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  Q&A 心神喪失者等医療観察法解説 第2版

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Q&A 心神喪失者等医療観察法解説 第2版

日本弁護士連合会刑事法制委員会 編

3,500円 A5判 272頁 978-4-385-32273-5

「心神喪失者等医療観察法」施行9年を経て、最新の実務事情をふまえた待望の改訂第2版。基本知識から具体的な事例まで、焦点となっている事項を36のQ&Aによってわかりやすく解説。法令資料・各種書式も充実。

巻頭言   第2版 はしがき   目 次

2014年8月31日 発行

■執筆者(50音順) *かっこ内は弁護士会名

足立修一(広島)/阿部 潔(仙台)/天野聖子(沖縄)/伊賀興一(大阪)/池田直樹(大阪)/池原毅和(東京)/石側亮太(京都)/上田序子(岡山)/大杉光子(京都)/小笠原基也(岩手)/貝塚美浩(栃木県)/加藤丈晴(札幌)/北潟谷 仁(札幌)/近藤広明(第一東京)/櫻井博太(愛知県)/竹村眞史(東京)/南川 学(千葉県)/西畠 正(東京)/野田隼人(滋賀県)/服部弘昭(福岡県)/山下幸夫(東京)/渡辺 脩(東京)




巻頭言

 「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」(「医療観察法」という。)が、2005年7月15日に施行されて、9年が経過したが、この間、2,700件以上の審判が行われ、弁護士が対象者の付添人という新たな業務を担ってきた。

 弁護士が、審判において、単なる対象行為の有無という事実認定における手続保障のみならず、対象者が不当に自由を制限され意に沿わない医療を受けさせられることのないよう、環境調整を行うなど、最善の付添人活動を行っている例は枚挙にいとまがない。このような活動が、医療観察法を、「医療と福祉の法律」として運用させ、保安処分化の歯止めの一助となっていると評価できよう。

 他方、精神医療や福祉の専門家でない多くの弁護士にとって、未経験の分野であったことから、具体的にどのような活動をすればよいか、その指針となる情報が極めて少なく、付添人活動を手探りで進めていかなければならなかったという声も日弁連に寄せられている。

 本書は、このような声に応え、付添人となる弁護士に、必要な知識を提供し、付添人活動の指針を示すものである。しかし、大切なことは、マニュアルどおりの活動をするかどうかではない。絶え間ない研鑽により取得される知識と経験、地域に根ざす弁護士ならではの人脈、そして、対象者の権利を守るという弁護士の熱意こそが、最善の付添人活動を導くものである。

 当連合会は、「医療と福祉」という医療観察法の趣旨と対象者の権利擁護という付添人の役割を会員に徹底し、付添人選任手続の円滑化と付添人業務の適正化を図り、もって、対象者の人権を擁護し、法の目的とする社会復帰を促進できるような体制を整備する責務を負っている。今後も引き続きさらにそのための取り組みを強めて行く所存である。

 本書は、当連合会の刑事法制委員会医療観察法対策部会のメンバーによって編集執筆された。

 本書が、全国各地で申し立てられた事件において、付添人活動の指針として活用され、今後そうした実践を踏まえてより充実した内容が盛り込まれ改訂されることを祈念する。


2014年6月

日本弁護士連合会

会長 村越 進


第2版 はしがき

 このたび、医療観察法Q&Aの第2版の発行の運びとなった。

 初版は、新たな法律の下で付添人活動に従事する弁護士や、新たに関与される多職種の方々に、医療観察法に関する日弁連の見解を理解してもらうこと、医療観察法に関する実務が、対象者の人権が守られ、懸念される保安処分の方向に流れないことを期待して、法の施行を前に、急遽、出版にこぎつけたものであった。その意味では、現場での運用など、日弁連の部会での想定に基づき執筆した。

 大胆な試みではあったが、施行当初からの法解釈や運用上の問題点を浮かび上がらせる上で、関係機関や付添人等に参考にしていただけたようである。現場では、若干のあいまいな運用状況が見られるものの、政府原案がそのまま立法されたかのような誤解や、保安処分であるかのような誤った法解釈は基本的に防げたと考えていいのではなかろうか。

 施行からすでに7年。この間の実務を踏まえて、改訂作業に取り掛かった。今回の改訂は、日弁連医療観察法部会の部会員が総力を挙げて、全般にわたって目を通し、ほとんどの項目で表現の統一や、実務で問題となっている点を加筆、改訂されている。大いに活用されたい。

 この改訂に際して、担当者の間で浮かび上がっている問題点を2点挙げておく。

 まず1 点は、審判の拘束力の問題である。

 付添人が必要的とされているのは、当初審判のみとされているが、対象者は多くの場合、付添人が付されないまま入院継続審判を数度経た後、退院・通院審判となる。これらに付添人が関与するケースは全くない。最近の事例で、入院中の対象者について、当初審判で認定された「対象行為を行った際の精神障害」と異なる病名での入院中の治療が1年半にわたって行われているケースが見られた。このケースは、私選付添人を家族が選任して処遇終了の申立てを行い、処遇終了決定が出されたが、審判の拘束力との関係で重大な問題があるといわねばならない。

 2点目は、これも付添人関与のほとんどない段階であるが、入院治療中の処遇に関する問題である。

 認知行動療法と一般に言われる手法が取り入れられているようである。果たしてすべての精神疾患に対して有効、妥当なのか、議論と検討を要するのではないか。特に、精神障害によって不幸にして起こった対象行為に対して、外部から「内省」を求めるなどということが、かえって早期の社会復帰の障害要因とならないか、疑問なしとしないからである。認知行動療法は近時注目されている療法の一つである。その成否は、本人の同意や本人の持てる力に依拠するところにあるといわれている。入院医療中に「強制的な」認知行動療法がなされるとすれば、それは、有害、無益といわねばならないだろう。

 いうまでもなく、医療観察法の性格は、対象者の社会復帰を促進するための医療と福祉の法である。初版において、「この法律による医療」の内容がいまだ確定していないことから、退院や処遇終了判断に医療判断を超えた「再犯防止」負担を強いることは、法の趣旨に反する。この点はこの7年の施行実績を踏まえても、懸念は減少したとはいえない。

 たとえば、対象者の社会復帰を促進するための医療と福祉を提供するといっても、「再び事件を起こさない」確信を指定医療機関において持たなければならないというものでは決してない。対象者が医療を受けることをメリットと思える状態を得ることがまず大事である。もし、現場で「再犯防止」を課題や目標に置くと、退院や社会復帰のハ―ドルが高くなりすぎてしまう。それが高じると、保安処分に質的に転化する危険すらある。

 この間、被疑者段階での公費弁護拡大に伴って、39条不起訴事案に初めて取り組む若手弁護士が増えた。医療観察法における付添人業務への関与弁護士が明らかに増加した。39条不起訴等に続く医療観察法の手続きや付添人への期待、役割などについて、日弁連としても広く会員に浸透するよう、努力する必要が指摘されている。

 このQ&Aが活用され、医療観察法に関する知識と経験がさらに深まることが強く期待される。


2014年6月

日本弁護士連合会 刑事法制委員会
医療観察法対策部会

部会長 伊賀 興一


目   次

序章 心神喪失者等医療観察法の概要

1 医療観察法制定の経緯

2 医療観察法の概要

(1)審判段階/(2)処遇段階

3 医療観察法の法的性格

(1)医療・福祉法としての純化と対象者の人権保障としての法律とすべきこと/(2)医療観察法の有する危険性

4 医療観察法と精神保健福祉法の関係

(1)精神保健福祉法の強制的入院制度の概要/(2)触法精神障害者の処遇 ── 司法モデルと医療モデル/(3)強制的入院の中心的要件の相違/(4)処遇の相違/(5)強制的通院制度の新設/(6)不服申立て方法の相違/(7)最高裁第2小法廷平成19年(2007年)7月25日決定

第1章 医療観察法に関与する者

Q1 どのような人が医療観察法の「対象者」となるか。

Q2 裁判所の構成と役割は何か。

Q3 検察官の役割は何か。

Q4 保護観察所、社会復帰調整官の役割は何か。

Q5 付添人と保護者の役割は何か。

Q6 指定医療機関とはどのようなものか。

第2章 検察官申立てによる審判手続(当初審判)

第1節 申立て

Q7 検察官による対象者に対する当初審判の申立てはどのような場合になさ
   れるか。

Q8 対象者に対する刑事手続等との関係はどうなっているか。

Q9 対象者に対する検察官による当初審判の申立てに至る前の段階で、刑事
   弁護人はどのような配慮をすべきか。

第2節 鑑定入院命令と鑑定

Q10 鑑定入院命令とは、どのようなものか。

Q11 鑑定入院命令による入院中の対象者の処遇は、どのようになされるか。

Q12 鑑定入院命令に対する不服申立てはどうなっているか。

Q13 当初審判における鑑定はどのようなものか。

Q14 対象者に対する鑑定に対し、付添人としてどのように対応すべきか。

第3節 審 判

Q15 対象者に処遇決定がなされるまでに、どのように審判手続が進められる
   か。

Q16 当初審判ではどのような事項が審判の対象となるか。

Q17 検察官申立てが確定判決を経た後になされた場合は、どのような審理に
   なるか。

Q18 対象者の付添人は審判に向けてどのような活動を行うべきか。

Q19 不起訴処分となった対象者が行ったとされる対象行為の存否に争いがあ
   るときは、付添人はどのような活動をするのか。

Q20 対象者に対する審判での事実の取調べはどのようになされるか。

Q21 裁判所が対象者に責任能力があると判断したときは、どのような手続が
   予定されているか。

Q22 付添人は、対象者の生活環境調整のために、どのような活動を行うか。

Q23 対象者に対する審判期日ではどのようなことが行われるか。

Q24 審判では、対象者に対し、どのような処遇決定がなされるか。

Q25 付添人は、知りえた情報をどのように扱うべきか。

第4節 処遇決定に対する不服申立て

Q26 対象者が処遇決定に不服があるとき、どのようにして争うことができる
   か。

Q27 抗告審は、どのような手続で行われるか。また、抗告審において付添人
   はどのような活動が望まれるか。

第3章 指定入院医療機関に入院中の対象者の立場

Q28 入院中の対象者はどのような医療を受けるか。

Q29 入院中の対象者はどのような行動制限・処遇を受けるか。

Q30 入院中の対象者に対する処遇の改善を求めるためにはどのようにすれば
   よいか。

Q31 入院中の対象者の入院期間はどのように定められているか。

Q32 入院中の対象者は、どのような場合に入院継続、退院または処遇終了と
   なるのか。

Q33 入院中の対象者からの退院許可申立てや処遇終了申立てを行う場合、弁
   護士の活動はどのようなものか。

第4章 指定通院医療機関に通院中の対象者の立場

Q34 通院中の対象者はどのような医療や処遇を受けるか。

Q35 通院中の対象者に対する処遇は、どのような場合に終了するか。

Q36 通院中の対象者が指定入院医療機関に入院しなければならなくなること
   があるか。

資 料

◆法令等

心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律

心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律
   第92 条第2 項の規定に基づき厚生労働大臣が定める行動の制限

心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律
   第92 条第3 項の規定に基づき厚生労働大臣が定める行動の制限

心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律
   第93 条第1 項の規定に基づき厚生労働大臣が定める処遇の基準

心神喪失者等医療観察法修正案をめぐる国会答弁〔抜粋〕

最高裁刑事規則制定諮問委員会議事録〔抜粋〕

「精神医療の改善方策について」意見書〔抄〕

「精神医療の改善方策と刑事司法の課題」意見書〔抄〕

心神喪失者等医療観察法鑑定ガイドライン」策定に対する意見書

心神喪失者等医療観察法の施行延期に関する意見書

心神喪失者等医療観察法鑑定ガイドライン〔抜粋〕

「精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケアの改善のための諸原則」
   (国連原則)〔抄〕

精神医療の改善と医療観察法の見直しに関する意見書〔抄〕

◆書 式

弁護人意見書(起訴前)

付添人選任届

鑑定入院命令取消請求書

別の合議体での審理を求める意見書

付添人意見書(対象行為の存否について)

付添人意見書(処遇決定について)

抗告申立書

退院請求申立書

事項索引