国際関係法辞典 第2版
「はしがき」と「凡例」

国際関係法辞典 第2版

はしがき

 凡 例

 本書は、国際法学会創立75周年を記念して1975年に刊行された『国際法辞典』および、その改訂版として1995年に刊行された『国際関係法辞典』、に続く学会の事業として刊行されるものである。ただし名称は、後に説明する理由により、『国際関係法辞典(第2版)』となっている。

 本書の刊行については、すでに2001年暮れに当時の松井芳郎学会理事長から打診を受けていたが、理事会の了承を得て実際に準備作業が動き出したのは、翌2002年春のことである。刊行作業の全般的な責任者として、安藤が最初に決めなければならないことは、前二書との関係で本書の編集方針をどのようにすべきか、であった。『国際法辞典』の刊行委員長であり、安藤の恩師でもある田畑茂二郎元理事長はすでに亡くなっておられたため、『国際関係法辞典』編集刊行委員会代表である山本草二元理事長とお会いしてご意見をお伺いするとともに、編集作業を進めるうえでの手続的な問題についてもご助言をたまわった。その結果、安藤としては、(1)『国際法辞典』から『国際関係法辞典』に名称が変更されたことに加え、後者は前者の成果を踏まえつつ「新しい方針と企画」で刊行されたこと、(2)後者の刊行後さほど期間が経過していない時点でふたたび名称と編集方針を変更することは、学会事業の継続性を考慮すれば問題が生じうること、の2点に留意して、本書は(ア)基本的に『国際関係法辞典』の編集方針を受け継ぎ、名称は『国際関係法辞典(第2版)』とすること、(イ)ただし内容については、初版刊行後の国際社会の新しい動向を積極的に取り入れ、項目・執筆者も全面的に検討し直し必要に応じて変更すること、を決定した。そして、『国際関係法辞典』が対象とした伝統的な国際法、国際組織法、国際経済法、EU法、国際取引法、国際私法、国際政治・外交史の7分野それぞれについて新たに編集責任者をご依頼し(「編集委員会の構成」参照)、山本元理事長には編集委員会顧問をお願いした。

 上記の編集方針は、2002年夏の7分野の編集責任者全体会議で了承され、各分野ごとに編集委員会が組織された。同年10月の学会秋季研究大会の前日には、7分野のすべての編集委員にお集まりいただき、先の編集方針をご説明するとともに、編集作業への協力をお願いした。また、この席上、山本顧問から「歴史の批判に耐えうる辞典を目指して編集作業に取り組む」よう励ましをいただいた。その後は、各分野の編集委員会ごとに関連項目の入念な再検討が実施され、必要な場合には分野間の項目調整が行われた。さらに確定した項目ごとに適切な執筆者が選定された。この作業は慎重に進められ、翌2003年4月末の7分野の編集責任者全体会議で、全項目・全執筆者の最終案が採択された。そして5月に入り、各項目についてそれぞれの執筆予定者に正式の依頼状が発送される運びとなった。

 同年9月末の原稿締切日までに、約半数の入稿があり、該当分野ごとに編集責任者を中心とした編集委員会による原稿のチェック、執筆者自身による再チェック、そして最終ゲラの確定作業が続いた。これと並行して、未入稿者に対する催促、再催促に手間取り、編集作業に大幅な遅れが出たことは遺憾である。いずれにせよ、

2005年の学会春季研究大会において奥脇直也理事長から、全原稿が出揃い近く印刷へ回す旨をご報告いただけるところまで漕ぎ着けた。この第2版の収録項目数は1,685で初版の11%増、うち新規項目は296、執筆著数は487名で初版より66名増となっている。なお財政的には、前回と同様に、本書の刊行は学会自体の積立金で賄われる。

 『国際関係法辞典』の刊行後、2001年には Universites francophones の Dictionnaire de Droit International Public が、2003年には Max Planck Institute の Encyclopedia of Public International Law 4巻本が、それぞれ出版され、本書の編集作業に裨益するところ少なくなかった。『国際法辞典』の「序文」で田畑刊行委員長は、「今後、一定の期間を隔てて、新しい状況に適合するよう、増補改定をひきつづき行い、本辞典が国際法学会のその時その時の学問活動の成果をつねに反映し、ながく国際法学会の貴重な財産となることを期待したい」と述べておられる。事実、本書のなかには、学会の先輩の執筆された項目に、その後の進展を後輩が書き加えたものが見受けられるのであって、『国際関係法辞典(第2版)』が、この期待に少しでも応えるものであることを、会員の皆様とともに願いたい。

 最後に、本書の編集・刊行にお力添えいただいた会員の方々、ご協力いただいた非会員の方々、出版をお引き受けいただいた三省堂の関係者の方々に、心から御礼申し上げる次第である。

   2005年(平成17年)7月

『国際関係法辞典(第2版)』編集委員会
代表 安藤仁介


凡  例

1.編集方針

1−1 国際関係の他面にわたる展開に伴う現下の学問的要請に応じて、国際法一般、国際私法、国際組織法、EU法、国際経済法、国際取引法、これら各法と関連の深い国際政治・外交史の7分野を対象として編集を行った。

1−2 『国際関係法辞典』を踏襲して、各項目を性格により大・中・小の3種類に分け、それぞれ1500字、1000字、500字を目途に執筆した。

1−3 項目の執筆は、2005年1月1日現在で行い、その後の条約・法令等の改正、事象の変化等もできるかぎり織り込んだ。ただし、『国際法辞典』または『国際関係法辞典』に収録された項目のうち、追加・補訂が必要と考えられるものについては、元の原稿に追加・補訂を加えた場合がある。これらの項目については、元の執筆者名の後に追加・補訂者名を並記してある。
例、「ゲンティリス」の項目について、 (伊藤不二男・柳原正治)

2.項目見出し

2−1 項目見出しの順序は、50音順とした。

2−2 項目見出しの後に、必要に応じて外国語を付した。
〔英〕=英語または米語、〔仏〕=フランス語、〔独〕=ドイツ語、〔羅〕=ラテン語、〔露〕=ロシア語、〔西〕=スペイン語、〔伊〕=イタリア語、〔ス〕=スウェーデン語

2−3 「ヨーロッパ」は、「欧州」と表記した。
例、欧州連合、欧州委員会

3.機構、組織、条約(国連総会決議を含む)、判例について

3−1 機構、組織等は、原則として英文(ないときは仏文)の正式名称を項目見出しの直後に示し、略称がある場合はそれも付した。
例、世界保健機関 〔英〕World Health Organization, WHO

3−2 条約(国連総会決議を含む)の形式

条約名、欧文条約名(適宜、英・仏・独・羅・露・西・ス)、[署名・採択]年月日(採択地名を付したものもある)、[発効]年月日、[日本]〈署名〉年月日、〈加入書寄託〉年月日、〈公布〉年月日・条約番号、〈発効〉年月日 例、条約法に関するウィーン条約 〔英〕Vienna Convention on the Law of Treaties [採択]1969.5.23(ウィーン)[発効]1980.1.27、[日本]〈加入書寄託〉1981.7.2〈公布〉1981.7.20(昭56条約16)〈発効〉1981.8.1
例、平和のための結集決議 〔英〕"Uniting for Peace"Resolution[採択]1950.11.3(国連第5回総会決議377/V)

3−3 判例の形式

例、原爆判決 〔英〕Shimoda Case〈下田隆一ほか4名 v. 日本国〉〈東京地方裁判所判決 1963(昭和38).12.7〉
例、北海大陸棚事件 〔英〕North Sea Continental Shelf Case 〈西ドイツ v. デンマーク、西ドイツ v. オランダ〉〈国際司法裁判所判決 1969.2.20〉 例、トレイル溶鉱所事件 〔英〕Trail Smelter Arbitration Case 〈アメリカ v. カナダ〉〈アメリカ=カナダ仲裁裁判所判決 1941.3.11〉

4.人名項目

4−1 項目見出しの形式

a)日本人:姓名、生没年
b)外国人:カタカナ書き、原綴フルネーム、生没年
例、有賀長雄(1860〈万延元〉〜1921〈大正10〉)
ケルゼン Kelsen, Hans (1881〜1973)

4−2 末尾に主要著作を付す。主要著作は、本文中に出てくるものは略して「前掲のほか」とし、本文中にあげ得なかった主要著作を発表年順にあげ、全集・選集・著作集などがある場合にはそれを付した(邦訳題がある場合はそれを付す)。
例、アンツィロッティ  Anzilotti, Dionisio (1867〜1950)・・・・・・・
〔主著〕前掲のほか, La codificazione del diritto internazionale private, 1894 /Studi critici di diritto internazionale privato, 1898 /・・・・・・
〔全集〕Opera di Dionisio Anzilotti, 3 vols, 1956〜64.

5.カタカナ表記について

5−1 外国の人名、地名、事項等の「カタカナ」表記は、原則としてその国における発音に近いものを用い、わが国において慣用が一般的であるものはそれに従った。
例、チーテルマン、プラーグ覚書

5−2 事項名で、@訳語が確立していないもの、A慣用として原語のまま用いられているものは原語をカタカナ書きにした。

5−3 原語の綴りが、va,vi,ve,vo などの音を含んでいる場合は、原則としてその「カタカナ」書きは、ヴァ、ヴィ、ヴェ、ヴォ とし、中南米の地名もこれによった。
例、Versailles  ヴェルサイユ、 Vatican  ヴァチカン、 Vattel  ヴァッテル、
Venezuela  ヴェネズエラ、 Bolivia  ボリヴィア

5−4 外国の人名、地名などをカタカナ書きする場合には、それぞれの語の区切りを示すため、・印を用いた(ただし慣用化している場合は・印を省略)。
例、サンフランシスコ、 ニューヨーク、 サウジアラビア

6.引用条文、暦年

6−1 条約や法律などの引用条文は、
例、(3条)、(3条1項(a))

6−2 二つ以上の条文を列記する場合は、
例、(51, 83条)

6−3 暦年は西暦により、必要に応じて和暦を付記した。
例、1862(文久2)年、 1992(平成4)年

6−4 数字で暦年・条の範囲をあらわす場合は、
例、1965〜1967年、 8〜14条

7.項目相互の関連

7−1 ある項目の説明で用いられている用語で、その用語が別に立項してあり、その項目の説明を参照することが、当該項目の理解に役立つと思われる場合は、その用語の左肩にアステリスク(*)をつけた。ただし、その用語そのものが立項していない場合でも、意味が近いものには、アステリスクを付した。

7−2 ある項目について、とくに他の項目の参照が望ましいときには、⇒○○○ としてその項目を示した。

8.索 引

巻末に、事項索引(50音順)と欧文略語表を掲載した。

このページのトップへ
トップページへのアイコン




Copyright (C) 2005 by SANSEIDO Co., Ltd. Tokyo Japan