本書は、私たちが生活していく上で直面することのあるさまざまなトラブルについて、基本的な知識や考え方の指針を示してくれるインターネットのサイトを、弁護士の視点で厳選してご紹介するものです。住生活、家族、お金と資産形成、悪徳商法、老後の生活、相続と遺言、犯罪と警察、職場、ビジネス、災害の10のジャンルの39の事例を取り上げました。
インターネット上には、およそ世の中に起きるできごとで言及されていない事柄はないと思えるほど、多くの情報があふれています。何かわからないことがあったら、検索エンジンにキーワードを打ち込んで、それについて言及しているサイトを探すということは、多くの人が、ふつうに行っていることでしょう。検索結果は、一定の法則によって順位づけられ、上位に表示されるサイトが有用であることが比較的多いとはいわれています。
しかし、これは一般論であって、表示されたサイトを上位からクリックしていっても、必ずしも求める情報が得られるとは限りません。客引きのための商用サイトばかりであったり、お役所などが難しい言葉を並べ立てているだけでよくわからなかったり、どこの誰ともわからない人が経験談を語っているが信頼してよいのか確信が持てなかったり、ということもよくあることでしょう。
トラブルに遭遇した場合に、何よりも重要なことは、まず対処するのに最低限必要な「基礎となる知識」を持つということです。基礎知識を持たない、ということは、地図を持たずに旅をしているのと同じです。自分が、なぜこのような状態にあり、最終的にはどこにたどりつくのかがわかりさえすればストレスはそれだけでずいぶん軽減されるものです。
次に重要なのは「正確な知識」を持つ、ということです。誤った知識に基づいて行動しては、正しい出口からは遠ざかるばかりです。実際、弁護士として仕事をしていると、人生を左右するほどの大きな問題であるのに、無責任な人たちから得た誤った情報によって取り返しのつかないことになっている人がいかに多いかに驚かされます。
トラブルに際して、行政機関やさまざまな専門家にご相談されることもあると思います。その際、正確な基礎知識を有していれば、自分の置かれた状態を簡にして要を得た形で説明することができ、助言の意味も深いレベルで理解することができるので、その相談を有意義なものにするために役立ちます。
弁護士は、トラブル解決の専門家です。法廷で裁判の代理人や犯罪者の弁護をするだけでなく、仕事や日常生活におけるさまざまなトラブルについて、ご相談を受け助言をし、解決に向けてのお手伝いをします。
そうしたトラブル解決の専門家として、私たちが、2011年3月現在で、わかりやすく有用であると思われるサイトを厳選してご紹介するのが本書です。ご紹介させていただいたサイトを運営している皆さまに御礼申し上げます。
本書は、巨大なインターネット空間に蓄積された知を整理して提示するという、これまでにない形の書物になりました。身近に置いて、ご自身の情報探索のガイドとしていただければ幸いです。