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佐佐木幸綱・復本一郎 編 4,830(4,600)円 B6 1,184頁 4-385-15382-5 記紀・万葉から現代の短歌・俳句・川柳まで、長い歴史の中で生みだされ、愛誦されてきた名歌・名句6,186を集大成。歌謡・狂歌・俳諧歌なども収録。引きやすく、調べやすい作者別・年代順の配列。すべての歌・句について、意味・詠まれた背景・特色などを簡潔に解説。鑑賞の手引きに、作歌・作句のヒントに最適。 2004年9月10日 発行
●この本について <本書の趣旨> 和歌・短歌と俳諧・俳句は、世界文学の中で独自の光彩をはなつ短詩系文芸である。その伝統は脈々と継承され、今日でも多くの人々が日々これに親しみ、鑑賞し、創作を続けている。また、短歌・俳句は、いまや国民的文芸と称されるほど多数の創作人口を持っている。本書は、長い歴史の中ではぐくまれ、愛唱されてきた名歌・名句を一巻に網羅し、手軽に親しめ、かつ創作の一助ともなる[名歌・名句辞典]を目ざした。 <本書の特色> 1.和歌・短歌、俳諧・俳句、狂歌、川柳の名歌・名句6186を集め、一冊に集成。これまで人々に親しまれてきた歌・句を中心に、名歌・名句として評価の定まった歌・句、時代や作者の特徴をよく示している歌・句、および、将来、古典になると思われる歌・句を精選して収録した。また、中学・高校の国語教科書に掲載されている歌・句は、できるだけ取り上げた。 2.各歌・句にはすべて専門家による[意味][解説]付き。 <この本の構成> 1.[和歌・短歌編][俳諧・俳句編]の二部構成。「和歌・短歌編」は、上代・中古・中世・近世・近代・現代に分け、歌謡はそれぞれの時代の中に入れ(以上、和歌・短歌・歌謡=計3,221首)、狂歌(82首)を続けた。「俳諧・俳句編」は、近世・近現代(以上、俳諧・俳句=計2,632句)に分け、川柳(251句)を続けた。 2.歌・句の収録は、作者別とし、歴史的(生年順)に配列した。 3.本文の最後に、「辞世の歌」「辞世の句」のコラムを載せた。 <解説について> 1.近世までの歌・句については、[意味]で歌・句の大意を示し、[解説]で、その歌・句の詠まれた背景や作者の心情、名歌・名句とされる所以、難解な語句の意味などを解説した。 2.明治以降の歌・句、および川柳・狂歌は、[意味]を省き[解説]のみとした。 3.俳諧・俳句では、解説の最後に「季語」「切字」を載せた。 4.明治以降の歌・句、および川柳・狂歌は、[意味]を省き[解説]のみとした。 <巻末付録>
1.短歌・俳句史年表
●はじめに 和歌・短歌はおよそ1300余年の歴史を持ち、俳諧・俳句は600余年の歴史を持つ。その長い歴史の中で生み出された作品は膨大な数におよび、今日ただいまも、現代の歌人・俳人によってたくさんの作品が日々書き継がれている。数え切れないほどたくさんのそれらの中から、歌と句合わせて6186作品を選出した。 古典から現代までの全体を見渡せるアンソロジーがほしい、近年そういう声を聞くことしばしばである。本格的な情報化時代に入って、アンソロジーの重要性はいっそう高まったように思われる。情報化が進めば進むほど、多様な情報整理が求められるからであろう。私自身も、日ごろ数種のアンソロジーを手元に置いて利用させてもらいながら、さらに別のアンソロジーも欲しいと思いつづけてきた。6000を越える作品をおさめたこの一冊が、情報化時代のアンソロジーとして多くの読者と出会ってくれるとうれしい。 作品選出にあたっては、名歌・名句として一般に親しまれてきた歌・句をできるだけ広くもれなく収録しつつ、日本詩歌史の本流をたどれるようにしたい、そんな贅沢なイメージの実現を目ざした。さらに日本詩歌史の幅広さも反映したいとの考えに立って、歌謡・狂歌・川柳・戯笑歌・俳諧歌等をも収録した。 本書の特色は、和歌・短歌と俳諧・俳句を一冊におさめたことである。最近は短歌と俳句の距離が遠くなっている感じだ。研究の世界でも、歌壇・俳壇においても、専門化が進んだせいもあって、視野を狭くとる者が多くなり、他ジャンルへの関心がうすれてきたかに見える。かつては両者の距離は遠くはなかった。 芭蕉がおどろくほどの広さと深さで短歌を読みこんでいた事実はご存じの通りである。塚本邦雄をはじめとする前衛短歌運動の担い手たちが、いかに多くを俳句から学んでいたかも周知の通りだ。 互いに影響・反発の関係をたもちうる距離にあるとき、短歌も俳句も、ともに充実したのである。そのあたりの経緯は文学史が教えてくれている。両者を一冊におさめた本書の意図をくんで、積極的に活用していただきたいと思う。 本書は収録した全作品に「解説」を付し、古典作品には理解の参考になるように「意味」を付した。執筆には115人のそれぞれにふさわしい研究者・歌人・俳人に協力をお願いした。執筆者には、各研究分野・歌壇・俳壇の先端的成果を取り込みつつ平易な記述を心がけるという、無理な要請をこなしていただいた。編者として大いに感謝しているところである。 すでに解釈・解説がなされている歌や句もむろん多いが、本書ではじめて解釈・解説された作も少なくない。また、従来の解釈・解説に改訂をくわえているケースも本書にはかなりある。それらをふくめて、すぐれた執筆者による「意味」「解説」の充実と斬新さに注目していただければ幸いである。 もちろん、日本文学の研究者・歌人・俳人はもとよりのこと、学生・生徒諸君、日本の詩歌に興味を持つ広い層の方々に広く利用していただけるよう、心がけたつもりである。 本書の企画は、和歌・短歌担当の佐佐木幸綱、俳諧・俳句担当の復本一郎が協議を重ねて具体化した。編集段階で、平田英夫(古典和歌)、谷岡亜紀(近現代短歌)両君に加わってもらい、何度もの会議をへて編集案を決定した。具体的な進行にあたっては、三省堂編集部の松本裕喜氏、日本レキシコの源良典氏になみなみならぬお世話になった。記して謝意をあらわしたい。 2004年6月 佐佐木幸綱 ●凡 例 一、本書の趣旨 |