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  みんなの健康 上手なストレス対処法


表紙写真

樋口輝彦 著、村沢英治 漫画

1300円 B6 192頁 978-4-385-41259-X(品切)

ストレスの多い現代社会でストレスに負けずにしなやかに生きてゆくにはどうしたらよいか。精神科医が上手なストレスへの対処法や、認知行動療法を活用したストレスに強くなる性格作りを紹介する。

2003年11月25日 発行

みんなの健康 リウマチとプール療法 みんなの健康 子どもの誤飲・事故(やけど・転落など)を防ぐ本 みんなの健康 お口のさわやかエチケット みんなの健康 笑いの健康学 みんなの健康 冷え性・貧血・低血圧 みんなの健康 心筋梗塞・狭心症は怖くない みんなの健康 男と女の更年期



●著者紹介

著者紹介



●はじめに

 今の日本では「心の健康」を損ねる人、「心の元気」を失っている人が、急激に増えています。

 とくにバブルが崩壊した後のここ数年、いろいろな統計数字に日本人の「心の健康」が危惧される状況にあることがあらわされています。たとえば、極端な例ですが、日本の自殺者数の推移をみてみますと、それまでは年間約二万人だったものが、一九九八年に一年間で三万人を突破しました。前の年より八千人以上も増えて、社会的にも注目を集めましたが、その後も、自殺者の数は増えるばかりです。

 自殺者の男女比は、男性七に対して女性三の割合で男性に多いのですが、とりわけ中高年世代の男性が多いことが特徴です。男性の年齢別の死亡原因でみても、四十〜四十四歳、四十五〜四十九歳、五十〜五十四歳の年齢層では、いずれも「がん」に次いで自殺が死亡原因の第二位を占めています。この数字は、最近の不況やリストラという厳しい社会状況におかれた中高年男性の姿をよく表わしているともいえます。

 自殺にいたるまでの間、さまざまな悩みを抱えながら苦しい日々を送っていた人達の胸中を思うと、食い止める術はなかったものかと、たいへん残念な気持ちになります。

 この、自殺者の数は「心の危機」を抱えた人たちのほんの氷山の一角の数字なのです。氷山の裾野には、たくさんの「心の危機」を抱えた人、「心の健康」を損ねた人、「心の元気」を失った人たちがいるのです。

 とくに、自殺との関連では、うつ病に注意する必要があります。うつ病に対して正しい知識を持たなかったために、治療の機会を逃したり、家族などまわりの人たちの対処が適切でなかったりすると、自殺にいたる例が多いからです。

 もともと日本人はまじめで几帳面、仕事熱心で責任感が強いなど、うつ病になりやすい傾向があるといわれています。実際にここ数年で、日本のうつ病患者の数は急増しています。

 うつ病や「心の健康」を損ねる原因として、ストレスがあります。ストレスについて、善玉・悪玉という表現は適切でないかもしれませんが、「善玉ストレス」とも言うべき適度のストレスは、人間にとっては生きるための刺激として、むしろ必要なものと考えられています。人間は生きていくうえで適度のストレスがないと早晩呆けてしまいます。事実、まったくストレスのない状態で生きることは考えられません。しかし、このストレスが過重になると、「悪玉ストレス」としてはたらいて、私たちの「心の健康」を損ねることになります。

 私たちは毎日の生活を送るなかで、仕事や子育て、対人関係などさまざまなことでストレスを感じ、それによって不安感や憂鬱な気持ち、イライラ感などに襲われることがあります。ひと晩寝れば忘れてしまえるようなものならよいのですが、不安感や憂鬱な気分、イライラ感などにとらわれて、それから抜け出せなくなってしまうこともあります。このような状態を放置しておくと「心の健康」が破壊され、うつ病などの「心の病気」につながることになります。

 現代はストレス社会と言われています。現代人にとって、ストレスを感じたとき、あるいはストレスにおしつぶされそうになった時に「そうか、ストレスに対処するにはこんな方法があるんだ。ちょっと試してみようか」という助け舟があれば、ずいぶん心強いのではないでしょうか。

 この本は、ストレスによって、不安感にとらわれたり、落ち込んだりしたときにどうしたらよいか、ストレスヘの対処法と解消法を紹介したものです。

 私は精神科医として長年「心の病気」の治療にたずさわっていますが、その経験をもとに、ストレスヘの対処法として、自分の「ものの見方」や考え方のくせ(本書ではわかりやすく「心のくせ」と表現します)を知ること、そしてストレス状態を改善するために、その「心のくせ」を改善してみることをおすすめしたいと思います。自分の「心のくせ」を知るには「心理テスト」が役立ちますし、「心のくせ」の改善には私が治療の場でとり組んでいる「認知行動療法」が役立ちます。くわしくは本文で述べますが、ストレスの大きい現代社会で、みなさんがストレスに負けずに「心の健康」を保って生きていくうえで、本書が少しでも役に立ってくれることを願っています。

 二〇〇三年八月



●目  次

はじめに

第1章 ストレスと心の健康

・あなたの心は元気ですか? 
・「心模様」の曇りや雨はストレスが原因
・いろいろなことがストレスの原因となる
・ストレスがまねく体の病気 
・ストレスは免疫力を低下させる
・人生にはストレスが大きくなる時期がある
・一人ひとり異なる現代人のストレス
・心の不調を感じたら精神神経科を受診
・現代人のためのストレス対策
・ストレス対策として役立つ「認知行動療法」

《コラム》
  不況と中高年世代のストレス
  不況と職場でのストレス
  「情報化社会」と中高年のストレス
  働く女性のストレス
  世代間ギャップによるストレス
  若いママのストレス

《コラム》
  自律神経失調と心の病気
  ストレスをためこまない日常生活のこころがけ
  こんなときは要注意
  ストレスをやわらげるリラクゼーション

第2章 ストレスにどう対処するか

 (1)自分の力を発揮できない状況に退社を決意したAさんの例

   対処行動1 気分転換をはかる
   対処行動2 誰かに相談する 
   対処行動3 ストレスの内容を分析する
   対処行動4 ストレスの原因への具体策
   対処行動5 専門家の力を借りる

 (2)「ものの見方」や考え方を転換して対処したBさんの例

  ・自分を評価してくれない上司への不満から衝突をくり返す
   対処行動1 気分転換をはかる
   対処行動2 誰かに相談する
   対処行動3 ストレスの内容を分析する

 (3) 激しい胸痛を契機に、生き方を変えたCさんの例

  ・精力的に仕事をこなし、休日出勤もいとわない猛烈な日々
   対処行動3 ストレスの内容を分析する

《コラム》
 「心の不調」から起きる症候群
  【空の巣症候群】
  【サンドイッチ症候群】
  【燃え尽き症候群】
  【スーバーウーマン症候群】
  【さぴつき症候群】

第3章 自分の「他の<せLを知ることでストレスに上手に対処できる
      ー「心理テスト」で自分の「心のくせ」を知る ‐

 ・「心のくせ」を知ることがストレス対策になぜ効果があるのか?
 ・「心のくせ」と「性格」は違うもの?
 ・「心のくせ」を知るのに役立つ「心理テスト」
 ・「心のくせ」をより適確につかまえる「P・Fスタディ」
 ・「心のくせ」は九タイプに分類される 
 ・自分がどのタイプにあてはまるかを知ることが大切

  「簡単・心理テスト」
  「簡単・心理テスト」の判定

《コラム》
  成長にともなって変化する自分と他者との「関係軸」


第4章 自分を苦しめない「ものの見方」や考え方ができるようになる
        一人でできる「認知行動療法」のすすめ 

 (1)「マイナス愚考」のくせを修正する
    マイナス思考」のくせ、「プラス思考」のくせ
    誰でも「ものの見方」や考え方に「くせ」がある
    マイナス思考を修正する「自問法」
    自分がとらわ打ている感情をやわらげる「記録法」 
    「認知療法」の実際

 (2)「ものの見方Lや考え方は変えることができる
     ‐ 「認知行動療法」 の実際I

  〔例1〕間違った「ものの見方」から極端なやせに

    ・「できない」「守れない」と自分を厳しく責める
    ・間違った「ものの見方」や考え方を直すには? 

  〔例2〕とじこもってやる気が起きない青年

    ・一日の生活を記録してみる
    ・できることを積み重ねていく

 (3) 一人でで書る「認知行動療法」

  〔例3〕上司ガら取引の悩みに冷たく応対された
    ・状況(どのような状況・場面で?)
    ・感情(そのとき、どのような感情を抱きましたか?)
    ・自動思考(そしてどのような考えを持ちましたか?)
    ・他の可能性(他の考えを持つことはできますか?考えてみま
     しょう)
    ・最終的な気持ち(・を考えた結果、どのような気持ちを抱く
     ようになりましたか?)

 他の「ものの見方」や考え方ができているかどうかチェックする
 読書や映画からも「ものの見方」や考え方を学ぶことができる
 マイナス思考が改善され、1ものの見方」や考え方が柔軟になる

 《コラム》
   生活リズムで悩んでいる人は「理想の行動予定表」を作ってみよう

 第5章 ストレスを要因とする「心の病気』

 「うつ病」
   深刻に受け止める必要はないが、あなどつてもいけない
   発病の引き金になるストレス
   休養と抗うつ薬で改善される

 「社会不安障害」
   人前に出ると上がる、という状態の極端なもの
   抗うつ薬と「行動療法」が治療効果をもたらす

 「パニック障害」
   ある日突然、不安発作に襲われる
   早めに受診することが苦痛を解決する

 「適応障害」
   環境にうまく適応できない「心の病気」
   薬をのむだけでは治らないことが多い

 「心気症」
   異常はないのに自分は病気だと気に病む
   長い時間をかけて不安の原因を探っていく

 《コラム》
   うつ病をこじらせると自殺の心配が
   「定年うつ病」「定年前うつ病」とは?
   老年期とうつ病

 おわりに

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