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  判例付き 知的財産権六法 2014 平成26年版

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判例付き 知的財産権六法 2014 平成26年版

【新年版、2016年2月23日 販売会社搬入予定】
    → 2016年版へ

角田政芳 編

2,800円 B6判 560頁 978-4-385-15931-7

書籍を解体・スキャンし、PDFファイルにしタブレットPCなどで読むため業者に依頼する「自炊代行」を著作権法違反とした東京地裁判決はじめ、最新の、注目重要判例要旨を登載。基本法令に参照条文を付し、四法対照機能を併せ持つ。条文中注記により孫引きの手間を大幅軽減。司法試験・弁理士試験・各種知財検定学習に絶好の1冊。

2014年3月10日 発行

  はしがき   目 次



●はしがき

 知的財産権は、基本的人権であり、私権である。1948(昭和23)年の「世界人権宣言」は、すべて人は自由に社会の文化生活に参加し、芸術を鑑賞し、及び科学の進歩とその恩恵とにあずかる権利を有し、さらに、すべて人は、その創作した科学的、文学的又は美術的作品から生ずる精神的及び物質的利益を保護される権利を有することを明らかにしている(同宣言第27条)。これを受けた、1966(昭和41)年の「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」第15条第1項(c)も同様である。

 今日、世界経済のグローバル化が進み、知識や情報が社会基盤を形成する中で、知的財産が人類の歴史上これまでにない価値と役割を担うに至っている。そのような中で、2000(平成12)年には、世界知的所有権機関(WIPO)が、「世界中のすべての人々に手をさしのべ、知的財産及び知的財産権の経済的、社会的、文化的な重要性、並びに、特に万人のための富の創造に彼らが寄与する可能性について知らせることを決意して」、知的財産のすべての創造者と利用者のために、「世界知的財産宣言」を公表した(日本特許庁仮訳より)。この宣言は、「知的財産権は、創造者に動機を提供し、利用者が平等な形で創造性の恩恵に浴することを保証する」ものであり、「すべての創造者及び創造者たらんとする者には、励みになるものを与えるべきである」ことを明らかにしている。

 わが国は、「科学技術創造立国」ないし「知的財産立国」を目指して、2002年(平成14)年11月「知的財産基本法」を制定した。さらには、2004(平成16)年4月にスタートした「法科大学院」のすべてにおいて「知的財産法」の授業が置かれ、2006(平成18)年からスタートした「新司法試験」の選択科目に「知的財産法」が挙げられるに至り、「知的財産に強い法曹」の育成を目指すことになった。

 本書は、このような知的財産権の今日的な重要性に鑑み、知的財産法の学習・研究・実務に資するために編集したものである。

 そのため、本書においては、知的財産権に関する最新の基本法令・条約を網羅し、参考法令を抄録した上で、知的財産法の体系に従った最新の判例を収録した。したがって、知的財産法の基本的な学習や実務には、本書だけでもとりあえず充分なはずである。また、基本的な6つの法令(特許法、実用新案法、意匠法、商標法、不正競争防止法、そして著作権法)には参照条文を掲載した。これにより、諸法の規定が交錯する知的財産法の学習機能がさらに強化され、特に新司法試験の選択科目である「知的財産法」の受験者や弁理士試験の受験者には必携のものとなろう。

 近年におけるわが国の知的財産権関係法令・条約の改正のスピードは著しく速くなっており、また、わが国の近年における判例のダイナミックな発展は、もはや裁判所は「立法者」ではないかとさえ思われるほど眼を見張るものがある。本書を、「年度版」で発行して、常に最新の知的財産権関係法令・条約と主要な判例を提供することとした所以である。

 本書収録法令等(参考法令を除く)で、2013年(平成25年)に改正されたのは、著作権法だけであった。

 今回、新たに以下を試みた。

 第一は、「パブリシティの権利」に関する主要判例を収録したことである。

 第二は、『特許判例百選』・『著作権判例百選』に加え、『商標・意匠・不正競争判例百選』(有斐閣)の事件番号も、なるべく示すようにしたことである。

 2014年版収録判例のうち、特許法では、特許要件中の公知・公用・刊行物記載の捉え方について、判例にバラつきが生じている点に注目すべきだろう。また、進歩性の判断基準について知財高判平25・10・3「血清コレステロール低下剤事件」を参照されたい。侵害については、いわゆるFRAND宣言によるライセンス義務等を負う特許権者による特許権侵害に基づく損害賠償請求権の行使は信義則違反であり、権利濫 用とした東京地判平25・2・28「Apple 対 Samsung 事件」の影響は大きい。ただ、本件については、なお、本体の侵害論の充分な展開が期待される。特許権の侵害主体論、つまり直接侵害、教唆侵害、間接侵害にわたり議論が展開された「ピオグリタゾン事件」について、大阪地判平24・9・27と東京地判平25・2・28の2件がある。両者とも確定したが、特許権自体の無効審決確定(最高裁)のためやむを得ないとはいえ、さらなる議論が必要である。特102条2項の損害賠償額算定につき、特許権者の実施を不要とした知財高判平25・2・1「ごみ貯蔵機器事件控訴審」に注目されたい。

 商標法の注目判決に、世界的に有名な歌手の「LADY GAGA」の商標登録出願につき、品質表示であり品質誤認のおそれありとした知財高判平25・12・17「LADY GAGA 事件」がある。また、登録商標「KUMA」は著名商標「PUMA」との関係で公序良俗に反すると同時に出所混同にも該当するとした知財高判平25・6・27「PUMA商標事件」がある。

 著作権法の注目判決としては、何といっても、ファッションショーにおけるモデルのメイクアップ、ヘアスタイル、衣服デザイン、アクセサリー、これらのコーディネート、モデルのキャットウォーク上のポーズの著作物性と、これらの振付と演出を行ったディレクターの実演家性、ファッションショーの実演該当性について議論喚起した東京地判平25・7・19「Forever21 ファッションショー事件」がある。また、絵画の模写の二次的著作物性に関する知財高判平18・9・26「浮世絵模写T事件」と仏画の復原画の二次的著作物性に関する東京地判平24・12・26「復原仏画事件」は、理論的にも興味深い。さらに、法律書においてもよくみられる大家の遺稿をもとに共同執筆者の表示をした著書は二次的著作物であり、共同著作物ではないとした東京地判平25・3・1「基幹物理学事件」は、理論的にも実務的にも影響が大きい。

 韓流ドラマの主役、チェ・ジュウたちのトーク番組のDVDが韓国で製作販売され、日本に輸入された後に販売許諾契約が解除された場合には、頒布権の用尽の2つの要件中の適法譲渡がなかったこととなり用尽しなかったこととなるとした東京地判平24・7・11「韓国トーク番組DVD輸入事件」があるが、用尽理論の正確な理解に基づくものとは思われない。

 そして、2013年に最も注目を浴びたのは、東野圭吾などの有名作家たちが自炊代行サービス業者を相手に複製権侵害で訴えた東京地判平25・9・30「自炊代行サービスT事件」と東京地判平25・10・30「自炊代行サービスU事件」である。両判決ともに、スキャンという複製の枢要な行為を行っている業者が、複製権侵害の主体であると述べるにとどまり、最判平23・1・18の「ロクラク判決」同様、その枢要な行為をさせている者も侵害責任を負うのかどうかが問題なのに、問題に正面から向き合っているとはいい難い点が残念である。著作権の侵害論に関して、リンキングが公衆送信権侵害ないしその幇助侵害ないし間接侵害となるかどうかが争われた大阪地判平25・6・20「動画リンキング事件」があるが、その理論構成にはやや疑問がある。

 新たに収録したパブリシティの権利に関する注目判決は、何といっても、侵害判断の基準を明確にした最判平24・2・2「ピンクレディ事件」である。最新の知財高判平成25・10・16「嵐等パブリシティ事件」は、最高裁判例に基づく判断だが、一元論に立っており、その沿革を無視しているという点で、理論的問題を残している。

 2014年度は、TPP加盟との関連で、特許権と著作権の存続期間延長等が挙げられており、その対応が課題となっている。もともと、特許法では職務発明等に関する制度の見直しが、著作権法では著作権の間接侵害規定の導入等の検討が、なお継続されている。意匠法では、ハーグ協定加盟への準備として、国内法の整備が行われることとなる。商標法でも、音、におい、色等の新しい商標の保護が実現に向かっている。

 引き続き本書を、最も正確で、新しく、使いやすく、最新判例を網羅した判例集付き知的財産権六法として、さらに充実させたいものである。従来にもまして、読者の皆様のご指導ご鞭撻を心よりお願いしたい。

 資料・判例の収集と整理には、東海大学法学部・神奈川大学法学部・岩手県立大学情報学部講師で弁理士の中川淨宗君と國學院大學法学部・成城大学法学部講師・知的財産研究所研究員の内田剛君に協力していただいた。心より感謝申し上げたい。


2014年1月10日

編者 角田政芳



●目  次

●は参照条文を付した基本法令

第1編 知的財産基本法

○知的財産基本法

○知的財産高等裁判所設置法

第2編 産業財産権法

●特許法

○特許法施行規則〔抜粋〕

○特許協力条約に基づく国際出願等に関する法律

●実用新案法

●意匠法

●商標法

○工業所有権に関する手続等の特例に関する法律

●不正競争防止法

○弁理士法〔抄〕

第3編 著作権法

●著作権法

○プログラムの著作物に係る登録の特例に関する法律

○コンテンツの創造、保護及び活用の促進に関する法律

第4編 植物新品種保護法

○種苗法

第5編 半導体チップ保護法

○半導体集積回路の回路配置に関する法律

第6編 条約

○知的所有権の貿易関連の側面に関する協定(TRIPS協定)

○工業所有権の保護に関する1883年3月20日のパリ条約

○1970年6月19日にワシントンで作成された特許協力条約(PCT)

○商標法条約

○標章の国際登録に関するマドリッド協定の1989年6月27日にマドリッドで採択された
 議定書

○文学的及び美術的著作物の保護に関するベルヌ条約

第7編 参考法令

○法の適用に関する通則法〔抜粋〕

○民法〔抜粋〕

○商法〔抜粋〕(商号に関する規定)

○会社法〔抜粋〕(商号に関する規定)

○民事訴訟法〔抄〕

○私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律(独占禁止法)〔抜粋〕

○不公正な取引方法

○関税法〔抜粋〕

○特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律
 (プロバイダー責任制限法)

重要判例要旨集

特許法・実用新案法

意匠法

商標法

不正競争防止法

著作権法

パブリシティの権利

判例索引



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