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何でもわかる文章の書き方百科

何でもわかる文章の書き方百科

平井昌夫 著

2,300円 B6変 624頁 978-4-385-15067-X

リポート、論文、随筆の書き方から俳句、川柳、短歌の作り方まで、文章を書く時に必要な知識をあらゆるジャンルにわたって解説した「文章の百科事典」。「文章」「書く手順」「効果的な書き方」「語句と文字の選び方と使い方」「いろいろな文章の書き方」の五部構成。巻末に「事項索引」「固有名詞索引」。文章を書く機会の増えたパソコン時代の現代人必読の書。1984年8月に刊行された「何でもわかる文章の百科事典」の新装版。

2003年5月1日 発行



●まえがき

 文章を作ること全般の問題にわたってくわしく取りあげてみたいと思っていました。このたびようやくその望みがかなえられました。本書は文章について何でもこまかに述べてあります。

 よくわかるように書いたり話したり、正しく考えたりする技能を身につけていることは、現代のわれわれとしてたいせつな資格です。そして、このような技能は、小学校から大学にいたるまで、どんな専門の人であろうと、くり返し教育を受けなければ、なかなか上達できるものではありません。外国では、この三つの技能を大学でも念を入れて教育している国が多いようです。

 わが国ではどうでしょうか? つづりかた教育が一部で叫ばれていますが、一般には文章を書くことをあまりやっていません。話すことなどは、学校で教えなくても、自然にできるようになると、なん人かの教育者でさえ意見を述べています。正しく考える技能にいたっては、ほとんど取りあげられていません。第二次世界大戦後は、大学で論理学を教えるところがぐんとへってしまいました。論理学の学問は教える大学がいくつかありますが、正しい論理の使い方は実技に類すると思われているためか、学問の真髄を究めるとされている大学では教えないようです。

 近ごろは、文章がひどく乱れていると新聞の学芸欄でもしばしば指摘されています。ところが、文章の乱れがひどく目立つ文学作品でも、何々文学賞が受けられることがあります。悪文を書いていても、新しい感覚だとほめられかねません。

 現在および今後の文章は、わかりやすさを第一の条件としています。コミュニケーションということが強調されるようになって、わかりやすい文章、筋のとおった文章、論理的な文章こそが、名文だとされるようになってきました。飾りの多い、持ってまわった表現技巧をちらちら見せびらかす文章は、今の時代では名文とは呼ばれなくなってきました。文章観が、人が感心する美文から人にわかる名文へと変わってきたのです。

 自分の感じたことや訴えたいことを話しコトバや書きコトバをとおして、ほかの人たちに理解してもらう必要は、われわれのだれにでもあることです。そして、このことは、だれにでもできなければ困ることです。文章を書くのは文章のタレントだけの仕事ではないといえます。だれでもができなければなりません。そんなとき、本書はお役に立つことでしょう。

 アメリカの映画のひとこまを思い出します。文章の書き方を教える大学の女講師が、「文章のいちばんたいせつなことは何ですか?」と言って、教室を見まわしました。たまたまぶらっとはいっている新聞記者と目があったので、彼に答えをうながしました。彼はすぐ「正確さ(accuracyです。」と答えました。彼女はすぐ「そうです。正確さです。」と三度言いました。このことだけがわたしの印象にあざやかに残っています。

 本書には、例文を豊かに取りあげてあります。これはいろいろな形や特色を持ったさまざまな人の文章をお見せしたいからです。例文は古いのも新しいのも関係ありません。どれも文章表現の参考になるという立場から選びました。

 例文を引用させていただきました方々、出版社、新聞社には心から感謝いたします。また、引用させていただいた方の勤務先や肩書きなどで現職と違うぱあいは原稿を書いた当時のもので す。

 本書は初めから順をおって読まなくても、必要に応じて読んだり、また、興味を引いたところを読んだりすればよいのです。

 本書はわたしの文章についての総決算です。新しく書き加えたところもたくさんありますが、つぎにあげるわたしの書物のエッセンスをも取りました。

 国語教育ハンドブック    一九五五年 六月 牧書店
 文章採点          一九五九年一二月 講談社
 わかりやすい文章の書き方  一九六一年 六月 講談社
 話す・書くための常識    一九六八年 七月 未央書房
 人を感動させる文章術    一九六九年 五月 大和書房
 文章表現法         一九六九年 七月 至文堂
 文章評価法         一九七一年一〇月 至文堂
 新版 文章を書く技術    一九七二年一一月 社会思想社

 本書の編集にあたっては、編集部の亀井龍雄、渋瀬登、田代金治のみなさんにいろいろと助言を受けました。あつくお礼申しあげます。

一九八四年七月

平井昌夫

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