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英語が使える日本人の育成
MERRIER Approachのすすめ

英語が使える日本人の育成

渡邉時夫 監修/酒井英樹・塩川春彦・浦野 研 編

1,900円 A5判 332頁 978-4-385-36155-X (品切)

英語教育を刷新するための7つの指針とは? 教師の英語使用能力を高め、学習者が生きた英語から直接学びとることを可能にする理論と方法を、小学校から大学までの豊富な実践例を通してわかりやすく説く。

2003年5月30日 発行



●監修者・編者紹介

渡邉時夫(わたなべ・ときお)

1937 年小諸市生まれ。ハワイ大学大学院言語学科修士課程修了。信州大学教授を経て、現在、清泉女学院大学教授。著書・論文、『インプット理論の授業』(編著、三省堂、1988)ほか多数。

酒井英樹(さかい・ひでき)

1970 年長野市生まれ。信州大学大学院教育学研究科修士課程(英語教育)修了。現在、上越教育大学専任講師。主な著書・論文、‘L2 learners’ perceptions of implicit negative feedback: Immediate responses to non-corrective repetition and recasts’ 『中部地区英語教育学会紀要』第29 号、243–250(1999)。

塩川春彦(しおかわ・はるひこ)

1956 年長野市生まれ。信州大学大学院教育学研究科修士課程(英語教育)修了。現在、北海学園大学教授。主な著書・論文、『現代英語教授法総覧』(共著、大修館書店、1995)。

浦野研(うらの・けん)

1972 年横浜市生まれ。現在、ハワイ大学マノア校第2 言語習得研究博士課程在籍中、北海学園大学専任講師。主な著書・論文、‘Japanese adult learners’ interpretation of long-distance binding of English reflexives in embedded infinitival clauses’ 『中部地区英語教育学会紀要』第30 号、181–188(2000)。

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●執筆者一覧

監修者

渡邉時夫(わたなべ・ときお) 清泉女学院大学

編者

酒井英樹(さかい・ひでき)   上越教育大学
塩川春彦(しおかわ・はるひこ) 北海学園大学
浦野 研(うらの・けん)    北海学園大学

編集委員

今井光一(いまい・こういち)      長野県中野市立南宮中学校
奥村信彦(おくむら・のぶひこ)     富山商船高等専門学校
勝野雅文(かつの・まさふみ)      長野県塩尻市立丘中学校
小林亨(こばやし・とおる)       信州大学教育学部附属長野中学校
中村洋一(なかむら・よういち)     常磐大学
平林寿一(ひらばやし・じゅいち)    長野県長野東高等学校
室井美稚子(むろい・みちこ)      長野県須坂高等学校
山崎俊二(やまざき・としじ)      長野県長野市立篠ノ井西中学校
横森昭一郎(よこもり・しょういちろう) 長野県長野西高等学校

執筆者

石川恭子(いしかわ・きょうこ)  長野県小県郡丸子町立丸子北中学校
伊原巧(いはら・たくみ)     信州大学
臼井伸明(うすい・のぶあき)   信州大学教育学部附属長野中学校
桐井誠(きりい・まこと)     信州大学教育学部附属長野中学校
久保田竜子(くぼた・りゅうこ)  ノースカロライナ大学チャペルヒル校
小林敦子(こばやし・あつこ)   長野県東筑摩郡波田町立波田中学校
小林加奈(こばやし・かな)    長野県長野市立三陽中学校
小林志げ子(こばやし・しげこ)  松本大学
佐倉俊(さくら・しゅん)     信州大学教育学部附属長野中学校
佐藤昭彦(さとう・あきひこ)   長野県長野市立若穂中学校
佐藤令子(さとう・れいこ)    田園調布雙葉小学校
下井一志(しもい・かずし)    長野県諏訪清陵高等学校
瀬川直美(せがわ・なおみ)    福井工業高等専門学校
多賀谷弘孝(たがや・ひろたか)  群馬県立桐生西高等学校
滝沢雄一(たきざわ・ゆういち)  福島大学
千田誠二(ちだ・せいじ)     育英短期大学
永倉由里(ながくら・ゆり)    常葉学園短期大学
畠山忠史(はたけやま・ただし)  長野県諏訪清陵高等学校
宮崎清孝(みやざき・きよたか)  長野県長野西高等学校
森泉哲(もりいずみ・さとし)   南山短期大学
矢澤徳夫(やざわ・とくお)    長野県屋代高等学校
山浦忍(やまうら・しのぶ)    長野県小諸市立芦原中学校
米澤修一(よねざわ・しゅういち) 長野県教育委員会高校教育課

(所属は2003 年4 月1 日現在)

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●監修にあたって

 戦後半世紀にわたる外国語教育の研究と実践により明確になったことは、言語は「教え込まれる」のではなく、生きた外国語に触れることを通して「学びとる」ものである、という事実である。外国語を話す能力を伸ばすためには、話す訓練だけでなく、その外国語を聞く十分な機会に恵まれることが肝心である。英語使用社会で生活したり、本格的なimmersion program で学ぶ人々のspeaking 能力習得の成果を見れば、この考え方が正しいことは歴然としている。また、S. D. Krashen の著したThe Power of Reading — Insights from the Research(1993)には、Free Voluntary Reading(学習者が自由に多量に本を読むこと)に関する多様な実践結果とその目覚しい成果が報告されている。Writingの能力ですら、writing practice によるよりも、むしろ多量のreadingによって向上するという実践報告が多数載せられている。

 英語学習において、文法事項や語彙を1 つ1 つ教え込むだけでは大した成果が期待できない。樹木を育てる場合に、まず根の部分を育て、幹、枝という順序で伸ばそうとしても失敗する。樹木は、そのすべての部分が同時に成長していくのである。英語の学習もこれに似ており、英語使用に必要な無数の事柄が同時に学びとられていなければならない。このことは、学習者が生きた英語に接することによって初めて可能になるのである。

 そのためには、教室における唯一のインプット源である教師の英語使用能力が重要な役割を果たすことになる。教師は、生徒にとって興味のある内容を、わかリやすい英語で伝える能力を獲得しなければならない。このことを可能にする方法がMERRIER Approach なのである。

 MERRIER Approach を恒常的に実践している教師が増えている。今回、MERRIER Approach の実践家が、その理論をわかりやすく説き、英語学習の様々な分野での実践結果をまとめ、このように公刊することになったことは大変うれしいことである。

 文部科学大臣が「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」を発表し、平成15 年度から英語教員の英語と指導能力向上のための研修が全国的に実施されることになった。「戦略構想」は本著のねらいと軌を一にしており、時宜を得て刊行される本著が英語教育改善に役立 つことを切に願うものである。

2003 年3 月

渡邉時夫

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●はじめに

 本書は、MERRIER Approach のよさにひかれた多くの実践家の手によって成立した。単に定型表現のいくつかを知っているというのではなく、状況に応じて内容のある英語が使える生徒たちを育てたい。そう願い、取り組んできた研究と実践をまとめたものが本書である。

 英語を習得するためには、学習者は十分なインプットを受け取る必要がある。それも、コミュニケーションの意味内容に関して思考力を働かせなくてはならないようなインプットを、である。そのようなインプットに絶えず触れ続けることによって、学習者はコミュニケーションを行なうために必要な表現や語彙に自ら気づき、習得していくとわれわれは考える。

 それでは、そのようなインプットをどのように与えたらよいのだろうか。そのための指針をわれわれに与えてくれるのが、MERRIER Approach である。われわれがMERRIER Approach を指導技術(techniques)ではな く「アプローチ」(approach)と位置づけているのは、MERRIER Approachがこのような思考力を働かせることなくして外国語習得はありえないという言語学習観にもとづいていることによる。

 第1 部では、MERRIER Approach を支える理論(第2 言語習得理論、批判応用言語学、外国語教育類型論、評価論)を紹介している。第2 部の前半では、4 技能のそれぞれに焦点をあてて、その指導にあたっての考え方と実践例を紹介している。第2 部の後半では、語彙の指導、異文化理解教育、4技能を統合したクロス・スキルズ、小学校における英語教育を取り上げている。第3 部は、MERRIER Approach の指導の効果を検証した実証研究を紹介している。

 読者の中には、本書はすぐに使える新しい指導テクニックやアイディアを提案していない、と感じる方もおられるかもしれない。しかし、本書はいわゆるアクティビティ集とは趣旨を異にする。アクティビティ集やワークショップで興味深い指導テクニックや授業のアイディアを学び、自分の教室でやってみて、仮にうまくいったとしても、その背景となる考え方がしっかりしていなければ、一時的な試みに終わってしまうことが多い。本書は、指導技術そのものよりもむしろ指導にあたっての考え方を大事にして、MERRIER Approach を紹介している。MERRIER Approach の視点をいかすことによって、生徒に与える設問や授業での活動の内容が豊かになる。言い換えれば、MERRIER Approach を使うことによって、教師の創造力が発揮されうると、実践を重ねてきて、改めて感じることである。

 本書刊行の経緯について概略を述べたい。われわれの師である渡邉時夫先生は、理論と実践の両方を見すえながら日本の英語教育の発展に力を注いでこられた。先生の提唱されているMERRIER Approach の可能性を追究したいという思いが強くなり、実践研究を進めることになった。この成果を1冊の本にまとめたいという希望が本書刊行の発端である。編集委員会を設置し、渡邉先生の指導を受けながら、執筆方針や内容構成の決定、執筆者の決定や連絡などの編集作業を行なってきた。編集委員会のメンバーは、今井光一(長野県中野市立南宮中学校)・奥村信彦(富山商船高等専門学校)・勝野雅文(長野県塩尻市立丘中学校)・小林亨(信州大学教育学部附属長野中学校)・中村洋一(常磐大学)・平林寿一(長野県長野東高等学校)・室井美稚子(長野県須坂高等学校)・山崎俊二(長野県長野市立篠ノ井西中学校)・横森昭一郎(長野県長野西高等学校)である。酒井英樹(上越教育大学)・塩川春彦(北海学園大学)・浦野研(北海学園大学)は、本書全体の編集を担当した。1 冊の研究書として一貫性を保ち、論考がよりよいものになるように、編集会議では事務的な作業だけでなく、それぞれ英語教師や研究者の立場から意見を活発に交わすことも多かった。また本書では、学習者の姿を大切にしたいと考えてきたこともつけ加えておきたい。学習者の英語は誤りがあってもそのままにして紹介している。本書を読んで、多くの方にMERRIER Approach を実践してみようと思っていただけたらうれしいことこの上ない。

 最後に、本書の刊行にあたりご尽力を下さった三省堂出版局の松田徹氏に心から感謝いたします。

編者代表  酒井 英樹

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●目  次

監修にあたってi

はじめにiii

第I部 理論編1

序章 MERRIER Approach の7 つの指針3

第1章 MERRIER Approach とは何か5

1 MERRIER Approach 理論と応用. . . . . . . . . 6
2 MERRIER Approach と第2 言語習得. . . . . . . . . . . 18
3 何をインプット、アウトプット、インタラクションするのか27
4 MERRIER Approach がめざす英語教育. . . . . . . . . . 34
5 測定と評価に関する基本的な考え方. . . . . . . . . . . . . 39

第II 実践編49

第2章 リスニングに焦点をあてた指導51

1 指導にあたっての考え方. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 52
2 テキストの内容理解に焦点をあてたリスニングの指導
〈高校での実践から〉. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 61
3 ショートストーリーを使ったリスニングの指導
〈大学での実践から〉. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 68

第3章 リーディングに焦点をあてた指導75

1 指導にあたっての考え方. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 76
2 テキストを読み深める指導〈中学での実践から〉. . . . . . 84
3 概要理解から細部理解へ〈高校での実践から〉. . . . . . . 91

第4章 スピーキングに焦点をあてた指導99

1 指導にあたっての考え方. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 100
2 Model の視点を活用したスピーキングの指導
〈中学での実践から〉. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 108
3 Model の提示のタイミング〈大学での実践から〉. . . . . 116

第5章 ライティングに焦点をあてた指導125

1 指導にあたっての考え方. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 126
2 E-mail 作成のためのライティング活動〈中学での実践から〉131
3 ライティングを容易にする授業プロセス
〈高校での実践から〉. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 139

第6章 語彙に焦点をあてた指導147

1 指導にあたっての考え方. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 148
2 対話活動と意識的な語彙の練習〈中学での実践から〉. . . 153

第7章 異文化理解教育159

1 指導にあたっての考え方. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 160
2 異文化理解における指導〈高校での実践から〉. . . . . . . 170
3 異文化への気づきから行動へ〈大学での実践から〉. . . . . 185

第8章 4技能を統合した指導クロス・スキルズ193

1 教科書を創造的に扱いながら〈中学での実践から〉. . . . . 194
2 リーディングからプレゼンテーションへ
〈高校での実践から〉. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 203
3 リーディングと文法の指導〈高校での実践から〉. . . . . . 211

第9章 小学校における英語教育221

1 小学校英語活動の実践例. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 222
2 小学生に英語を多量に聞かせる指導. . . . . . . . . . . . . 231

第III 部実証編239

第10章 実証研究241

1 リスニング活動におけるMERRIER Approach の活用が
学習者の言語再生に及ぼす影響. . . . . . . . . . . . . . . 242
2 効果的な英語多読指導をめざして多読+要約指導の
相乗効果. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 250
3 概要把握能力の育成におけるパラグラフ・サマリーの
指導効果. . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 261
4 複数テキストの読解が推論生成に及ぼす影響. . . . . . . . 270
5 MERRIER Approach がコミュニケーション方略の
使用の変化に与える影響. . . . . . . . . . . . . . . . . . . 279
6 異文化コミュニケーション能力育成をめざした
DIEEA Approach の効果. . . . . . . . . . . . . . . . . . 288

[資料]本文で指導例が紹介されている検定教科書298

引用文献299

索引あるいはMERRIER Approach のキーワード317

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