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新・判例コンメンタール 刑法6
はしがき

 この『新・判例コンメンタール刑法』は,1976年に刊行された,大塚仁編『判例コンメンタール刑法』を,今日的な観点から全面的に改訂したものである。旧版を一応の基礎としながらも,できるだけフレツシュな感覚による見直しをはかり,現在に適した内容のものとするために,新たに,川端博が編集に参加した。

 新版の編集にあたっては,まず,他の法律についての『新・判例コンメンタール』と同様に,旧版以来の「判例をもって条文を語らしめる」という基本的コンセプトを踏襲しながら,新たに主要な読者対象として法律実務家および専門の研究者を予定しつつ,「最新の実務判例を重点的に取り上げ,参照判例をも含めて戦後の重要判例の大半を,それらの判例解説などの文献とともに網羅的に検索することができるデータ・ベース」を提供することを目標とした。

 すなわち,旧版においては,読者に法律実務家のほかに法学生をも考え,とくに演習用の判例教材として使用されることも目指したため,判決文の引用もおのずから長目になった上に,なるべく事案の概要や当事者間の対立する主張などをも取り上げ,また,興味のある論点を含んだものは,簡易裁判所の判決まで採用していた。これに対して,新版では,上記のように読者対象をしぼったので,判例の引用も,理論的および実際的な利用度の観点から,必要な範囲に限定するとともに,重要なものはできるだけ数多く引用することとした。そして,戦前の大審院判例などへの配慮も怠らなかったものの,主として戦後の最高裁判所および高等裁判所の判例中から選出することを心掛けた。

 また,旧版は,刑法総則1巻,各則2巻の計3巻であったが,新版では,総則3巻,各則3巻の計6巻として,なるべく多数の判例を収容しうるように努めている。なお,この巻は,各則(罪)の第6巻として,刑法典第2編第34章ないし第40章,条文にして第230条ないし第264条を取り扱っている。

 次に,判例の取り上げ方としては,旧版とほぼ同様に,各条の解釈上の問題点ごとに,関係した代表的な判例を選び,判文中の必要部分を取り出して,その要旨を簡明に付するとともに,適宜の配列を与え,かつ,これらの判例の意義について,関連する学説などをも引照しつつ,「解説」を加える。判例の引用の仕方が異なり,判例の数が多数に及んでいるために,解説は,旧版と比べて,より微細な論点にまでわたり,かつ,技術的な面をも含むことになると思われる。

 そして,各条については,このような判例とその解説を中心としつつ,その前に当該条文の意義を「概説」するとともに,その条文中に引用されている判例を年月日,事件番号によって示し,検索の便をはかった。また,引用された判例についての評釈などの研究がある場合には,評釈者名,登載雑誌等を網羅的に掲げ,また,参照すべき判例があるときは,その年月日,登載判例集等をいちいち摘示することとした。

 こうして,新版においては,判例を介して各条文の意味を知ることは,旧版と比べて,より細部にまでわたって,適確かつ容易になされ得るとともに,さらに進んで,一層深く判例の研究を行うについても,有力な手掛かりが得られるはずである。

 さて,新版の執筆者には,旧版と同じく,各大学において刑法を講ぜられている学者諸氏にお願いすることとした。各判例の意義を学問的に検討していただくことが,本書にとって有益であると考えたからである。ただ,旧版においては,引用判例の選択,整理はあらかじめ編集者が行った上,それについての解説だけを執筆者に委嘱したのに対して,今回は,判例の選出,分類,要旨の付記から,それらの判例の解説までのすべてを執筆者に一任した。そのため,執筆者によって,判例の取り上げ方にある程度の差異を生じたり,同一の判例が数個の条文に重複して引用されることなども起こり得るであろう。しかし,それらは,本書の目標とするところからは,あえて問題とするにあたらないと考えている。

 以上のような新版の編集方針を了解され,ご多用中にもかかわらず,それぞれの条文に関して,必要な判例の選出とその適切な解説を立派に完成して下さった執筆者各位に心からお礼を申し上げたい。貴重なご尽力によって,この新版は,「判例をもって条文を語らしめる」という狙いを十分に達成しえていると自負するものである。

 なお,とくに付記しておきたいのは,出版の都合から新版の刊行が他の法律よりも遅れたことが僥倖して,平成7年法律91号により,刑法典の用語の平易化が実現したことである。そのため,執筆者の方々には,既に完成していた原稿を修正するというお手数を煩わしたが,それによって,現代語化された新しい刑法典に対して,その施行後の早い時点において,このように充実した内容の『新・判例コンメンタール刑法』を世に問いうることになったのは,誠に喜ばしいことというべきである。

 終わりに,この新版の完成について,長期間にわたり,終始極めて熱心な努力を払われた三省堂法律書編集部の方々に深く謝意を表する。

1998年2月

大塚 仁
川端 博

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