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  分権時代の地方自治

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分権時代の地方自治

今川 晃・牛山久仁彦・村上 順 編

2,400円 A5 240頁 978-4-385-32282-7

自治体の改革・再編論議のなかで分権化の進行はどのようなプロセスをたどるのか、財政、参加、福祉、環境など、各分野での政策法務はどうあるべきかを明らかにする。地方自治法、地方自治論に関する最新のテキスト。

2007年 8月20日 発行

はしがき 執筆者紹介 目 次





●はしがき

 日本の地方分権改革が政治課題として具体的な形をとり始めてからすでに何年が経過したことだろうか。2000年4月の地方分権関連法案(分権一括法)が国会で成立した時から数えても、すでに7年が経過しており、分権改革の成果が問われる段階にある。また、さらに第二次、第三次とも呼ばれる地方分権に向けた取り組みが政治・行政の課題として議論され、政府は三位一体改革の推進や第二次分権推進委員会の設置など、さまざまな取り組みを行っている。

 しかし、地方分権をめぐる熱気は第一次分権改革の時ほどではなく、現職知事が次々と逮捕され、自治体議員や職員の不祥事などで、自治体行政に対する不信感は高まっている。また、行政のみならず、住民にとっても地方分権は意識されず、そもそも地方自治とは何かということへの理解も十分ではないと思える。多くの住民にとって、市役所や県庁は国の省庁の下部機関でしかなく、国−県−市町村の上下関係を前提としたとらえ方がまだまだ横行しているのが現状である。

 本来、地方自治は、日本の政治・行政を効果的に機能させるために、中央−地方それぞれの政府が役割を分担して、地域社会を安全・安心・快適なものにしていくものである。それぞれの政府が住民の意思に基づいて決定をするのであるから、それらの間に上下関係は存在するものではなく、相互の補完と協力によって政策運営がなされるはずであろう。そして、地方分権改革は、官治集権による仕組みをあらため、国−地方関係を分権型のものに組み替えていこうとしたものである。グローバル化と情報化の中で、自治体が権限や財源の委譲で力をつけ、日本の地域社会が本当の意味での国際競争力をつけていくためには、中央政府による護送船団方式や統制的な国−地方関係をあらためることが不可欠なのである。

 本書は、そうした地方自治をめぐる改革の取り組みや政策革新をふまえ、最新の自治体理論と政策課題について著した書である。執筆者には自治体政策について、法、行政、財政などの専門家を配置し、最先端の理論と現実を論じていただいた。構成としては、地方自治の基本的な理解として、自治のあゆみから始まり、自治体の基本的な機能としての政策法務と自治体財政、そして近年の重要課題である協働と説明責任について、まず論じられる。具体的な政策分野としては、都市計画、地域福祉、環境政策をとりあげ、それぞれの最先端の理論と現状が示されている。また、そうした地方自治の現場や政策を動かしていくシステムとして、自治体行政組織と自治体政治制度も重要であろう。さらに、自治体市場化の動きや市町村合併による自治体再編成、道州制をめぐる論議は今後の地方自治に大きな影響を与えるものとして注目される。これらの内容について、各章とも、それぞれの分野で自治体現場を知る研究者の理論的・実践的な検討がなされている点を読者には読み取って欲しい。その意味で、本書は、地方自治を学ぶ学部生や院生、さらには自治体行政関係者のテキストとしてあるばかりでなく、本来地域自治を担うべき住民のみなさんにも読んで欲しい地方自治の入門書である。

 (中略)本書はそれぞれの執筆者の研究の成果であることはいうまでもないが、自治体現場の困難の中で地方自治の強化、確立に努力しておられる自治体職員の方々からの多くの示唆がなければ、意味のあるものにできなかったであろう。厳しい「公務員批判」にさらされながら、地域住民との協働を模索し、働いておられる自治体職員のみなさんにも研究成果を共有してもらいたいと思う。

 地方分権改革は、まだまだやり進めていかなければならないし、多くの困難を伴っていることも当然である。本書がそうした改革の今後に寄与し、地方自治を学ぶ一助になれば幸いである。

   2007年6月

編者を代表して    
牛山久仁彦



●執筆者紹介〈五十音順〉 *印は編者

今川 晃(いまがわ・あきら) 同志社大学政策学部教授(第4章執筆)

今里佳奈子(いまさと・かなこ) 熊本県立大学総合管理学部准教授(第6章執筆)

入江 容子(いりえ・ようこ) 愛知大学法学部准教授(第8章執筆)

牛山久仁彦(うしやま・くにひこ) 明治大学政治経済学部教授(第9章、終章執筆)

内海麻利(うちうみ・まり) 駒澤大学法学部准教授(第5章執筆)

星野  泉(ほしの・いずみ) 明治大学政治経済学部教授(第3章執筆)

前田成東(まえだ・しげとう) 東海大学政治経済学部教授(第10章執筆)

村上  順(むらかみ・じゅん) 明治大学公共政策大学院教授(第1章、第2章執筆)



●目  次

第1章 地方自治の歴史と地方分権

 1 明治憲法下の地方自治法
 2 日本国憲法下の地方自治法
 3 平成の分権改革(新地方自治法)のあらまし

第2章 政策法務の法常識

 1 自治体法務の通弊
 2 行政法というもののなりたち
 3 行政の三類型と法解釈モードの違い
 4 政策法務の登場と考え方

第3章 自治体の財政と政府間財政

 1 地方財政と地方税
 2 政府間財政移転と地方交付税
 3 分権改革と税源移譲
 4 地方財源――海外と日本

第4章 参加・協働型行政と自治体のアカウンタビリティ

 1 行政と住民との関係の構図
 2 「形式的コミュニケ−ション」から「実質的コミュニケーション」へ
 3 「実質的コミュニケーション」から協働へ
 4 アカウンタビリティの概念の変化

第5章 まちづくりと自治体行政

 1 都市計画とまちづくり
 2 法令制度と条例等に見られるまちづくりの観点

第6章 自治体と地域福祉

 1 戦後社会福祉の歴史
 2 社会福祉改革
 3 自治体における福祉政策の現状
 4 自治体地域福祉新時代
 おわりに

第7章 自治体環境政策の軌跡と持続可能性

 1 自治体環境政策の発展段階
 2 多次元的な自治体環境政策と持続可能性
 3 自治体環境政策の手段とマネジメント

第8章 自治体政府の組織と行政システム改革

 1 地方自治体の組織の基本原則と特徴
 2 自治体の長、補助機関、補助組織
 3 自治体の職員
 4 地方自治体における行政システム改革の背景
 5 事例――横須賀市の組織制度改革
 おわりに――改革の方向性と自治体政府の組織のあり方

第9章 自治体の政治システムと地域政治

 1 分権改革で求められる地域の自己決定システム
 2 二元代表制と首長・議会
 3 二元代表制の課題と自治体選挙
 4 地域政治研究のこれまでと今後の課題

第10章 政府民間関係の変容と公共サービス

 1 第三セクターからPFIへ
 2 構造改革特区制度
 3 指定管理者と地方独立行政法人
 4 市場化テスト
 おわりに

終章 これからの自治体と地方自治の行方

 1 転換期の地方自治
 2 市町村合併と自治体改革
 3 自治体再編の今後と住民の自治

■コラム
住民自治体と住民訴訟
分権時代の自主解釈法務
ヘルスプロモーションの威力
やる気のある多様な主体に向けた「景観法」
里山保全への市民参加
団塊の世代とポスト数不足問題
自治体議員の政務調査費
公立大学の改革と多様化

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