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  判例付き 知的財産権六法 2015 平成27年版

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判例付き 知的財産権六法 2015 平成27年版

【新年版、2016年2月23日 販売会社搬入予定】
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田政芳 編

2,500円 B6判 576頁 978-4-385-15932-4

特許法ほか産業財産権法改正および電子出版権設定など著作権法改正に対応。マスコミでも話題となったアップル対サムスン訴訟ほか最新知財判例要旨掲載。基本法令に参照条文を付し、四法対照機能を併せ持つ。条文中注記が孫 引きの手間を軽減。司法試験・弁理士試験・各種知財検定学習必携。

2015年3月20日 発行

  はしがき   総目次   編者紹介


現行版は→


●はしがき

 知的財産権は、基本的人権であり、私権である。1948(昭和23)年の「世界人権宣言」は、すべて人は自由に社会の文化生活に参加し、芸術を鑑賞し、及び科学の進歩とその恩恵とにあずかる権利を有し、さらに、すべて人は、その創作した科学的、文学的又は美術的作品から生ずる精神的及び物質的利益を保護される権利を有することを明らかにしている(同宣言第27条)。これを受けた、1966(昭和41)年の「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」第15条第1項(c)も同様である。

 今日、世界経済のグローバル化が進み、知識や情報が社会基盤を形成する中で、知的財産が人類の歴史上これまでにない価値と役割を担うに至っている。そのような中で、2000(平成12)年には、世界知的所有権機関(WIPO)が、「世界中のすべての人々に手をさしのべ、知的財産及び知的財産権の経済的、社会的、文化的な重要性、並びに、特に万人のための富の創造に彼らが寄与する可能性について知らせることを決意して」、知的財産のすべての創造者と利用者のために、「世界知的財産宣言」を公表した(日本特許庁仮訳より)。この宣言は、「知的財産権は、創造者に動機を提供し、利用者が平等な形で創造性の恩恵に浴することを保証する」ものであり、「すべての創造者及び創造者たらんとする者には、励みになるものを与えるべきである」ことを明らかにしている。

 わが国は、「科学技術創造立国」ないし「知的財産立国」を目指して、2002年(平成14)年11月「知的財産基本法」を制定した。さらには、2004(平成16)年4月にスタートした「法科大学院」のすべてにおいて「知的財産法」の授業が置かれ、2006(平成18)年からスタートした「新司法試験」の選択科目に「知的財産法」が挙げられるに至り、「知的財産に強い法曹」の育成を目指すことになった。

 本書は、このような知的財産権の今日的な重要性に鑑み、知的財産法の学習・研究・実務に資するために編集したものである。

 そのため、本書においては、知的財産権に関する最新の基本法令・条約を網羅し、参考法令を抄録した上で、知的財産法の体系に従った最新の判例を収録した。したがって、知的財産法の基本的な学習や実務には、本書だけでもとりあえず充分なはずである。また、基本的な6つの法令(特許法、実用新案法、意匠法、商標法、不正競争防止法、そして著作権法)には参照条文を掲載した。これにより、諸法の規定が交錯する知的財産法の学習機能がさらに強化され、特に新司法試験の選択科目である「知的財産法」の受験者や弁理士試験の受験者には必携のものとなろう。

 近年におけるわが国の知的財産権関係法令・条約の改正のスピードは著しく速くなっており、また、わが国の近年における判例のダイナミックな発展は、もはや裁判所は「立法者」ではないかとさえ思われるほど眼を見張るものがある。本書を、「年度版」で発行して、常に最新の知的財産権関係法令・条約と主要な判例を提供することとした所以である。

 本書収録の法令・条約の改正で、2014年(平成26年)においてとりわけ重要なのは、「特許法等の一部を改正する法律」(法律第36号)と「著作権法の一部を改正する法律」(法律第35号)である。

 本年収録の注目判例として、特許法では、知財高裁大合議の2つの判決をあげなければならない。すなわち知財高大合議判平26・5・16「Apple対Samsung事件控訴審」と知財高大合議判平26・5・30「ベバシズマブ事件」である。前者は、FRAND宣言後の損害賠償額算定については、ライセンス料相当額の範囲で認められるが、それを超える額の請求については権利濫用とした判旨が注目されている。しかし、本件には、注目すべき論点がまだある。つまり、特許権者が製造販売した当該特許発明の実施にのみ使用する製品(特許法101条1号の「のみ製品」)またはライセンシーに製造販売させた「のみ製品」については、当該特許権は消尽し、その「のみ製品」の流通については権利行使ができないと述べた点である。つい最近、米国最高裁が方法特許権について、その方法に使用する物を特許権者が販売した場合には、当該方法特許権は消尽するとした判決に似ている。ただ、知財高判は、当該特許権が消尽するのはあくまでも当該「のみ製品」にとどまり、その製品を用いて製造した完成品についてまで消尽するとは述べていない。今後、議論を尽くすべき論点である。職務発明については、東京地判平26・10・30「職務発明事件」に注目したい。特許を受ける権利等の使用者等への原始取得を内容とする特許法改正の政府方針が公表されたところだが、平成16年改正で新設されたいわゆる相当対価に関する基準と支払等について「不合理」でない場合には、使用者等はそれ以上の対価支払いを免責されるとした特許法35条4項および「不合理」な場合や基準がない場合には裁判所において相当対価額を算定する旨の同条5項に関するはじめての判決だからである。平成27年に改正予定の新しい職務発明制度において、企業等においては、相当対価ないし報奨支払に関する規程の策定が求められると思われ、本判断がその妥当性の判断基準となり得るだろう。

 商標法の注目判例として、東京地判平26・5・21「エルメスハンドバッグ立体商標事件」がある。立体商標に関する商標権の侵害を認める判断基準を明らかにした。2015年4月1日から導入される非伝統的商標、つまり「音の商標」や「色の商標」などの非伝統的な類似判断基準と方法の構築の契機となりそうである。

 著作権法の注目判例には、東京地判平25・7・19「Forever21ファッションショー事件」の控訴審である知財高判平26・8・28がある。ファッションショーにおけるモデルのメイクアップ、ヘアスタイル、衣服、アクセサリー、これらのスタイリング、モデルのポーズおよび動作の著作物性と、ファッションショー自体の実演該当性およびその演出家の実演家該当性について、どのように判断するのか注目された。知財高判は、ほとんど実質的な判断を示すことなく、上記諸点の著作物性すべてを否定した。ファッションショーないしファッションデザインに関する著作権をはじめとする知的財産権の関係について、さらなる研究とその成果が待たれることとなった。自炊代行サービス業者の複製権侵害を認めた東京地判平25・9・30「自炊代行サービス事件」の控訴審である知財高判平26・10・22も注目される。知財高判は、原審判決とほぼ同様の理由で、原告らの請求を認めた。前年版においても述べたが、スキャンという複製行為を現実・実際に行っている業者の背後に複製権侵害の主体というべき第三者が存在するかどうかが問題なのに、複製行為を現実・実際に行っている者が複製の主体であると述べ、私的使用目的の複製かどうかについて自炊代行業者の私的複製に当たらないと述べるにすぎない判決となった。

 2015年においても、TPP加盟交渉における特許権と著作権の存続期間延長等の問題がなお議論が継続される。重複になるが、職務発明に関する特許を受ける権利等を法人に原始帰属させる特許法改正がほぼ決定的である。ただ法案の姿は不明であり、もし、その方針通りの改正が実現すれば、企業や大学などにおいては、職務発明に関する規程や契約の見直しが必要になるだろう。

 引き続き本書を、最も正確で、新しく、使いやすく、最新判例を網羅した判例集付き知的財産権六法として、さらに充実させたいものである。従来にもまして、読者の皆様のご指導とご鞭撻を心よりお願いしたい。

 資料・判例の収集と整理には、東海大学情報理工学部・専修大学ソフトウェア情報学部講師で弁理士の中川淨宗君と國學院大學法学部・成城大学講師・知的財産研究所特別研究員の内田剛君に協力していただいた。心より感謝申し上げたい。


2015年1月13日

編者 角田政芳


総 目 次

●は参照条文を付した基本法令

第1編 知的財産基本法

○知的財産基本法

○知的財産高等裁判所設置法

第2編 産業財産権法

●特許法

○特許法施行規則〔抜粋〕

○特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律

●実用新案法

●意匠法

●商標法

○工業所有権に関する手続等の特例に関する法律

●不正競争防止法

○弁理士法〔抄〕

第3編 著作権法

●著作権法

○プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律

○コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律

第4編 植物新品種保護法

○種苗法

第5編 半導体チップ保護法

○半導体集積回路の回路配置に関する法律

第6編 条約

○知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)

○工業所有権の保護に関する1883年3月20日のパリ条約

○1970年6月19日にワシントンで作成された特許協力条約(PCT)

○商標法条約

○標章の国際登録に関するマドリッド協定の1989年6月27日にマドリッドで採択された議定書

○文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約

第7編 参考法令

○法の適用に関する通則法〔抜粋〕

○民法〔抜粋〕

○商法〔抜粋〕(商号に関する規定)

○会社法〔抜粋〕(商号に関する規定)

○民事訴訟法〔抄〕

○私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)〔抜粋〕

○不公正な取引方法

○関税法〔抜粋〕

○特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(プロバイダー責任制限法)

重要判例要旨集

特許法・実用新案法

意匠法

商標法

不正競争防止法

著作権法

パブリシティの権利

判例索引


編者紹介

角田政芳(すみだ・まさよし)

  • 1949年 佐賀県生まれ
  • 1979年 駒沢大学大学院博士課程修了
  • 1994〜1996年 マックス・プランク国際知的財産権法研究所(ドイツ、ミュンヘン)において
         在外研究
  • 現在 東海大学法科大学院教授、弁護士
  • 専攻 知的財産権法

〈主な著書〉

  • 『特許法50講(有斐閣双書)第4版』(共著)有斐閣、1997年
  • 『工業デザインと国際意匠法』(共著)中央経済社、1980年
  • 『商標の保護──アメリカ商標法・不正競業法を中心にして』(共著)発明協会、1981年
  • 『注釈特許法』(共著)有斐閣、1986年
  • 『Patent Infringement Worldwide』(共著)Heymanns, 2009
  • 『知的財産法(有斐閣アルマ)第6版』(共著)有斐閣、2012年


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