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これで解決 国際ビジネス紛争 これで解決 国際ビジネス紛争

高後元彦 著

1,800円  四六 288頁 978-4-385-35803-X (品切)

国際ビジネスの現場で発生するトラブルを回避・解決するための方法を、契約書の文言や交渉・クレームの場の対応など具体的な現場実務に即してわかりやすく解説。紛争事例集、欧文書式例など資料も充実。

1997年10月20日 発行



●著者紹介

高後元彦 (こうご もとひこ)

1941年 千葉県に生まれる
1963年 早稲田大学法学部卒業
1965年 早稲田大学大学院(修士課程)修了
1967年 弁護士登録(東京弁護士会)、現在に至る
1971年 米国サザン・メソジスト大学ロー・スクール卒業(M.C.l)

 著作 「外国において提起された訴訟に対する対策」(日本弁護士連合会「自由と正義」Vol.39 No412 1988)、「国際取引の進め方」(共著、日経文庫 1994)



●『これで解決国際ビジネス紛争』

《自著自賛 小社PR誌 ぶっくれっと No.127》より

 一、本書は、国際取引紛争に関するビジネスマンを読者対象とする実務法律書です。

 著者は三十余年弁護士として国際取引法務に関与し、また、諸企業の国際取引に関するセミナーの講師を勤めてきました。これらの経験を通じて、日本の企業が国際取引を遂行する上で一般に何が問題となるのか、担当者は何を知りたがっているのか、何が分かりにくいのか、何をしばしば間違うのか、を知りました。これに基づき、日本企業の陥りやすい誤りに焦点を置いて、国際取引紛争の予防と対処方法について簡明な基本書を書いてみようと思いました。

 まず執筆にあたり、ビジネスマンを対象とする良い実務法律書の条件を考えてみました。様々な条件があり得ますが、次の四点を最も重要と考えました。即ち、(一)事項選択が実務的にみて的確であること、(二)記述が正確であること、(三)記述が平易簡潔で分かりやすいこと、そして、(四)問題の掘り下げが十分であること、の四点です。

 さて、それでは本書がこれらの条件をクリアしているかについて、自己採点を試みることとしましょう。

 二、(一)まず、事項選択の的確性というのは、読者たる国際取引に関与するビジネスマンが取引紛争について知りたいと思う事項、理解しておくべき事項のうち、重要なものがもれなく記載されているということです。この点については、著者の前記の実務経験から、まずは適切な選択がなされたのではないかと思っています。ただし二百数十頁という紙幅の限定から、記述の対象を取引相手との紛争に限定し、ダンピング等関係国政府との紛争および国際的な企業倒産に関する問題は割愛せざるを得ませんでした。この点はいささか心残りです。

 (二)記述の正確性ということは、言うまでもなくすべての書物にとり必須条件であり、実務法律書に特有のものではありません。ただし、実務法律書における正確な記述とは、著者の考えるあるべき法を追求し永遠の真理を探究するということではなく、現在行われている法を客観的に正確に述べることです。

 本書において、できるだけ、条約、法令、判例及び現在の実務慣行を引いてこれに努めたつもりですが、とにかく多くの点で法が判然としない分野のことですから、思わぬ誤りがあるかも知れません。諸賢よりご指摘を賜れればありがたく存じます。

 (三)分かりやすさということが、実務法律書の生命的要素の一つであることは明らかでしょう。本書では、法律家の間でのみ通用する業界用語をなるべく避けて平易な言葉を使用し、また、具体的事例を多数引用するなどして、分かりやすさを心がけました。それでも、第三章の「紛争の解決」では、どうしても業界用語が幅をきかせているようで気になります。

 (四)最後の条件である掘り下げの十分性とは、「これはこういうものなのだ」、「あれはとにかくああすれば良いのだ」という結論のみではなく、なぜそうなるのか、なぜそうでなくてはならないのかが分かるように書かれているということです。良い実務法律書と、お手軽ハウツウものの違いはここにあると思います。本書では、努めて背景的事情に言及し、結論のよってくるところをできるだけ示したつもりですが、より詳細な説明が望ましいところもあるかも知れません。

 三、さてこうしてみると、自ら課した四つの条件を本書が満たしたと言い切る自信は残念ながらありません。意あって力足らずというところでしょうか。ただ、本書が、少くも、国際取引において契約書というものが紛争の予防のため、また自分の身を守るためにいかに重要であるかについて、また紛争を生じた場合、これに対していかに的確、かつ合理的に対処すべきかについて、ビジネスマン諸氏の理解を深める一助となるものであることを筆者は確信しています。

(こうご・もとひこ 弁護士)

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