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  判例付き 知的財産権六法 2017 平成29年版

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判例付き 知的財産権六法 2017 平成29年版

田政芳 編

2,800円 B6判 576頁 978-4-385-15934-8

知的財産権の学習・実務のため、使いやすさに徹した「判例付き」法文集。特許法等の基本法令には、参照条文を付し、引用・準用条文の見出しを条文中に注記し、他法との連関を確認できる。判例要旨については、必要に応じ「事実の概要」を記し、知的財産権法学習の体系に従って配列した。弁理士試験等に必携。

2017年3月30日 発行

  はしがき   総目次



●はしがき

 知的財産権は、基本的人権であり、私権である。1948(昭和23)年の「世界人権宣言」は、すべて人は自由に社会の文化生活に参加し、芸術を鑑賞し、及び科学の進歩とその恩恵とにあずかる権利を有すると述べ、さらに、すべて人は、その創作した科学的、文学的又は美術的作品から生ずる精神的及び物質的利益を保護される権利を有することを明らかにしている(同宣言第二七条)。これを受けた、1966(昭和41)年の「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」第一五条第一項(c)も同様である。

 今日、世界経済のグローバル化が進み、知識や情報が社会基盤を形成する中で、知的財産が人類の歴史上これまでにない価値と役割を担うに至っている。そのような中で、2000(平成12)年には、世界知的所有権機関(WIPO)が、「世界中のすべての人々に手をさしのべ、知的財産及び知的財産権の経済的、社会的、文化的な重要性、並びに、特に万人のための富の創造に彼らが寄与する可能性について知らせることを決意して」、知的財産のすべての創造者と利用者のために、「世界知的財産宣言」を公表した(日本特許庁仮訳より)。この宣言は、「知的財産権は、創造者に動機を提供し、利用者が平等な形で創造性の恩恵に浴することを保証する」ものであり、「すべての創造者及び創造者たらんとする者には、励みになるものを与えるべきである」ことを明らかにしている。

 わが国は、「科学技術創造立国」ないし「知的財産立国」を目指して、2002(平成14)年11月「知的財産基本法」を制定した。さらには、2004(平成16)年4月にスタートした「法科大学院」のすべてにおいて「知的財産法」の授業が置かれ、2006(平成18)年からスタートした「新司法試験」の選択科目に「知的財産法」が挙げられるに至り、「知的財産に強い法曹」の育成を目指すことになった。

 本書は、このような知的財産権の今日的な重要性に鑑み、知的財産法の学習・研究・実務に資するために編集したものである。

 そのため、本書においては、知的財産権に関する最新の基本法令・条約を網羅した上で、知的財産法の体系に従って、基本判例を最新のものまで収録している。したがって、知的財産法の基本的な学習や実務には、それらの判例を読んで、条文を確認するだけでも、十分に役立つように構成している。また、基本的な六つの法令(特許法、実用新案法、意匠法、商標法、不正競争防止法、そして著作権法)には参照条文を掲載した。これにより、諸法の規定が交錯する知的財産法の学習機能がさらに強化され、特に司法試験の選択科目である「知的財産法」の受験者や弁理士試験の受験者、さらには知的財産管理技能検定の受験者にも必携のものとなろう。

 ところで、2017年版の本書では、法令と条約の部において、愛読者の方々、特に弁理士試験受験者の方々のご要望に応えるべく、法令・条約・規則を追加収録して、知的財産権専門の六法としての充実を図った。

 具体的には、法令の部において、いわゆる「原産地表示法」(正確には、「特定農林水産物等の名称の保護に関する法律」平二六法八四)を収録し、条約の部において、「特許法条約」、意匠に関する「ジュネーブ改正ハーグ協定」、商標法に関する「シンガポール条約」を新たに収録し、いわゆる「実演家条約」を復活掲載し、さらに、弁理士試験の出題履歴を勘案し「特許協力条約規則」を抄録し、復活掲載した。

 一昨年(2015年)の特許法改正(平二七法五五)により職務発明に関する特許法三五条が大きく改正され、平成28年4月1日施行されたが、それにあわせて同月22日には、経済産業省・特許庁により「職務発明ガイドライン」(正確には、「特許法第三五条第六項に基づく発明を奨励するための相当の金銭その他の経済上の利益について定める場合に考慮すべき使用者等と従業者等との間で行われる協議の状況等に関する指針」)が経済産業省告示として公表された。実務への影響は大きいと思われる。

 なお、本書では、2016年12月に成立した、いわゆるTPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋パートナーシップ)協定に対応する知的財産権関連整備法について、周知のように、米国の参加が危ぶまれているため、「原産地表示法」「商標法」を除き、不透明なままであるので改正を織り込まなかった点に注意を要することとなる。このTPP協定で対象となる知的財産は、商標、原産地表示、特許、意匠、著作権、開示されていない情報等である。その内容は、知的財産の保護水準の向上と知的財産権の行使について規定し、もって、知的財産権の保護と利用の推進を図るものとなっている。

 また、2017年版の本書に新たに収録した注目判例は、特許法では、均等論の第一要件と第五要件に関する注目すべき解釈を展開した知財高判(大合議)平28・3・25「マキサカルシトール事件」があり、存続期間延長にかかる特許権の効力を均等または実質的同一のものにも及ぶとした東京地判平28・3・30「「オキサリプラティヌム事件」などがある。商標法では、商標「フランク三浦」と商標「FRANCK MULLER」とは非類似とした知財高判平28・4・12「FRANCK MULLER事件」が注目される。著作権法では、いわゆる応用美術について、一昨年の知財高判平27・4・14「TRIPP TRAPP事件控訴審」が、従来の多くの判例を覆して、その著作物性を認めたにもかかわらず、従来通りの解釈を維持して、加湿器のデザインについて「美的鑑賞の対象となり得るような創作性を備えていると認めることはできない。」とした東京地判平28・1・14「加湿器事件」などが注目される。

 2017年においては、前述のTPPが発効するのかどうか、そしてその知的財産権関連法が施行されるかどうかが注目されるが、他の法令の改正もなお検討が進んでいる。

 本書は、今後も最も正確で、新しく、使いやすく、基本判例を最新のものまで網羅した判例付き知的財産権六法として、さらに充実させたいものである。読者の皆様のご指導ご鞭撻のほどを心よりお願いしたい。

 なお、本書の編集について、とりわけ法令・条約の掲載・抄録について三省堂編集部にお世話になった。また、資料・判例の収集と整理には、東海大学総合社会科学研究所助教で、國學院大學法学部・成城大学講師の内田剛君に協力していただいた。心より感謝申し上げたい。


2017年1月10日

編者 田政芳


総 目 次

●は参照条文を付した基本法令

第一編 知的財産基本法

○知的財産基本法

○知的財産高等裁判所設置法

第二編 産業財産権法

●特許法

○特許法施行令

○特許法施行規則

○特許登録令

○特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律

●実用新案法

○実用新案法施行令

○実用新案法施行規則

○実用新案登録令

●意匠法

○意匠法施行令

○意匠法施行規則〔抄〕

○意匠登録令

●商標法

○商標法施行令

○商標法施行規則〔抄〕

○商標登録令〔抄〕

○特許法等関係手数料令

○工業所有権に関する手続等の特例に関する法律

○特定農林水産物等の名称の保護に関する法律

●不正競争防止法

○弁理士法〔抄〕

第三編 著作権法

●著作権法

○著作権法施行令

○著作権法施行規則

○プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律

○コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律

第四編 植物新品種保護法

○種苗法

第五編 半導体チップ保護法

○半導体集積回路の回路配置に関する法律

第六編 条約

○知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)

○工業所有権の保護に関する千八百八十三年三月二十日のパリ条約

○特許法条約

○千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約(PCT)

○千九百七十年六月十九日にワシントンで作成された特許協力条約に基づく
 規則(PCT規則)〔抄〕

○意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定

○商標法条約

○標章の国際登録に関するマドリッド協定の千九百八十九年六月二十七日に
 マドリッドで採択された議定書

○商標法に関するシンガポール条約

○文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約

○実演家、レコード製作者及び放送機関の保護に関する国際条約

重要判例要旨集

判例索引



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