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新判例マニュアル 民法
はしがき

 民法を学ぶには、条文を読むだけではなく、それぞれの条文が具体的にどのように適用されるかを理解する必要がある。そのためには判例を読むことが有益である。判例には、具体的な紛争に関して裁判所の行った法的判断が凝縮されている。この判断は、当然のことながら、類似事件に大きな影響力を及ぼす。判例が、具体的な紛争解決規範としての性格を有し、「生ける法」として機能していると言われる所以である。したがって、さまざまな法律制度が実社会でどのように機能しているかを知るためには、判例を学ぶことが不可欠であるし、また、判例を学ぶことによって、法律を解釈し適用するためにはどのような点に配慮すべきかを修得することもできる。

 では、判例はどのように学ぶべきか。

 学生が判例を効率的に学習するために、旧来から様々な判例教材が公にされてきた。本書の前身たる『判例マニュアル民法』もその1つである。見開き2頁で、判例の概要と問題点、学習のポイントを示したコンパクトな判例教材として、幸いにも多くの読者に恵まれた。だが、本書旧版を含めた既存の判例解説書の多くは、判例それ自体の解説に重点が置かれ、事案・争点・裁判所の判断・解説というスタイルが1般的であった。その結果、学習者は、個別判例に現れた論点の内容・考え方は理解しえても、当該論点の民法体系上の位置づけや論点相互間の理論的関係等については、なかなか理解しにくい状況に置かれてきた。総じて言えば、既存の判例解説書は、民法理論全般を理解するために「通読すべき教材」として性格づけられるよりも、必要に応じて参照されるべき「事典的教材」として、特徴づけられてきたといって過言でないであろう。

 旧版の刊行から10年、世の変化につれ、新判例も続出した。時代の要請にあった判例教材たるべく収録判例の差し替えが喫緊の課題となり、本書『新判例マニュアル民法』の刊行に至ったわけである。同時に、前述の視点から、本書では、旧版のコンセプトをも見直し、民法の主要論点を理解するための「通読すべき書」としての性格をもあわせもたせるよう工夫した。

 判例自体の紹介は、欄外にコンパクトな形で置くにとどめた。重きを置いたのは、その判例で問題となった論点の民法上の意味や位置づけ、そして関連する論点相互間の理論的関係の解説である。そのため、各判例とも、冒頭に当該判例を素材とした【設例】を提示し、解説は民法の全体像と関連づけて設例を考える、というスタイルを採った。【設例の狙い】では何を問われているか、論点はなにかを、【学説と判例】では当該論点の学説上・判例上の位置づけを、そして【解説】では設例を解く筋道と論点をめぐる学説・判例の状況を、【関連判例】では関連する論点につき判断した判例を掲記して、判例を有機的に理解できるようにした。そして必要に応じ【参考文献】を置いた。

 このような欲張った企画を実現するためには、非常に限られた枚数で要点を簡潔に叙述するという至難の技が要求される。他方、研究者の執筆環境は悪化の1途をたどり、有力な研究者であればあるほど、研究・教育だけでなく、学内外の仕事に時間をとられ、多忙の日々を送られている。そのような悪状況下にもかかわらず、本企画に賛同されて玉稿をお寄せいただいた諸先生方に、心から御礼を申し上げる。本書に収録された力作を読むことを通して、読者諸兄が、民法学にさらに強い関心をもち、問題点を深く考察するようになることを期待しつつ、本書を世に送る。

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