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  アルバムの家


アルバムの家

女性建築技術者の会 著 (⇒ HP

1,800円 A5 256頁 978-4-385-36273-1

「忘れていた宝物。10歳の自分を発見する本」と帯にあるように、33人の女性建築士が自分が育った家と暮らしをみずみずしい感性で綴った昭和の家物語。まだピースもチーズもない時代の少女達は、つぎズボンにゲタで満面の笑み。「そうそう私もこんな頭してた」「うちもこんなだった。懐かしいわー」。間取り図やイラスト70点、写真50枚。思い出が次々と押し寄せてきて、心がほわっと温かくなる楽しい本。

2006年11月17日 発行



『アルバムの家』『家づくりのバイブル』マスコミ紹介記事一覧

『住宅建築』2007年3月号での書評 2007.1.21朝日新聞での書評 まえがき 著者略歴 目次 見本ページ 読者カード 朝日新聞での紹介記事(2006.10.15 朝刊「生活欄」) 紀伊民報2006.11.25の紹介記事 テレビ信州 加納美也子アナウンサー のブログでの紹介 紙魚子の小部屋「2007/1/31 久々出勤」での紹介 「書評空間」での四釜裕子さんの書評
『家づくりその前に』 『家づくりのバイブル』



●『住宅建築』2007年3月号での書評 (筆者は梅田一穂・文星芸術大学助教授)

 この本もまた「記憶」がキーである。女性建築家33人が自分の育った家の記憶を、間取り図におこして、そこからまた記憶をつむぎだしていく。方法も視点も建築家の手法である。多くの執筆者が、今の仕事(建築家)を志した契機を、その記憶再構成作業の中から引き出しているのは興味深い。生活空間の改良が動機なのである。

 この本は編集上の工夫にあふれている。執筆者は女性建築技術者だが、「建築のうんちくはできるだけ避け」られている。けれども、最初にでてくる500語の言葉は、広く建築用語として読むことができる。建築の手触りは、言葉でもまた伝えられる。

 この本の工夫で最も魅力的なアイディアは、70枚の写真である。さりげない、どこにでもある写真だが、記憶の記述と重なって、「写真の中の時間」が蘇る。ここでも歴史という言い方は相応しくない。33人の記憶を貫く軸は、歴史の時間軸ではない。それぞれの生きてきた過程の中で、10歳という共通項設定の仕方がすばらしい。写真に写った時間は、時の幅をもちながら、人が生きていくことの普遍性をも感じさせる。撮影地、撮影場所もまた北から南から、都会、田舎、とまちまちなのだが。

 記憶の中の家はただ懐かしいだけではない。女性建築技術者たちの眼には、現在自分が向き合っている建築の課題と重なる。ほとんどの執筆者が便所の記憶を書いているが、それは苦い思い出としてである。ここに書かれた昭和の後半期の生活は、まだまだ不便で、不衛生だったことは確かである。活き活きと、前向きに生きてきたことは確かだが、より良く生きるために改良されるべき点はたくさんあった。

 都市計画も、住宅政策も最初はかなり切羽詰まったところから始められた。しかし、すべてを変えてしまうことが改良ではないことを、つづけられてきた凄まじい勢いの改変の途中で解ってきたのだろう。何か間違っているのかもしれない、と。振り返って開い直すことが必要だ、と。

 つまり、わたしたちの住まいと暮らしは、家の外形と深い閑係があるが、それと同じに、あるいはそれ以上に、心の記憶が、家を形成している、という認識である。思い出として残る家が、建築家の仕事の課題として、残す(壊さない)家を引き出す。家は、建物として、そんなに簡単に壊してしまうべきものではない。ずっと住みついでいく、作りついでいくという方向をも考えていくべきだ。執筆している建築家たちはそれぞれに、そう自問しているように思われる。



●2007.1.21朝日新聞での書評 (2007.2.2掲載許諾/無断転載禁止)

[評者]陣内秀信(法政大学教授・建築史)

■子供時代の暮らし、間取り図とともに

 「三丁目の夕日」の少女版とも言える本書は、女性建築士らが自分の育った家と暮らしを、過去の記憶を紡ぎ出して綴(つづ)った素敵(すてき)な本だ。

 北海道から九州まで、小学生の頃住んだ家の話を33人の女性が包み隠さず披瀝(ひれき)。建築のプロの思いがこもる手書きの家の間取り図は、味があって楽しいし、屈託のない子供達(たち)の笑顔の写真も最高。著者達の気取りのない素直な文章は、普段着の暮らしを実によく伝える。どのページからも、懐かしさが込み上げる。

 高度成長期に入る前の日本の家の様子を本書はリアルに再現する。物質的豊かさや便利さとは縁遠いが、素朴な生活の中に家族の絆(きずな)、温かさが感じられる。だが家庭のしつけは厳しく、仕置きで物置に閉じ込められることも。少女達はこうして逞(たくま)しく育った。

 本書は戦後住宅史の貴重なデータベースでもあるが、実は大半の家が農家、職人の仕事場、または店舗等、生業と結びついていた。子供達は親の生き様を見て、手伝いながら育った。登場する専用住宅といえば、ほとんど転勤族の官舎や社宅なのが面白い。

 核家族は少ない。3世代同居が当たり前で子沢山(こだくさん)だ。狭い家に大勢住むから、自分の部屋が持てた喜びは格別だった。玄関や廊下の隅でも、自分の机をもつのが嬉(うれ)しかった。

 著者達の記憶に最も強く残るのが、4畳半の茶の間での家族揃(そろ)っての食事、団欒(だんらん)。日本の住まいの原点だ。そして家の外れにある、どこか怖いポットン便所。近代の機能主義が捨て去った不思議な場の力が存在した。お気に入りの五右衛門風呂の話も面白い。

 子供達はともかくよく遊んだ。家の押し入れ、庭、路地、原っぱ、境内、田んぼ。どこも遊びの天国だった。コミュニティーなんて言う必要もない程(ほど)、近所づき合いは濃かった。

 本書の価値は懐かしさだけではない。家庭や地域の崩壊が叫ばれる今、住まうことの根本を問い直す。便利で快適なだけで、果たしてよいのか。住む人の人生の素晴らしい記憶となるような家づくりをしたい。本書の執筆を通じてそう実感した彼女達の今後の家づくりの実践に期待したい。



●まえがき

 「ワンルームにしてください。」
 マンションのリフォームを頼まれた時の話です。

 夫婦と子ども4人の6人家族なのにワンルーム?

 とびっくりしたのですが、よくよく話を聞くと、持ち物も少なく、設備もシンプルに、
生活も簡素にしたいということです。

 日頃、過剰装備に疑問を感じていた頃だったので、意気投合して、そぎ落とせるだけそ
ぎ落としました。これでいいんだ! と新しい解答が出た感じです。
 それでも心配になり、家族に聞いてみました。

 一番下の中1の男の子は「ぼくのプライバシーは机の引き出し1つかな?」、高1の次
女は「ハンモックを吊るすから大丈夫」と言い、高3の男の子は1人になりたい時は外に
出るとか。お母さんは何もないと掃除もしやすいと言い、お父さんは寝ちゃえばわからな
いしと、全くユニークな家族です。

 出来上がった間取りは、昔懐かしい「田の字型プラン」。そういえば私たちが育った家
も、襖や障子などを外せば、あけっ放しのワンルームだったことに気づかされました。
 人と人とが肩寄せ合っていたあの頃のシンプルな家と暮らしを書き留めておこうと、建
築の仕事に携わる私たちが、子どもの頃の記憶を呼び起こしてみました。

 私たちは、タイムマシンに乗って、思いっきり10歳の子どもに戻ってみました。心に刻
まれていてすぐ思い出せた事柄から記憶の糸をたぐり寄せていくと、隠れていたり、押し
込められ押しつぶされていた場面が、その時感じた思いと共にだんだん鮮明によみがえっ
てきました。最初は間取り図からたどりましたが、住宅に関わる事柄だけに収まりきれず
、どんどん広がってゆき、「こころ」の旅となりました。「過去って古臭いわ」なんて最
初は思っていましたが、いやいやどうして、未来につながる旅の始まりでもありました。
懐かしい昔を思い出すというよりもむしろ、今の自分自身を見直すことになり、新鮮な発
見がありました。

 この本には、北海道から九州まで33の家物語があります。各々に当時の家の所在地を記
し、間取り図をつけました。

 執筆者33人は昭和15年〜42年生まれですから、この本に書かれた時代は、昭和20年代〜
50年代、ちょうど昭和の後半の30年間に当たります。

 皆さんも一緒に子どもの頃に戻って、ひととき「記憶の中の住まい」への時間旅行を楽
しんでみてください。きっと、忘れていた宝物が見つかりますよ。

                            著者・女性建築技術者の会



●著者略歴

女性建築技術者の会

76年に発足した建築関係の仕事にたずさわる女性の集まりで、会員は20代から60代まで幅広い。月1回の定例会では(子連れ参加も自由),建築,仕事,女性,家族,環境など多岐にわたるテーマで話し合い,いろいろな考え方を尊重しあい,研究会も開いてきた。生活者、女性ならではの家族・暮らし・建築に対する視点を持ち、「建て主との丁寧な話し合いによる家づくり」をモットーに,新聞・雑誌の連載,パネル展,講演活動などを続けている。住まいの相談や設計依頼の窓口としての役割も担う。機関誌「定木」を毎月発行。86年に10周年記念誌『よくばり協奏曲』,96年に20周年記念誌『よくばり協奏曲第2楽章』を発刊。06年の30周年に『アルバムの家』(三省堂)を刊行。

著書
『いきいきさわやかダイニング&キッチン』88年,経済調査会/『あかるくさわやかサニタリー』89年,経済調査会/『家づくり その前に』92年,三省堂/『家づくり「気分一新」のリフォーム』98年,講談社/『家族のキッチン&ダイニング』04年,亜紀書房/『楽しくつくるダイニング&キッチン』05年,経済調査会

事務所●〒102-0071 東京都千代田区富士見1-11-23フジミビル502号室

TEL/FAX 03-5211-2404 HP http://www.h5.dion.ne.jp/~jogikai/



●目  次

★ タイトル・家の所在地(現在の地名)・執筆者名の順

天然のステンドグラス      北海道旭川市 島田眞弓
豆ごはんを蒸かす甘い匂い    青森県青森市 葛西和子
映画さ、えがねが?     秋田県由利本荘市 福井綾子
りんごの家          長野県下伊那郡 大平幸子
ベランダとお父さん      群馬県前橋市 中林美知子
ネズミの運動会        群馬県前橋市 新見美枝子
がんこな祖父、権三郎     群馬県太田市 糸井あさ美
ツバメのお宿          栃木県佐野市 羽沢昌子
前のうちは良かったね     埼玉県所沢市 越阪部幸子
今日はおでかけ!      埼玉県さいたま市 岡部千里
汲み取り屋様がお見えになった  東京都目黒区 渡会有子
タンスでご飯          東京都港区 東 由美子
だだっ広い廊下         東京都大田区 古村伸子
掘りゴタツでラジオを聴いていた 東京都新宿区 菊池邦子
歩いて5歩の田舎        東京都葛飾区 金井江理子
官舎も学校もできたてほやほや  東京都小平市 杉山経子
帰りたい家はどこ?      神奈川県横浜市 今井淳子
亭主関白の家         神奈川県二宮町 浜田幾惠
魚屋の暮らし         神奈川県平塚市 岸 英子
おかーちゃんは?        千葉県柏市 岡村由紀惠
男尊女卑の家         千葉県千葉市 松崎志津子
父の藤棚            千葉県千葉市 森 聖子
団地は私のパラダイス      千葉県船橋市 戸川理子
わが家は人の通り道      静岡県静岡市 小渡佳代子
初代三角敷地の家        石川県金沢市 勝見紀子
めがおじいさんとまやのある家 島根県雲南市 松井真由子
ワクワクよその家探検     兵庫県西宮市他 田中洋子
なんでも母の手作りだった    三重県松阪市 鈴木久子
チイちゃーん、ご飯よー   和歌山県田辺市 加部千賀子
いつも大勢が同居していた   香川県高松市 大宇根成子
瀬戸内海のみかんの家      愛媛県今治市 説田仁子
紅いハンカチ         福岡県八女市 矢賀部雅子
うちのお風呂はゴエモン!    宮崎県延岡市 廣田文子



●朝日新聞での紹介記事 (2006年10月15日朝刊「生活欄」/2006.10.18掲載許諾/無断転載禁止)



●紀伊民報2006.11.25の紹介記事
紀伊民報2006.11.25

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