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高浜虚子 俳句の力


  本書は、第26回 俳人協会評論賞に選出されました(平成24年1月29日)

俳人協会ホームページhttp://www.haijinkyokai.jp/

高浜虚子 俳句の力

岸本尚毅 著

1,600円 四六判 272頁 978-4-385-36505-3

「単純なること棒のごとき句……ボーツとした句、ヌーツとした句、ふぬけた句、まぬけた句」を理想とした虚子の俳句の魅力はどこにあるのか。そもそも「虚子」とは何者なのか。虚子俳句鑑賞の新しい手引書。

目 次   あとがき   著者紹介

2010年11月15日 発行




目  次

第一章 虚無を飼いならした男

虚無を飼いならす/「虚子」とは何者か/虚子を貫く虚子らしさ

第二章 俳句の力

沈黙の文芸/逆転の発想/絵にならない俳句/観念を詠む/
俳句の不思議な力

第三章 季題と想像力

「季題を殺す」/季題の風景/虚子と「月並研究」/俳句と
想像力

第四章 孤独な選者

諷詠について/照れくささの美学/虚子『五百句』鑑賞/虚子亡き世に

初句索引


あとがき

本書は、これまで『俳句』『俳句研究』『俳句朝日』『俳句界』『俳壇』などに寄稿してきた虚子に関する文章をもとに構成しました。

本書は虚子俳句と俳人虚子を対象にしたものですが、じつは私は、虚子の人生観にも惹かれます。たとえば、虚子は次のように語っています。

私は人から誤解されるのを、人にはあんなふうに見えるのか、あんなふうにもとられるのかと一種の興味をもって見ています。つまり誤解は誤解として一種の興味をもって迎えています(赤星水竹居『虚子俳話録』)。

文中の「私」は虚子です。「誤解は誤解として一種の興味をもって」という傲慢なまでの気持ちの余裕に惹かれます。人それぞれの物の考え方がある以上、人から誤解されることを完全に防ぐことは出来ません。やむを得ず人の誤解を招いたときも、虚子の言葉に従えば、従容と事態を見据えればよいのです。むしろ誤解を楽しめばよいのです。サラリーマンである私にとっても滋味掬すべき教訓です。 もう一つ挙げます。

私は自分の事は結局自分で解決せねばならぬと、いつも考えています。病気の時なんか苦痛をこらえながら、いっそう深くそんな事を感じます(同前)。

虚子病後の述懐という「自分の事は結局自分で解決」という言葉は、大人として至極当然のことです。しかし、これが虚子の言葉であると思うだけで、この言葉は私に勇気を与えてくれます。
「自分の事は結局自分で解決」とは「人に頼るな、逃げるな」というメッセージです。

 

一方、こんな句もあります。

時ものを解決するや春を待つ 

逃げてはならない、さりとて焦ってもしかたがない、いつかは時間が解決する、と虚子は言うのです。

 

おしまいに本書の編集を担当してくださった三省堂の松本裕喜氏に御礼を申し上げます。

平成二十二年九月

岸本 尚毅



著者紹介

岸本尚毅(きしもと・なおき)

1961年岡山県生まれ。東大法学部卒業。
波多野爽波に師事。現在「天為」「屋根」同人。
句集に『鶏頭』『健啖』『感謝』、著書に『名句十二か月』『俳句一問一答』など。
句集『舜』により第16回俳人協会新人賞、『俳句の力学』により第23回俳人協会評論新人賞を受賞。




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