ことばは人を育て、未来をきりひらく知の源です。三省堂はことばをみつめて135年 サイトマップお問い合わせプライバシーポリシー
三省堂 SANSEIDOトップページ 三省堂WebShop辞書総合サイト Wrod-Wise Web教科書総合サイト ことばと教科
辞書教科書電子出版六法・法律書一般書参考書教材オンラインサービス
書名検索漢字かな著者名検索漢字かな詳細検索
新刊・近刊案内
メディアでの紹介
本の注文
書店様専用
大学向けテキスト
卒業記念
名入れ辞書
品切れのご案内
「ぶっくれっと」アーカイブ
会社案内
採用情報
謹告
三省堂印刷
三省堂書店へ
三省堂書店はこちら
声に出して読めない日本語。
「ほぼ日刊イトイ新聞」
(『大辞林』タイアップ・サイト)
  国際私法

法律書ジャンル別案内


国際私法

横山 潤 著

4,500円 A5判 432頁 978-4-385-32354-1

最も新しい「国際私法」の体系書。「国際私法」と「国際民事訴訟法(国際裁判管轄、外国判決の承認・執行)」の問題を扱い、おもに外国法秩序との連携方法を論述。さらに豊富な事例で実務にも最適。「法適用通則法」、「対外国民事裁判権法」、国際裁判管轄規定を設した「改正民事訴訟法」にも対応した最新の内容。

はしがき   目 次   著者紹介

2012年3月31日 発行



はしがき

本書は,国際私法に関する概説書として執筆したものである。

他の概説書において扱われている問題はなるべくあまさず取り上げようと努めたが,筆者の能力と準備期間にはかぎりがあり,割愛せざるをえなかった問題も少なくない。

本書の内容は,内外の先人の研究成果に多くを負っている。1989年に法例が改正された後,2006年における法の適用に関する通則法の制定と2011年の民事訴訟法の改正を経験した。こうした実定法の解釈論や立法論として本書に叙述されたものも,先行業績のいわばアプリケーション以上のものではなく,はなはだしくオリジナリティに欠けている。研究の方法が時代に条件づけられていたとはいえ,非力を感じざるをえない。

国際私法には内外に優れた研究が多い。とりわけ,パリ第1大学教授ピエール・マイエール(Pierre Mayer)氏の著作は,国際私法の西も東も分からなかった20代後半より今日にいたるまで,筆者にとりインスピレーションの源泉であり続けた。本書のキーワードとなっている「連携」も同氏の提唱する法秩序間の coordinationという観念から着想を得たものであり,この観念を,20世紀から21世紀にかけての日本をめぐる国際環境を背景として検証してみようと思ったことが,執筆のもともとの動機であった。同氏の許しを得たので,このような執筆の動機をここで述べておきたい。なお,本書の叙述にたいして異論をもたれる方も多数おられると思われるが,筆者の咀嚼の不十分さと検証の稚拙さに起因していることはいうまでもない。本書が日本の国際私法学の発展のための「たたき台」の一片ともなれば望外の幸せである。

このように,内外の著作からインスピレーションを得ながら,日本をめぐる国際的な生活関係を素材として,その規律のありかたを体系的に理解することに筆者の研究生活の中心があり,その一方で,理解したことを一般読者に分かりやすく説明することには,正直のところ,それほど興味をもてないでいた。しかし,昨年たまたまお会いした三省堂の鈴木良明氏から概説書の出版を勧められ,「連携」という考えが自分の血となり肉となる感じをようやくもち始めた頃でもあったので,執筆を決意するにいたった。それ以降における同氏の辛抱強い(毎朝の電話による)励ましもあり,全力を傾注したつもりではあるが,伊予松山の人間に属人的につきまとう怠惰癖のためか,正確かつ分かりやすい叙述となっているか自信をもてないでいる。また,参考文献は理想的とはいいがたい形で列挙されている。再検討と補充はいずれも他日を期すこととし,お許しをお願いしたい。

一橋大学大学院において筆者が国際私法の研究を始めた時,指導教授は秌場準一先生であった。国際私法についてなにかしら著述ができるようになったのも,ひとえに恩師秌場準一先生のご指導に負っている。先生に感謝の念を込めて本書を捧げたい。

本稿が一応の完成をみたのは,三省堂の方々のおかげである。とくに,事項索引などの作成につき職人芸とでもいうべき技術を示された鈴木良明氏には言うべき言葉を知らない。最後に,北海学園大学講師村上愛氏の校正の労に深謝したい。


2012年2月

横山 潤



目  次

目  次

はじめに

第1部 国際私法

第1編 総 論

第1章 抵触法の基礎

第2章 法律関係の性質決定

第3章 連結基準の確定

第1節 国籍と常居所

第2節 本国法の決定

第4章 反 致

第1節 一般論

第2節 通則法41条

第3節 隠れた反致

第5章 先決問題

第6章 準拠法適用上の諸問題

第7章 公 序

第1節 内国法の価値を貫徹する法技術と公序

第2節 公序発動の要件(通則法42条)

第2編 各 論

第1章 自然人

第1節 権利能力および人の同一性

第2節 失踪宣告

第3節 行為能力

第4節 後 見

第2章 法人その他の団体

第3章 法律行為

第1節 法律行為の方式

第2節 代 理

第4章 物 権

第5章 債 権

第1節 契約債権

第2節 法定債権(不法行為,不当利得,事務管理)

第3節 債権法上の諸問題

第6章 親 族

第1節 婚姻の成立

第2節 婚姻関係と段階的連結

第3節 婚姻の効力

第4節 夫婦財産制

第5節 離 婚

第6節 実親子関係の成立

第7節 養子縁組

第8節 親子間の法律関係

第9節 扶 養

第7章 相 続

第1節 一般論

第2節 通則法36条

第8章 遺 言

第2部 国際民事訴訟法

第1章 裁判権免除

第2章 国際裁判管轄(財産関係)

第1節 概念と価値

第2節 一般・特別管轄原因

第3節 管轄権の専属

第4節 併合請求における管轄権

第5節 合意管轄

第6節 消費者契約に関する訴え

第7節 労働関係に関する訴え

第8節 特別の事情(3条の9)

第9節 保全命令事件

第3章 国際裁判管轄(身分関係事件)

第1節 離婚(婚姻無効・取消し)事件

第2節 実親子関係訴訟

第3節 養子縁組関係事件(許可審判と成立審判)

第4節 子の監護紛争
   (親権者の指定または変更,子の監護者の指定および子との面接交流)

第4章 訴訟能力・当事者能力

第5章 外国判決の承認・執行

第1節 序 論

第2節 民訴法118条の承認要件

主要参考文献

条文索引

・法の適用に関する通則法

・民事訴訟法

判例索引

事項索引



著者紹介

横山 潤(よこやま・じゅん)

1949年3月生まれ
1971年3月 一橋大学法学部卒業
1979年3月 一橋大学大学院法学研究科博士課程単位取得満期退学
1979年4月 獨協大学法学部講師
1982年4月 獨協大学法学部助教授
1989年4月 獨協大学法学部教授
1990年4月 一橋大学法学部教授
1999年4月 一橋大学大学院法学研究科教授,現在に至る

[主要著書]

『国際家族法の研究』有斐閣,1997年
『個人と家族〔日本と国際法の100年(第5巻)〕』(共著)三省堂,2001年
「新成年後見制度と国際私法」一橋法学(2002年)
「総論的考察──立法の方向性から緊急管轄まで」国際私法年報10号(2008年)



このページのトップへ