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  ガイダンス民法 第3版 市民・財産と法

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ガイダンス民法 第3版

田山輝明 著  (品切)

2,500円 A5判 272頁 978-4-385-31469-3

民法を初めて学ぶ人に向けて全分野にわたる基礎的な知識と理論を解説。社会生活とのつながりの見える記述で正しく、深く民法がわかる。大学教科書・資格試験入門書として定評ある概説書の現代語化に対応した第3版。

1998年 7月20日 初版 発行
2000年11月30日 第2版 発行
2006年3月20日 第3版 発行

著者略歴 はしがき(初版) 第2版 はしがき 第3版 はしがき 目次



●著者略歴

田山輝明(たやま・てるあき)

1944年 群馬県に生まれる
1966年 早稲田大学法学部卒業。早稲田大学大学院,助手,専任講師,助教授。現職は早稲田大学大学院法務研究科教授,法学博士(早大)。

主要著書

『西ドイツ農地整備法制の研究』(成文堂,1988年)
『 口述 契約・事務管理・不当利得』(成文堂,1989年)
『現代土地住宅法の基本問題』(成文堂,1990年)
『ドイツの土地住宅法制』(成文堂,1992年)
『成年後見法制の研究』(成文堂,2000年)
『続・成年後見法制の研究』(成文堂,2002年)
『民法要義1民法総則』(成文堂,2000年)
『民法要義3担保物権法[第2版]』(成文堂,2004年)
『民法要義4債権総論』(成文堂,2001年)
『民法要義5債権各論上[新版]』(成文堂,2006年)
『民法要義6債権各論下[新版]』(成文堂,2006年)
『物権法[第2版]』(弘文堂,2004年)
『通説物権・担保物権法[第3版]』(三省堂,2005年)
『事例で学ぶ家族法[第2版]』(法学書院,2005年)


●はしがき(初版)

 大学で初めて民法の講義を担当した頃のことを思い出してみると、「総則」とか「物権」等の特定の分野について、1コマの講義をするために前日のほとんど一日を費やして準備をしていたように思う。さすがに20年以上も類似の仕事をしていると前日の全部を費やすことはないが、いまでも相当な準備が必要である。同じ民法の講義でも一年間で民法の全分野の講義をしなければならないような場合は、別の意味で難しい面がある。あまり準備をしすぎると、とかく話の内容が専門的になりすぎて学生諸君にとっては難解なものになってしまうおそれがあるのである。

 本書のように一冊で民法全体を説こうという場合にも、同様な難しさに遭遇することがある。本書の場合も現にそうであった。そこで、具体的に説くことによって初心者にも分かりやすくしながら、本格的に民法の勉強をしようとしている者にとっては勉強の「一里塚」になるような本であってほしいとの願いを込めて書いたつもりである。18歳のA君の生活から説き始めることにしたのもそのためである。

 民法規範をたんなる法的技術として学んだのでは、法的技術者にはなりえても、法律家にはなれない。民法に限らず、法を学ぶ者にとっては、われわれが生活しているこの近代社会が歴史的にみてどのような社会であるのかという点について正しい認識をもつ必要がある。それを前提としてのみ、近代社会の法としての民法を正しく理解することが可能になるのである。本書において、市民社会では市民相互の関係を形成するためには合意を媒介としなければならないという点を重視して述べているのもそのためである。社会の中に封建的要素が多く残っていた時代には、「身分から契約へ」というような標語のもとで社会関係の近代化を実現していくことが、むしろ社会科学全体の課題であったと言ってよいが、現代日本社会では、市民社会の原理を前提にしつつその発展的修正を課題としているだけに、その原理を確認しておくことは、法の社会的基礎を見失わないためにもきわめて重要であると言わなければならない。

 私たちの生活している社会は、商品交換が全社会的規模において展開している社会である。しかし、いまや商品交換の方法は、近代社会の初期においては想像もできなかったほどに複雑なものとなっている。個々の市民の間の取引ではなく、一法人と不特定多数の市民(多数の消費者)との取引がしだいに多くの生活領域を覆うようになってきた。また、代金の支払い手段も月賦払いの段階を越えてクレジットの時代に入っている。そしてこれらの消費生活の法領域は、しだいに民法の領域から独立しつつあるようにも思えるが、こうした現象を民法の観点から吟味し、消費者の権利の保護を考えてみることは、依然として現代民法学の重要な課題の一つであろ

 相続の領域においても、近代相続法の原理がそれ自体の合理性を維持しつつも、特定の分野ではその社会の変化に対応しきれなくなっている。消費者法の領域ではかなり立法的対応がなされてきたが、相続の領域においてはそれがほとんどなされていない。消費者問題における立法の課題は消費者の保護であり、すべての消費者を一律に扱うことが可能であるが、相続の領域で生じている問題は必ずしもそのような対応が可能でないために、立法的解決を困難にしている。たとえば、農家相続の場合においても、均分相続の原理を前提にしながら農業経営の現物分割を阻止することが中心的課題となるため、地価の高騰地域(大都市周辺部)とそうでない地域とでは、対応の仕方がまったく異なることになるのである。この点では、比較法的考察に際しても、ヨーロッパ諸国の中にあって社会的・経済的諸条件の点で比較の基礎を多く共有していると思われるドイツを例にしつつ、考え方や制度の違いについて紹介してみた。また、最近の少子高齢化社会を前提にして、高齢者の介護や後見のシステムを根本的に再検討する必要が生じている。本書ではこの点についても最新の資料と情報を提供している。

 本書は、一般社会人の方々のみならず、法学部の学生諸君を読者として想定している。そのために民法の全体を鳥敵することのほかに、専門的に民法を勉強しようとする者のためのガイダンスの役目も果たさなければならない。「民法解釈における論理と利益衡量」と「民法と争訟法」の章では、そのような意図を特に意識して執筆した。

 大学へ入学するまでの日本の教育システムが近い将来において抜本的に改革されることは望み得ないようであるから、せめて法律学の勉強を始めるに際しては、法律技術の習得にのみ勤しむのではなく、法律学が人間関係を対象とした学問であることをよく考え、基礎理論からじっくりと勉強してほしいと思うのである。それが結局は目的達成のための最も近道であることが多いし、また法律学を学ぶ者の社会的責任でもあろう。

 なお、本書の前身である『法律学への第一歩−民法』(岩波書店・1990年)の校正の段階で、私のゼミの出身である弁護士の椛島裕之君と司法修習生〔当時、現弁護士〕の三村まり子さんには、モニターとして有益な意見を述べてもらった。また、三省堂編集部には多くのご配慮を戴いた。心よりお礼を申し上げる次第である。

1998年4月

田山輝明


●第2版 はしがき

 1998年に初版を刊行してから、民法の分野でも大きな変化があった。特に、高齢化社会に対応するための新しい成年後見制度が民法改正と関連法の制定によって実現した。内容的にも大きな改正であったため、本書第10章〔第3版で第3章に変更〕の全面的書換えが必要となった。また、この間、特定非営利活動促進法(NPO法)、消費者契約法、住宅品質確保促進法、大深度地下公共使用特別措置法など、民法に関連する重要な法律の制定がなされた。

 その結果、1冊の本で民法のガイダンスを行い、かつ概説もすることを狙いとする本書としては、全面的に改訂をせざるをえなかった。これによって、本書は、内容的にも最新のものになったと考えている。

2000年10月

田山輝明


●第3版 はしがき

 民事関係法の改正が頻繁に行われるようになった。経済社会の発展のテンポが従来に比べて早くなったためであろう。民法もその影響の外にはいられない。特別法の制定で対応する方法は従来も行われてきたが,ここ数年においては,短期賃貸借に関する規定のように,民法自体の条文変更を伴う改正も行われた。

 2004年においては,条文全体の現代用語化が実施された。そのこと自体は民法を分かりやすくするという意味においても,歓迎すべきことであったが,従来,解釈によって補われていた点(例えば,無過失要件)について,条文化された場合もある。これらの点については,他の条文への影響などについて,さらに慎重に検討してからでもよかったのではないかと思われる。また,根保証に関する条文などは,特別法の方がよかったかもしれない。ともあれ,本書もこれらの改正に対応して記述を修正しなければならなくなった。同時に,民法の沿革や法改正などについて,現行法を歴史や制度の沿革を知りながら,正確に理解してもらうために,「歴史への散歩道」というコラムを挿入した。今後とも読者の皆様のご批判等をお願いしたい。なお,今回の改定に際しては,三省堂編集部の井澤俊明氏にお世話になった。

2006年1月

田山輝明


●目  次

第1章 民法の体系‥3

 1 財産法の体系的理解  3

[1] 法典の編別構成とパンデクテンシステムの体系  4
[2] 総則の体系  8
[3] 物権法の体系  13
[4] 債権法の体系  21
[5] 財産法体系のとらえ方  36
[6] 財産法体系と取引の安全  41

 2 親族法・相続法の体系的理解  44

[1] 身分法の2つの領域  44
[2] 親族法  45 [3] 相続法  47

第2章 私的自治の原則と意思表示‥51

 1 私的自治の原則と近代市民社会の論理  51

[1] 私的自治の原則  51
[2] 市民の平等と市民社会の論理  51

 2 法律上の「人」  54

[1] 近代社会の構成単位としての市民と権利能力  54
[2] 人間以外の権利能力者  56
[3] NPO法の制定  58
[4] 中間法人法  59

 3 法律関係形成のための精神的判断能力  60

[1] 意思能力と行為能力  60
[2] 意思能力と責任能力  64

 4 取引行為に必要な精神的判断能力と保護制度  65

[1] 成年後見制度  65
[2] 宣告を受けない知的障害者の現状  67
[3] 審判を受けない知的障害者の保護  68

 5 市民間の合意とその規範的意義  71

[1] 契約自由の原則と表意者の保護  71
[2] 公序良俗に反する合意  72
[3] 真意ではない意思による合意  74
[4] 思い違いによる合意  76
[5] 詐欺・強迫による合意  77
[6] 付合契約  78

 6 契約の拘束力の根拠と私的自治  80

第3章 少子高齢社会と成年後見制度‥82

 1 成年後見制度と権利擁護  82

[1] 新しい制度を必要とする背景  82
[2] 成年後見と権利擁護に関する一般原則  83
[3] 社会福祉の基礎構造改革の理念と内容  84
[4] 構利擁護の内容と実現方法  86
[5] 諸外国における「後見制度」等の改革  87

 2 新しい成年後見制度の内容  90

[1] 民法改正の概要  90
[2] 旧後見制度および保佐制度の主要改正点  91
[3] 任意後見契約に関する法律の概要  93
[4] 後見登記等に関する法律  95

 3 地域福祉権利擁護事業と成年後見制度との関係  95

[1] 2つの制度の課題分担  95
[2] 契約締結に必要とされる判断能力の程度  96

 4 成年後見制度の実施状況と課題  98

第4章 現代社会と所有権‥101

 1 権利とは何か  101

[1] 権利の概念  101
[2] 近代民法と権利  103

 2 近代的所有権とは何か  105

[1] 円満なる所有権と私的性格  105
[2] 観念的性格と絶対的性格  106
[3] 権利の濫用  108

 3 土地所有権  その絶対性と制限原理  113

[1] 土地所有権観念  絶対的土地所有権  113
[2] 絶対的土地所有権に対する制限原理  114
[3] 大深度地下の公共的利用  119

第5章 契約当事者と権利・義務‥121

 1 契約当事者の注意義務と責任  有償契約を中心として  121

[1] 契約当事者の注意義務  121
[2] 契約上の安全配慮義務  125
[3] 売主の担保責任  126
[4] 請負人の担保責任  130

 2 債務不履行と契約の解除  133

[1] 要素的債務と付随的債務  農地の取引を例として  133
[2] 契約解除の理論構成  解除学説について  135
[3] 継続的契約と解除  137

 3 契約締結前と契約終了後の責任  143

[1] 契約締結上の過失  143
[2] 契約の余後効  144

第6章 消費者問題と私法‥147

 1 消費者法と民法  147

[1] 市民社会の基本原則と消費者問題  147
[2] 古くて新しい消費者金融問題  149
[3] 消費者法の広がり  150

 2 消費者信用と法的保護  151

[1] サラ金業と利息  151
[2] 割賦販売とクレジットカード  155
[3] 住宅ローンの法的仕組み  157

 3 物品の訪問販売・不動産の販売・サービス業と消費者保護  159

[1] 消費者契約法の成立  159
[2] 訪問販売の仕組みと被害の予防  160
[3] 土地・建物・マンションの購入  165
[4] 住宅品質確保促進法の制定  167
[5] クリーニング契約  169

第7章 現代社会と不法行為‥171

 1 損害賠償義務の発生原因としての不法行為  民法と特別法  171

[1] 不法行為と民法  171
[2] 不法行為と特別法  173

 2 資本主義の生成・発展と不法行為  175

[1] 初期資本主義と不法行為  175
[2] 現代的企業活動と不法行為  環境破壊・健康被害  176

 3 現代社会と不法行為  178

[1] 水害  178
[2] 食品公害・薬事公害  181
[3] 製造物責任法の制定  182
[4] 学校事故  186
[5] プライバシーの侵害  189

 4 被害者救済の方法  192

[1] 損害賠償論  民法416条論  192
[2] 損害補償  194
[3] 私的保険  194
[4] 社会的保障  195

第8章 相続と扶養‥197

 1 均分相続の原理  近代相続法の原理  197

[1] 法定相続  199
[2] 遺言による相続  200
[3] 遺留分による調整  202
[4] 新しい一子相続法制  203

 2 農家相続  実態と方法・ドイツとの比較  204

[1] 家制度の廃止と農家相続  204
[2] 経済の高度成長と農家相続  206
[3] ドイツにおける農業資産相続  207

 3 相続と扶養  209

[1] 扶養義務  209
[2] 扶養と相続の関連  212

第9章 民法解釈における論理と利益衡量‥215

 1 民法の解釈  215

[1] 契約と当事者の意思  215
[2] 契約の解釈と条文の解釈  217
[3] 民法解釈の意義  220

 2 法解釈の一般的確実性と具体的妥当性  222

[1]裁判規範・行為規範としての民法  222
[2] 解釈の具体的妥当性  222

 3 古典的権利体系と利益衡量論  224

[1] 民法解釈における論理の重要性  224
[2] いわゆる利益衡量論  226

第10章 民法と争訟法‥231

 1 民事紛争と訴訟法  231

[1] 社会生活と民事紛争  231
[2] 民事紛争の発生と民事訴訟  232

 2 民事訴訟の特徴と性格  233

[1] 実体法上の権利と自力救済の禁止  233
[2] 民事訴訟の意義と諸原則  234
[3] 裁判の適正・公平・迅速と訴訟経済  236

 3 民事紛争と裁判所の制度と機能  237

[1] 判決手続を担当する裁判所(受訴裁判所)  237
[2] 家事事件等を担当する裁判所  239
[3] 非訟事件を担当する裁判所  240
[4] 執行を担当する裁判所(執行裁判所)  241
[5] 保全執行を担当する裁判所(保全執行裁判所)  242

 4 判決の読み方  243

[1] 判例集への接近  243
[2] 判決の拘束力と下級審判決の意義  245

歴史への散歩道

1民法典の編纂 7
2現行憲法の制定と民法の改正 49
3後見の意味 99
4バブル経済・狂乱地価と借地借家 142

 事項索引  247
 民法条文索引  257
 法律名索引  260

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