小塚、北村、前田、早川(徹)が、民事訴訟法編は伊藤、上原、山本が、刑法編は川端と佐久間が、刑事訴訟法編は渡辺と小山が、社会法編は村中が、経済法編は舟田が、国際法編は石本(顧問)がそれぞれ担当した。
本年版では、新たに、労働契約法を収録した。また、行政書士法、地方自治法、自衛隊法、不動産登記規則、借地借家法、供託規則、自動車損害賠償保障法、商法、会社法、会社法施行規則、金融商品取引法、民事訴訟規則、刑事訴訟法、刑事訴訟規則、少年法、労働組合法、労働基準法、不当景品類及び不当表示防止法、消費者契約法、特許法をはじめ、前年版以降の法改正を織り込んだ。また、各分野の重要判例を増補収録した。
このようにして、「模範小六法」の新版を世に送ることとなったが、今後とも読者諸賢のご助言とご教示が得られれば幸いである。
なお、資料収集などにご尺力をいただいている早稲田大学教授中島徹(憲法編)、明治大学教授江島晶子(憲法編)の各氏に深甚の謝意を表する。
2008年9月1日