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一語の辞典 タイトル
一語の辞典・文化 一語の辞典・公私 一語の辞典・義理

(全て品切)
人権  自然  文化  こころ  技術    小説        個人  義理    公私    おんな  文字  自治  一(いち) 

愛、家、科学、神、国、こころ、自由など、日本語の基本的な概念を担っている語は、その言葉ができるまで、また現在の意味になるまでに、長い歴史を背負っている。こうした言葉の歴史、その意味の変遷を知ることは、日本人の物事のとらえ方や考え方をたどることでもある。国語辞典のような限られた分量では十分に語りつくせない、一語一語の背景にあるドラマティックともいえる「ことば」の物語を、一語一冊のスタイルで取り上げていくシリーズ。言葉の歴史、概念の背景にあるものを発見する、書下し「ことばの伝記」。

●刊行のことば

 一語に歴史がある。「自然」も、「くに」も、「技術」も、時代とともにその意味を変化させ、また時代の層をくぐることで、意味内容を豊かにしてきた。否定的な意味合いが肯定的なものに変化することもある。たとえば、「わび・さび」。逆に、かつては聖戦として肯定的な意味合いを帯びた「戦争」は、今日では否定的な響きをもつ。一語一語は歴史とともに生きる。

 多くの言語は異文化の影響を受ける。現代の日本語は、古来のやまとことばと、中国から流入した漢字・漢語とで成り立ち、室町以来、とりわけ幕末・明治以来の欧米語からの翻訳語と、欧米語をカナ文字で表記した外来語とがこれに加わる。翻訳語や外来語の意味内容は、原語のそれと必ずしも同じではない。そのちがいは、文化のちがいを鋭く反映する。たとえば明治初期に翻訳語としてもちいられた「自由」は、誤解を避けるために註釈を必要としたほどである。

 翻訳はことばの厳密な定義の上におこなわれる。原語と翻訳語との、それぞれの風土の相違も考察される。その作業を必要としない外来語の無限定の流行は、好ましい現象とは言えないだろう。

 今日ではまた、ことばの操作による大衆操作もみられる。ことばの意味が故意に曲げられ、特定の語の流行が計画的に作りだされる。ことばへの無感覚を育てるこうした流行現象は、文化にとって、またわれわれ自身の社会生活にとって、本来無縁のものである。

 ことばはその指示のはたらきによって物や事とまじわるが、同時に、その定義以上の味わいを含んでわれわれのなかに生きる。ひとりひとりが自分のことばで語り、人間としてのありかたをより豊かなものにするために、われわれは、一語一語の来歴をたどり、これを歴史的・文化的な視野のなかにおさめていかなければならない。『一語の辞典』の試みが、その一助になればと考えている。

1995年10月

文 化

柳父 章 著

1,000円 B6 112頁 978-4-385-42205-X (品切)

明治・大正期に翻訳語として生まれた言葉「文化」の歴史をたどり、日本近代の「かたち」を浮きぼりにする。

1995年12月1日 発行

目次

相良 亨 著

971円 B6 112頁 978-4-385-42201-X (品切)

意味が多義的で、複雑な言葉「こころ」。万葉から現代まで、日本人が表現してきた「こころ」の意味をたどる。

1995年12月1日 発行

●著者紹介

相良亨(さがら・とおる〉

1921年、金沢市生まれ。東京大学文学部卒。東京大学名誉教授。専攻は日本倫埋思想史。著書に「近世の儒教思想」「武士道」(以上、塙書房)[日本人の心」(東京大学出版会)、「相良亨著作集」(全6巻、ぺりかん社)など。

●目次

目次

技  術

飯田賢一 著

971円 B6 112頁 978-4-385-42204-X (品切)

なにげなく幅ひろく使う言葉「技術」。近代日本を象徴するこの言葉が成長していく過程をたどる。

1995年12月 1日 発行

著者紹介

目次

小田 亮 著

971円 B6 120頁 978-4-385-42215-X (品切)

男女の性愛を表す「性」という言葉の変遷をたどりながら、日本人の性に対する考え方、生き方の問題に迫る。

1996年 1月 1日 発行

著者紹介

目次

小  説

野口武彦 著

971円 B6 112頁 978-4-385-42212-X (品切)

取るに足らぬ言の葉から出発し、近代市民文学のチャンピオンになった「小説」の語義の紆余曲折をたどる。

1996年 1月 1日 発行

著者紹介

目次

佐藤喜代治 著

971円 B6 120頁 978-4-385-42220-X (品切)

人間の心理から自然科学用語まで、「気」のつくりだす限りなく広い世界。古代中国以来の「気」の正体を探る。

1996年 3月10日 発行

著者紹介

目次

阪倉篤義・浅見 徹 著

971円 B6 112頁 978-4-385-42202-X (品切)

「家」は建物か、我が家か、家柄か。最も基本的な概念の一つ「家」の多様な意味合いを歴史的にたどる。

1996年 3月10日 発行

著者紹介

目次

平石直昭 著

971円 B6 120頁 978-4-385-42221-X (品切)

数千年の歴史をもつ言葉「天」の概念の変遷をたどり、日本近世・近代史の中での思想的な意味を問いなおす。

1996年 5月 1日 発行

著者紹介

目次

人  権

樋口陽一 著

1,000円 B6 128頁 978-4-385-42214-5 (品切)

近代以降、人類が長い時間をかけて、より豊かな概念のへと鍛えあげてきた「人権」の歴史をたどる。

1996年 5月10日 発行

目次

個  人

作田啓一 著

971円 B6 112頁 978-4-385-42207-X (品切)

人格の担い手としての「個人」という概念の誕生と発展のプロセスをたどり、現代における意味を問いなおす。

1996年7月10日 発行

目次

義  理

源 了圓 著

971円 B6 144頁 978-4-385-42210-X (品切)

日本人にとって「義理」とは何か。江戸期からの文学作品の中に日本人の心と行動のエッセンスをさぐる。

1996年 9月10日 発行

著者紹介

目次

一海知義 著

971円 B6 112頁 978-4-385-42208-X (品切)

日本語の中の「風」とは何か。中国古代以来の風(かぜ)と風(ふう)の言葉の歴史を縦横に語る。

1996年10月15日 発行

著者紹介

目次1

公私

溝口雄三 著

971円 B6 120頁 978-4-385-42211-X (品切)

「公私」の歴史を「コウ・シ」「おおやけ・わたくし」の両面から探り、個と共同性の問題の核心に迫る。

1996年12月10日 発行

目次

大野 晋 著

1,000円 B6 144頁 978-4-385-42200-X (品切)

日本のカミはどのような神か。西洋のGodやゼウス、仏教のホトケと、どの点で重なり、どの点で異なるのか。また神道はどのような歩みをしてきたのか。「カミ」の言葉の由来をもとめて、歴史をさかのぼる。

1997年10月10日 発行

目次

おんな

中山千夏 著

1,000円 B6 128頁 978-4-385-42222-X (品切)

『古事記』に登場するいにしえの女たちを手がかりに、和語や漢字の女性表現を通して、乙女、娘、姫、くノ一、妻、母、奴、妾、婦人など「おんな」をつくる言葉の種々相を語る、千夏版「おんなの歴史」。

1997年10月10日 発行

著者紹介

目次

文  字

阿辻 哲次 著

1,000円 B6 112頁 978-4-385-42224-X (品切)

文字を書く道具や材料、文字と国家の関係など、漢字を中心に「文字」をめぐる歴史と文化の諸相をさぐる。

1998年1月25日 発行

目次

自  治

石田 雄 著

1,000円 B6 128頁 978-4-385-42223-X (品切)

西欧からの翻訳語として成立した近代日本の自治の歴史。日本人にとって自治とは何か、その意味を問う。

1998年1月30日 刊行

目次

一(いち)

野崎昭弘 著

1,000円 B6 112頁 978-4-385-42225-X (品切)

空間的にみれば一個、時間的にいえば一回。物の始まり、数の出発点である、「一」。人はどのようにして「一」を理解してきたのか。最も基本的な言葉「一」から、人間の認識のドラマが始まる。

1998年10月20日 発行

[著者紹介]

1936年、横浜市生まれ。東京大学理学部卒。現在、大妻女子大学教授。専攻は情報数学。
著書に「πの話」(岩波書店)、「詭弁論理学」(中公新書)、「赤いぼうし」(童話屋)、「不完全性定理」(日本評論社)など。

目   次

 「一」の誕生(5)
 「一」の成長(18)
 数詞の歴史(31)
 「一」万華鏡(60)
 おわりに(90)
 索引

自  然

伊東 俊太郎 著

1,000円 B6 128頁 978-4-385-42206-X (品切)

ギリシア語の"physis"、アラビア語の"tabi'a"から中国語の"ziran"まで東西の「自然」概念の語義的・思想的比較を通じて、日本語「自然」の複雑多彩な意味の変遷をさぐる。好評の書き下ろし「ことば」の伝記。

1999年 1月20日 発行

●著者紹介

伊東俊太郎(いとう・しゅんたろう)

1930年、東京生まれ。東京大学文学部哲学科卒。 現在、麗沢大学教授。東京大学名誉教授。国際日本文化研究センター名誉教授。専攻は、科学史・比較文明学。 著書に『文明における科学』(勁草書房)、『近代科学の源流』(中央公論社)、『比較文明』(東大出版会)、『十二世紀ルネサンス』(岩波書店)、『日本人の自然観』(編著、河出書房)など。

●『一語の辞典 自然』

「ぶっくれっと」135号より)

伊東 俊太郎

「自然」という言葉は複雑な意味内容をもっておりまして、中国から「ツーラン」という言葉を入れたと同時に、ヨーロッパの「ネイチュア」の訳語としての自然が入ってきて、それがお互いに溶け合いながらさらに日本の中でも変容をとげて、多岐にわたる内容をもつようになったと思うんです。ですから、それを腑分けするためには、結局比較文化的な考察をしなければならない。ヨーロッパからきた「ネイチュア」のもとをたずねると、ラテン語「ナートゥーラ」に、さらにギリシア語の「ピュシス」になっていきます。

 また、ヨーロッパの一神教的な自然というのは日本とは非常に異なっているんですけれども、その一神教的な自然はアラビアに先駆があるわけです。したがってギリシア、アラビア、ヨーロッパ、中国、日本、このそれぞれの文明圏においていわゆる自然という言葉に相当するものの内容をずっと比較してみるということは、一度はやってみなくちゃいけない学問的作業と思っていたんですね。それを、この機会にやらせていただいたわけです。

 ですから、日本の自然はこうであるとか、中国はこうだ、ギリシアはこうだと、それぞれの研究はあったと思いますが、それを横断的に、比較思想的あるいは比較意味論的、比較語義的にとらえたというのはこの本が初めてではないでしょうか。そういう意味では、「自然」概念の比較思想について一つの研究のスタートラインを作りえたのじゃないかという気はするわけです。

 それから、この本でいいたかったことは今、自然破壊とか環境危機ということで、自然概念の見直しが迫られていますね。これまで多岐な自然概念といっても、大きく分ければヨーロッパ的なものと中国的なものですが、それが日本の中で溶け合って「自然」という言葉ができ、そこに一つの混乱とか誤解というものが生じた(これは柳父章氏が明かにしたことです)。しかし、それが再び統一して新しい自然概念、私が「自己組織的自然」といっているものですが、東洋も西洋もつつみこんだ新しい自然概念ができあがりつつあると思うんです。

 二十一世紀に向かっての、生態学的危機というものに対応する自然概念、そういうものが今構築されつつあるのではないか。ということが私が最後に望んだことで、その展開はこれからの課題ですけれども、少なくともそこまでは話をもって行ったと思う。単に語義的な問題だけにとどまらなくて、現代思想の問題として、新しい自然概念を作り上げていく、そういう土台を作る基本的なものは示し得たと思っています。

 また、「自然」ということでわかり切っているように思っていても、いざやってみるとわからないことがどんどん出てきまして、自分自身でも新しい発見があり、実に楽しかったんですね。たとえば、これまで自然概念の形成に北村透谷はまったく触れられてこなかった。透谷、国木田独歩、徳富蘆花、島崎藤村の系譜が十分たどられてなかったので、そこのところはこの本ではっきりさせたのではないか。そういう新しい発見その他が私にもいろいろとあったわけです。

 この本には三年かかりました。夏休みに集中してヨーロパの自然、中国の自然、そして日本の自然と一年ごとに書いたわけですが、それはあとがきに掲げた次の句の心境そのままの三年間だったといえます。

「緑深し 寝ても覚めても自然かな」

(談)

(いとう・しゅんたろう 麗澤大学教授)

柳父 章(やなぶ・あきら) 著

1,000円 B6 112頁 978-4-385-42203-X (品切)

なぜ、日本人にとって「愛」は恥ずかしい言葉なのか?西洋舶来の「愛」「恋愛」は「恋」とどう違うのか?西洋中世のトルバドゥールに始まる「愛」の言葉の歴史をたどる。この本で日本語の「ことばの伝記=一語の辞典」シリーズ20巻、完結。

2001年5月10日 発行

目次1

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