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労働者派遣法

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労働者派遣法

鎌田耕一・諏訪康雄 編著、山川隆一・橋本陽子・竹内(奥野)寿 著

2,800円 A5判 352頁 978-4-385-32229-2


厚労省研究会委員として立法に携わった著者陣が、労働者派遣法制を解説。事業規制から、当事者間の私法的な関係に至るまで、政省令や指針、判例・学説などを豊富に示しながら論考。平成27年改正完全対応版。

はしがき   目 次   編著者・著者紹介


2017年2月25日 発行



はしがき

 本書は、労働者派遣法に関心のある法律家、企業等の派遣実務担当者、労働者派遣事業に携わる方、労働組合等の関係者、行政の担当者、研究者などを主な対象にして、労働者派遣に関する法制度を総合的に解説するものである。詳しく述べると、本書は、労働者派遣法の目的、歴史、労働者派遣事業の規制、派遣労働者保護、及び労働者派遣をめぐる3者関係、すなわち、派遣元・派遣先間の労働者派遣契約関係、派遣元・派遣労働者間の雇用関係、派遣先・派遣労働者間の派遣就業関係の各法律関係について解説するものである。

 労働者派遣法は1985(昭和60)年制定以来、改正を繰り返してきた。そして、その都度、その是非について社会的に議論がなされてきた。労働者派遣法はその折々の社会的要請を受けて改正されたために、内容はかなり複雑で、労働関係法令の中でも理解が難しいもののひとつとされてきた。それは、あたかも、増改築を繰り返して道案内がなければどこにもいけない温泉旅館の建物にも似ている。本書は、労働者派遣法の理解が少しでも容易になるよう全体的に工夫し、例えば、派遣法理解の道案内として冒頭に「道しるべ」を置いている。

 労働者派遣法を扱った類書は数多いが、本書はそれらと異なっているところが3点ある。

 まず、本書は、労働者派遣法の各条文の解説だけではなく、派遣労働者・派遣元・派遣先の3者間関係に係わる法的問題を総合的に検討している。すなわち、本書は、労働者派遣法の解説(第2編、第3編、第4編、第8編、第9編、第10編)だけではなく、派遣先・派遣元間の法律関係(第5編)、派遣労働者・派遣元間の法律関係(第6編)、派遣先・派遣労働者間の法律関係(第7編)のそれぞれを分けて、私法上の権利義務関係にも解説を加えている。

 第2に、本書は、労働者派遣に関する近年の裁判例をできるだけ取り上げ、読者が裁判例の動向を探ることができるよう工夫している。労働者派遣法の規定そのものの解釈を争う裁判例はそう多くはない。むしろ、派遣労働者の解雇・雇止めなど派遣労働関係をめぐる裁判が多く提起されている。近年の労働者派遣をめぐる裁判例の展開は目を見張るものがあり、派遣問題を考える上で、裁判例の研究が今後ますます必要となろう。

 第3の特徴は、本書の執筆陣が全員、何らかの形で(厚生労働省の「今後の労働者派遣制度の在り方研究会」委員又は厚生労働省労働政策審議会公益委員として)労働者派遣法の立法(改正)に関与している点があげられる。もちろん、本書での記述は、執筆者個々人の責任において執筆されたものであるが、数度にわたる改正に本書の執筆者は間近に接し、そこでの知見も記述に反映している。

 以上の本書の特徴がどれだけ成功しているかは、読者の判断に委ねるほかないが、本書が、難解といわれる労働者派遣法、派遣労働の法律関係を理解する上で、少しでも道案内の役を果たすことができれば幸いである。


 本書の刊行までには長い年月を要した。労働者派遣法の改正が揺れ動いたことが大きい。執筆者間の勉強会などの準備過程も続いた。その間、多くの方々に様々な面でご助力をいただいた。特に、厚生労働省の皆様には多大なご協力をいただいた。執筆者一同を代表して深く感謝申し上げたい。また、本書刊行まで、辛抱強く、的確かつ誠実な対応をしてくださった三省堂書籍編集部の井澤俊明氏には、心よりお礼申し上げる次第である。


2016年12月

鎌田 耕一
諏訪 康雄



目  次

序編 労働者派遣法の道しるべ─構造・機能・歴史

1.労働者派遣とは?

2.なぜ労働者派遣か?

3.どう労働者派遣か?

4.2015(平27)年改正法のポイント

5.労働市場と法

6.労働者派遣をめぐる紛争

7.本書の構成

第1編 労働者派遣法の歴史

第1章◆1985(昭60)年労働者派遣法の成立

1.立法前史

2.立法後の動向

第2章◆1999(平11)年改正

1.改正の経緯

2.1999(平11)年改正法の概要

第3章◆2003(平15)年改正

第4章◆2012(平24)年改正

1.改正の経緯

2.2012(平24)年改正法の概要

第5章◆2015(平27)年改正

1.改正の経緯

2.2015(平27)年改正の概要

第6章◆小括

第2編 法の目的と労働者派遣の概念

第1章◆労働者派遣法の目的、意義、法的性格

1.労働者派遣法の目的

2.労働者派遣法の意義

3.労働者派遣法の構成と法的性格

第2章◆労働者派遣の概念と類似の労務供給

1.労働者派遣の概念

2.派遣労働者

3.労働者派遣事業

4.紹介予定派遣

5.労働者派遣類似の労務供給

第3編 労働者派遣事業の許可

第1章◆労働者派遣事業の許可

1.許可制の趣旨

2.届出制廃止に伴う経過措置

3.許可の手続き(5条)

4.欠格事由(6条)

5.許可基準(7条)

6.許可条件

7.無許可派遣等の効果

第2章◆その他の営業に関する規制

1.許可証(8条)の備付け

2.事業の廃止(13条)

3.名義貸しの禁止(15条)

4.事業報告(23条1項・2項、規則17条)

5.海外派遣の特例(23条4項、規則18条)

6.事業所ごとの情報提供

7.労働争議の不介入

第3章◆適正な派遣事業の運営に関する規制

1.「専ら派遣」の禁止(7条1項1号)

2.個人情報保護

3.秘密を守る義務(24条の4)

4.派遣法の運用における国の責務

第4編 労働者派遣事業の規制

第1章◆派遣禁止業務

1.派遣禁止業務規制の意義

2.港湾運送業務

3.建設業務

4.警備業務

5.医療関係業務

6.派遣禁止業務以外の業務にかかる制限

第2章◆日雇派遣の禁止

1.概要

2.日雇派遣禁止の趣旨

3.禁止の例外

4.35条の4違反の効果

5.日雇派遣指針

第3章◆離職労働者の離職後1年以内の離職企業への派遣とその受入れの禁止

1.禁止の趣旨とその内容

2.禁止の例外たる「60歳以上の定年退職者」

3.禁止規制違反の効果

第4章◆グループ企業内派遣の制限

1.派遣元事業主の関係派遣先に対する派遣割合の8割制限

2.「関係派遣先」の意義

3.「派遣割合」の算出方法

第5章◆派遣可能期間の制限

1.派遣可能期間の制限にかかる規制の沿革及び趣旨

2.事業所ごとの労働者派遣の役務の提供を受ける期間の制限

3.同一の派遣労働者にかかる労働者派遣の役務の提供を受ける期間の制限

第5編 派遣元・派遣先間の法律関係

第1章◆労働者派遣契約の成立

1.労働者派遣契約の意義

2.労働者派遣契約の債権・債務

第2章◆労働者派遣契約の内容(26条)

第3章◆派遣元・派遣先の義務

1.総説

2.派遣先の義務

3.派遣元の義務

第4章◆労働者派遣契約の終了

1.解除(27条、28条)

2.解除に当たっての措置(29条の2)

第6編 派遣元・派遣労働者間の法律関係

第1章◆派遣元・労働者の法律関係の性質

1.派遣労働契約の意義と法的性質

2.有期雇用派遣と無期雇用派遣

3.派遣労働契約と労働者派遣契約の相関関係

第2章◆派遣登録の法律関係

1.登録の法的性質と登録者に対する派遣元の義務

2.登録時の事前面接をめぐる問題

第3章◆派遣労働契約の成立と就業条件等の明示

1.派遣労働契約の成立

2.派遣労働者であることの明示

3.派遣労働者に対する就業条件等の明示

4.労働者派遣に関する料金の額の明示

第4章◆派遣労働者の労働条件の決定と変更

1.派遣労働者の労働条件の決定

2.労働条件等の変更

3.労働契約法の適用について留意すべき事項

第5章◆派遣労働者の権利義務

1.労働義務

2.賃金及び休業手当

3.労働時間、休憩・休日

4.年次有給休暇

5.服務規律・懲戒

6.安全配慮義務

7.派遣労働者のセクハラ等被害と派遣元の責任

第6章◆派遣元事業主の講ずべき措置

1.概要

2.特定有期雇用派遣労働者等に対する雇用安定措置

3.派遣労働者に対する段階的・体系的な教育訓練等

4.派遣先の労働者との均衡を考慮した待遇の確保

5.派遣労働者等の福祉の増進と適正な就業確保

6.待遇に関する事項等の説明

7.派遣労働者に係る雇用の制限の禁止

8.派遣元事業主の雇用管理責任

第7章◆雇用関係の終了

1.雇用関係の終了事由

2.有期雇用派遣労働者の解雇

3.有期雇用派遣労働者の雇止め

4.合意退職

5.無期雇用派遣労働者の解雇

第7編 派遣労働者・派遣先間の法律関係

第1章◆派遣就業関係の法的性質

1.派遣就業関係

2.黙示の労働契約の成否

3.法人格否認の法理と派遣先の責任

第2章◆派遣先の講ずべき措置

1.労働者派遣契約に関する措置

2.適正な派遣就業の確保等

3.派遣先責任者・派遣先管理台帳

第3章◆派遣労働者の雇用の努力義務・募集の際の周知義務

1.特定有期雇用派遣労働者の雇用努力義務

2.労働者募集の際の周知義務

第4章◆派遣先の損害賠償責任

1.派遣先の派遣労働者に対する安全配慮義務

2.派遣先等の派遣労働者に対する不法行為責任

3.派遣労働者による不法行為と派遣先の使用者責任

第5章◆派遣先の労組法上の使用者性

1.労組法7条における「使用者」

2.労働者派遣法制定前における派遣先の「使用者」該当性

3.労働者派遣法制定後の展開

第8編 労働基準法等の適用の特例

第1章◆労働基準法の適用の特例

1.派遣中の派遣労働者に関する派遣元・派遣先の責任分担

2.派遣元・派遣先の双方が負う義務

第2章◆労働安全衛生法等の適用の特例

1.派遣先の負う義務(45条3項及び5項)

2.派遣元・派遣先の双方が負う義務(45条1項)

第3章◆男女雇用機会均等法・育児介護休業法の適用の特例

第4章◆障害者雇用促進法と障害者派遣

1.派遣先の負う義務

2.派遣元の負う義務

第9編 紹介予定派遣

第1章◆紹介予定派遣の意義

1.概要及び趣旨

2.沿革

3.実施状況

第2章◆労働者派遣事業と民営職業紹介事業を兼業する場合の追加的な許可基準等

1.兼業の場合の追加的な許可基準

2.職業紹介事業兼業の許可手続の簡素化

第3章◆紹介予定派遣の規制

1.概説─紹介予定派遣の一般的な流れ

2.紹介予定派遣にかかる労働者派遣契約

3.紹介予定派遣の対象となる派遣労働者への明示等

4.特定目的行為禁止の例外及び年齢・性別・障害を理由とする差別の禁止

5.紹介予定派遣の期間の上限

6.職業紹介の時期、紹介予定派遣の期間の短縮や求職・求人の意思確認等の早期化

7.派遣先が職業紹介を希望しない又は派遣労働者を雇用しなかった場合の理由の明示

8.採用内定の取消し

9.派遣元管理台帳・派遣先管理台帳への記載

第10編 労働者派遣法の実効性確保

第1章◆行政上の実効性確保・罰則

1.概説

2.行政上の実効性確保

3.罰則

第2章◆法違反の民事上の効果

1.概説

2.労働者派遣法違反の法律行為の効力

3.労働者派遣法違反と不法行為

第3章◆違法派遣の場合の労働契約の申込みみなし制度

1.概要

2.労働契約申込みみなしの要件

3.労働契約締結申込みみなしの効果

4.派遣労働者の承諾と労働契約の成立

5.厚生労働大臣の助言・指導・勧告等

6.受入れ先が国・地方公共団体の場合

第4章◆労働者派遣法の国際的適用

1.労働者派遣法の地域的適用範囲

2.国際労働者派遣(海外派遣)と労働者派遣法

3.国際労働者派遣とその他の労働法規の適用


■判例索引■

■事項索引■

■COLUMN■

医療関係業務に紹介予定派遣を認めることの適否をめぐる議論

なぜ17「.5」業務と呼ばれるのか?

期間制限の対象外となる労働者派遣の詳細

40条の2第5項の制定経緯

間の期間が3か月を超えている場合についての詳論

雇用契約と労働契約

派遣先訪問時の費用負担


編著者・著者紹介(2016年12月現在)

〈編著者〉

鎌田 耕一〔かまた こういち〕

東洋大学法学部教授
厚生労働省 労働政策審議会 職業安定分科会 労働力需給制度部会 部会長
厚生労働省 今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会(平成24年〜25年) 座長
【執筆:第2編、第6編】

諏訪 康雄〔すわ やすお〕

法政大学名誉教授
中央労働委員会 会長
厚生労働省 労働政策審議会 会長(平成21年〜25年)
【執筆:序編、第1編】

〈著者〉

山川 隆一〔やまかわ りゅういち〕

東京大学大学院法学政治学研究科教授
厚生労働省 労働政策審議会 障害者雇用分科会 分科会長
厚生労働省 今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会 委員(平成24年〜25年)
【執筆:第7編、第10編】

橋本 陽子〔はしもと ようこ〕

学習院大学法学部教授
厚生労働省 労働政策審議会職業安定分科会労働力需給制度部会 委員
【執筆:第3編、第5編、第8編】

竹内(奥野) 寿〔たけうち(おくの) ひさし〕

早稲田大学法学学術院教授
厚生労働省 労働政策審議会 職業安定分科会 労働力需給制度部会 専門委員(平成25〜27年)
厚生労働省 今後の労働者派遣制度の在り方に関する研究会 委員(平成24年〜25年)
【執筆:第4編、第9編】


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