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言語学入門


言語学入門

斎藤純男 著

2,100円 A5判 272頁 978-4-385-36421-6

広い分野にわたる言語学の基礎を、この1冊に凝縮! 日本語をはじめとする豊富な例で、「言語学とは何か」が分 かる本。「音声学と音韻論」「統語論」「語用論「比較言語学」「文字論」等、基礎を学び、整理できる11の CHAPTER、そして学習効果を高め、楽しめる20の「コラム」。索引付き。

まえがき   目 次   著者略歴   見本ページ

2010年7月10日 発行



まえがき

ひとくちに言語学といっても現在では非常に分野が広くなっており、1冊の入門書ですべてを詳しく解説することは不可能です。となると、言語学の入門書としては以下のいずれかのタイプとならざるを得ません。

 

(1)簡略な概説で多くの分野をカバーし、全体を見渡せるようにした本
(2)一部の分野に的をしぼって、ある程度詳しく解説した本
(3)興味深いトピックを拾って読者に言語学に関心を持ってもらうきっかけを
   作ることを狙った本

 

(1)のタイプの本は、詳しくはありませんが、言語学全体を知ることができます。(2)は他の分野については知ることができませんが、その分野については基本的なことはしっかりと学べます。(3)は体系的ではありませんが、言葉の仕組みのおもしろさや奥深さを伝えることができ、多くの読者に言語学を本格的に学んでみようという気持ちにさせることができるかもしれません。

本書は上の(1)のタイプを目指した言語学の概説書です。すべてとはいきませんでしたが、筆者の力の範囲内でできるだけ多くの分野をカバーするように努めました。むかしからあるオーソドックスなタイプですが、(2)や(3)のタイプの本が比較的多く出版されている現在、ここでもう1冊、この(1)のタイプの概説書が出される意味もあるのではないかと思います。広い分野の内容をできるだけカバーしようとしたので、事実の羅列的な部分もあり、わずらわしく感じられるかもしれませんが、基本的なことをきちんと学ぶには必要なことなので、そういったものもあえて避けることはしませんでした。

多くの現象について見方や考え方はひとつではありません。本書で紹介したもの以外にもいろいろな考え方があります。本書を読んで興味を持たれた分野があれば、次に各分野の概説書、すなわち(2)のタイプの本を読み、さらにはより専門的なものに進むとよいでしょう。

本書では分野ごとに章を立ててありますが、たとえば、言語の変化を扱う歴史言語学は音声・音韻、形態、意味などに関わります。しかし、それらについてはまた別に章が立てられています。このように、いくつかの章の間は内容的にはっきりと区分されるものではなく、同じものを違った観点から見たものだと考えてください。

本書は、東京外国語大学(2004-2005年度)と國學院大學(2008-2009年度)における筆者の講義ノートが元となっています。この2つの大学で言語学の講義を担当する機会がなかったら本書を書くことはなかったかもしれません。きっかけを作ってくださった杉田洋さん(東京学芸大学)、富盛伸夫さん(東京外国語大学)、久野マリ子さん(國學院大學)に感謝したいと思います。そして、ひとりひとりお名前を出すことはできませんが、普段からいろいろ教えていただいている言語学者仲間のみなさんにもお礼を言わなければなりません。また、三省堂の飛鳥勝幸さんには以前に『日本語音声学入門』を執筆したときにお世話になりましたが、今回ふたたび担当していただくことができました。途中、急に入った別の仕事で予想外に多くの時間を取られるなどして執筆が遅れ気味になり、飛鳥さんにはご心配をおかけしてしまいましたが、なんとか完成させることができました。

2010年4月

著者


目  次

001  まえがき

016  言語学とは

Section 01  構造(音声・音韻)

Chapter 01

音声学と音韻論

023  1 音声学

023   1.1 調音音声学と音響音声学

1.1.1 調音音声学/1.1.2 音響音声学

028   1.2 音節とモーラ

029   1.3 アクセントと声調

1.3.1 アクセント/1.3.2 声調/1.3.3アクセントと声調のさまざま

033   1.4 イントネーション

033   1.5 音声記号

033  2 音韻論

033   2.1 音素

2.1.1 音素分析/2.1.2 音韻体系/2.1.3 音素配列論

037   2.2 弁別的特徴と余剰的特徴

039   2.3 自然類

040   2.4 音韻過程

2.4.1 同化/2.4.2 異化/2.4.3 音位転換

042   2.5 音韻規則

043   2.6 音韻の獲得・喪失と音韻体系

044  参考文献など

Section 02   構造(文法)

Chapter 02

形態論

049  1 語

049   1.1 語とは

052   1.2 内容語と機能語

052  2 形態素

052   2.1 形態素とは

055   2.2 自由形態素、拘束形態素、クランベリー形態

055  3 語彙素

056  4 辞書

056  5 語形成

056   5.1 借用

057   5.2 翻訳借用

057   5.3 固有名詞の普通名詞化

057   5.4 新造語

058   5.5 逆形成(逆成)

058   5.6 短縮

059   5.7 頭文字語

059   5.8 混成

059   5.9 反復

061   5.10 派生

063   5.11 複合

064   5.12 臨時一語

065   5.13 音象徴

065  6 生産性

065  7 階層構造

066  8 形態論的特徴から見た言語の類型

069  9 形態変化と語順

070  参考文献

Chapter 03

統語論

071  1 文の構造

078  2 文法理論のいろいろ

079  3 語類

080  4 文法範疇

080   4.1 数

082   4.2 性(名詞のクラス)

083   4.3 人称

085   4.4 限定(定)

087   4.5 テンス(時制)

088   4.6 アスペクト(相)

092   4.7 ムード(法)

092   4.8 証拠性

093   4.9 格

094   4.10 ボイス(態)

096   4.11 一致

097  5 対格言語と能格言語

103  6 語順の類型

103  7 形式主義と機能主義

104  参考文献

Chapter 04

文章・談話

105  1 文章と談話

105  2 テクスト性

106   2.1 結束性

2.1.1 指示/2.1.2 置き換え/2.1.3 省略/2.1.4 接続表現/2.1.5 繰り返し/2.1.6 情報構造/2.1.7 主題/2.1.8 視点/2.1.9 全体の構造

111   2.2 一貫性

116  参考文献

Section 03   意 味

Chapter 05

意味論

119  1 意味とは

121  2 意味構造の型

121   2.1 語のレベル

2.1.1 同音異義語/2.1.2 多義語/2.1.3 同綴異義語/2.1.4 同綴異音異義語/2.1.5 類義語/2.1.6反意語/2.1.7 上位語 下位語/2.1.8 換喩/2.1.9 レトロニム

123   2.2 句・文のレベル

2.2.1 同義文(パラフレーズ)/2.2.2含意/2.2.3 前提/2.2.4 矛盾/2.2.5 多義性(曖昧性)/2.2.6 連語と慣用句

124  3 意味役割

125  4 意味の構造的記述

125   4.1 成分分析

125   4.2 意味の場の理論

127  5 認知意味論

128   5.1 カテゴリー化

130   5.2 プロトタイプ

130   5.3 基本レベル

131   5.4 メタファー(比喩)

134  参考文献

Chapter 06

語用論

135  1 語用論とは

136  2 発話行為理論

137  3 会話の含意

139  4 関連性理論

142  5 ポライトネス

145  6 会話分析

146  7 情報のなわ張り理論

150  参考文献

Section 04   変 化

Chapter 07

歴史言語学

153  1 言語の歴史を知るための資料

153   1.1 記録

155   1.2 伝承

155   1.3 借用語

155   1.4 現代諸方言

159  2 音変化

159   2.1 さまざまな変化

2.1.1 同化/2.1.2 異化/2.1.3 音位転換/2.1.4 語末音の無声化/2.1.5 弱化/2.1.6 消失/2.1.7 重音省略/2.1.8 添加/2.1.9 置き換え/2.1.10 過剰修正(誤った回帰)/2.1.11 推移

166   2.2 漸次的な音変化と突発的な音変化

2.2.1 漸次的な音変化/2.2.2 突発的な音変化

167   2.3 条件的変化と無条件の変化

2.3.1 条件的変化/2.3.2 無条件の変化

167   2.4 融合と分裂

2.4.1 融合/2.4.2 分裂

168  3 形態変化

168   3.1 類推

169   3.2 異分析

170  4 統語変化

170   4.1 語順の変化

170   4.2 語の文法化

171  5 語彙変化

171  6 意味変化

171   6.1 意味の拡大

172   6.2 意味の縮小

172   6.3 意味の向上

172   6.4 意味の下落

173   6.5 隠喩

173   6.6 換喩

173  7 変化の要因

173  8 音変化の進行

174  参考文献

Chapter 08

比較言語学

175  1 比較言語学とは

175  2 祖語と語族

177  3 比較方法

177   3.1 音対応

179   3.2 音法則

180   3.3 内的再建

182  4 再建された祖語とその性格

182  5 系統樹説と波紋説

184  6 祖語の再建と言語の類型

185  7 変化の相対的時期

186  8 語彙統計学と言語年代学

187  9 言語による先史的研究

187  10 世界の諸言語

189  11 日本語の系統

190  参考文献など

Chapter 09

言語地理学

191  1 言語地理学とは

191  2 始まり

192  3 方法

193   3.1 言語地理学の原則

3.1.1 隣接分布の原則(隣接地域の原則)/3.1.2 周辺分布の原則(辺境残存の原則)/3.1.3 固有変化の原則

197   3.2 語の変化

3.2.1 「回帰」と「誤った回帰」/3.2.2 民衆語源/3.2.3 同音衝突/3.2.4 語の病気と治療

200  4 言語地図

201  5 技術的進歩と言語地理学

201  参考文献

Section 05   変 異

Chapter 10

社会言語学

205  1 言語の変異

205  2 方言

205   2.1 地域方言

206   2.2 社会方言

2.2.1 階層/2.2.2 ジェンダー/2.2.3 エスニックグループ/2.2.4 世代

208  3 使用域

208   3.1 コード切り替え

209   3.2 バイリンガリズム、マルチリンガリズム

209   3.3 ダイグロシア

210  4 語彙・語法

210   4.1 婉曲語法

210   4.2 俗語

210   4.3 職業語、専門語、隠語

211  5 リンガフランカ、ピジン、クレオール

211   5.1 リンガフランカ

211   5.2 ピジン

211   5.3 クレオール

212  6 言語接触

212   6.1 言語基層

212   6.2 言語上層

212   6.3 言語傍層

213   6.4 言語連合

213  7 言語と国家

216  8 言語政策

216   8.1 フランス

217   8.2 ベルギー

217   8.3 ノルウェー

217   8.4 トルコ

218   8.5 旧ソビエト連邦

218   8.6 インド

220   8.7 アメリカ合衆国

220   8.8 中国

221   8.9 日本

224  参考文献

Section 06   記 録

Chapter 11

文字論

229  1 文字論とは

229  2 文字の系統・伝播、字形の変遷

230   2.1 世界の主な文字体系

2.1.1 漢字体系/2.1.2 アルファベット文字体系/2.1.3 楔形文字体系/2.1.4 ハングル/2.1.5 その他

232   2.2 書字方向

233   2.3 文化と文字

234   2.4 解読

235  3 文字の一般的性格・機能

235   3.1 音声言語と文字言語

236   3.2 文字の構成原理

237   3.3 文字の種類

3.3.1 表音文字/3.3.2 表意文字と表語文字/3.3.3 表音文字の機能

240  参考文献

言語研究の歴史

242  1 19世紀以前

242   1.1 インド

242   1.2 中国

243   1.3 ヨーロッパ

243   1.4 アラビア

244  2 19世紀以降

244   2.1 比較言語学

245   2.2 言語地理学

245   2.3 構造言語学(構造主義の言語学)

2.3.1 ド・ソシュールとジュネーブ学派/2.3.2 カザン学派/2.3.3 プラハ学派(プラーグ学派)/2.3.4 コペンハーゲン学派/2.3.5 ロンドン学派/2.3.6 フランス学派/2.3.7 アメリカ構造言語学

247   2.4 生成文法

248   2.5 認知言語学

248   2.6 コーパス言語学

249   2.7 言語類型論

249  3 日本の言語学

250  参考文献

Column

060  ① 反復の表現

062  ② 形態論上のいくつかの単位

068  ③ 抱合語

077  ④ 二重分節と線状性

078  ⑤ 統語論上のいくつかの単位

086  ⑥ 限定

089  ⑦ アスペクトについて

100  ⑧ シルバースティーンの名詞句階層

101  ⑨ 活格言語

111  ⑩ 主題と主題化

120  ⑪ 恣意性

132  ⑫ 音と語形・意味

133  ⑬ サピア・ウォーフの仮説

147  ⑭ 直示(ダイクシス)

156  ⑮ 共時態と通時態

156  ⑯ トランスクリプションとトランスリタレーション

158  ⑰ 変化の表記

215  ⑱ 社会言語学的に見た言語の種類

222  ⑲ 敬意表現の形式

239  ⑳ 日本語における漢字

 

 

252  事項・人名索引

267  記号索引

268  IPA(国際音声記号)2005年改訂版

 


著者略歴

斎藤純男(さいとう・よしお)

1958年1月、東京都にうまれる。
1976-84年、東京外国語大学でモンゴル語学、言語学、音声学を学ぶ。
1980-81年、インディアナ大学(米国)でアルタイ諸言語・諸民族について学ぶ。
その後、東北大学教養部などをへて、現在、東京学芸大学留学生センターで日本語をおしえる。
その間、1987年、東北師範大学(中国)で日本語をおしえ、1999年、ルンド大学(スウェーデン)で研究をおこなう。
著書に『日本語音声学入門』(三省堂)、『中期モンゴル語の文字と音声』(松香堂)、その他がある。

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