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解説 子ども条例

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解説 子ども条例

荒牧重人・喜多明人・半田勝久 編

2,000円 A5判 240頁 978-4-385-31335-1

子ども条例とは何か。各自治体で進められている条例制定の意味を明らかにする。38自治体の制定経緯、特徴、実施状況などを紹介。26条例を全文収録。自治体関係者、議員、市民活動・教育関係者のための必携書。

はしがき   本書の内容   編者紹介

2012年8月10日 発行




はしがき

 本書は、日本の各地域・自治体において取り組まれ、また取り組もうとしている「子どもにやさしいまちづくり」を推進していくために欠かせない自治立法である「子ども条例」の解説書であり、資料集であり、手引書です。本書は、自治体職員や議員等の自治体関係者が子ども施策を推進していくための実務や研修用に、さらには子どもにやさしいまちづくりを進めている地域の方々、子ども施設の関係者、市民・NPO、研究者や専門家、さらには学生等の活用に資することを目的として作成されています。

 本書で収録し、解説する「子ども条例」は、(1)1994年に日本も批准した国連「児童(子ども)の権利に関する条約」(以下、「子どもの権利条約」という)を子ども支援やまちづくりに活かすことを主要目的の一つとし、(2)従来進められてきた子育て支援や青少年育成の子ども施策のなかに子どもの権利の視点を盛り込むとともに、子どもの権利を尊重する子ども施策を展開するものであり、(3)子ども施策やまちづくりを総合的かつ継続的に推進していくための法的根拠となる条例です。

 このような特徴と性格をもつ子ども条例は、日本の1,700を超える自治体のなかではまだ少数ですが、現在も着実に増加中です。

 もっとも、これらの条例のなかには、子どもの権利を総合的に保障することをめざした総合条例、子どもの権利擁護の制度化などを目的とする個別条例、子ども施策を推進していくための理念や原則を定めることに重点が置かれた原則条例などがあります。また、その趣旨も、子どもの支援や権利保障だけでなく、次世代育成支援対策推進法(2003年)に依拠した子育て支援に重点が置かれている条例、おとな主導で、おとなの理想的人間像へ子どもを導こうとする青少年健全育成的な側面を持つ条例など多種多様です。子ども条例といっても一様ではなく、そこには、その地域の子どもの現状、子ども施策の現段階、地域住民・NPOや子どもの現場の取り組み状況、行政・首長などの子ども施策に対する多様な認識や期待などが反映されており、その意味で複合的な性格を持った条例も多く制定されています。だからこそ子ども条例は、地域発の条例として地域の独自な取り組みが必要であり、そのなかで、条例に基づく子ども施策を、子どもの権利条約が求める「子どもの最善の利益」の保障となるように近づけていく努力が求められています。

 こうした子どもの権利条約に依拠したまちづくりは、日本のみならずアジアや世界にも広がっています。国内では、「『地方自治と子ども施策』全国自治体シンポジウム」が毎年開催され、今年11回目、自治体関係者や研究者等による情報・意見・実践等の交流がなされ、ネットワーク づくりが進められています。

 日本の自治体での取り組み・展開は、ユニセフが「子どもにやさしいまち」を提唱してきたこととも連動しています。ユニセフは、「子どもにやさしいまちづくりは、地方自治体が主導する、子どもの権利条約の実施プロセスである。その目を迎え的は、子どもの権利を承認・実現することによって子どもたちの生活をいま向上させ、そのことによって現在の、そして未来のコミュニティをよりよい方向に変えていくところにある」と提言しています(UNICEF・イノチェンティ研究センター「子どもにやさしいまちづくり──行動のための枠組み」より)。また、ヨーロッパでは、50以上の国や地域の子どもオンブズパーソンをつなぐネットワークづくりがなされています。

 また、アジアでも、2011年11月に11か国から専門家が東京に集まり、「アジア子どもの権利フォーラム2011日本大会」を開催し(早稲田大学)、アジア各国における子ども支援や子どもの権利についての理論的・実践的な交流を行いました。そこでは、インドネシアが国家開発プログラムの最優先事項の一つとして2010年から2014年にかけて100の自治体で「子どもにやさしいまち」にしていく計画を進行中であることも報告されました。

 本書の「第1部 子ども条例Q&A」では、これから子ども条例づくりに取り組もうとする自治体や条例の実施段階の自治体などを想定して、条例の制定や実施にかかわる実践的な課題について20の質問に応えるようにしています。

 「第2部 子ども条例の実際」では、主に子ども支援を総合的に進める条例を制定している自治体から、条例の制定経緯、特徴、推進体制、効果等について提供いただいた情報を掲載しています。

 「第3部 子ども条例集」では、子ども支援および子どもの権利を総合的に保障する条例を中心にして条例文を収録しています。

 子どもや若者が活気を取り戻し、まちづくりの主体として育っていくことは現代社会に不可欠な課題の一つであり、そのためにも子どもや若者に対する総合的で重層的で継続的な支援が求められています。日本においても、上記のようなアジアや国際社会の動きとも連動しながら、子ども条例に依拠した子どもにやさしいまちづくりがいっそう展開されていくでしょうし、展開していくことが求められています。このことは、東日本大震災・福島原発事故の被災地においても同様です。本書がその促進のための基本文献となれば幸いです。


2012年6月

編者



本書の内容

第1部 子ども条例 Q&A

01 子ども条例の意義

02 子ども「条例」の必要性

03 子ども条例の種類

04 子どもの権利条約と子ども条例

05 子どもの権利意識と子ども条例

06 子どもの権利と学校

07 家庭・学校と子ども条例

08 子ども条例と子ども支援・子育て支援

09 条例づくりにおける市民参加

10 条例づくりにおける子ども参加

11 条例づくりにおける庁内体制

12 子ども条例における責務規定

13 既存の子どもの相談・救済制度

14 子どもオンブズパーソン

15 子ども参加の意義と支援施策

16 子ども条例における子ども参加規定

17 子どもの居場所づくり

18 子ども条例の広報と学習

19 子ども条例の実施と子ども計画の策定、評価・検証

20 子ども条例の実施と市民との協働

第2部 子ども条例の実際

◆38自治体の条例制定経緯、特徴、実施状況を紹介

神奈川県川崎市/北海道奈井江町/岐阜県多治見市/東京都目黒区/北海道芽室町/三重県名張市/富山県魚津市/岐阜県岐阜市/東京都豊島区/福岡県志免町/石川県白山市/愛知県豊田市/愛知県名古屋市/新潟県上越市/北海道札幌市/福岡県筑前町/愛知県岩倉市/東京都小金井市/岩手県遠野市/宮城県石巻市/愛知県日進市/福岡県筑紫野市/北海道幕別町/愛知県幸田町/兵庫県川西市/埼玉県/大阪府箕面市/東京都世田谷区/東京都調布市/三重県/高知県/滋賀県/秋田県/大阪府/神奈川県/兵庫県宝塚市/北海道滝川市/岡山県総社市

資料:条例制定の経緯一覧

第3部 子ども条例集

◆28の条例を全文収録

□総合条例

川崎市子どもの権利に関する条例(神奈川県川崎市)

子どもの権利に関する条例(北海道奈井江町)

多治見市子どもの権利に関する条例(岐阜県多治見市)

目黒区子ども条例(東京都目黒区)

名張市子ども条例(三重県名張市)

豊島区子どもの権利に関する条例(東京都豊島区)

志免町子どもの権利条例(福岡県志免町)

白山市子どもの権利に関する条例(石川県白山市)

豊田市子ども条例(愛知県豊田市)

なごや子ども条例(愛知県名古屋市)

札幌市子どもの最善の利益を実現するための権利条例(北海道札幌市)

筑前町子どもの権利に関する条例(福岡県筑前町)

遠野市わらすっこ条例(岩手県遠野市)

石巻市子どもの権利に関する条例(宮城県石巻市)

日進市未来をつくる子ども条例(愛知県日進市)

筑紫野市子ども条例(福岡県筑紫野市)

幕別町子どもの権利に関する条例(北海道幕別町)

□個別条例

川西市子どもの人権オンブズパーソン条例(兵庫県川西市)

埼玉県子どもの権利擁護委員会条例(埼玉県)

□施策推進の原則条例

箕面市子ども条例(大阪府箕面市)

世田谷区子ども条例(東京都世田谷区)

調布市子ども条例(東京都調布市)

三重県子ども条例(三重県)

秋田県子ども・子育て支援条例(秋田県)

尼崎市子どもの育ち支援条例(兵庫県尼崎市)

□参考

京畿道児童・生徒人権条例(韓国・京畿道〈キョンキド〉)

子ども条例一覧



編者紹介

荒牧重人(あらまき・しげと)

山梨学院大学法科大学院教授

喜多明人(きた・あきと)

早稲田大学文化構想学部教授

半田勝久(はんだ・かつひさ)

東京成徳大学子ども学部准教授



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