ことばは人を育て、未来をきりひらく知の源です。三省堂はことばをみつめて135年 サイトマップお問い合わせプライバシーポリシー
三省堂 SANSEIDOトップページ 三省堂WebShop辞書総合サイト Wrod-Wise Web教科書総合サイト ことばと教科
辞書教科書電子出版六法・法律書一般書参考書教材オンラインサービス
書名検索漢字かな著者名検索漢字かな詳細検索
新刊・近刊案内
メディアでの紹介
本の注文
書店様専用
大学向けテキスト
卒業記念
名入れ辞書
品切れのご案内
「ぶっくれっと」アーカイブ
会社案内
採用情報
謹告
三省堂印刷
三省堂書店へ
三省堂書店はこちら
声に出して読めない日本語。
「ほぼ日刊イトイ新聞」
(『大辞林』タイアップ・サイト)
  Q&A心神喪失者等医療観察法解説

法律書ジャンル別案内


【第2版、発売中】⇒ こちらへ

Q&A心神喪失者等医療観察法解説

日本弁護士連合会刑事法制委員会 編 (品切)

執筆者(50音順):阿部 潔(仙台)/伊賀興一(大阪)/池田直樹(大阪)/池原毅和(東京)/上田序子(岡山)/大石和昭(岡山)/大杉光子(京都)/小笠原基也(岩手)/加藤 栄/(山形県)/北潟谷仁(札幌)/熊田 均(愛知県)/近藤広明(第一東京)/菅原 瞳(岩手県)/森  豊(福岡県)/山下幸夫(東京)

3,500円 A5 296頁 978-4-385-32272-8

2005年7月に施行された「心神喪失者医療観察法」の最新Q&A解説書。精神医療と福祉の分野に司法がはじめて関与。実際の付添人活動をも踏まえ、コメンタールとしても活用できるようさまざまな論点を詳述。

2005年12月25日 発行

巻頭言 はしがき 目次
心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律



●巻頭言

 2005年7月15日、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」(「医療観察法」という。)が施行された。

 この法律の施行により、弁護士は医療観察法の対象者の付添人という新たな業務を担うことになった。

 医療観察法による付添人活動は、条文に当たれば誰でもその業務をこなせるというほど簡単なものではない。それは、これが新しい制度であるというにとどまらず、この法律が医療と福祉の法律として成立したことが必ずしも関係者の間で定着しているとは言えないこと、しかも、「この法律による医療」を提供すべき指定入院医療機関の整備がほとんど整わないまま施行されたことにより、裁判所・検察庁等関係機関の関与も手探り状態でスタートしたからである。

 この付添人活動は、精神医療や福祉の専門家でない多くの弁護士にとって、未経験の分野であり、決して平坦な道ではないであろう。

 特に、必要的付添人制度が導入されたことにより、当連合会は、この法律の趣旨を会員に徹底し、付添人選任手続の円滑化と付添人業務の適正化を図り、もって、対象者の人権を擁護し、医療観察法の目的とする社会復帰を促進できるような体制を整備する責務を負うこととなり、これを実施してきたが、今後もさらにその取り組みを強めて行く所存である。

 本書は、当連合会の刑事法制委員会医療観察法対策部会のメンバーによって編集執筆された。

 本書が、全国各地で申し立てられた事件において、付添人活動の指針とされるとともに、その実践を踏まえてより充実した内容が盛り込まれることを祈念する。

  2005年10月

日本弁護士連合会   
会長 梶谷 剛



●はしがき

1 医療観察法が施行

 2005年7月15日、心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律(医療観察法)が施行された。

 当連合会が、国会に提案された政府原案に対し、2002年4月19日理事会決定「精神医療の改善方策と刑事司法の課題」・日弁連意見書を公表し、反対していたことは広く知られているところである。また、施行直前の2005年6月17日には、医療観察法の予定した指定入院医療機関の整備が不十分という状況などを踏まえて、施行延期を求める意見書も公表していた。

 政府原案については、国会審議等において「再び対象行為を行うおそれが認められる場合」という処遇要件に対し、「科学的判定が不可能である」などの厳しい批判が加えられた。こうした議論を経て、与党議員によって大幅な修正が加えられ、「対象行為を行った際の精神障害を改善し、これに伴って同様の行為を行うことなく、社会に復帰することを促進するため、この法律による医療を受けさせる必要があると認める場合」という処遇要件に修正され成立した。

 医療観察法は、その成立過程における議論と修正によって、精神障害のために心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の社会復帰を促進するための医療と福祉を行う法律と解される。

 精神医療と福祉の分野に、司法の関与が法律上はじめて取り入れられることとなった。司法関与が精神障害者の人権を擁護する方向で機能するか、試金石といえるだろう。

2 精神障害と犯罪に関する日弁連の視点

 医療観察法は精神障害と犯罪の問題対策としての新たな試みでもある。

 精神障害者によって時として起こる不幸な事件の多くは、適切な医療が必要なときに提供されていれば防げたといわれている。しかも、家族内での事件が圧倒的で、それを除けば、発生件数、発生率、再犯率は健常者より低いという統計結果も示されている。

 誰しもこうした不幸な事件が発生することは望んでおらず、事件が起こる前に適切な医療が適切に提供されるようにすべきであって、事件が起こってからの対策でしかない医療観察法は、もともと市民の期待を裏切るものであった。

 さらに、いわゆる人格障害者といわれる人たちは治療可能性がないなどのため、医療観察法の対象とはならない。この問題については何らの対策を講じていないに等しい。

 しかも、事件を起こしたか否か、重大事件か否かによって、提供されるべき精神医療はまったく同じであることは、当連合会が調査した他国の実践によっても明らかである。

 日本の精神医療はいま変革期にあり、入院中心主義から地域精神医療の方向に向かうべき岐路に立っている。医療観察法における「この法律による医療」とはいまだ確定しているとはいえず、早期治療という観点からは、鑑定入院機関の医療と処遇についての基準に関する規定の欠落などは放置しがたく、医療観察法は見直し期限を前にも再検討せざるをえないであろう。

3 本書が付添人業務の指針となり、見直し議論に寄与することを期待する

 以上のとおり、医療観察法はさまざまな問題を抱えながら施行され、われわれ弁護士には付添人業務に取り組むことが求められることとなった。当連合会は法案の対策段階から心神喪失者等「医療」観察法対策本部を設置してその対策にあたってきたが、法律成立後、刑事法制委員会医療観察法対策部会にその活動を引き継ぎ、付添人業務の適正化とその支援活動に取り組んでいる。

 本書は、施行直後における実際の付添人活動をも踏まえつつ、医療観察法のコメンタールとしても各方面に活用していただけるよう、部会編集委員に執筆いただいたものである。

 その努力に感謝し、関係各方面において広く活用され、見直し議論に寄与することを期待しつつ、はしがきとする。

  2005年9月

日本弁護士連合会刑事法制委員会   
医療観察法対策部会   
部会長 河原 昭文



●目 次

序章 心神喪失者等医療観察法の概要

1 心神喪失者等医療観察法制定の経緯―― 2
2 医療観察法の概要―― 10
3 医療観察法の法的性格―― 15
(1) 医療・福祉法としての純化と対象者の人権保障としての法律とすべきこと  15
(2) 医療観察法の有する危険性  22
4 医療観察法と精神保健福祉法の関係―― 28
(1) 精神保健福祉法の強制的入院制度の概要  28
(2) 触法精神障害者の処遇――司法モデルと医療モデル  29
(3) 強制的入院の中心的要件の相違  29
(4) 処遇の相違  30
(5) 強制的通院制度の新設  30
(6) 不服申立ての相違  31

第1章 医療観察法に関与する者

Q 1…… 34
医療観察法の対象者はどのような人か。
Q 2…… 37
合議制裁判所の構成と役割は何か。
Q 3…… 43
精神保健審判員、精神保健参与員の役割は何か。
Q 4…… 50
検察官の役割は何か。
Q 5…… 54
指定医療機関、保護観察所、社会復帰調整官の役割は何か。
Q 6…… 57
付添人と保護者の役割は何か。

第2章 対象者に対する審判手続

第1節 申立て段階―― 62

Q 7…… 62
検察官による対象者に対する入院・通院命令の申立てはどのような場合になされるか。
Q 8…… 66
対象者に対する検察官による入院・通院命令の申立てに至る前の段階において刑事弁護人はどのような配慮をすべきか。

第2節 鑑定命令と鑑定入院命令―― 68

Q 9…… 68
対象者に対する鑑定はこの手続でどのような意味をもつか。
Q 10…… 69
対象者に対する鑑定命令はどのような場合になされるか。
Q 11…… 74
対象者に対する鑑定に対し付添人はどのように対応できるか。
Q 12…… 78
対象者に対する鑑定入院命令はどのようなものか。
Q 13…… 80
対象者に対する鑑定入院命令中の処遇にはどのような問題があるか。
Q 14…… 82
鑑定入院命令に対する不服申立てはどうなっているか。

第3節 審 判―― 85

Q 15…… 85
対象者に処遇決定がなされるまでにどのように審判手続が進められるか。
Q 16…… 91
確定判決後の入院・通院命令の申立ての場合にはどのような特徴があるか。
Q 17…… 92
対象者の付添人は審判に向けてどのような活動ができるか。
Q 18…… 95
不起訴処分となった対象者が行ったとされる対象行為の存否に争いがあるときは、どのような審理が予定されているか。
Q 19…… 97
不起訴処分となった対象者が行ったとされる対象行為の存否に争いがあるときは、付添人はどのような活動ができるか。
Q 20…… 101
処遇裁判所が対象者に責任能力があると判断したときは、どのような手続が予定されているか。
Q 21…… 103
対象者に対する審判期日ではどのようなことが行われるか。
Q 22…… 106
対象者に対する審判での事実の取調べはどのようになされるか。
Q 23…… 108
対象者に対する処遇決定をなすにあたり、対象者の生活環境はどのように考慮されるか。
Q 24…… 110
被害者は審判手続にどのような関与ができるか。
Q 25…… 112
処遇裁判所の審判では対象者に対しどのような処遇決定がなされるか。

第3章 指定入院医療機関に入院中の対象者の立場

Q 26…… 116
入院中の対象者はどのような医療を受けるか。
Q 27…… 119
入院中の対象者はどのような行動制限を受けるか。
Q 28…… 122
入院中の対象者は処遇の改善を求める請求をすることができるか。
Q 29…… 124
入院中の対象者の入院期間はどのくらいが基準になると考えられているか。
Q 30…… 126
入院中の対象者の入院継続の要否はどのようにしてチェックされるか。
Q 31…… 127
入院中の対象者は退院請求の申立てをすることができるか。

第4章 指定通院医療機関に通院中の対象者の立場

Q 32…… 130
通院中の対象者はどのような医療を受けるか。
Q 33…… 132
通院中の対象者に対してなされる精神保健観察とはどのようなものか。
Q 34…… 134
通院中の対象者に対する通院命令はどのようにすれば終了するか。
Q 35…… 136
指定通院医療機関に通院中の対象者が通院しなくなったらどのようになるのか。
Q 36……138
指定通院医療機関に通院中の対象者は、再び指定入院医療機関に入院しなければならなくなることがあるか。

第5章 処遇決定に対する不服申立て

Q 37…… 142
対象者が処遇決定に不服があるとき、どのようにして争うことができるか。
Q 38…… 146
抗告審はどのような手続で行われるか。また、抗告審における付添人にはどのような活動が望まれるか。

第6章 その他

Q 39…… 152
保護観察所は審判や地域社会における処遇においてどのように役割を担うか。
Q 40…… 157
対象者に対する刑事手続等との関係はどうなっているか。
Q 41…… 160
守秘義務違反などの罰則はどのように規定されているか。

資  料

◆法令等―― 164
心神喪失者等医療観察法  164
心神喪失者等医療観察法第92条第2項の規定に基づき厚生労働大臣が定める行動の制限  213
心神喪失者等医療観察法第92条第3項の規定に基づき厚生労働大臣が定める行動の制限  213
心神喪失者等医療観察法第93条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が定める処遇の基準  214
心神喪失者等医療観察法修正案をめぐる国会答弁〔抜粋〕  217
最高裁刑事規則制定諮問委員会議事録〔抜粋〕  219
「精神医療の改善方策について」意見書〔抄〕  221
「精神医療の改善方策と刑事司法の課題」意見書〔抄〕  224
「心神喪失者等医療観察法鑑定ガイドライン」策定に対する意見書  227
心神喪失者等医療観察法の施行延期に関する意見書  232
心神喪失者等医療観察法鑑定ガイドライン〔抜粋〕  236
「精神病者の保護及び精神保健ケアの改善のための原則」〔抄〕  239
◆シミュレーション・シナリオ―― 245
◆書 式―― 265
△弁護人意見書(起訴前)  265
△付添人選任届  267
△鑑定入院命令取消請求書  268
△別の合議体での審理を求める意見書  269
△付添人意見書(対象行為の存否について)  270
△付添人意見書(処遇決定について)  272
△抗告申立書  274
△処遇終了申立書  276

事項索引   279

このページのトップへ