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  心に残る 日本の名文・名詩・名歌  暗誦用CD付き


大学生のための 日本語表現トレーニング スキルアップ編

上野和昭、監修・日本のことば研究会 編著  (品切)

1,800円 四六変型判 208頁 978-4-385-36375-2

名作を楽しみながら暗誦できる待望の本! 代表的な古典・近代文学、詩、和歌、短歌、俳諧、俳句、漢詩から140余の作品を厳選。朗読しやすい現代発音付き原文と、作品・作者に親しむ丁寧な語釈と解説。ナレーター・平拳(たいら けん)が心を込めて詠む、暗誦用CD付き。

2008年9月10日 発行




目   次

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監修者のことば

近年の朗読やなぞり書きのブームのなかで、先年出版した『美しい日本の名文・名詩・名歌』は読者の方々からご好評をいただいた。本書はその新装改訂版である。このたびの改訂に際しては、編著者である「日本のことば研究会」の先生方に解説文の改稿をお願いし、さらに収録作品もその一部を差し替えていただいた。また付録のCDは旧版と同じく平拳氏をわずらわせたが、その多くの部分は今回あらためて録音しなおしたものである。

本書には、心に残る文学作品の一部分が多数掲載されている。読者の方々には、それを声に出して読み、さらには暗誦していただければ幸いである。しかし古典文学や近代文学の作品は、ほとんどが歴史的仮名遣(旧仮名遣)で記されている。そこで、朗読する際の助けとなるよう、ところどころに発音注記を施した。古い仮名遣で記されたものをどう読んだらよいか、現代ではもはや分からなくなってきているからである。

だが、いかに古典といえども外国語ではないのだから、特別な発音を訓練することは全くない。現代日本語の発音で読めばよいだけのことである。ただし、仮名に見慣れないものがあったり、その使い方が現代とは異なるから、仮名表記されたものをいかに音声に変換するかということについては、いくつか注意しなければならないところがある。

第一は、語頭以外の「は」行の仮名は原則としてワ行に読むということである。ワ行といっても、「は」を(ワ)と読む以外は、「ゐ」「ゑ」「を」を(イ)(エ)(オ)と読むように、みなア行に読むといってよい。たとえば「やは(ワ)らかき」「思ひ(イ)て」「ただよへ(エ)る」「なほ(オ)」のようである。

第二は、やや難しいかもしれないが、イウやエウという母音連続の部分は、それぞれ(ユー)(ヨー)と読む。もちろんこの場合のイはイキシチニ…などの、エはエケセテネ…などの代表である。したがって、たとえば「けふ(今日)」は第一則によってケウとなり、さらに第二則によって(キョー)と読まれて、現代語音とまったく同じになる。また「美しうて」もシウのところにイウが連続するから(ウツクシューテ)と読まれる。

第三は、アウ・オウの母音連続を(オー)と読むことである。たとえば「やうやう」は(ヨーヨー)、「きのふ(昨日)」はキノウ(第一則)を経て、(キノー)と読む。

もっともこれらが動詞の活用語尾にかかる場合など、たとえば「おも(思)ふ」「たま(給)ふ」などはそれぞれ(オモー)(タモー)と読むのが古典の伝統的な読み方であり、格調高い朗読のしかたでもあるが、それだからといって(オモウ)(タマウ)を誤りとするほどのことはないように思う。とくに近代小説のような散文の場合には、本書でも古典を読むような注記をしなかったところがある。

朗読や暗誦はそれぞれの人の理解に基づくものであるから、一つの読み方に定まるものでは決してない。したがって、CDに収録したものは朗読の一例と思ってくださればありがたい。本書と付録CDを参考にして、読者が文学作品をより身近に感じてくだされば、監修者としてはまことに喜ばしいかぎりである。

二〇〇八年八月

上野 和昭


はじめに

日本の文化をかたちづくる土台は言葉です。雅の美しさに陶酔できる「古典文学」から、文明開化の華麗な筆致の「近代・現代文学」、快いテンポで謳う「詩」、幽玄の世界にさそう「和歌・俳句」、百花繚乱の名詩から選び抜かれた「漢詩」まで、千年の隔たりを感じさせない古代人から現代人に至る人生の真実の姿がそこにあります。

思えば昔の中学校の国語の先生は、古典、現代文、漢文などを教える時は、まず朗々と朗読されました。そして生徒にも大きな声で繰り返し読ませて暗誦させました。はじめは語意も大意も理解出来ませんが、文章や詩歌を暗誦して口ずさんでいると不思議なことに大体の意味が理解できてくるのです。こうしてリズミカルに覚えた文章や詩歌は、今も鮮明に脳裏に残っています。江戸時代の寺小屋でも、中国の諺「読書百遍、意、自ずから通ず」のように暗誦できるまで音読させていました。

古典や近代文学や詩歌や漢詩を読む趣味をもつことは、実際に仕事や人間関係の上で直接の役に立たなくても、心豊かな人、人間味のある人として品格を感じさせます。また、すばらしい文章との出会いや暗誦が手引きになって本を選ぶ指針となり、読書する習慣がつき、ひいては、文章を書いたり読んだりすることがあまり苦にならなくなります。

日本には古事記や万葉集から現代の作家のものまで、文章や詩、和歌、俳句などに思わず口ずさみたくなる心温まる作品がたくさんあります。また、中国の漢詩のなかにも日本人の琴線に触れる美しい詩が幾つも残されています。本書は、これらの古今の文学作品、詩、和歌、俳句、漢詩から、いつまでも心に残る美しい作品、有名でしかも暗誦しやすい箇所を精選し、解説を加えたものです。その数は、古典一八、近・現代文二二、詩二二、和歌四〇、俳句三二、漢詩一三にのぼりました。

そして本書のもう一つの特色は、音韻史を専攻される早稲田大学文学学術院教授の上野和昭先生のご指導により、暗誦用のCDを添付したことです。原文をそのまま暗誦するのに最適の教材になりますが、このCDを聴いているだけでもその美しさに陶酔させられ、文学への興味も湧いてくるはずです。難解な原文の詠み方から解説にいたるまで、濃やかなご指導を賜りました上野和昭先生に心からお礼を申し上げます。また、吹き込みにご協力いただいた平拳氏、遅々とした仕事ぶりにもかかわらず最後まで我々を勇気づけていただいた三省堂出版局部長の飛鳥勝幸さん、そして編集・校正・校閲などに限りない忍耐心でサポートしてくださった成瀬潤行(雅号・詩好)さんに深く感謝申し上げます。

その他、原稿執筆にご協力いただいた日本のことば研究会の先生方、本当にありがとうございました。

二〇〇八年八月

日本のことば研究会

代表   野々村 知


監修者略歴・編著者略歴

<監修者略歴>

上野和昭(うえの かずあき)

一九五三年、新潟県上越市(高田)に生まれる。早稲田大学大学院文学研究科博士(後期)課程満了退学、現在、早稲田大学文学学術院教授。専攻は、国語学・日本語学(音韻史・アクセント史)。主な編著書に、『日本語アクセント史総合資料 索引篇・研究篇』(共編、東京堂出版)、『平家正節声譜付語彙索引』(アクセント史資料研究会)、『日本のことばシリーズ 徳島県のことば』(責任編集、明治書院)などがある

<編著者略歴>

日本のことば研究会

公立・私立高等学校の先生方で結成された国語研究グループ。主な編著に『漢字の雑学なんでも事典』(三笠書房)、『実戦・実用 日本語トレーニング』(講談社)など、ほかに「日本語通信教育教材」(DHC)がある。


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