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  Q&A 公益通報者保護法解説

Q&A 公益通報者保護法解説

松本恒雄 編著

2,200円 A5 192頁 978-4-385-32270-4

平成18年4月より施行されている公益通報者保護法の最新Q&A解説書。企業の違法行為を通報した労働者を保護し、コンプライアンス経営を促進するための新法を、求められる企業の対応も含め、分かりやすく解説。

2006年 7月25日 発行

執筆者紹介 はしがき 目次 見本ページ



●執筆者紹介(執筆順)

松本 恒雄(まつもと・つねお)
一橋大学大学院法学研究科教授
1974年 京都大学法学部卒
1991年 一橋大学法学部教授
1999年から現職
国民生活審議会消費者政策部会部会長
消費経済審議会会長
日本工業標準調査会消費者政策特別委員会委員長
東京都消費生活対策審議会会長など
[主要著作]
『消費者取引契約』(共編著、三省堂、1998年)
『Q&A消費者契約法』(共著、三省堂、2000年)
『21世紀の消費者政策と食の安全』(コープ出版、2003年)
『消費者六法 2005年版』(共編著、民事法研究会、2005年)
『個人情報・プライバシー六法〔2005年版〕』(共編著、民事法研究会、2005年)

山川 隆一(やまかわ・りゅういち)
慶應義塾大学大学院法務研究科教授
1982年 東京大学法学部卒、同助手
1987年 司法研修所修了
1991年 University of Washington School of Law 修了(LL.M.)
[主要著作]
『国際労働関係の法理』(信山社、1999年)
『雇用関係法[第3版]』(新世社、2003年)
『労働審判制度』(菅野和夫教授他と共著、弘文堂、2005年)

柏尾 哲哉(かしお・てつや)
弁護士
1991年 京都大学法学部卒
1996年 弁護士登録(東京弁護士会)
2004年 公益通報者保護法に関する民間事業者向けガイドライン研究会委員に就任

執筆分担(執筆順)
松本恒雄 第1章(Q1〜Q6)第3章(Q15〜Q22)第4章(Q23〜Q30)
山川隆一 第2章(Q7〜Q14)第8章(Q52〜Q60)第9章(Q61〜Q64)
柏尾哲哉 第5章(Q31〜Q34)第6章(Q35〜Q38)第7章(Q39〜Q51)



●はしがき

 公益通報者保護法は、2006(平成18)年4月1日から施行されています。

 2005(平成17)年4月25日に兵庫県尼崎市で発生したJR宝塚線の通勤電車脱線転覆事故後の同年6月23日に開催されたJR西日本の株主総会で、元運転士だった株主が、「社内では見ざる聞かざる言わざるになるしかない」との趣旨の発言をしたことが報道されています。もし、社内において問題提起ができるルートが確立しており、かつ、鉄道事業において安全が何よりも大事であることを経営陣が認識していれば、このような悲惨な事故は起きなかったかもしれません。

 公益通報者保護法がもっと早く施行されていればこの事故が防げたとは単純にはいえないでしょう。しかし、公益通報者保護法は、内部告発に至った労働者に不利益を与えることを禁止することを通じて、社内における通報を促進し、通報に真剣に耳を傾けるように経営陣の意識改革をうながしています。

 社外への内部告発はやむをえない場合の手段で、むしろ社内で風通しのよい仕組みがつくられることによって、経営陣が問題行為をいち早く察知して自ら是正できるようになれば、企業価値を大きく落とすことなく、違法行為の影響を最小限に抑えることができます。

 新会社法や東京証券取引所の規則改正等で、経営陣のコンプライアンス経営への義務づけがますます強化されてきています。公益通報者保護法は、このようなコンプライアンス経営をサポートする役割を果たすものです。

 経営陣、労働者その他の企業関係者が、公益通報者保護法のねらいと仕組みを正しく理解して、よりよい企業づくりに取り組まれることを、執筆者一同は願っています。

2006(平成18)年6月
執筆者を代表して
松本恒雄



●目  次

第1章 総  論

Q1 制定の理由…… 2
なぜ、この時期に、公益通報者保護法が制定されたのですか。
Q2 目 的…… 6
公益通報者保護法は何を目的とした法律ですか。
Q3 通報者を保護するその他の法令…… 9
公益通報者保護法以外にも通報者を保護する法律がありますか。
Q4 従前の取扱い…… 13
公益通報者保護法の制定前は、公益通報者は保護されなかったのですか。
Q5 外国法…… 15
海外では、公益通報者保護のための特別の法律がありますか。
Q6 施行日…… 17
この法律はいつから施行されますか。

第2章 保護される通報者

Q7 公益通報者の範囲…… 20
この法律で保護される公益通報者とは、どのような者をいうのですか。
Q8 短時間労働者・契約社員の保護…… 22
パートタイム労働者や契約社員は保護されますか。
Q9 退職した労働者の保護…… 24
退職した労働者は保護されますか。
Q10 派遣労働者の保護…… 25
派遣労働者は保護されますか。
Q11 請負事業者に雇用されている労働者の保護…… 28
事業者間の請負契約に基づいて、発注先事業者のところで作業をしている請負事業者の労働者は、保護されますか。
Q12 公務員の保護…… 30
公務員は保護されますか。
Q13 匿名通報…… 32
匿名で通報した労働者は保護されますか。
Q14 取引先の違法行為の通報…… 33
事業者が取引先事業者の違法行為等を通報したことによって契約を打ち切られたような場合は、保護されますか。

第3章 保護される通報対象事実

Q15 通報対象事実…… 36
どのようなことがらを通報した場合が、この法律で公益通報としての保護を受けるのですか。
Q16 直罰のない法律規定違反…… 39
その違反に対して刑罰の定めがない法律の条項に違反した場合は、公益通報の対象にならないのですか。
Q17 生命・身体への危害のおそれ…… 41
国民の生命や身体に危害が生じるおそれがあるというだけでは、公益通報の対象にならないのですか。
Q18 政令による指定…… 43
法律の別表に掲げられている7つの法律以外の法律の違反は、通報しても公益通報として保護されないのですか。
Q19 政治資金規正法・税法の違反の場合…… 44
政治資金規正法違反や脱税は公益通報の対象となるのですか。
Q20 公訴時効期間経過後の通報…… 46
刑罰の公訴時効期間が経過してしまっている過去の違法事実についても、公益通報の対象となるのですか。
Q21 条例違反の通報…… 47
罰則付きの条例違反をしている事実は、公益通報の対象となりますか。
Q22 法の施行前に生じた事実についての通報…… 48
公益通報者保護法の施行前に生じた事実についても、公益通報の対象となりますか。

第4章 保護されるための通報方法

Q23 保護されるための通報の要件…… 50
どのような通報が保護されるのですか。
Q24 不正の利益を得る目的…… 53
「不正の利益を得る目的」とは、どのような場合ですか。
Q25 他人に損害を与える目的…… 54
「他人に損害を与える目的」とは、どのような場合ですか。
Q26 その他不正の目的…… 56
「その他不正の目的」とは、どのような場合が考えられますか。
Q27 不正の目的の立証責任…… 57
「不正の目的」の立証責任はどちらが負担しますか。
Q28 人事処遇に不満がある場合の通報…… 58
通報者に労務提供先に対する人事処遇面での不満が少しでもある場合は、「不正の目的」ありと判断されるのですか。
Q29 事実発生の切迫性と高度の蓋然性…… 59
通報対象事実が「まさに生じようとしている」とは、どのような場合を意味しているのですか。
Q30 他人の正当な利益・公共の利益の尊重…… 60
公益通報する労働者は「他人の正当な利益又は公共の利益を害することのないよう努めなければならない」との規定は、どのような場合を想定しているのですか。

第5章 内部通報

Q31 公益通報の通報先と内部通報…… 64
労働者は、公益通報をいかなる通報先に対して行うことができますか。労務提供先等に対する内部通報を行う場合と他の通報先に公益通報を行う場合とでは、取扱いが異なりますか。
Q32 労務提供先に対して行う内部通報…… 67
労働者が「労務提供先」に対して内部通報を行う場合とは、具体的にはどのような者(部署、役職等)に対して公益通報を行うことを意味するのですか。職場で遭遇した犯罪行為等を直属の上司に通報する場合は、「労務提供先」に対する公益通報に該当しますか。職場の同僚に対して通報する場合はどうですか。
Q33 指定通報先に対する内部通報…… 69
労務提供先があらかじめ定めた者に対する公益通報はどのような要件で保護されますか。事業者は、どのような者についてかかる指定を行うのが適当ですか。
Q34 内部通報に基づく調査・是正措置等に関する労働者への通知…… 71
労働者は、自分が行った内部通報に基づいて行われた調査や是正措置の結果を知ることができますか。

第6章 行政機関通報

Q35 行政機関通報の保護要件…… 74
行政機関に対する公益通報は、どのような場合に保護されますか。
Q36 行政機関通報を行うべき通報先の範囲…… 76
行政機関通報を行う場合の通報先となる「当該通報対象事実について処分若しくは勧告等をする権限を有する行政機関」(2条1項)とは、どのような行政機関を意味するのですか。
Q37 誤った行政機関に通報された場合…… 78
通報すべき行政機関を間違って公益通報を行った場合は、どうなりますか。
Q38 通報を受けた行政機関がとるべき措置…… 80
行政機関通報を受けた行政機関は、当該通報についてどのような取扱いを行うことが必要となりますか。

第7章 その他外部通報

Q39 その他外部通報の保護要件…… 84
報道機関などに対して行う公益通報が保護されるのは、どのような場合ですか。
Q40 その他外部通報の通報先…… 86
その他外部通報を行おうとする場合、具体的にいかなる通報先に対する公益通報が保護されることになりますか。
Q41 相談と通報…… 88
公益通報を行うことについて、職場外の友人に相談することはその他外部通報に該当しますか。弁護士に相談する場合はどうですか。
Q42 不利益取扱いを受けるおそれがある場合…… 90
3条3号イの「前2号に定める公益通報をすれば解雇その他不利益な取扱いを受けると信ずるに足りる相当の理由がある場合」とはどのような場合ですか。
Q43 ヘルプラインがない場合の外部通報…… 91
労務提供先がヘルプラインを設置していない場合に、これを理由として行ったその他外部通報は保護されますか。
Q44 証拠隠滅等のおそれがある場合…… 93
3条3号ロの「公益通報をすれば当該通報対象事実に係る証拠が隠滅され、偽造され、又は変造されるおそれがあると信ずるに足りる相当の理由がある場合」とはどのような場合ですか。
Q45 内部通報又は行政機関通報をしないことを要求された場合…… 95
「労務提供先から前2号に定める公益通報をしないことを正当な理由がなくて要求された場合」(3条3号ハ)とは、具体的にはどのような場合を意味していますか。
Q46 労務提供先が調査・是正措置等を行わない場合…… 97
内部通報を行った労働者は、(a)労務提供先等から調査開始を行う旨の通知がないこと、(b)労務提供先等による調査が行われていないこと、又は(c)労務提供先等が通報対象事実に関する是正措置等を行わないこと、若しくは是正措置等に関する通知を行わないこと、を理由としてその他外部通報を行うことができますか。
Q47 行政機関が調査・是正措置等を行わない場合…… 100
行政機関通報を行った労働者は、当該行政機関から調査を開始した旨の連絡がないこと若しくは調査を行わないことを理由として、その他外部通報を行うことができますか。当該行政機関が必要な是正措置等を行わないことを理由とする場合はどうですか。
Q48 生命、身体に対する急迫の危険がある場合…… 101
「個人の生命又は身体に危害が発生し、又は発生する急迫した危険があると信ずるに足りる相当の理由がある場合」(3条3号ホ)とはどのような場合ですか。
Q49 インターネットの掲示板等での告発…… 103
インターネット上の掲示板で労務提供先等における通報対象事実について書き込みをする場合は、その他外部通報として保護されますか。
Q50 労働組合への相談・通報…… 105
労働組合に相談又は通報を行うことは、公益通報者保護法によって保護されますか。
Q51 NPOへの相談…… 107
NPOなどの公益通報の支援機関に相談又は通報を行うことは、公益通報者保護法によって保護されますか。

第8章 保護の内容

Q52 労働者の保護…… 110
公益通報者保護法は、どのような保護を労働者に与えていますか。
Q53 不利益取扱いに対する救済…… 113
解雇その他の不利益取扱いについては、どこで救済を求めることができますか。
Q54 保護の要件に該当しない場合…… 115
本法の保護の要件にあてはまらない場合には、解雇その他の不利益な取扱いにも甘んじなければならないのですか。通報を理由とする労働者の解雇その他の不利益取扱いを禁止する他の法律との関係はどのようになりますか。
Q55 解雇権濫用規定との関係…… 117
本法と労働基準法18条の2の解雇権の濫用規定とはどのような関係になりますか。
Q56 公益通報以外を理由とする解雇等…… 119
公益通報以外の理由をあげれば、解雇その他の不利益取扱いをしても許されるのですか。
Q57 解雇等の理由の立証責任…… 120
解雇その他の不利益取扱いの理由が公益通報であることの立証責任は、どちらが負担することになりますか。
Q58 事業者に対する処分等…… 122
公益通報をした労働者に解雇その他の不利益な取扱いをした事業者は、刑罰を科されたり、監督官庁から行政処分を受けたりするのですか。
Q59 不正競争防止法上の営業秘密漏洩罪との関係…… 123
公益通報者が、通報行為により労務提供先の営業秘密を漏洩したことになるような場合や、通報対象である違法行為に関与していた場合、その刑事責任や民事責任は免責されるのですか。責任が認められる場合でも公益通報者が保護されることはあり得ますか。
Q60 名誉毀損との関係…… 125
公益通報者が労務提供先から名誉毀損を理由に損害賠償を請求されたとしても、その民事責任は免責されるのですか。

第9章 企業の対応

Q61 企業がとるべき対応…… 128
公益通報者保護法の施行に当たり、企業としてはどのような対策をとることが求められているのですか。対応のあり方によって法的責任の内容や程度に影響が生ずることはあり得るでしょうか。
Q62 コンプライアンス経営…… 130
コンプライアンス経営というのはどのようなことですか。
Q63 ヘルプラインとは…… 132
ヘルプラインや通報・相談窓口はどのように設置するのがよいのですか。
Q64 法令違反等を発見したとき…… 135
法令違反や不正行為が発見されたときは、どのように対応するのがよいのでしょうか。また、法令違反や不正行為の是正措置がなされた後の、通報した労働者個人や他の一般社員、さらには社外へのフィードバックについてはどのように考えるのがよいのでしょうか。

資  料
△公益通報者保護法…… 138
△公益通報者保護法別表第8号の法律を定める政令…… 142
△公益通報者保護法に関する民間事業者向けガイドライン…… 154
△イギリス公益開示法…… 158
△公益通報者の保護をめぐる参考裁判例集…… 168

事項索引  177

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