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東京外国語大学語学研究所 編


世界の言語ガイドブック1 ヨーロッパ・アメリカ地域
2,800円 A5 396頁 978-4-385-35813-X


世界の言語ガイドブック2 アジア・アフリカ地域
2,800円 A5 396頁 978-4-385-35815-X

【共に品切れ】


多様化し混迷する国際社会、いまどの外国語を学んだらよいか?東京外大の教授による、これからの語学教育・学習のための基本図書。系統やタイプを異にする言語を見比べて、より広がりをもった学習・教育を可能にする言語学の成果に基づいた語学案内書。パート1では英仏独語をはじめ欧米の主要22言語、パート2ではアジア・アフリカの主要23言語を解説。大学図書館、企業の語学研修などに最適。

1998年 3月10日 初版発行


●刊行のことば

三省堂「ぶっくれっと」1998.3 NO.129「自著自讃」より

千野栄一(ちの・えいいち 和光大学学長)

毎年四月になると新しい学生が入学してきて何十という言語を一斉に勉強しはじめる珍しい大学、それが東京外国語大学である。その東京外国語大学の教官たちがそれぞれの言語を学び始める学生たちにどんな基礎知識が必要か、どんな参考図書があるかなどを手際よく解説した本が出版された。

同大学に学科のある主要言語、英語、イタリア語、アラビア語、中国語、朝鮮語や、専攻の学生のいるチェコ語、ポーランド語、トルコ語、タガログ語、さらにいろいろな意味で重要なフィンランド語、ハンガリー語、また、小さくとも有名なバスク語、アイヌ語、同大学で学べるギリシア語、ラテン語、サンスクリット語、古代スラヴ語などの古典語など、四十五言語にわたって記述がある。

各項目には、言語の分布・使用人口・系統・歴史などを述べる「概説」、「音と文字」「文法の特徴」「語彙の特徴」「参考図書」などに加えて、トピックとして「人の名前」「挨拶の言葉」「数詞」などの説明もあって、より楽しく読めるように工夫が凝らされている。

これらの記述は母語である日本語や、一番広く知られている外国語である英語と比較して読者の注意を促すよう配慮されている(本書では、日本語も項目として収録されている)。逆に、よく知っているつもりのこの二つの言語が、他の言語と同じレベルに置かれるとどのように見えるかという楽しみも味わえる。

この二冊の本からは、まず新しく外国語を勉強しようとする場合の手引きとして役立つ知識が得られるほか、その外国語と系統的・文化的・地理的に関係する周辺の言語についても知ることができる。さらに、全体を読み通せば、言語についての広い視野が開けて、健全な言語学の基礎が得られる。なお、いろいろな言語について知る楽しみを味わった人、そこに出てくる用語やカテゴリーについてさらに知りたい人には、三省堂の『言語学大辞典』を見ることをお勧めする。

ある一つのものについて知りたいとき、同じレベルにある他のものと対比するのは方法論として有効で大切なことである。言語も例外ではない。一つ一つの言語はそれ自体一つ一つの文化でもあるので、それについて書かれた本が面白くないはずはない。

編者たちも「まえがき」で、「各地域の主要な言語はほぼ登場していて、世界の言語の状況を眺めるには格好の書物になったと信ずる」と“自讃”しているが、実を言えばここで取り上げた本は“自著”ではなく四十三人(二つの言語について書いた人や、一つの言語を共同執筆した人がいる)の著者による共同の作品である。したがって、正確に言えば“自著自讃”ではないことを最後にお断りしておく。

それにしても、言語って面白いですね。


●世界の言語ガイドブック1のまえがき

 本書は1992年から1994年にかけて2回に分けて行なわれた,東京外国語大学語学研究所の主催による連続講演会「世界の言語」を出発点としている.すなわち,そこで講演した同大学の専任・非常勤の教官,さらに同大学アジア・アフリカ言語文化研究所の教官諸氏の協力を得て,一般の読者のための言語入門の手引となる参考書をめざして書かれたものである.一般市民に公開された講演会の成果を大学の出版物という形をとらず広く市販に供するという点では,1992年に出版された『世界の辞書』(研究社)に続くものといえる.

 連続講演会での発表のままでは,内容が多岐にわたって一冊の本としてのまとまりがないので,新たに書きおろしてもらうための執筆要領が編集委員会により作成され各執筆者にと渡された.また,実際に講演された言語に加えて,東京外国語大学で教育・研究されている言語,さらに社会的に重要度の高い言語の中から追加の項目を選定し,改めて原稿を依頼した.

 内容は「概説(分布・使用人口・系統・歴史など)」「音と文字」「文法の特徴」「語彙の特徴」「参考図書」に絞り,主として《人の名前》《挨拶の言葉》《数詞》 という3つのトピックを扱う「知って得する○○語情報」の欄では,肩の凝らない実用的な話題を提供している.記述の特徴としては,我々の母語である日本語や一番身近な外国語である英語との比較対照を重要なポイントとして,対象となる言語の理解を深めるよう工夫が凝らされた.また,その反対に,世界の多様な言語の中で,自明の言語であるはずの日本語や英語を単なる一言語として相対的に眺めてみるのも,語学教育・学習の現場において極めて重要なことであり,新鮮な刺激が得られるものと考える.しかし,この執筆要領もあくまでも一応の目安であって,執筆者の専攻が言語学なのか,個別言語なのか,文学や歴史学・人類学等の専攻かによりその記述のスタイルに違いが出たのは,当然のことであり,読者が各項目を読み比べてみるのも楽しいのではなかろうか.

 結局,編集委員会のもとに届けられた原稿の量は最初予定された1巻の手頃なガイドブックには収まりきらず,第1部「ヨーロツパ・アメリカ地域」と第2部「アジア・アフリカ地域」の2巻に合わせて45言語が収録された.しかし,ここには各地域の主要な言語はほぼ登場していて,世界の言語の状況を眺めるには格好の書物になったと信ずる.

 この第1部「ヨーロッパ・アメリカ地域」では,ギリシア語・ラテン語・古代スラヴ語といった古典語はもとより,主要な国語からバスク語のような話者数の少ない言語も含めて,22言語を収録した.

 この本はまず特定のある言語を学ぶとき,上記の視点からその言語の概略を読者に提供することが第一の目的であるが,その言語と系統を同じくする言語,または文化的に関連の深い言語,さらには隣接する地域の言語についての基礎知識を得て,学びたい言語の周辺の状況を知るのに役に立つものである.そして,折に触れて2冊を通読し,様々な系統や類型の言語を比較する視点を培い,世界の言語の全体像を読者が得られるようになれば,編者としては望外の喜びである.

 編者にはこの企画立案時の語学研究所長千野栄一,その後を受け継いで所長として編集委員会を主宰した富盛伸夫,そして現在の所長縄田鉄男の3人があたったが,もとより,各項の内容についてはそれぞれの執筆者が責任を負うものである.公務多忙の折,快く執筆をお引き受けいただいた執筆者各位にお礼を申し上げる.

 製作にあたっては,多くの方々にご尽カをいただいた.なによりも,複雑な記号や文字を表現するために多大の努力が払われた.コンピューターによる煩雑で困難を伴う版下作成にあたった伊藤伸一氏と上西俊雄氏の熱意と努カには,心からの敬意と謝意を表するものである.

 なお,語学研究所教務補佐員として企画立案時から,集稿作業・事務連絡を初めとする様々な仕事にきめ細かく対応してくださった深尾啓子さん,また,この面倒な出版をお引き受けいただいた株式会社三省堂と,この本を読みやすくするための編集作業に努力を惜しまなかった同社編集部の柳百合さんには,執筆者を代表して心からの感謝を表わすものである.


1998年1月15日

東京外国語大学名誉教授 千野 栄一
東京外国語大学教授 富盛 伸夫
東京外国語大学教授 縄田 鉄男


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