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  朝鮮の歴史 新版


朝鮮の歴史 新版

朝鮮史研究会 編

1,750円 四六 396頁 978-4-385-35469-9

古代から現代までの最も新しい通史。朝鮮史研究会の総力をあげた共同討議と検討をへて,結実した最新の研究成果。アジアへの高まる関心と確かな歴史認識のために,学生・教師・社会人の必読のテキスト。年表付。

1995年2月15日 発行

序文 目次 あとがき 入門朝鮮の歴史



●序 文

 「日本人として、朝鮮の歴史をどのように理解すべきか?」それに答えるために、最初の『朝鮮の歴史』が刊行されたのは、1974年のことであった。

 さいわい、本書は好評のうちに迎えられ、現在まで23刷を重ねて来た。当初の目的を多少は達することが出来たのではないかと思っている。

 しかし初版以来、すでに20年の歳月が流れた。その間の研究の進展は、実にめざましいものがある。とりわけ自国史である韓国における研究の進展は飛躍的といってよい。

 このような研究の最新の成果を十分に吸収した新しい朝鮮史の書き直しの声は、かなり以前から研究会の中で、出されていた。

 さらに日本における現状をみると、「日本人として、朝鮮の歴史をどのように理解すべきか?」という初版本の問いは、いっそう重要性を増して来ているように思える。

 日朝国交回復の問題、戦後補償の問題、在日朝鮮人問題、植民地支配の責任の問題等、すべては歴史の産物であり、歴史の理解なしに論ずることは出来ないのではないか。

 そればかりではない。最近は隣国への、実に多種多様な関心が高まってきている。それらの関心は歴史を知ることによって、より奥深く、より豊かなものとなると思う。友好はまず歴史への理解からはじまる。

 このような現実の切実で多様な要求に応え、しかも韓国・朝鮮民主主義人民共和国をはじめとする諸外国の研究成果をも十分に吸収した通史を書くことは、容易なことではない。研究が進めば進むほど、個別・細分化して、全体像が見えにくくなるからである。

 研究会では、初版本の批判、検討を通して、さらに充実した新版を書くために、1985年から準備に着手した。委員会をつくり、合宿を重ね、10年の歳月と研究会の総力を傾けて、ようやく、今ここに本書を送り出すことが出来た。

 幸にして、本書が皆様のご期待に応え、朝鮮を理解するために、少しでもお役に立つなら、これ以上の喜びはない。

  1994年11月3日

朝鮮史研究会会長
宮田節子


●目 次

序 章  朝鮮史を学ぶ意味

第一章  国家形成への道

 第一節    旧石器時代
 第二節    櫛目文土器時代
 第三節    無文土器時代
 第四節    原三国時代
 第五節    古朝鮮と中国の郡県支配

第二章  三国の成立・発展と加耶諸国

 第一節    高句麗
 第二節    百済
 第三節    新羅
 第四節    加耶諸国

第三章  新羅の朝鮮半島統一と渤海

 第一節    新羅の統一
 第二節    新羅の発展と動揺
 第三節    渤海

第四章  高麗の国家と社会

 第一節    高麗の成立と展開
 第二節    支配体制の動揺
 第三節    モンゴルの支配と高麗の滅亡

第五章  朝鮮王朝の成立と展開

 第一節    朝鮮王朝の成立
 第二節    両班支配体制の展開
 第三節    両班支配体制の再編
 第四節    両班支配体制の変質

第六章  対外的危機と近代への模索

 第一節    攘夷と開化
 第二節    民族運動の胎動
 第三節    植民地化と国権回復運動

第七章  植民地支配と民族運動

 第一節    武断政治と三・一独立運動
 第二節    「文化政治」と民族運動の展開
 第三節    戦時体制下の朝鮮

第八章  民族分断と朝鮮戦争

 第一節    解放と占領
 第二節    冷戦と分断
 第三節    朝鮮戦争

第九章  現代世界と南北朝鮮

 第一節    自立への模索
 第二節    集権体制と民主化運動
 第三節    現代世界と朝鮮

あとがき
年 表


●あとがき

 一九七四年に朝鮮史研究会が世に送った『朝鮮の歴史』の旧版(編集代表・旗田たかし[山冠+魏])は、二〇年もの長きにわたって版を重ねるロングセラーになった。旧版がこのように多くの読者を得て好評を博することができたのは、朝鮮史研究会に集う人びとが、学校教育の現場などからの熱い要請を受け、総力をあげて執筆した本格的な朝鮮の通史であるからだと、ひそかに自負している。また、この本は、発行前に内容や文体についてのさまざまな助言を得ることができ、読者からも誤記・誤植などに関する細やかな指摘を受けるなどして、完成度の高い作品に仕上った。

 こうして『朝鮮の歴史』は、朝鮮史研究会の貴重な成果の一つとなり、社会に向けて朝鮮史研究会の存在をアピールする「顔」というべきものになった。それだけに、私たちはこの『朝鮮の歴史』を、毎年朝鮮史研究会の研究論文を集成して刊行している『朝鮮史研究会論文集』とともに特別に重視し、その改訂についても慎重に検討を重ねてきた。一九八〇年代に入ると、旧版の一部を書き改めたり、新たに書き足したりする必要性がますます痛感されるようになった。そして、一九八五年の朝鮮史研究会総会では、旧版を全面的に書き直して新版を出すことを決定し、その作業に取りかかることになった。

 この頃には、旧版で意識された朝鮮史像の歪みを是正するという課題に加えて、朝鮮史を日朝関係史的な理解に止めるのではなく、一つの外国の歴史として理解できるようにすることが課題視されるようになった。そうした視座を明確にするためには、旧版を部分的に改訂する程度では済まなくなった。こうして、この新版では、一九七〇年代以降内外において長足の進歩を遂げてきた朝鮮史研究の成果が積極的に取り入れられ、日本にもっとも近い外国の歴史として一貫した朝鮮史の理解が可能なように配慮され、叙述された。

 とはいえ、この新版の編集事業は諸般の事情から遅々として進まず、ようやく日の目を見るまでに実に一〇年の歳月を要した。この間、私たちは旧版『朝鮮の歴史』の編集代表をつとめられた旗田たかし[山冠+魏]朝鮮史研究会第二代会長を一九九四年六月に失った。この新版も旗田氏が会長在任中に刊行する予定であったが、ついにお目にかけることもできなかった。この場を借りて氏のご冥福を祈るとともに、この新版を捧げたいと思う。

 なお、本書の執筆分担は次のようになっている。

 序 章 朝鮮史を学ぶ意味 ……矢沢康祐
 第一章 国家形成への道 ……早乙女雅博(第一節〜第四節)、木村誠(第五節)
 第二章 三国の成立・発展と加耶諸国 ……田中俊明
 第三章 新羅の朝鮮半島統一と渤海 ……李成市
 第四章 高麗の国家と社会 ……浜中昇
 第五章 朝鮮王朝の成立と展開 ……吉田光男(第一節)、寺内威太郎(第二節)、井上和枝(第三節)、鶴園裕(第四節)
 第六章 対外的危機と近代への模索 ……鶴園裕(第一節一・二項)、吉野誠(第一節三項以降)、趙景達(第二節)、月脚達彦(第三節)
 第七章 植民地支配と民族運動 ……橋谷弘、並木真人
 第八章 民族分断と朝鮮戦争 ……岩田功吉
 第九章 現代世界と南北朝鮮 ……馬淵貞利
 年 表 ……山内民博

 各執筆分担部分の責任は各個人に属するが、全体としての最終的な責任は、編集・調整を行った編集委員会(委員長 馬淵貞利、委員 木村誠、李成市、吉田光男、吉野誠、山内民博)に属する。関係者一同、この新版が読者のご支援のもと改訂を重ね、旧版に倍する好評を得られるものになることを願ってやまない。

 末筆ながら本書の編集にあたって第一次原稿の段階でご意見をいただいた岡百合子・西田信治両氏をはじめご協力をいただいた方々、とりわけ三省堂編集部の欄木寿男氏に感謝の意を表したい。

    一九九四年十二月十六日

『朝鮮の歴史』編集委員会

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