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憲法用語の源泉をよむ

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憲法用語の源泉をよむ

大林啓吾・見平 典 編著

3,200円 A5判 304頁 978-4-385-32085-4


憲法学の外来用語について、気鋭の学者がその元来の意味を解説。歴史的経過も踏まえ、用語の元来の意味を知ることで憲法の本来の姿が見えてくる。昨今の憲法論議を考える上で必読の書。

本書の使い方   はしがき   編者・執筆者紹介
本文見本ページ


2015年7月20日 発行




本書の使い方

 本書は、原則として、憲法の基本書(主に芦部信喜『憲法〔第6版〕』(岩波書店、2016年)や佐藤幸治『日本国憲法論』(成文堂、2011年)等を想定している)に登場する外来用語を取り上げ、その解説をしている。もちろん、それ以外にも重要になりつつある外来用語を取り上げているが、ほとんどは基本書に登場する言葉である。

 本書の利用方法は様々であるが、まずは基本書の副教材として活用することを勧めたい。基本書には様々な外来用語が頻繁に登場するが、読み進めるうちにそれらの言葉が憲法を学ぶ上で重要なキーワードとなっていることに気づくだろう。そうした言葉の元来の意味に興味を持つようになれば、基本書の理解が進んでいる証拠であり、そこで関心を抱いたり疑問に思ったりした言葉を本書で確認してもらいたい。

 本書は、必ずしも基本書と併行して読まなければならないわけではなく、単独で読むことも、もちろん可能である。本書で取り上げた言葉は、憲法の各分野から抽出したもので、これを読み進めることで、憲法を概観できるだろう。他方で、本書を無理に通読する必要はなく、最初は興味のある言葉を選んで読むということもできる。

 本書は、大学生から研究者、一般の方に至るまで幅広い読者層を想定している。内容的にはやや専門的であるが、できるだけわかりやすい解説を心がけた。大学で使う場合には、憲法の講義に限らず、ゼミや演習科目などでも本書は大いに役立つはずである。さらに本書の中には審査基準関連の用語も取り上げているので、本来の使い方を垣間見ることができる。学部生に限らず、法科大学院の学生にも手にとってもらいたいと思う。また、本書は専門書としての側面も有しているので、研究者や大学院生が用語の確認をする際にも役立つはずである。

 本書では、憲法を学ぶうえで必要と思われる56の言葉について解説している。

 各用語の解説は、最初に基本書でどのような説明がなされているか、あるいは日本でどのような意味を持っているかを説明し、それからその言葉の元の意味を解き明かしていくという流れで進む。言葉によっては、複数の国が出自となっている場合もあるが、基本的には1つの国に絞って、その原意を解説している。

 各用語の右下に記載されている外国語はその用語の原語であり、〔英〕は英語、〔独〕はドイツ語、〔仏〕はフランス語を指す。なお、注では補足説明をしたり、参考文献・参考資料等を示したりしているが、必要最小限の記載にとどめた。



はしがき

 本書は、憲法および憲法学の外来用語について、元来の意味を解説するものである。

 憲法を学んでいると、外来用語が頻繁に登場する。しかも、重要なキーワードであればあるほど、外来用語であることが多い。たとえば、「人権保障」、「権力分立」、「立憲主義」などの憲法の基本原理を表す言葉はいずれも舶来品である。

 外来用語の中には、「プライバシーの権利」や「パターナリズム」のようにすぐに外来用語とわかる言葉もあれば、「司法審査」や「憲法判断回避の準則」のように原語が日本語なのか外来語なのかわかりにくい言葉もある。そのため、外来用語であることが基本書で説明されていないと、その言葉がいずれの国に由来するものであるのか知らないまま学んでしまうことも少なくない。

 外来用語であることがわかったとしても、基本書では外来用語を日本の文脈に置き換えて説明されるので、言葉の元の意味や、言葉が意味する制度等の由来・起源については必要最低限の説明しかされていないことが多い。たとえば、「司法審査」という言葉(制度)はアメリカのマーベリー判決によって登場したと説明されることが多いが、歴史を掘り起こしていくと、それ以前から続く判例法理の延長線上にあることがわかる。つまり、司法審査は1つの判決によって突然登場したわけではなく、それまでの基盤があったからこそ生み出すことができたものだったのである。

 また、外来用語の中には、日本で説明されているのと同じ意味の場合もあれば、そうでない場合もある。たとえば、「プライバシーの権利」という言葉は、いわゆるプライバシー(私生活や個人情報など)を指すこともあれば、その母国であるアメリカでは自己決定を指すこともある。

 このように、その言葉がどのような背景で登場し、いかなる文脈で展開してきたのかを知ることで、原語が持つ本来の意味を理解し、憲法をより深く学んでいくことができるだろう。

 そこで、憲法外来用語の「原意」(original meaning)を探りながら、その言葉の元の意味を明らかにし、憲法の理解を深めてもらいたいと考え、本書を企画した。

 外来用語を解説するためには、それぞれの言葉を専門的に分析する必要があることから、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランスを専門とする憲法の先生方にそれぞれの国の言葉を担当してもらい、さらに憲法以外の知識が必要な言葉もあることから、英米法や行政法の知見を持つ先生方にも執筆をお願いした。そのため、各用語は、専門知識をフルにいかした解説となっている。

 本書を読むことは憲法用語を深く学ぶだけでなく、外国法を学ぶことにもつながる。言い換えれば、本書を通じて比較法的知識も身につくので、より広い視野を持つことができるだろう。近年、実務志向が強まるにつれて、基礎法や比較法がおろそかになっていると指摘されることがあるが、本書で得た知見は、憲法問題を考える際の基礎力を養い、応用的ケースに直面した場合にも対応できる柔軟な力につながるだろう。それはまた、実務の世界においても役に立つと考えている。本書を読むことで、憲法に関する知識を広げ、深い洞察力を身に着けてもらえれば編者としてこの上ない幸せである。

 最後に、こうした問題意識に共鳴し、本企画を快諾してくださった三省堂の黒田也靖氏に心より御礼を申し上げたい。本書を執筆するにあたり、各用語を検討する勉強会を何度か設け、刊行に至るまで約4年の歳月がかかった。勉強会では文字通り朝から夜まで検討を行ったが、その際黒田さんにも最初から最後までご参加いただき、重要なコメントをいただいた。黒田さんのご協力なしには本書は刊行できなかったものであり、ここに感謝の意を表したい。


2016年5月

編者 大林啓吾 見平 典




編者・執筆者紹介

<編者紹介>

大林啓吾(おおばやし けいご)

千葉大学大学院専門法務研究科准教授

見平 典(みひら つかさ)

京都大学大学院人間 環境学研究科准教授

<執筆者紹介>

鵜沢 剛(うざわ たけし)

金沢大学法科大学院准教授

尾形 健(おがた たけし)

同志社大学法学部教授

奥村公輔(おくむら こうすけ )

駒澤大学法学部准教授

斎藤一久(さいとう かずひさ)

東京学芸大学教育学部准教授

高畑英一郎(たかはた えいいちろう)

日本大学法学部教授

溜箭将之(たまるや まさゆき)

立教大学法学部教授



本文見本ページ

*PDFファイルです




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