ことばは人を育て、未来をきりひらく知の源です。三省堂はことばをみつめて120余年 サイトマップお問い合わせプライバシーポリシー
三省堂 SANSEIDOトップページ 三省堂WebShop辞書総合サイト Wrod-Wise Web教科書総合サイト ことばと教科
辞書教科書電子出版六法・法律書一般書参考書教材オンラインサービス
書名検索漢字かな著者名検索漢字かな詳細検索
新刊・近刊案内
メディアでの紹介
本の注文
大学向けテキスト
名入れ辞書
品切れのご案内
新刊NEWS
「ぶっくれっと」アーカイブ
会社案内
採用情報
謹告
三省堂印刷
三省堂書店へ
三省堂書店はこちら
声に出して読めない日本語。
「ほぼ日刊イトイ新聞」
(『大辞林』タイアップ・サイト)
  知的財産権六法 2009 平成21年版

法律書ジャンル別案内


知的財産権六法 2009 平成21年版

角田政芳 編

2,940(2,800)円 B6 768頁 978-4-385-15926-3

知的財産権の学習・実務のために使いやすさに徹した六法。基本6法令には条文中注記と参照条文を掲載し、知的財産権の学習に最適。本年版より本文をすべて横組とし、誌面をより見やすくした。収録法令数61件、本年度の主要な改正は、特許法と実用新案法の法および施行規則、弁理士法施行規則、PCT規則など。

2009年3月10日 発行

  はしがき



はしがき

知的財産権は、基本的人権であり、私権である。1948(昭和23)年の「世界人権宣言」は、人は自由に社会の文化生活に参加し、芸術を鑑賞し、及び科学の進歩とその恩恵とにあずかる権利を有し、さらに、人は、その創作した科学的、文学的又は美術的作品から生ずる精神的及び物質的利益を保護される権利を有することを明らかにしている(同宣言第27条)。これを受けた、1966(昭和41)年の「経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約」第15条第1項(c)も同様である。

今日、世界経済のグローバル化が進み、知識や情報が社会基盤を形成する中で、知的財産が人類の歴史上これまでにない価値と役割を担うに至っている。そのような中で、2000(平成12)年には、世界知的所有権機関(WIPO)が、「世界中のすべての人々に手をさしのべ、知的財産及び知的財産権の経済的、社会的、文化的な重要性、並びに、特に万人のための富の創造に彼らが寄与する可能性について知らせることを決意して」、知的財産のすべての創造者と利用者のために、「世界知的財産宣言」を公表した(日本特許庁仮訳より)。この宣言は、「知的財産権は、創造者に動機を提供し、利用者が平等な形で創造性の恩恵に浴することを保証する」ものであり、「すべての創造者及び創造者たらんとする者には、励みになるものを与えるべきである」ことを明らかにしている。

わが国は、「科学技術創造立国」ないし「知的財産立国」を目指して、2002年(平成14)年11月「知的財産基本法」を制定した。さらには、2004(平成16)年4月にスタートした「法科大学院」のすべてにおいて「知的財産法」の授業が置かれ、2006(平成18)年からスタートした「新司法試験」の選択科目に「知的財産法」が挙げられるに至り、「知的財産に強い法曹」の育成を目指すことになった。

本書は、このような知的財産および知的財産権の今日的な重要性に鑑み、知的財産法の学習・研究・実務に資するために編集したものである。

そのため、本書においては、知的財産権に関する最新の基本法令・条約を網羅し、参考法令を抄録した上で、知的財産法の体系に従った最新の判例の要約を収録した。したがって、知的財産法の基本的な学習・研究・実務には、本書だけで充分な内容となっている。また、基本的な6つの法令(特許法、実用新案法、意匠法、商標法、不正競争防止法、そして著作権法)のすべての条文に参照条文を掲載した。これにより、諸法の規定が交錯する知的財産法の学習機能がさらに強化され、特に新司法試験の選択科目である「知的財産法」の受験者や弁理士試験の受験者には必携のものとなろう。

近年におけるわが国の知的財産権関係法令・条約の改正のスピードは著しく速くなっており、また、わが国の近年における判例のダイナミックな発展は、もはや裁判所は「立法者」ではないかとさえ思われるほど眼を見張るものがある。本書が、2005(平成17)年から、それまでの「改訂版」の発行から「年度版」の発行に切り替えて、常に最新の知的財産権関係法令・条約と判例を提供することとした所以である。

本書は、この2009年度版から、従来の縦書きから横書きにそのスタイルを大変更した。それは、本書が従来から追求している法令集としての正確さと、新しさ、そして使いやすさをさらに実現しようとした試みである。これにより、新司法試験の知的財産法や弁理士試験の受験者の方々の勉学に、研究者や実務家の方々のご利用に、一段と使い勝手のよい知的財産権六法を提供することとなるはずである。

この2009年度版において収録した改正法は、特許法、実用新案法、意匠法および商標法である。それらは、特許法における仮通常実施権制度の導入、不服審判請求期間の拡大、優先権書類の電子的交換の対象国の拡大、特許関係料金・商標関係料金の引下げなどを中心とする、平成20年法律第16号「特許法等の一部を改正する法律」による改正であった。

また、本書の判例の部では、新司法試験の知的財産法や弁理士試験受験者の方々のために、その重要度が一目して分かるように、重要度に応じて3段階の★印を付けている。「★★★」は知的財産法を学ぶものなら必ず知っておくべき判例、「★★」は基本的な判例、「★」はできるだけ知っていてほしい判例である。2009年版の本書に新たに収録した新判例としては、とくに次のようなものがある。まず特許法においては、権利行使制限の抗弁(特104条の3)に関する初めての最判平成20・4・24「ナイフの加工装置事件上告審」、訂正審判に関する最判平成20・7・10の「発光ダイオードモジュール事件上告審」などがある。商標法においては、商標法3条1項3号について全く異なる解釈を示した知財高判平成20・5・29「コカ・コーラ立体商標事件」と知財高判平成20・6・30「チョコレートプラリーヌ立体商標事件」などがある。著作権法においては、構内LANへの掲載が公衆送信権侵害にあたるとした東京地判平成20・2・26「社保庁LAN事件」や、TV番組転送サービスの公衆送信権侵害を否定した知財高判平成20・12・15「まねきTV事件控訴審」、映画の著作権の存続期間に関する知財高判平成20・7・30「黒澤映画格安DVD輸入頒布事件控訴審」、法務局内で地図と複写機を提供していた国の著作権侵害責任を認めた知財高判平成20・9・30「土地宝典事件控訴審」などがあり、いずれも「★★★」または「★★」マークがついている。

2009(平成21)年においても、著作権法における著作権の存続期間延長やインターネット上で出回っている違法送信著作物の私的使用目的のダウンロードを複製権侵害とする規定や、いわゆる「フェア・ユース」規定の導入なども検討されることとなっている。特許法においても、保護対象である発明の定義や職務発明制度の見直し、差止請求権の放棄制度の導入などが、商標法においては音声・動画の商標登録可能性などの検討が開始されている。

本書は、今後も最も正確で、新しく、使いやすい小型の知的財産権六法として、また最も新しい判例を網羅した判例付き知的財産権六法として、充実させたいものである。従来にもまして、読者の皆様のご指導ご鞭撻のほどを心よりお願いしたい。

本書の刊行にあたっては、三省堂出版局法律書出版部長鷲尾徹氏および編集長福井昇氏には本当に暖かいご配慮をいただいた。お二人のご理解がなければ、本書は知的財産法の発展に貢献する機会を失っていたはずである。この場を借りて心からお礼を申し上げる次第である。そして、2008年版の本書から編集担当になられた法律書出版部の奥村俊一氏の配慮の行き届いたサポートに感謝申し上げたい。

なお、本書の資料・判例の収集と整理に協力していただいた神奈川大学法学部・文教大学情報学部非常勤講師で弁理士の中川浄宗君と東海大学短期大学部非常勤講師・知的財産研究所研究員の内田剛君にも感謝申し上げたい。

2008年12月31日

編者   角田政芳


このページのトップへ