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選択的夫婦別氏制 これまでとこれから


選択的夫婦別氏制 これまでとこれから

滝沢聿代 著

4,000円 A5判 432頁 978-4-385-32078-6


夫婦別氏制を研究してきた著者が長年の考察・蓄積をふまえ、法改正への道筋を提示。外国法制、判例も丹念に分析。選択的夫婦別氏制への展望を示した渾身の意欲作。2015年の最高裁大法廷判決にも言及。

はしがき   目 次


2016年5月10日 発行




はしがき

本書は I II の二部構成としており、I 部には最も最近に書き下ろした論稿を置いた。II 部には、同じテーマでこれまでに発表した論文を、執筆の年代順に編集している。

夫婦別氏制の実現が停滞している中で、何か啓蒙的な仕事でもできたらと、問題の全体像をなるべく広い範囲の読者に届けるつもりで執筆したのが冒頭の論文である。国際弁護士の林陽子先生から、国連の女性差別撤廃条約関係のご論文を頂戴したことも、大きなきっかけであった。しかし、単独での出版はなかなか難しかったため、本書のような体裁で、U部を追加することにより、民法学としての考察を深めつつ、資料的な意義を加えることができればと考えた。当面の問題を総合的に論じて頂くための手がかりとなれば幸いである。

夫婦別姓が日本社会のホット・イシューであった時代から、すでに一つのジェネレーションを超える歳月が流れている。それだけにこのテーマは、法学界でも論じ尽くされたように見え、あらゆる情報や資料が山積している。しかし、どうしても必要な立法という課題はまだ遂げられず、いつ、どのように実現されるのか、必ずしも定かではない。千差万別の議論を取りまとめて、具体的な法改正への道筋を明らかにする仕事が必要ではないのか、このように考えて、これまでに私が書いてきた考察を基に、問題の大まかな展望を示したものがTに掲げた論稿である。もちろん、関連の多数の文献からも多くを学ばせていただいた。氏というささやかとも思われる問題が、社会を動揺させる力をももっているのだとすれば、仮に法改正が実現した暁であっても、夫婦別氏制の背後にあった歴史や文化との相克を、社会全体の教養として、わかり易いかたちで記録しておくことは有意義であろう、そのようにも考えた。

本書に示している立法案は、申すまでもなく一つの私案にすぎない。立法の表現、工夫には、細部においてもさまざまな可能性が含まれており、法の世界の常としても、これが絶対という解はない。私自身の立論にも、執筆の時期により多少のぶれが生じている部分はある。現実の立法が、ここに示した基本的な考え方から、どのような逸脱を遂げるとしても、それが社会に受容されて夫婦別氏を実現するのであれば、可としつつ、その定着を見極めて行きたい。折しも、原稿の整理を終えた段階で、最高裁が夫婦別氏を求める訴訟の上告を大法廷に送ったとの報道に接している。夫婦別氏の順調な進展を祈りつつ、本書の存在がそこに役立ち得ることを願っている。

出版にご理解を頂いた三省堂と編集担当の鷲尾徹氏、木村好一氏のお力添えに心から感謝を申し上げます。また、原稿の見直しにご協力頂いた増田剛弁護士にもお礼申し上げます。

*                     *

なお、本書の校正を行っていた一二月一六日、最高裁大法廷から夫婦同氏を合憲とする判決が出された。

そこで、本書ではT部の末尾に判決へのコメントを記し、資料として判決全文を収録している。

2015年12月20日

滝沢 聿代




目   次

I

選択的夫婦別氏制の考え方

II

フランスの判例からみた夫婦の氏──夫婦別氏制への展望

家と氏

最近のフランスにおける氏の諸問題

夫婦別氏の理論的根拠──ドイツ法から学ぶ

選択的夫婦別氏制──その意義と課題

法制審議会民法部会の中間報告について──考察と提言

民法改正要綱試案の問題点

大学教員の通姓(旧姓)を名のる権利

選択的夫婦別氏制とその課題


参考文献

判例索引

事項索引


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