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  情報公開法解説 第2版

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情報公開法解説 第2版

北沢義博・三宅 弘 著  (品切)

2,300円 A5判 264頁 978-4-385-32033-5

条文ごとの詳細な解説により、情報公開法の全貌を明らかにする最新解説書、待望の改訂版。独立行政法人情報公開法や個人情報保護法等の成立に伴う法改正に対応した、一般市民、法曹家、行政担当者の必備書。


1999年7月10日 初版 発行
2003年7月20日 第2版 発行

第2版はしがき 初版はしがき 目次 『情報公開法解説』(初版) (「ぶっくれっと」138号より)



●第2版はしがき

 改版にあたり、初版以降の運用状況について加筆し、また初版以降に発刊された文献をできる限り引用しました。また、本年5月に、行政機関の保有する個人情報の保護に関する法律、独立行政法人等の保有する個人情報の保護に関する法律および情報公開・個人情報保護審査会設置法が制定されたことに伴い、情報公開審査会が、情報公開・個人情報保護審査会に改組されましたので、施行は2年後になりますが、これについても解説し、これに伴い情報公開法の条文も見直しました。

 さらに、巻末資料として、新たに、「独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律」、「情報公開・個人情報保護審査会設置法」および「裁判所の保有する司法行政文書の開示に関する事務の基本的取扱いについて(依命通達)」を収録し、これらと日本放送協会(NHK)の情報公開制度についても解説し、「情報公開法試案(日弁連試案)」と差し替えました。

 行政機関と独立行政法人等についての情報公開法と裁判所やNHKの情報公開制度を「民主主義の通貨」(the currency of democracy)として使いこなし、さらに解釈運用をよりよいものとし、制度の見直しがなされることを希望します。

 2003年6月



●初版はしがき

Information (FOIA) is the currency of democracy.
Ralph Nader

 「行政機関の保有する情報の公開に関する法律(情報公開法)」は、1999年5月7日に制定されました。本書は、この間の立法経過を踏まえ、情報公開法を解説したものです。

 本書全体は、以下のような構成になっています。

 第1章では、情報公開法による情報公開請求の概要について、
 第2章では、情報公開請求が不開示となる事由について、
 第3章では、不開示事由の解釈適用が誤りであるとして不開示決定・開示決定を争う情報公開審査会と裁判の手続について、
 第4章では、文書管理、情報提供、情報公開法の趣旨を踏まえた情報公開条例のあり方、著作権法の改正等、情報公開に関連する諸制度について解説しています。

 特に本書は、情報公開請求の手続に従いながら、情報公開請求者や法律実務家、自治体関係者において、情報公開法の立法趣旨を踏まえた解釈運用に役立つことを主眼としています。

 また、手数料、裁判管轄、不開示情報の範囲等について、制定された情報公開法では不十分な点もあるため、法律施行4年後に見直すこととされていますが、それまでの解釈運用と立法上の課題を掲げています。この課題は、法律よりもよい情報公開条例を制定・改正しようとする住民や自治体関係者にも役立つところです。

 なお、情報公開法の他に今後の法律の見直しのための参考となるよう、日本弁護士連合会のご了解を得て、「情報公開法試案(日弁連試案)」も巻末資料としました。ご活用いただければ幸いです。

 本書の逐条的な解説を参考として、情報公開法を積極的に使いこなし、よりよい解釈運用、制度の見直しがなされることを希望します。

 なお、本書の公刊にあたり、三省堂出版局法律書出版部の方々にお世話になりました。感謝の意を表します。

 1999年6月

北沢義博
三宅 弘



●目  次

第1章 情報公開法による情報公開請求

 1 情報公開制度の概要…2

 2 情報公開法とは−−目的…6

解説1 国民主権の理念と説明責務 6 2 国民の的確な理解と批判 7
課題1 「知る権利」の明記 7 2 「知る権利」の明記についての国会審議と情報公開条例の動向 9

 3 誰が行政文書の開示を請求することができるか  −−開示請求権者…12

解説1 「何人」説の採用 12 2 法人格のない団体と原告適格 13
課題 13

 4 どの行政機関に開示を請求することができるか  −−対象機関…15

解説1 行政機関の意義 15 2 独立の対象機関 16
課題1 日弁連大綱の提言 17 2 国会の情報公開 18 3 司法行政情報の公開 19 4 特殊法人情報公開法 19

 5 開示請求の対象となる「行政文書」は何か  −−対象情報…21

解説1 文書、図画、電磁的記録 21 2 組織共用文書 22 3 対象除外公文書 23
課題1 個人ファイル以外の組織共用文書 24 2 国立公文書館の整備 25

 6 開示請求の手続…26

解説1 開示請求書の提出 27 2 形式上の不備と補正情報提供義務 28 3 情報公開相談窓口 28 4 総合案内所を都道府県ごとに設置 28
課題1 参考とすべきアメリカ電子情報自由法 29 2 「電子政府」と「行政文書ファイル管理簿」 30

 7 開示請求に対する行政機関の措置…31

解説1 開示決定の通知 31 2 不開示決定の通知 32
課題1 不開示決定の理由付記 33 2 存否応答拒絶・不存在処分の理由付記 34

 8 開示請求から開示決定等を受け取るまでの期間…35

解説1 開示決定等の期限 36 2 期限の延長 36 3 開示決定等の期限の特例 37
課題1 期間内開示体制の整備 37 2 「相当の期間」の厳格な運用 38

 9 他の行政機関・独立行政法人等において開示決定等をするための事案の移送…39

解説1 事案の移送 40 2 事案移送後の開示決定と開示の実施 41
課題 開示までの期間短縮の工夫 41

 10 行政文書の開示…42

解説1 開示の実施方法 43 2 開示の実施方法に関する申出 44 3 開示の実施に関する申出の期間 44 4 開示の実施に関する再申出 45
課題 電子メールによる送信開示 45

 11 手数料…47

解説1 「開示請求に係る手数料」と「開示の実施に係る手数料」 47 2 「実費」と「利用しやすい額」 48 3 特別の理由による減免 49
課題1 「1件」の数え方と「実費」 49 2 公益目的による手数料の減免規定 50

 12 情報開示の権限・事務の委任…53

解説 権限・事務の委任 53
課題 権限委任から裁判管轄の実質的解決 54

第2章 情報公開請求が不開示となるとき

 1 行政文書の開示義務…58

解説1 「原則開示の基本的枠組み」 58 2 不開示情報と国家公務員法の守秘義務 59 3 裁量的開示規定と守秘義務 60
課題1 開示義務免除としての例外不開示 61 2 不開示情報の主張・立証責任 62 3 法令秘の不開示情報が規定されていないこと 63 4 一定期間後の不開示情報からの適用除外 64

 2 部分開示…66

解説1 部分開示の意義 66 2 部分開示の具体的方法 67 3 「有意性」の判断と積極的開示 68
課題 「容易に」と「有意の情報」の要件の再検討 69

 3 個人情報…70

解説1 「個人識別型」の採用 71 2 絶対的開示事由としてのただし書イ、ロ、ハ 72 3 個人情報の部分開示義務 76
課題1 「個人識別型」と「プライバシー型」 77 2 「個人に関する情報」の限定的解釈 79 3 公務員の氏名の原則開示 80 4 自己情報の本人開示請求 81 5 個人情報の部分開示義務 83

 4 法人等情報…85

解説1 正当な権利利益の不開示 85 2 非公開扱いに対する期待と信頼の保護 86 3 生命等の保護のための絶対的開示 88
課題1 情報公開条例における参考判例 89 2 アメリカ情報自由法の「秘密に属すること」の解釈 90 3 非公開条件付き任意提供情報の限定的解釈 91 4 非公開条件付き任意提供情報の見直し 93

 5 防衛・外交情報…95

解説1 不開示となる情報 95 2 不開示情報の判断 96
課題1 国家機密と民主的コントロール 98 2 特別な判断方法の見直し 99

 6 犯罪捜査・秩序維持等情報…100

解説1 不開示の対象 100 2 不開示の判断 101
課題1 不開示情報の範囲を拡大しないための要件の厳格化 102 2 捜査等情報の公開のための関係法律との調整について 102

 7 審議・検討・協議情報…104

解説1 本号の意義 104 2 審議会に関する情報 106
課題1 意思形成過程情報の公開の必要性 107 2 審議会の情報公開 107

 8 行政運営情報…109

解説1 行政機関等の事務・事業の5類型 110 2 適正な遂行に支障を及ぼすおそれ 111
課題 「実施目的を失うことが明らかなもの」への限定 112

 9 行政文書の存否に関する情報…114

解説1 本規定の意義 114 2 本規定による拒否処分を争う場合 115
課題1 濫用のおそれが強い本規定 116 2 本規定による拒否処分を争う 117

 10 公益上の理由による裁量的開示…119

解説1 行政機関の長の裁量による開示 119 2 不服審査の困難性 120
課題1 義務的開示規定への改正 120 2 手数料の減免 121

 11 第三者に対する意見書提出の機会の付与等…122

解説1 任意的な意見書提出の機会付与 123 2 義務的な意見書提出の機会付与 123 3 不服申立ての機会付与 124
課題 意見提出の機会の限定的運用 125

第3章 不開示決定・開示決定を争う

 1 不服申立てと裁判…128

解説1 開示決定等に関する不服申立て 128 2 取消訴訟の提起 129
課題 開示義務づけ訴訟の検討 130

 2 不服申立ての手続…131

解説1 情報公開・個人情報保護審査会への必要的諮問 132 2 第三者保護手続 133 3 不服申立ての審理 133

 3 情報公開・個人情報保護審査会の組織の概要…135

解説1 情報公開・個人情報保護審査会の性格 137 2 情報公開・個人情報保護審査会の設置 138 3 委員の選任 138
課題1 情報公開・個人情報保護審査会の性質 139 2 地方での審査会 139 3 委員の選任、事務局の充実 140

 4 情報公開・個人情報保護審査会の調査審議の手続…141

解説1 情報公開・個人情報保護審査会の調査権限 143 2 開示請求に係る行政文書等の提出および見分 144 3 諮問に関する理由の説明 145 4 情報公開・個人情報保護審査会における事件の取扱い等 146 5 第三者に関する情報が記録されている場合の措置 147 6 会計検査院の長のした開示等決定に対する不服申立ての特例 147
課題1 インカメラ審理とヴォーン・インデックスについて 148 2 情報公開・個人情報保護審査会の審理方法 148

 5 情報公開訴訟における管轄…150

解説1 取消訴訟の管轄 150 2 移送について 151
課題1 裁判管轄 152 2 移送について 154

 6 訴訟における審理手続…155

解説1 インカメラ審理の不採用 155 2 文書提出命令におけるインカメラ審理 156
課題1 インカメラ審理の採用 156 2 ヴォーン・インデックスの採用 159

第4章 情報公開に関連する諸制度

 1 行政文書の管理…162

解説1 行政文書の適正な管理 162 2 管理規則の閲覧義務 163 3 管理規則の内容 163 4 行政文書の作成、保存の義務とファイル管理簿 164
課題1 文書管理法の制定 165 2 文書の保存期間と管理 165 3 ファイル管理簿への文書の登載 165

 2 行政機関の保有する情報の提供に関する施策の充実…167

解説 情報提供制度の充実 167
課題1 計画策定情報の公表 168 2 複数回開示請求文書の公表 169

 3 施行の状況の公表…170

解説1 施行状況の報告 170 2 施行状況の公表 170
課題1 施行状況の公表をふまえた法律改正 171 2 存否応答拒否処分の運用状況の公表 171

 4 他の法令による開示の実施との調整−−調整の一般原則ほか…172

解説1 調整の一般原則 173 2 閲覧とみなされる縦覧176 3 整備法による調整 176
課題 176

 5 他の法令による開示の実施との調整−−著作権法改正に伴う調整…179

解説1 著作権法改正の経過 179 2 著作権法の改正の内容 181
課題 情報公開法制と著作権法のすみわけ 181

 6 他の法令による開示の実施との調整−−刑事訴訟法改正に伴う調整…183

解説 訴訟書類と押収物の適用除外 183
課題1 刑事訴訟法と刑事確定訴訟記録法の改正 184 2 刑事記録の一律除外規定の削除と刑事被害者の開示請求権 184

 7 独立行政法人等の情報公開…189

解説1 特殊法人等に対する情報公開の法制上の措置 190 2 独立行政法人等情報公開法の制定 191
課題1 情報公開法とともに見直されること 193 2 意見書で明記された課題 193 3 地方自治体の外郭団体等に対する開示請求権の法制化 194

 8 地方公共団体の情報公開…198

解説 法律の趣旨にのっとった条例 198
課題1 情報公開条例の制定・見直しのポイント 199 2 非公開条項の見直し 200

 9 雑則…207

解説1 政令への委任 207 2 施行期日(附則1項関係) 212 3 附帯決議 213
課題 214

資  料

行政機関の保有する情報の公開に関する法律 216
独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律 226
情報公開・個人情報保護審査会設置法 236
裁判所の保有する司法行政文書の開示に関する事務の基本的取扱いについて(依命通達) 241

事項索引 244



●『情報公開法解説』(初版)

(「ぶっくれっと」138号より)

北沢義博・三宅弘

 Information(FOIA)is the currency of democracy. 「情報(情報公開法)は民主主義の通貨である」

 これは、アメリカの消費者運動家ラルフ・ネーダーが一九八九年に来日した際に、情報公開法の制定こそが日本の市民運動、消費者運動にとって必要不可欠な道具であると説明するにあたって、何度もくり返した言葉です。

 自由人権協会が「情報公開法要綱」を発表してから、ちょうど二○年目の今年、一九九九年五月七日に情報公開法が制定されました。情報公開法を制定し使いこなすことによって、「知る権利」が具体化され、民主主義も成熟したものとなるはずです。「人民が情報をもたず、それを取得する手段を持たないならば、人民による政府といっても、それは道化芝居の序幕か、悲劇の序幕であり、おそらく、その両者であろう。知識は永遠に無知を支配するであろう。人民が統治者であろうとするならば、知識の与える力で武装しなければならない」。アメリカ合衆国第四代大統領ジェームズ・マディソンのこの言葉は、情報公開制度が、国民主権、民主主義の成熟のために不可欠であることを明らかにしています。情報公開法を求める市民運動は、一九八一年に発表した情報公開権利宣言において、この言葉を引用し、その名のとおり、情報公開法を求めてきました。

 私たち筆者は、自由人権協会、情報公開法を求める市民運動、最近では、日本弁護士連合会情報公開法・民訴法対策本部において、市民の求める情報公開法の立法運動に携わってきました。埼玉県情報公開条例に基づく、日本で最初の情報公開裁判では、代理人として、県郡市計画地方審議会議事録の公開を勝ち取ったこともありました。

 本書は、このような情報公開法の立法運動と、情報公開条例をめぐる裁判例などの経験をふまえて執筆されたものです。

 第一章では、情報公開法による情報公開請求の概要について、

 第二章では、情報公開請求が不開示となる事由について、

 第三章では、不開示事由の解釈適用が誤りであるとして不開示決定・開示決定を争う情報公開審査会と裁判の手続きについて、

 第四章では、文書管理、情報提供、情報公開法の趣旨をふまえた情報公開条例のあり方、著作権法の改正等、情報公開に関連する諸制度について、それぞれ解説しています。

 ともすれば敬遠されがちな情報公開法の条文を、その趣旨を曲げない限度で書き替えて、条文自体に親しめるように工夫しました。

 さらに、「解説」は、情報公開法制定のために提案された情報公開法要綱案についての解説をまとめた「考え方」(行政改革委員会行政情報公開部会「情報公開法要綱案の考え方」)から法律案の国会審議までの、特に重要な部分をまとめたものです。政府が情報公開法をどのように解釈運用してくるかは、「解説」をお読みいただければ、ご理解いただけるでしょう。

 これに対し、「課題」は、情報公開法を批判的に検討した部分です。情報公開法には附則が設けられ、法律施行四年後に見直すこととされています。手数料、不開示情報の範囲、不開示に不服があり情報公開裁判を起こせる場所が全国八カ所に限定されている裁判管轄などが、制度として不十分であるからです。法律施行後四年間、できる限り「知る権利」が保障されるように解釈適用されるためにはどうすればよいか。そして施行四年後の見直しの際の課題は何か。「課題」は、私たち筆者が、これまで携わってきた立法運動を踏まえて、情報公開法のよりよい解釈、よりよい見直しのための、まさに課題をまとめた部分です。筆者としては、官製的な解説とは異なる解説書であるための、自信のある部分です。

 もちろん、「課題」をご理解いただき、法律よりもよい情報公開条例を制定・改正しようとする住民や自治体関係者にも参考となるところです。私たちも作成に関与した「情報公開法試案(日弁連試案)」を巻末資料としたのは、このためです。

 単なる解説にとどまらない解説書。本書の逐条的な解説を参考として、情報公開法を積極的に使いこなし、よりよい解釈運用、制度の見直しがなされることを期待しています。

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