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あなたのがん治療 本当に大丈夫?
─セカンドオピニオンQ&A─

あなたのがん治療 本当に大丈夫?

キャンサーネット・ジャパン 編

1,600円 A5 280頁 978-4-385-36217-5

がんの治療は選択肢も個人差も大きく悩んでいる人は多い。国内で初めてセカンドオピニオン窓口を始めたがんの専門医グループが、寄せられた1万件にのぼる質問を徹底分析! 代表的な悩みと疑問に答える!

2005年7月15日 発行

 目  次
 編著者・執筆者紹介
 はじめに
 セカンドオピニオンとは?
 座談会2 患者が知りたいホントの抗がん剤治療
医療・健康サイト

 キャンサーネットのHP
 日本医療コーディネーター協会のHP

 病気になった時すぐ役に立つ相談窓口・患者会1000(品切)
 人気の専門外来を知るガイド
 放射線をかけると言われたら〈新版〉
 抗がんサプリメントの効果と副作用徹底検証!
 心臓突然死は救える
 睡眠時無呼吸症候群のすべて
 甲状腺がんなんて怖くない
 患者のためのがん治療事情
 悪化するがんの治療百科 改訂版
 続 悪化するがんの治療百科


●目  次

◎はじめに ─ 一人で悩まないでセカンドオピニオンを─ 1
◎セカンドオピニオンとは? 3

 座談会1 キャンサーネット・ジャパンのセカンドオピニオン相談 7

第1章 がん発見! 治療の選択肢といろいろな手術について聞きたい  15

   がんの基礎学習 細胞診、組織診(生検)とは?/病期(ステージ)とは?/がんの手術のいろいろ 16

  非浸潤性乳がんの治療法 25 /乳がんの予後因子 26 /乳がんと乳房温存療法 27 /乳がんと乳房再建 28 /乳がん治療後の妊娠 29 /リンパ節郭清後の注意点 30 /胃がんと内視鏡手術 32 /早期胃がんの腹腔鏡下手術 33 /胃がんとダンピング症候群 34 /スキルス胃がん 35 /大腸ポリープとがん 40 /直腸がんの手術 41 /直腸がん、肛門残せるか? 42 /大腸がんと腹腔鏡下手術 43 /卵巣がんの治療 45 /卵巣がんと出産 46 /子宮がん、取らずに治せる? 47 /肺がんと治療の選択 49 /肺の働きが悪いが手術は大丈夫? 50 /肺がんと胸腔鏡下手術 50 /糖尿と心臓病、食道がんの手術は避けたい 51 /食道がんの内視鏡手術 52 /リンパ節まで郭清する食道がんの手術 53 /膵臓がんの治療成績は? 54 /膵臓がんの拡大手術 55 /肝臓がん手術の成功率は? 58 /肝臓がんで門脈内に腫瘍栓 59 /胆管がんと手術、ラジオ波 59 /胆のうがんと手術のいろいろ 60 /甲状腺乳頭がんと手術 61 /前立腺がんのホルモン療法 62 /脳腫瘍と治療の選択 63 /高齢や他の持病があるが、手術は大丈夫? 64 /手術後の合併症とは? 66 /消化器の手術と合併症 67 /がんと風邪予防 68 /がん治療中の生活で気をつけるべきこと 69

医療コーディネーターの思い1  初期がん治療のケース  嵯峨泰子 36

医療コーディネーターの思い2  最後の言葉を重ねては思うこと  嵯峨泰子 71

コラム 腫瘍外科医の独り言   吉田和彦 73

第2章 再発予防の抗がん剤治療の効果とは?─副作用も心配です  75

   主な抗がん剤一覧 76

   がんの基礎学習 抗がん剤治療の効果と副作用を知る/抗がん剤の奏効率とは何を指しますか? 80

 座談会2 患者が知りたいホントの抗がん剤治療 84

  乳がん転移なしと抗がん剤 89 /乳がんとUFT 90 /乳がん治療と副作用 91 /乳がんとハーセプチン 92 /乳がんと性生活 92 /ホルモン療法アリミデックス 94 /胃がん手術後の抗がん剤治療 95 /大腸がんとUFT 96 /子宮体がんと抗がん剤 97 /子宮頸がんと抗がん剤 98 /卵巣がんと抗がん剤 98 /子宮体がんとCAP療法 99 /肺がんと抗がん剤 100 /肺がんとイレッサ 101 /食道がんと抗がん剤 102 /膵臓がんと抗がん剤 103 /肝臓がんと抗がん剤 103 /胆管がんと抗がん剤 104

医療コーディネーターの思い3  再発がん〜治験とハーセプチン─未承認薬を使う意味  嵯峨泰子 105

第3章 放射線治療に危険はないの?─効果と副作用  107

   がんの基礎学習 放射線治療の効果と副作用を知る 108

  放射線で下痢 111 /断端陽性と放射線治療 112 /PET検査 113 /食道がんと放射線治療 114 /子宮頸がんと放射線治療 115

第4章 がん治療の医学データについてとことん知りたい!  117

  がん治療の目標と達成の判断 118 /生存期間と生存率 119 /生存曲線とは? 120 /勘違いしやすい医者の言葉 121 /がんの予後因子 122 /再発後の延命率 123 /がんと長期生存 124 /がんと余命 125

第5章 再発をチェックする経過観察のすべて  127

   腫瘍マーカーの見方・考え方 128

  再発をチェックする経過観察 130 /乳がんを全摘出、再発が心配 131 /乳がんと腫瘍マーカー 132 /乳がん治療後の経過観察 132 /大腸がん治療後の経過観察 133 /乳がん術後とPET検査 134

第6章 再発したとき─治療の選択肢  135

   がんの基礎学習 〈再発〉とは何か?/〈再発の治療〉を知る! 136

  乳がんの再発と治療 139 /乳がんの再発とラジオ波治療 139 /進行期胃がんの治療 140 /結腸がんの肝転移 141 /直腸がんの局所再発 142 /大腸がんの肝転移 142 /食道がんの再発と治療 143 /卵巣がんの肺転移で手術? 144 /肝臓がんの原発再発と手術 145 /肝臓がん再発とラジオ波治療 146 /肝臓がんと肝臓移植 146 /前立腺がんの再発と治療 147

第7章 どこまでやるか? やめるか? 再発時の抗がん剤治療  149

   がんの基礎学習 臨床試験への参加を勧められましたが、受けた方がよいでしょうか? 150

 座談会3 再発後の抗がん剤治療の考え方 152

  抗がん剤とホルモン剤の併用は? 156 /転移再発乳がんと抗がん剤 157 /乳がんの再発と抗がん剤 158 /乳がんの肺転移と抗がん剤 159 /胃がんの再発と抗がん剤 160 /大腸がんと経口抗がん剤 161 /直腸がんの再発と抗がん剤 162 /子宮頸がんの再発と抗がん剤 163 /卵巣がんの再発と抗がん剤 163 /膵臓がんの再発と抗がん剤 164 /進行性肺がんと抗がん剤 165 /肺がんとイレッサ 166 /抗がん剤をどこで止めるか? 167

第8章 再発時に放射線治療が一番良いがんもある  169

  脳転移と放射線治療 170 /骨転移と放射線治療 171

第9章 免疫療法はどの程度効くの?  173

  免疫療法とは? 174 /がんと免疫システム 175 /特異的免疫治療 176 /非特異的免疫治療 177 /免疫治療と代替療法の違い 178

第10章 サプリメントはどこまで信用できるか?  179

  がんと健康食品 180 /サプリメントの効果と副作用 181 /遠隔再発と代替療法 186

第11章 転移した臓器別のがん治療について知りたい  187

   がんの基礎学習 転移したがんの治療を知る 188

  乳がんの転移 191 /乳がんのリンパ節転移と腫瘍マーカー 192 /乳がんの骨転移 193 /骨転移と手術 194 /胃がんの腹膜播種 194 /卵巣がんと腹水 195 /胸水がたまった肺がんの治療法 196 /肺がんの転移…イレッサ後の治療とは? 197

第12章 がんの痛みSOS!  199

   がんの基礎学習  がんの疼痛と原因/がんの痛みをとるための方法 200

  がんの転移による痛み 203 /前立腺がんの骨転移で痛み 204 /胃がんの転移とモルヒネ 205 /卵巣がんのIV期でモルヒネ 206

第13章 悪化していくがんの症状と対策  207

 座談会4 主治医から「もう方法がありません」と言われたら 208

  乳がんの転移後 215 /食欲が落ちてきました 216 /悪化する肺がん 217 /膵臓がんと腹水・血尿・嘔吐 218 /悪化するがんと家族の支え 219

第14章 在宅ホスピスケアのメリットと家族がやるべきこと  221

医療コーディネーターの思い4  在宅医療〜「サイレント・コンセンター」にしない  嵯峨泰子 222

  在宅ホスピスとは? 224 /訪問回数と費用 224 /家族の環境的な準備 225 /家族がしてあげられること 228

第15章 ホスピス・緩和ケア病棟はどんなところ?─緩和ケアの実際  229

コラム 緩和ケア医の独り言   岩瀬 哲 230

医療コーディネーターの思い5  臨終からその後の役割  嵯峨泰子 232

  がんの転移とホスピス 234 /がんの最期と症状 235 /ホスピス・緩和ケア病棟とは? 237 /入院費用 238 /どんなケアが受けられますか 239 /モルヒネについて 239 /死を迎える準備 240 /最期の救命・蘇生 241 /遺言書とリビングウィル 242

一覧表 緩和ケア病棟承認・届出受理施設の紹介 244
日本医療コーディネーター協会 247
キャンサーネット・ジャパン
「セカンドオピニオンとともに」 南雲吉則 250
一覧表 全国がんセカンドオピニオン協力医リスト 254
編著者/執筆者紹介 
索引


●編著者・執筆者紹介

編著者

南雲吉則

ナグモクリニック東京・大阪・福岡総院長。キャンサーネット・ジャパン代表。東京慈恵会医科大学外科講師、東京女子医科大学第二病院形成外科講師、韓国東亜医科大学客員教授、中国大連医科大学客員教授、医学博士。
専門:乳房外科、乳房形成術
一言:「女性のバストの美容と健康を生涯にわたって守る」。7000例を超える乳房形成術の経験と、乳がん手術医としての技術を生かし、他の病院で温存が不可能と言われた乳がんも「乳房温存療法」または「皮下乳腺全摘術と同時再建」によって乳房形態を温存する。その卓越した手術の腕には定評がある。外来:ナグモクリニック─月・火・木・土曜、大阪─水曜、福岡─金曜。

吉田和彦

東京慈恵会医科大学外科助教授(附属青戸病院副院長・外科診療部長)
専門:腫瘍外科(消化器がん、乳腺がん、甲状腺がん)、内視鏡手術
一言:現代医学のキーワードは「科学的根拠にもとづく医学(EB M)」と「患者さん中心の医療(Patient Centered Medicine)」です。両者が尊重された時に、患者さんはがん治療において最大の利益が得られます。EBMが導入されることにより、いままで観念的に行われてきた医学はより真理に近づきます。また、今までのパターナリズム(家父長制度)に代わって患者さん自身がより主体的にがん治療に取り組むことにより、納得した治療を受けることができます。残念ながら医学には限界があり、すべてのがんが治るわけではありません。患者さんもきちんと勉強して、覚悟する必要があります。患者さんと医療者がお互い尊敬しあいながら情報、判断、責任を共有できれば、理想的なパートナーシップが成立します。
外来:慈恵医大外科─火・水・土曜、セカンドオピニオン外来─土曜(ナグモクリニック・予約制)

岩瀬 哲

東京大学医学部放射線科を経て、現在、東京大学附属病院緩和ケア診療部副部長。キャンサーネット・ジャパン科学ディレクター。ナグモクリニック、賛育会病院外科非常勤医。
専門:乳腺の総合診療科(放射線科、乳腺外科、化学療法、緩和ケア)
一言:「外科医、放射線科医、腫瘍内科医、緩和ケア医としての経験を生かし、エビデンス(科学的根拠)に基づいた、患者さんにとって最善の医療を提供する」。乳がんの国際学会に数多く出席し、最新の情報を提供。日本の乳がん医療に新風を巻き起こしている。厚生労働省の乳がん診療ガイドライン作成委員。
外来:ナグモクリニック─土曜午後、賛育会病院外科─木曜午後。

嵯峨﨑泰子

日本女子大卒。医師と患者さんの橋渡しをする、我が国初の医療コーディネーターとして全国的に活躍をしている。現在、日本医療コーディネーター協会会長、日本看護協会化学療法認定看護師養成講座講師、東京医科歯科大学教養部非常勤講師
専門:医療コーディネーター、看護師。
連絡先:野崎クリニック/医療コーディネート外来(要予約・自費)Fax 03-5621-5027
一言:あなたの思いが医療者に上手く伝わらないことで、がんの標準治療から離れて行く事や、後々後悔する方向に進むことを避けて欲しいのです。科学的根拠のある情報をもって病気についてできるだけ正しく理解していただきたいと考えています。その上であなたの声、生き方、価値観を医療者に伝えて行けるよう信頼関係を構築できればと思います。科学的根拠を元に診断し、治療提案する医師に対しあなたの本心を"響く言葉"で置き換え、整合性をとることが医療コーディネーターの仕事でもあります。どんなに困難だと思われることでも、できるようにするためにどうするかを、共に考えたいと思っています。私達は、本著をお手にされた貴方のお気持ちとそんなに離れてはいないと信じています。

執筆者(アイウエオ順)

礒西成治

東京慈恵会医科大学産婦人科診療医長/専門:卵巣がん化学療法の基礎と臨床を基本テーマとし、婦人科腫瘍学全般を扱う。/一言:標準的治療法を基礎とし、各個人の状況に合わせこれを修飾していく。治療がすすむにつれて生じる本人の精神的な動揺、不安を十分にケアしていくことに留意することが大切。

後小路世士夫

東京共済病院消化器外科部長/専門:消化管悪性腫瘍。特に下部消化管の内視鏡治療、外科手術治療。/一言:セカンドオピニオンを考える前に、まずファーストオピニオンをしっかりと受けることが最も重要です。

畝村泰樹

東京慈恵会医科大学外科学講座講師/専門:肝胆膵のがんに対する外科治療、外科感染症。/一言:肝臓・胆道・膵臓のがんは手ごわい相手であり、いまだに大きなリスクを伴う手術が必要なことも多いものです。しかし、決してあきらめることはありません。自分にとって大切なことを見つめ、医師とよく話し合い、最良の治療を選択してください。私は、患者さんは自分の親や兄弟だと思って接するように心がけています。

首藤義幸

麻生病院副院長、麻酔科部長/専門:麻酔、集中治療。/一言:がんの手術治療において、全身状態の評価、周術期(術前、術中、術後)管理が患者さんの予後に少なからず影響を与えると考えています。手術を受けるにあたっては、十分な経験と知識を有した麻酔科医、及び麻酔に関する適当な指導者のいる病院(麻酔科認定病院)を選択されることが好ましいと考えています。

鳥居伸一郎

鳥居泌尿器科・内科 院長/専門:泌尿器科画像診断、東洋医学、代替医療。/一言:教科書通りの治療がベストかといえば、例外があると思っています。もちろんEBM(科学的根拠に基づく医療)も大切ですが、その人の生活の背景、価値観や世界観、今後の人生に対する考え方を一番に尊重し、どのような治療を望んでいるのかを把握した上で、「その人に」最も適した治療を患者さんと共に選択することが重要だということです。


●はじめに ─ 一人で悩まないでセカンドオピニオンを─

 真っ暗な道を一人とぼとぼと歩いていることを想像してみて下さい。そこは見知らぬ土地であり、何が起こり、どこにたどり着くのかも見当がつかないとします。こんな状況で不安を感じない人がいるでしょうか。同じことががん治療についてもいえます。

 病気一つしたことのない人が、ある日、「がん」を宣告される。それがどのような病気なのか、何が起きてどうなるのかも分からない。主治医は一方的に手術と抗がん剤を強要するだけで、くわしく説明してくれない。まわりに誰も相談する人がいない。そんな状態で、ただ「がんと闘え」と言われても不安はつのるばかりです。

 がん患者さんが自らの価値観に照らして、自らの治療法を自ら選択する「患者主体の医療」を実現するためには、「がんの告知」は不可欠です。しかし、何の心構えもなしに事実を突きつけられ、訳も分からないまま一人放り出されれば、不安を通り越して目の前が真っ暗になるのではないでしょうか。

 「がんの告知」とは、ただ単に病名を告げることではありません。その行為を通して、医師と患者の信頼関係を構築し、患者の生涯にわたって最善の医療を提供することであるはずです。

 しかし、我が国の医療では、医師・患者間の溝が深く、時間的・物理的制約があるため、ただ単に病名を告げ簡単な説明で終わってしまうことのほうが多いのです。こうした現状を打開するために生まれたのが「セカンドオピニオン」というシステムです。

 複数の医師の意見を聞くことにより、多くの知識が得られます。多くの考え方に接することができます。多くの治療方針を知ることができます。それぞれの医師の得意・不得意が分かります。自分の考えを整理することができます。自分にあった治療法と主治医を自分で選ぶことができます。納得した医療を受けることができます。

 しかし、現実には主治医に気兼ねしてセカンドオピニオンを受けられないという方もかなりいます。私達が行っているがんの情報提供ボランティア「キャンサーネット・ジャパン」に寄せられる年間2000件を越える相談の多くがこうした方達です。

 私達はこのボランティアを通して、多くのがん患者さんの悩みに接することができました。そして悩みには多くの共通性があり、その解決法にもいくつかの法則性があることが分かりました。この情報を共有できれば、ほとんどのがん患者さんが悩みを解決できることを実感しました。そこで生まれたのがこの本です。

 この本には次のような特徴があります。

(1)キャンサーネット・ジャパンにこれまで寄せられた1万件を越える相談から、頻度と重要性の高い質問を厳選してある。
(2)どんながんの治療にも役立つ、総論的な情報を掲載してある。
(3)とくに代表的ながんについては、知っておくべき各論的情報を提供してある。
(4)必要な部分だけを短時間に読めるように、簡潔に回答してある。
(5)主治医に対する質問の仕方やセカンドオピニオンの切り出し方を解説してある。

 この本は1万件を越えるがんのセカンドオピニオンのエッセンスです。がんの悩みを解決してくれる情報や秘訣が満載されています。

 あなたがこれから通る道は、すでに多くのがん患者さんが通ってきた道です。あなたが今感じている悩みや不安は、すでに多くのがん患者さんが感じてきたことです。そして、あなたが手にしなければならないセカンドオピニオン情報は、すでに多くのがん患者さんが手にしてきたものなのです。

 この本を手にすれば、もうあなたは暗い夜道で一人おびえることはありません。すでにがんを克服した方たちの経験が、あなたの通る道を明るく照らし、あなたをゴールへと導いてくれることでしょう。

 がんを宣告され不安を感じている方、主治医にセカンドオピニオンを言い出せない方、主治医やセカンドオピニオン医に何を聞いたらいいのか分からない方、セカンドオピニオンを受ける時間のない方、セカンドオピニオンを受けたがさらなる情報を希望している方は、ぜひこの本をおそばにおいて下さい。きっと力強い味方となるはずです。

著者一同

 (文中に引用された質問は個人情報保護のために編集してありますので、特定の個人・団体を指すものではありません)


●セカンドオピニオンとは?

 セカンドオピニオンの流れ

 あなたががんと診断されてからセカンドオピニオンを通じて治療法を決定するまでには以下のような手順が必要です。

 (1)がんの告知:主治医は検査・診断ののち、あなたに病名の告知を行います。
 (2)インフォームドコンセント:主治医はあなたの同意を得るために、治療法について説明をします。
 (3)カルテ開示:あなたがセカンドオピニオンを希望するとき、主治医は必要な診療情報を開示・提供します。
 (4)セカンドオピニオン:あなたは診療情報を持って他の医師の意見を聞きます。
 (5)治療法および医師の選択:あなたは複数の意見を元に、治療法とそれを行う医師を選択します。

 セカンドオピニオンの問題点

 セカンドオピニオンを利用しなかった患者さんたちにその理由を聞くと、以下のような答えが返ってきました。

 (1)セカンドオピニオンというシステムがあることを知らなかった、または主治医から知らされなかった。
 (2)セカンドオピニオンを希望していることを主治医に言いだせなかった、または言ったが協力してもらえなかった。
 (3)セカンドオピニオンを受け入れてくれる病院が見つからなかった、または行ったが受け入れてもらえなかった。

1 セカンドオピニオンの告知・推奨

 セカンドオピニオンはあなたの基本的人権であり、その告知と推奨は医師の責務です。

 アメリカのアクション映画を観ていると、警察官が容疑者を逮捕したときまず「弁護士を呼ぶ権利と黙秘する権利がある」と言いますよね。相手が犯罪者であっても、基本的人権を奪うことは許されません。

 同じように医療においても、あなたがセカンドオピニオンを知らない、または言い出せないことをいいことに、セカンドオピニオンを受ける権利を奪ってはいけないのです。そこでアメリカではセカンドオピニオンの告知が州法によって義務付けられています。

 我が国でも法制化が検討されていますが、まだ時間がかかりそうです。現時点では個々の医師がセカンドオピニオンの告知・推奨に努めるべきでしょう。

2 セカンドオピニオンへの協力

 では、あなたがセカンドオピニオンを希望したときの主治医の反応はどうでしょう。

「僕の言うことが信じられないの?」
「どこへ行っても同じだよ」
「紹介状は書くけど検査結果は渡せないよ」
「そんなことをしていたら、がんが広がって手遅れになるよ」
「よそに行ったら、もうこの病院には戻れないよ」

 こうなると嫌がらせや脅迫のようなものです。どうして主治医は
あなたがセカンドオピニオンを受けるのをいやがるのでしょう? その理由は次のとおりです。

 (1)患者が自分以外の医師の意見を希望することでプライドが傷つく。
 (2)見落としや誤診を指摘されることがある。
 (3)患者をよその病院に取られてしまう。

──しかし、これらもあなたにとってはいいことずくめです。

 (1)診断・治療に関してさまざまな意見を聞くことができる。
 (2)見落としや誤診を防止できる。
 (3)あなたの知る権利と選ぶ権利が遵守される。

 私もセカンドオピニオンを希望する患者さんに協力したところ、セカンドオピニオン医から診断上の誤りを指摘されたことがあります。そのおかげで診断ミスを犯さずにすんだのです。つまりセカンドオピニオンに協力すれば患者さんばかりでなく医師にとっても恩恵があるのです。

3 セカンドオピニオンの受け入れ

 あなた方の多くは、果たして自分を受け入れてくれる医師がいるのかを心配しています。

 確かに医師の中には「ただ意見を聞きに来ただけなら時間の無駄だ」、「時間ばかり食って一般の外来が滞ってしまう」、「はっきりいって採算が合わない」という意見が多いのが事実です。

 現行の健康保険のもとではいくら長時間相談に乗っても1回270点、つまり2700円です。もしそれが再診の場合は74点つまり740円にしかなりません。医療をビジネスとして考えれば、セカンドオピニオンは全く採算が合いません。一部の医師だけが1日に何件ものセカンドオピニオンを受け入れることは事実上不可能です。しかし、全ての医師がセカンドオピニオンを受け入れれば、1人の医師にかかる負担は軽減され、医療レベルは向上します。その結果、医療は信頼を回復し、採算性はおのずから向上するはずです。

 さらに現在進行中の医療制度改革によって、近い将来セカンドオピニオンで保険請求が可能になる見通しです。

4 セカンドオピニオン宣言!

 以上のような問題点を踏まえて、われわれキャンサーネット・ジャパンではセカンドオピニオンを普及させるために以下のような宣言を行っています。

 (1)医師はセカンドオピニオンという権利があることをあなたに告知し、推奨します。
 (2)医師はあなたがセカンドオピニオンを希望したときは、カルテ開示を含めて全面的に協力します。
 (3)医師はあなたがセカンドオピニオンを希望して来院したときは、全面的に受け入れます。

5 セカンドオピニオンの利点

 ここでもう一度セカンドオピニオンの利点についてまとめてみましょう。

 ■多くの情報が得られる。
 ■複数の医師の異なった意見が聞ける。
 ■複数の診療科の異なった治療法を知ることができる。
 ■主治医の診断・治療方針に誤りがないか確認できる。
 ■治療法について専門医間で検討してもらえる。
 ■自分に最も合った治療法および治療医を自分で選ぶことができる。

 さらに以下のような応用も可能です。

 ■あなたには困難な専門的交渉を、もう一方の医師に代行してもらう(法律における弁護士と同様の代理人)。
 ■手術は遠隔地の名医にしてもらい、術後検診や抗がん剤の処方は地元の医師に頼む(地域を越えた医療連携)。
 ■手術・放射線・抗がん剤治療のそれぞれを、異なる施設の外科医・放射線科医・腫瘍内科医に分担してもらう(診療科の枠を越えた医療連携)。

6 真のセカンドオピニオンとは?

 あなたばかりか医師までもが、セカンドオピニオンとは「今かかっている医師が気にくわないとき、他の医師のところへ走ること」だと勘違いしています。

 ある医師のところで検査・診断を受けたが納得がいかない。そこで他の医師にかかって改めて検査・診断を受ける。すると言うことが違うため、ますます不安になって3番目の医師にかかる。検査のデータはすべて医療施設に置き去りにされ、医師同士の連係がないため、医師を替えるたびに検査をやり直さなければならない。しかし、これはセカンドオピニオンではなく「ドクターズショッピング」と呼ばれています。

 それでは真のセカンドオピニオンとはどのようなものなのでしょう。野球に例えればあなたはピッチャーで、がんは相対する手ごわいバッターです。どんなにあなたががんばっても一人では闘えません。自分の背後を守ってくれるチームメイトが必要です。それが主治医でありセカンド医・サード医なのです。彼らがあなたを中心としたチームを構成し、絶妙のチームプレーを発揮してくれれば最高の闘いができるのです。このように「施設の枠組みを越えた医療連携」こそが真のセカンドオピニオンなのです。

(文責:南雲吉則)

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