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戦後政治と日本国憲法 戦後政治と日本国憲法

永井憲一 編

2,800円 A5 312頁 978-4-385-31370-X (品切)

施行半世紀に達した日本国憲法を,戦後50年に生起した事件とともに総括。各条文が現実社会において果たした役割を検証。憲法研究者の責務として次代に託す思いを一冊にまとめたテキスト。

1996年 3月31日 発行



●目  次

はしがき

序章

日本国憲法の理念と戦後政治 永井憲一 (法政大学)

第一章 総論
 1 国民主権と天皇制 横田耕一 (九州大学)
 2 平和主義の理念と現実 山内敏弘 (一橋大学)
 3 人権の国際化 荒牧重人 (山梨学院大学)
 4 憲法教育と国民の憲法意識 船木正文 (大東文化大学)
 5 憲法裁判の軌跡 新井章 (茨城大学)
 6 憲法「改正」論の現在と過去 久保田穣 (東京農工大学)

第二章 基本的人権の保障
 1 個人の尊重・包括的人権と人権の制限 森英樹 (名古屋大学)
 2 平等原則と女性の人権 植野妙実子 (中央大学)
 3 信教の自由 大山儀雄 (中央学院大学)
 4 表現の自由 内野正幸 (筑波大学)
 5 学問の自由 松元忠士 (立正大学)
 6 経済的自由 中島 徹 (中央学院大学)
 7 人身の自由 佐々木光明 (三重短期大学)
 8 生存権 中村睦男 (北海道大学)
 9 労働基本権 高野敏春 (国士舘大学)
 10 教育と人権 広沢 明 (育英短期大学)
 11 情報と人権 後藤光男 (早稲田大学)
 12 環境と人権 田村和之 (広島大学)

第三章 統治機構
 1 権力分立制と国民の政治参加 渡辺久丸 (島根大学)
 2 国会の地位と権能 辻村みよ子 (成城大学)
 3 選挙権と選挙制度 藤野美都子 (東京経営短期大学)
 4 議院内閣制とその運営 野上修市 (明治大学)
 5 司法権の独立と違憲立法審査権 野中俊彦 (法政大学)
 6 地方自治と地方分権 緒方章宏 (日本体育大学)

あとがき

資料
 戦後憲法史年表



●はしがき

 一九四五(昭和二〇)年に、ポツダム宣言を受諾して、日本は敗戦国となった。それ以来、半世紀もの五〇年という長い年月が経過した。

 その間われわれは、ただの一度も日本が直接の戦場になることのない平和な時代に生きてきた。それ以前の日本は、明治維新以来「一〇年に一度は、必ず戦争を繰り返してきた」ことを想うと、まことに幸せな時代の日本に生きてこられたわけである。それは誰もが共通に実感するところであろう。そして、それが実に、日本国憲法の存在する“おかげ”であったことにも共通の思いをもつであろう。

 ところで、そうは言えても一歩踏み込んで考えてみると、日本国憲法は、戦後アメリカの占領下で、その多大な影響を受けて制定されたものである。しかも占領下では、しばらく占領軍の管理下に置かれた。また、一九五一(昭和二六)年にサンフランシスコ条約――一般に言う「講和条約」――の締結後は、形式的には「独立国」とはなっても、それと同時に締結された日米安全保障条約(略称「安保条約」)が、日本の政治社会に支配的機能を果たして今日に至っている。つまり日本の戦後政治史の中で、ただの一度も日本国憲法は日本国の「最高法規」として“ひとり歩き”すなわち独立をしたことがない。

 それにもかかわらず、この戦後五〇年間には、日本国憲法が国民生活にさまざまな影響を与えた。ほんの一例を挙げてみても、この日本国憲法の理念や条規に基づいて、たとえば一度は「日本に米軍の駐留を認める安保条約は違憲である」旨の“砂川判決”(伊達判決)が出されたり、かっての日本の大陸への進入戦争を「侵略」とは書かせない文部省の教科書検定に対する違憲判断を国民の側から裁判所に求める教科書裁判が提起されたり、また、国民の「健康で文化的な生活」の保障を求める“朝日訴訟”が提起されたり、ほかにも公害に対する損害賠償を求める市民運動が各地に広く展開されたりなどもした。このように日本国憲法の理念は、確実に国民の意識の中に浸透してきている。

 したがって本書は、戦後政治史において日本国憲法がいかなる役割を現実に果たしてきたのか、を検証すべく企画したものである。ところで、それに対する国民の視座や評価は多彩であろう。それだけに、本書が近づく二一世紀に向けて、いかなる日本を創造していくべきか、そのためには日本国憲法がどのように位置づけられ、その役割や機能が期待できるのか、を真摯に考えようとする人びとのための一つの問題提起の書物となることを期待して、出版を決意したのである。本書が広く活用していただけることを願っている。

一九九五年一二月八日

編者 永井憲一

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