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  「読解力」をはぐくむ国語学習─探究する学び、発信する学びをめざして─


「読解力」をはぐくむ国語学習

髙木展郎 監修、三浦修一・「読解力」向上カリキュラム研究会 編著
(品切)

2,000円 B5 192頁 978-4-385-36290-8

PISA型「読解力」を身につけるには、国語科の授業・学習指導プランをどう変えていけばよいか。三省堂版中学国語教科書『現代の国語』を用いて、そのポイントをわかりやすく解説した指導案集。

2007年 3月28日 発行(3月15日、販売会社搬入)

序文 目次 『「読解力」とは何か』 『「読解力」とは何か Part II』 PISA(OECD生徒の学習到達度調査)2003年調査(文部科学省のサイト)



●序文 探究する学び,発信する学びをめざして ─三浦修一

1 PISA型「読解力」を育てるために

 平成15年7月に行われたPISA2003年「生徒の学習到達度調査」において,義務教育終了段階の生徒の学力のうち,特に「読解力(Reading Literacy)」が,この調査に参加した41の国と地域の中で中位グループであったことは,折からの“日本人の学力低下”という議論ともあいまって,社会的な問題となりました。

 このPISA調査の結果を受けて,その後,なぜ「読解力」が低いのか,どんな問題点があるのかについて,さまざまな議論が展開されていますが,特に中心となっているのは,これまで国語科で扱ってきた〈読解力〉とPISA型「読解力」の意味することや内容の違いを明確にしていこうとする動きです。

 これらの議論を受けて,文部科学省は,平成17年10月に『読解力向上プログラム』と『読解力向上のための指導資料』を公表しました。

 PISA型「読解力」は,『読解力向上プログラム』では次のように示されています。

自らの目標を達成し,自らの知識と可能性を発達させ,効果的に社会に参加するために,書かれた文章や資料を理解し,利用し,熟考する能力

そして,このことを分析して,二つの点が強調して示されました。

(1)文章や資料から「情報を取り出す」ことに加えて,「解釈」「熟考・評価」「論述」することを含む。
(2)「考える力」を中核として,「読む力」「書く力」を総合的に高めていくことが重要である。

 また,このような能力は,実生活や行動との結びつきを意識して育てていくことが必要であるとも示されています。

 これにもとづいて,「学校での取り組み」として重点目標が示されました。各学校で,教科等の指導の改善だけでなく,学校をあげて日常的な指導の工夫が求められることになりました。

2 国語科が担う役割

 『読解力向上プログラム』の全体からも,また,『読解力向上のための指導資料』からも,PISA型「読解力」の向上のために「学校としてどのような取り組みを進めていくのか」ということについての方向性を読み取ることができますが,とりわけ国語科のもつ役割が大きいことが実感できます。『読解力向上プログラム』で示された3つの重点目標と,それを具体化した『読解力向上のための指導資料』に示された「7つの指導のねらい」については,これまでも国語科で担ってきた学習と重なる考え方が多いからです。

 ただし,十分に注意しなければならないのは,PISA型「読解力」が,これまでの〈読解〉指導ではない,新たな視点を示しているということです。それは,「テキストの形式」,「読解のプロセス」,「テキストの用途,状況」という,実際の社会生活で出会う場面を想定した調査問題を取りあげていることからも明らかです。

 今こそ,これまで国語科教育で積み上げてきた〈読解・読解力・読解指導〉では何が十分ではないのか,ということを明らかにしたうえで,改めて国語科の担う役割を果たしていく必要があるのです。

3 「読解力」を育てるために

(1)「カリキュラム・マネジメント」から始める

 本書は,平成18年度版中学校国語教科書『現代の国語』を学習する際,PISA型「読解力」を育成するために必要な指導の工夫改善の観点や方法を示すとともに,各学校が「読解力」の育成を具体的に行うための方向性を考えていただくうえで役立つものとなることを意図しました。

 しかし,本書を使って授業をする前に各学校で必ず行ってほしいこと,それは,年間指導計画の見直しです。『読解力向上のための指導資料』に示された「7つの指導のねらい」を,どの学習材で,どのように扱うのか,ということについての学校としての指針を整理することです。それが無いままランダムに取り組んだのでは,『読解力向上プログラム』の主旨に反することになります。他の教科での取り組みの状況なども考慮しながら,国語科としての取り組みを見直していただきたい。それが「カリキュラム・マネジメント」という考え方の本質だと言えるからです。
(中略)

 本書が,これまでの国語科の学習指導の考え方や取り組みの成果も生かしたうえで,新しい課題に取り組み,改善しようとする先生方のためのヒント集となることを願ってやみません。



目  次


探究する学び,発信する学びをめざして──  三浦 修一

読者のみなさまへ

[PISA型「読解力」を意識した学習指導案]

 テキストを理解・評価しながら読む力を高めること

(ア)目的に応じて理解し,解釈する能力の育成
  アイスキャンデー売り(1年/読む)
  小さな手袋(2年/読む)
  走れメロス(2年/読む)
  ジーンズ(2年/読む)
  俳句の世界(3年/読む)
  初恋(3年/読む)

(イ)評価しながら読む能力の育成
  クジラの飲み水(1年/読む)
  ウソ(1年/読む)
  食感のオノマトペ(1年/読む)
  平和を築く(3年/読む)
  メディア・リテラシー(3年/読む)
  松と杉(3年/読む)

(ウ)課題に即応した読む能力の育成
  トロッコ(1年/読む)
  竜(1年/読む)
  大阿蘇(1年/読む)
  平家物語(2年/読む)
  故郷(3年/読む)
[PISA型「読解力」を意識した学習指導案]

 テキストに基づいて自分の考えを書く力を高めること

(ア)テキストを利用して自分の考えを表現する能力の育成
  レポートを書こう(1年/書く)
  対話を考える(2年/読む)
  意見文を書こう(2年/書く)
  形(3年/読む)
  「書評」で楽しむ(3年/書く)
  主張文を書こう(3年/書く)

(イ)日常的・実用的な言語活動に生かす能力の育成
  表現プラザ 1せりふとト書き(1年/書く)
  表現プラザ 2話をつなぐ(1年/話す・聞く)
  「事典」に挑戦(2年/書く)
  表現プラザ1 聞いて描く(2年/話す・聞く)
[PISA型「読解力」を意識した学習指導案]

 様々な文章や資料を読む機会や,自分の意見を述べたり書いたりする機会を充実すること

(ア)多様なテキストに対応した読む能力の育成
  空中ブランコ乗りのキキ(1年/読む)
  ホタルの里づくり(2年/読む)
  壁に残された伝言(2年/読む)
  漢詩の世界(2年/読む)
  おくのほそ道(3年/読む)
  猫(3年/読む)

(イ)自分の感じたことや考えたことを簡潔に表現する能力の育成
  「自分新聞」をつくろう(1年/書く)
  体験文を書こう(1年/書く)
  「討論ゲーム」をしよう(1年/話す・聞く)
  スピーチをしよう(1年/話す・聞く)
  表現プラザ2変わり身の上話(2年/書く)
  ポスターセッションをしよう(2年/話す・聞く)
  峠(3年/読む)
  表現プラザ1 絵からつくる物語(3年/話す・聞く)
  パネルディスカッションをしよう(3年/話す・聞く)

参考文献

PISA型「読解力」をふまえたカリキュラム・マネジメント  髙木 展郎

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